カテゴリ:びまん性肺疾患( 299 )

Glasgow予後スコアはIPF急性増悪の死亡を予測する上で有用

e0156318_7331272.jpg 2つの血清マーカーだけで予測できる点は評価できると思うので、前向きに登録したコホートで検証していただきたいところですね。

Kang HS, et al.
Prognostic significance of Glasgow prognostic score in patients with acute exacerbation of idiopathic pulmonary fibrosis.
Respirology. 2017 Oct 12. doi: 10.1111/resp.13184.


背景および目的:
 Glasgow予後スコア(GPS)は全身性炎症反応を反映し、肺癌の独立予測因子としても有用である。われわれは、GPSがIPF急性増悪の臨床アウトカムを予測する因子であるかどうか調べた。

方法:
 これは2006年1月から2016年3月までカトリック大学校 ソウル聖母病院で行われた後ろ向き研究である。合計327人のIPF患者が登録された。入院時に明らかに肺炎がある患者、左心不全がある患者、肺塞栓がある患者、ALIの原因が同定できている患者、アルブミンあるいはCRPが測定されていない患者は除外された。

結果:
 IPF患者66人が解析対象となった。生存期間中央値は20.7日で、20人(43.9%)の患者が入院中に死亡した。全生存期間は、GPS0点で26.0日、GPS1点で20.0日、GPS2点で15.0日だった。GPS0点と2点の間には全生存期間に有意な差がみられた(P = 0.002)。Cox回帰モデルを用いた多変量解析では、好酸球減少症(P = 0.007)、低P/F比(P = 0.014)、高GPSスコア(P = 0.006)は死亡の独立した予測因子だった。

結論:
 GPSはIPF急性増悪の死亡を予測する上で有用である。


by otowelt | 2017-10-26 00:19 | びまん性肺疾患

静岡CEP研究:慢性好酸球性肺炎における遷延性肺機能障害

e0156318_2331765.jpg 日常臨床でよく経験することです。CEPで有名な浜松医科大学からの報告です。

Suzuki Y, et al.
Persistent impairment on spirometry in chronic eosinophilic pneumonia: a longitudinal observation study (Shizuoka-CEP study).
Ann Allergy Asthma Immunol. 2017 Sep 21. pii: S1081-1206(17)30649-X. doi: 10.1016/j.anai.2017.08.009.


背景:
 慢性好酸球性肺炎(CEP)は、肺に好酸球の集積を伴う原因不明の肺疾患である。全身性ステロイド投与が劇的な改善をもたらすが、半数近くがCEPの再発を経験し、肺機能の遷延性低下をきたす患者もいる。しかしながら、遷延性の肺機能障害を予測する因子は同定されていない。

目的:
 CEPにおける遷延性の肺機能障害の発生を調べ、その予測因子を同定すること。

方法:
 CEPと診断され1年を超えて追跡された連続133人を登録した観察研究である。スパイロメトリーが診断時と追跡時に実施された。

結果:
 観察期間(6.1±4.1年)の間、75人(56.4%)が再発を経験した。特筆すべきは、最終評価において42人(31.6%)が遷延性の肺機能低下をきたしていたことである(27人:閉塞性、10人:拘束性、4人:混合性)。ロジスティック解析では、再発はこの肺機能障害とは関連していなかった。遷延性の閉塞性換気障害は、CEP診断時の喘息合併と閉塞性換気障害と有意に関連していたが、遷延性の拘束性換気障害は、診断時の胸部HRCT網状影と拘束性換気障害と有意に関連していた。

結論:
 CEPでは遷延性の肺機能障害はよく起こる。診断時の喘息合併と閉塞性換気障害は、その後の遷延性閉塞性換気障害の予測因子であり、また診断時の胸部HRCT網状影と拘束性換気障害は、その後の遷延性拘束性換気障害の予測因子であった。CEPのマネジメントにおいてこれら遷延性肺機能障害に注意すべきである。


by otowelt | 2017-10-25 00:49 | びまん性肺疾患

IPFの咳嗽に対するeFlowネブライザークロモグリク酸の有効性

e0156318_21341355.jpg 個人的にはサレド®がもう少し話題にならないのかなと思っています。

Surinder S Birring, et al.
A novel formulation of inhaled sodium cromoglicate (PA101) in idiopathic pulmonary fibrosis and chronic cough: a randomised, double-blind, proof-of-concept, phase 2 trial
Lancet Respiratory Medicine, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S2213-2600(17)30310-7


背景:
 咳嗽は特発性肺線維症(IPF)を消耗させる症状であり、治療が困難である。PA101はeFlowネブライザーを用いて吸入する新規クロモグリク酸ナトリウムで、過去の製剤と比べて高い肺内沈着率が達成できる。IPFおよび慢性咳嗽患者においてPA101の有効性と安全性を検証し、PA101の鎮咳メカニズムを明らかにした。また、慢性特発性咳嗽(CIC)の患者においても検証された。
 
