カテゴリ:びまん性肺疾患( 258 )

初期評価で蜂巣肺がみられないIPF患者の臨床経過

e0156318_1543237.jpg 外科的肺生検でUIPと診断されている、蜂巣肺がみられないIPFの症例の報告です。非常に興味深いです。

Yamauchi H, et al.
Clinical Course and Changes in High-Resolution Computed Tomography Findings in Patients with Idiopathic Pulmonary Fibrosis without Honeycombing.
PLoS One. 2016 Nov 9;11(11):e0166168. doi: 10.1371/journal.pone.0166168. eCollection 2016.


背景:
 IPFの患者の幾人かは、初期評価において胸部HRCTで蜂巣肺を有さない。その臨床経過や胸部HRCTの経時的変化はよく分かっていない。

方法:
 われわれは日本各地の登録施設において、初期評価の胸部HRCTで蜂巣肺を有さないIPF患者43人を登録した。すべての患者は外科的肺生検でIPFと診断された。他の疾患を除外すべく、2011~2014年に5回にわたり多面的討論がなされた。IPF患者30人において胸部HRCTの経時的変化を評価した。30人の患者は胸部HRCTを3パターンに分類し、その臨床的特徴や予後を明らかにした。30人のIPF患者は2011年の国際ステートメントに記述されたpossible UIPパターンに相当する。

結果:
 長期フォローアップ(71.0±38.7ヶ月)において、蜂巣肺は16人(53%:蜂巣肺群)に出現し、牽引性気管支拡張あるいは蜂巣肺を伴わない嚢胞は12人(40%:非蜂巣肺群)に出現し、2人は変化がみられなかった(7%:変化なし群)。
 蜂巣肺群と非蜂巣肺群の平均生存期間は、それぞれ67.1ヶ月、61.2ヶ月であった(p = 0.76)。胸部HRCTで蜂巣肺がないが慢性的に進行するIPF患者が存在した。

結論:
 初期評価において蜂巣肺がみられないIPF患者において、フォローアップ中に胸部HRCTで蜂巣肺が出現しても予後には影響がみられないかもしれない。

by otowelt | 2016-11-25 00:14 | びまん性肺疾患

慢性過敏性肺炎に対するセルセプト®あるいはイムラン®の有効性

e0156318_1063321.jpg 膠原病肺の治療でもセルセプト®の名前をよく耳にするようになりました。
 CHPの論文をみたとき、本当にCHPなのかよく吟味する必要があります。どのくらいIIPsや膠原病関連ILDが含まれているのか・・・。

Morisset J, et al.
Use of mycophenolate mofetil or azathioprine for the management of chronic hypersensitivity pneumonitis.
Chest. 2016 Nov 2. pii: S0012-3692(16)62296-1.


背景:
 慢性過敏性肺炎(CHP)の治療はしばしば全身性ステロイドが用いられるが、その適切な薬物マネジメントは不明である。プレドニゾンによる合併症の懸念から代替治療の発展が望まれている。われわれは、CHP患者の肺機能に対するミコフェノール酸モフェチル(MMF)あるいはアザチオプリン(AZA)の治療効果を比較した。

方法:
 CHP患者でMMFあるいはAZAで治療された患者を後ろ向きに4施設から登録した。肺機能の変化、治療前後の変化が線形混合効果モデルを用いて解析され、年齢、性別、喫煙歴、プレドニゾン使用歴によって補正された。

結果:
 70人の患者が登録され、51人がMMF、19人がAZAを使用した。フォローアップ期間中央値は11ヶ月であった。治療開始前のフェーズでは、%努力性肺活量および%DLCOはそれぞれ1ヶ月ごとに0.12%、0.10%減少した(いずれもp<0.001)。MMFあるいはAZAの治療は努力性肺活量の改善とは関連していなかったが(1年時+0.5%, p=0.46)、DLCOは1年後有意に改善していた(+4.2%、p<0.001)。
 結果はMMFを1年治療されたサブグループ患者群でも同等であった(努力性肺活量+1.3%、p=0.103、DLCO+3.9%、p<0.001)

