カテゴリ:コラム:伝わりにくい医学用語( 2 )

患者さんに伝わりにくい医学用語 その2:結節(けっせつ)

e0156318_17435724.jpg・結節(けっせつ)

医師:「---胸部CTを撮影してみたんですが、小さい結節がありますね。」

患者さん:「ケッセツですか?」

医師:「はい、結節です。大きさはそこまで大きくありませんので、もう少し検査をしないといけませんね。」

 この会話では、結節という言葉の意味が患者さんに伝わっていません。結節は、呼吸器内科では肺内の30mmまでの陰影のことを指しますが、皮膚科(皮膚病変)、循環器科(刺激電導系)、小児科・神経内科(結節性硬化症)でもこの用語を用いることがあると思います。

 結節は元来医学用語ではありませんが、患者さんはその発音だけで漢字をイメージできないので、結節の意味を噛み砕いて説明する必要があります。個人的には「クリッとした小指の爪くらいのカゲがある」などと言うことがあります。ただし、「カゲ」という言葉を使うとがんをイメージする患者さんが多いので、「モノ」とか「丸いモノ」とか濁して言うこともよくあります。


by otowelt | 2015-04-13 00:35 | コラム:伝わりにくい医学用語

患者さんに伝わりにくい医学用語 その1:狭窄(きょうさく)

e0156318_10161775.jpg・はじめに
 患者さんにとって分かりにくい医学用語がたくさんあります。しかし、病状説明の中にその言葉が登場してもその都度質問してこられる患者さんは少なく、理解できない単語として流されることもあります。私たち医療従事者は、普段当然のように使っている言葉が決して慣用的なものではないことを認識しなければなりません。


・狭窄(きょうさく)
医師:「---つまりここの気管支が狭窄しているわけです。」

患者さん:「はあ、キョウサクですか。」

医師:「はい、そうです。そのため気管支をカメラで直接のぞく必要があると思います。」

 この会話の場合、狭窄という言葉の意味がわからず、なぜカメラで気管支をのぞく必要があるのか、患者さんは理解できていません。

 狭窄は医学用語ではありません。ただし、日本の医療現場では頻繁に使われており、病名や症候にも登場するほどです(大動脈弁狭窄症、視野狭窄など)。狭窄の“狭”はその字の通り、“狭い”という意味です。そして、狭窄の“窄”は“窄(つぼ)む”という意味で、これは細長いものの先が小さくなることを表します。

 「気管支が狭窄している」ではなく、「気管支が狭くなっている」と説明する方がよいと思います。もちろん、気管支という言葉もなじみの薄い言葉であるため、気管・気管支・肺の絵を描いて説明した方がよいかもしれませんね。


by otowelt | 2014-10-23 00:01 | コラム:伝わりにくい医学用語