結論:
 CHP患者に対するMMFあるいはAZAはDLCOの改善と関連している。CHPに対する効果を検証するために前向きランダム化比較試験の実施が望まれる。

by otowelt | 2016-11-17 00:48 | びまん性肺疾患

間質性肺疾患診断目的の外科的肺生検の死亡率(イギリス):1.7%

e0156318_1462333.jpg アメリカの症例についても同じ著者が同様の論文を書いています。ハイリスク症例に対しては、外科的肺生検が下火になるかもしれませんね。

間質性肺疾患診断目的の外科的肺生検の死亡率:待機的手術で1.7% 

 外科的肺生検の過去の死亡率に関する報告をまとめると、表のような感じでしょうか。
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Hutchinson JP, et al.
Surgical lung biopsy for the diagnosis of interstitial lung disease in England: 1997-2008.
Eur Respir J. 2016 Nov;48(5):1453-1461.


背景:
 国際的ガイドラインおよびIPFの新規表的治療の発展により、間質性肺疾患(ILD)の正確な診断の必要性が増している。この研究は、イギリスの患者の処置リスクを調べたものである。

方法:
 1997年~2008年の間にイギリスでILDの診断目的に外科的肺生検を受けた患者の病院統計データを用いて解析した。胸部外科手術を受けた患者は、ICD-10コードでILD症例を抽出し、OPCS-4で外科的肺生検症例を抽出した。肺切除症例や肺癌症例は除外した。われわれは、処置後の院内死亡率、30日死亡率、90日死亡率を調べた。

結果:
 12年間でILDの外科的肺生検を受けた2820人を同定した。期間を経るごとに生検数は増えていった。院内死亡率は1.7%、30日死亡率は2.4%、90日死亡率は3.9%だった。男性、高齢者、合併症の存在、開胸手術は死亡のリスク因子だった。

結論:
 ILDに対する外科的肺生検は肺癌の肺葉切除術と同様の死亡率であり、臨床医および患者はこのリスクを理解すべきである。

by otowelt | 2016-11-16 00:12 | びまん性肺疾患

アジア人IPF患者におけるGAPシステムの生存期間予測

e0156318_23175710.jpg 個人的にはILD-GAPを用いていますが、個人差が大きいので目安にならないという専門家も多いです。

Lee SH, et al.
Predicting survival of patients with idiopathic pulmonary fibrosis using GAP score: a nationwide cohort study.
Respir Res. 2016 Oct 18;17(1):131.


背景:
 IPFの臨床経過はさまざまである。GAPモデルは死亡率を予測する上で有用だが、生存期間はGAPスコアごとに妥当化されていない。われわれは、IPF患者において、GAPスコアによって予後がどのように異なるのか調べた。

方法:
 韓国間質性肺疾患研究グループは、2003年~2007年にIPF患者のさまざまな臨床的背景を調べる国内サーベイを実施した。患者は2002年ATS/ERS基準に基づいてIPFと診断された。われわれは1685人のIPF患者を登録し、1262人にDLCO評価をおこなった。患者はGAPスコアによって層別化された。
 すなわち、GAPスコアグループ(総得点)0:26人、グループ1:150人、グループ2:208人、グループ3:376人、グループ4:317人、グループ5:138人、グループ6:39人、グループ7:8人。

結果:
 高いGAPスコアとGAPステージは予後不良と関連していた(p < 0.001, respectively)。グループ3における生存期間は、グループ1および2よりも短く(p = 0.043、p = 0.039)、グループ4,5,6よりも長かっ(p = 0.043, p = 0.032, p = 0.003)。性別、年齢、DLCO(%)はグループ2と3の間で有意に差がみられた。GAPモデルの4因子はグループ3および4の間で有意な差がみられた。
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(GAPステージおよびスコアごとのKaplan-Meier曲線)

結論:
 IPF患者におけるGAPシステムは有意に死亡率を予測する。しかしながら、アジア人患者ではGAPスコア3点のIPF患者は有意に他のステージ1および2とは異なる予後だった。

by otowelt | 2016-11-09 00:57 | びまん性肺疾患

抗Jo-1抗体陽性ILD患者の臨床的特徴

e0156318_82629.jpg MESACUP™ anti-ARSテストが普及してきました。

Zamora AC, et al.
Clinical features and outcomes of interstitial lung disease in anti-Jo-1 positive antisynthetase syndrome.
Respir Med. 2016 Sep;118:39-45. doi: 10.1016/j.rmed.2016.07.009. Epub 2016 Jul 16.


背景:
 antisynthetase(AS)症候群の筋外所見として間質性肺疾患(ILD)はよくみられる。ILDの頻度は抗Jo-1抗体陽性患者で高いとされている。これらの患者の長期アウトカムデータは不足している。

方法:
 15年にのぼって、われわれは抗Jo-1抗体陽性AS症候群およびILDの患者を同定した。患者背景、肺機能検査、胸部HRCT、組織病理学的所見、長期生存を解析した。

結果:
 103人の患者が同定された(平均49.2歳、女性70%)。筋所見でよくみられたのは、多発性筋炎(64%)、皮膚筋炎(24%)だった。およそ半数の患者がAS症候群およびILDを6ヶ月以内に診断された。肺機能検査は98%が拘束性換気障害であり、胸部HRCTにおいてNSIPがもっともよくみられたパターンで(52%)、次いでNSIP+OPだった(22%)。39人から生検データが得られた。
 10年生存率は68%だった。ILD診断時年齢、性別、努力性肺活量、DLCOで補正すると多変量解析において男性(ハザード比2.60、p=0.04)、発現時のDLCO(ハザード比0.94, p=0.05)が有意に死亡を予測する因子だった。

結論:
 ILDを有する抗Jo-1抗体陽性AS症候群の大規模コホートの結果を提示した。生存率は良好であった。

by otowelt | 2016-11-01 00:11 | びまん性肺疾患

事後解析:IPFに対するスタチンは臨床アウトカムを改善

e0156318_911482.jpg 事後解析ですが意外な結果でした。スタチン自体が悪さをしないのであれば、内服してもよいのかなと思う内容です。
 IPFの治療がもっと進んでほしいと願っています。私が呼吸器内科で一番進歩を望んでいるのは、IPFです。

Michael Kreuter, et al.
Effect of statins on disease-related outcomes in patients with idiopathic pulmonary fibrosis.
Thorax. 2016 Oct 5. pii: thoraxjnl-2016-208819. doi: 10.1136/thoraxjnl-2016-208819. [Epub ahead of print]


背景:
 IPF患者に対するスタチンの効果については議論の余地がある。この事後解析は、スタチンのIPF関連アウトカムに対する効果を調べたものである。

方法:
 3つのピルフェニドンの比較試験(CAPACITY 004, 006、ASCEND試験)においてプラセボ群に割り付けられた624人が対象となった。ベースラインのスタチン使用によって層別化をおこなった。アウトカムは1年後の疾患進行、死亡率、入院、死亡あるいは努力性肺活量減少絶対値10%以上の複合アウトカム、死亡あるいは50m以上の6分間歩行距離短縮の複合アウトカムとした。

結果:
 ベースラインにおいて276人(44%)がスタチンを使用しており、348人(56%)がスタチンを使用していなかった。スタチン使用者の方が高齢で心血管疾患およびリスク因子の頻度が高かったことを除いて、両群とも患者背景は同等であった。ベースラインの患者背景を補正した多変量解析において、スタチンの使用は死亡あるいは6分間歩行距離減少(ハザード比0.69; 95%信頼区間0.48 to 0.99, p=0.0465)、入院(ハザード比0.58; 95%信頼区間0.35 to 0.94, p=0.0289)、呼吸器関連入院(ハザード比0.44; 95%信頼区間0.25 to 0.80, p=0.0063)、IPF関連死亡率(ハザード比0.36; 95%信頼区間0.14 to 0.95, p=0.0393)を有意に改善した。IPF疾患進行(ハザード比0.75; 95%信頼区間0.52 to 1.07, p=0.1135), 総死亡(ハザード比0.54; 95%信頼区間0.24 to 1.21, p=0.1369)、死亡あるいは努力性肺活量減少(ハザード比0.71; 95%信頼区間0.48 to 1.07, p=0.1032)に対しては有意な効果は観察されなかった。
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(文献より引用)

結論:
 この事後解析によれば、スタチンの使用はIPFの臨床アウトカムに利益があるかもしれない。妥当性検証のために前向き臨床試験が必要である。


by otowelt | 2016-10-31 00:50 | びまん性肺疾患

終末期IPF患者の意思決定は遅れがちで、不必要に検査・治療されがち

e0156318_1543237.jpg ひどい場合、死の直前まで血糖測定とインスリンスライディングスケールが指示されていることもあります。糖尿病を有している患者さんの場合、高血糖による死亡を避けるという大義のもと、決して間違いではないのでしょうが・・・。私はなんだか違和感を感じるのです。

Rajala K, et al.
End-of-life care of patients with idiopathic pulmonary fibrosis.
BMC Palliat Care. 2016 Oct 12;15(1):85.


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は生存期間の中央値が2~7年の進行性の疾患である。緩和ケアは、大部分の患者が肺移植の適用とならないがゆえに、患者ケアの重要な位置を占める。この研究の目的は治療プラクティス、意思決定、IPFの終末期ケアにおける症状を記述したものである。

方法:
 59人の患者をIPFコホート(FinnishIPF)から登録した。そして、死亡前6ヶ月の診療録記載を後ろ向きに解析した。

結果:
 47人(80%)の死亡場所が病院だった。ほとんどの患者(93%)は、終末期6ヶ月のうち平均30日入院していた(1-96日)。終末期の意思決定およびDNRオーダーはそれぞれ19人(32%)、34人(57%)の患者で明示されていたが、22人(42%)は死亡3日以内に決定された。死亡日の時点で、抗菌薬は79%に投与されており、非侵襲的換気は36%の患者に実施されていた。死亡24時間以内では、放射線学的検査あるいは血液検査などの生化学的検査はそれぞれ19%、53%の患者におこなわれていた。こういった終末期の検査や延命治療はより高度な病院でよく行われていた。全体的に、呼吸困難感(66%)、疼痛(31%)がもっともよくみられた症状だった。最終週~死亡までの間で、オピオイドは71%の患者に投与されていた。

結論:
 ほとんどのIPF患者は、延命的な処置を実施しやすい病院で死亡していた。オピオイドは症状緩和のために頻繁に使用されているものの、終末期意思決定は極めて遅いことが分かった。早期の緩和ケア介入とプランによって死にゆくIPF患者の終末期ケアを改善させることができるかもしれない。


by otowelt | 2016-10-28 00:17 | びまん性肺疾患

アジア人のLAMに対する長期シロリムスの安全性と有効性

e0156318_21492533.jpg  トラフ値コントロールと用量調整がうまくいけば、シロリムスの長期内服達成も十分可能のようです。

Takada T, et al.
Efficacy and Safety of Long-term Sirolimus Therapy for Asian Patients with Lymphangioleiomyomatosis.
Ann Am Thorac Soc. 2016 Aug 11. [Epub ahead of print]


背景:
 リンパ脈管筋腫症(LAM)の患者に対するシロリムスの12ヶ月治療は肺機能を安定化させることがランダム化比較試験によって示されている。しかしながら、投薬中断後の肺機能減少は、継続的な曝露が疾患進行を抑制するのに必要であることを示唆している。

目的:
 アジア人LAM患者における長期シロリムスの継続性と忍容性を明らかにすること。

方法:
 シロリムスのシングルアームオープンラベル安全性および有効性試験を日本の9施設の63人のLAM患者に対して実施した。患者はトラフ値を5-15ng/mLに維持するようシロリムス用量を調整し2年継続処方された。

結果:
 52人(82.5%)の患者が試験を完遂した(平均薬剤コンプライアンス80%超)。治療開始6ヶ月の間に有害事象をきたすことが多かったが、2年の試験期間の間その頻度は徐々に減少した。1549の有害事象のうち、27は重篤と判断された。そのうち3人はシロリムスによる可逆性の薬剤性肺傷害だった。新規の高コレステロール血症が30人(48%)、小赤血球症が10人、体重減少が30人、治療を要する血圧上昇が5人にみられた。1秒量、努力性肺活量、QOLは試験期間中安定していたが、ベースラインから2年次までの肺機能の改善は乳び胸の既往があるサブセット患者に観察された。

結論:
 アジア人LAM患者における長期シロリムス治療は有害事象の多さ(3人の肺障害を含む)と関連していたが、ほとんどの患者は2年の内服を良好なコンプライアンスで完遂し、QOLと肺機能は安定していた。


by otowelt | 2016-10-20 00:01 | びまん性肺疾患

INPULSIS試験層別化解析:ニンテダニブは肺機能が保たれたIPFに対しても有効

e0156318_7331272.jpg ATS2015で発表されたものが論文化されました。

Kolb M, et al.
Nintedanib in patients with idiopathic pulmonary fibrosis and preserved lung volume.
Thorax. 2016 Sep 26. pii: thoraxjnl-2016-208710. doi: 10.1136/thoraxjnl-2016-208710. [Epub ahead of print]


背景:
 IPFの治療をいつ開始するかコンセンサスはない。肺機能が保たれた患者では治療を導入しない方がよいとする内科医もいる。

目的:
 IPF患者のうち、肺機能が保たれた例が肺機能が障害された例と同等の利益がニンテダニブから得られるかどうか調べること。

方法:
 INPULSIS試験に登録された患者のうち、努力性肺活量(%FVC)が90%を超えていた274人(ニンテダニブ166人、プラセボ108人)、%FVCが90%以下であった787人(ニンテダニブ472人、プラセボ315人)に分けて解析をおこなった。

結果:
 %FVCが90%を超えていた群の平均年齢は67.9歳、71.5%が男性、54%が白人、平均DLCOは52.6%だった。
 プラセボで治療を受けた患者において、補正年間FVC減少は%FVC90%超群と90%以下群で同等だった(それぞれ-224.6 mL/年、-223.6 mL/年)。ベースラインの%FVCが90%超および90%以下の患者において、ニンテダニブによる補正年間FVC減少はそれぞれ-91.5mL/年(プラセボとの差133.1/年、95%信頼区間68.0-198.2)、-121.5mL/年(プラセボとの差102.1mL/年、95%信頼区間61.9-142.3)。
 ニンテダニブによる有害事象は両群同等だった。

結論:
 この解析により、軽度の肺機能障害を有するIPF患者に対してもニンテダニブはFVC減少を軽減する効果があると考えられた。


by otowelt | 2016-10-13 00:22 | びまん性肺疾患

非対称性IPFの臨床的特徴

e0156318_7331272.jpg 非対称性のものをIPFと呼んでいいものか議論の余地がありそうですが・・・。定義上は問題ありません。
 血流が少ない肺は蜂巣肺になりやすい印象があります。

Callahan SJ, et al.
Clinical characteristics in patients with asymmetric idiopathic pulmonary fibrosis.
Respir Med. 2016 Oct;119:96-101. doi: 10.1016/j.rmed.2016.08.028. Epub 2016 Aug 31.


背景:
 IPFの患者の中には、他方よりも明らかに病勢が強い一群が存在する。現時点では、より対称性のIPF患者とこうした左右差のある集団にどのような差があるのか分かっていない。われわれは、非対称性の患者の臨床的特徴を調べ、どのように疾患が進行するのかについても調べた。

方法:
 この後ろ向き症例対照研究において、われわれは間質性肺疾患(ILD)データベースから14人の非対称性IPF患者を抽出した。また、28人の対称性IPFコントロール患者を同データベースより抽出し、臨床的特徴を比較した。

結果:
 非対称性IPF患者は、対称性IPF患者と同様の臨床的背景を有しており、男性64%、年齢69歳、喫煙歴57%だった。総死亡率は非対称性群の方がわずかに高い傾向があった(p = 0.089)。肺機能は診断時には非対称IPF患者の方が低かったが、両群とも徐々に減少していく経過をたどった。両群のIPF急性増悪については統計学的に有意な差は観察されなかった(非対称性IPF群:43%, 対称性IPF群39%, p = 0.824)。GERDの頻度も両群50%と同等だった。

結論:
 非対称性IPF患者は通常の対称性IPF患者と同様の臨床増であるが、生存期間は短い可能性がある。


by otowelt | 2016-10-12 00:41 | びまん性肺疾患