方法:

IPF患者と慢性咳嗽患者におけるランダム化二重盲検プラセのボ対照比較試験において、PA101とプラセボを比較した。IPF患者と慢性咳嗽患者はイギリスとオランダの7施設から登録され、1:1にPA101(40mg)
とプラセボの吸入1日3回に割り付けられた。2週間のウォッシュアウト期間ののち、他の群へとクロスオーバーした。参加者、研究者、研究スタッフ、スポンサーはすべての参加者が試験を完遂するまでどちらの群に割り当てられたかマスクされた。プライマリ効果エンドポイントはベースラインからの客観的咳嗽頻度(Leicester咳嗽モニターによる24時間音響記録)の変化とした。プライマリ効果解析は少なくとも1回でも試験薬を投与された全患者が組み込まれた。安全性解析についても少なくとも1回でも試験薬を受けたすべての参加者を対象とした。2番目のコホートではCIC患者を4つの施設で同様のデザインと評価項目でランダム化試験に割り当てた。

結果:
 2015年2月13日から2016年2月2日の間に24人のIPF患者がランダムに割り付けられた。28人のCIC患者が同様の時期に登録され、27人が治療を受けた。
 IPF患者では、PA101はプラシーボと比べて14日時点での日中咳嗽頻度を31.1%減少させた(PA101:55±55回/時間→39±29回/時間、プラシーボ:51±37回/時間→52±40回/時間; 最小二乗平均の比0.67, 95%心理悪刊0.48–0.94, p=0.0241)。また、CICコホートにおいてはPA101の治療効果は観察されなかった(14日時点でのプラセボに対するPA101の日中咳嗽頻度平均減少 6.2% (最小二乗平均の差1.27, 0.78–2.06, p=0.31)。PA101は両コホートで良好な忍容性であった。有害事象の発生はPA101とプラセボの間で差はなく、ほとんどげ軽度であった。

結論:
 IPFの咳嗽メカニズムは疾患特異的なものであると考えられる。吸入PA101はIPFの慢性咳嗽の治療選択肢となりうる。


by otowelt | 2017-10-02 00:43 | びまん性肺疾患

線維性過敏性肺炎における努力性肺活量低下は予後不良因子

e0156318_10125425.jpg リサーチレターです。

Andrea Gimenez, et al.
Change in FVC and survival in chronic fibrotic hypersensitivity pneumonitis
Thorax, http://dx.doi.org/10.1136/thoraxjnl-2017-210035


概要:
 線維性過敏性肺炎における努力性肺活量(FVC)10%以上の減少が死亡リスクを予測するかどうかはよく分かっていない。

方法:
 112人の患者が組み込まれ、66人(59%)が外科的肺生検を受けて線維性過敏性肺炎と診断された。

結果:
 診断から6~12ヶ月で10%以上の%FVC低下がみられた患者は有意に総死亡率が高かった(生存期間中央値53ヶ月、95%信頼区間37-69ヶ月 vs 139ヶ月、 95%信頼区間66-212ヶ月、p=0.007)。多変量解析においても、この死亡との関連性は有意だった:%FVC10%以上の減少(ハザード比4.13, 95%信頼区間1.96 to 8.70, p=0.005), 低FVC%(ハザード比1.03 , 95%信頼区間1.01 to 1.05 , p=0.003)。また抗原回避は死亡リスクを減少させた(ハザード比0.18, 95%信頼区間0.04 to 0.77, p=0.021)。
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(文献より引用:Figure1B)


by otowelt | 2017-09-28 00:46 | びまん性肺疾患

鳥関連慢性過敏性肺炎では組織学的ばらつきがみられ、経時的にUIPパターンへ変化しうる

e0156318_10125425.jpg スペクトラムを持って色々な組織型が存在することが、この知見を裏付ける証左だと思います。

Ochi J, et al.
Histological variability and consequences in chronic bird-related hypersensitivity pneumonitis.
Respirology. 2017 Oct;22(7):1350-1356.


背景および目的:
 鳥関連慢性過敏性肺炎(BRHP)の空間的および時間的な組織学的ばらつきについては詳しく評価されていない。この研究では、BRHPにおける空間的-時間的な組織学的ばらつきを調べた。

方法:
 1992~2008年までに、外科的肺生検でBRHPと診断された患者52人が登録された。組織病理学的特徴が、2002年特発性間質性肺炎ATS/ERSコンセンサスによって分類された。剖検検体が7人から得られ、これについては外科的肺生検からの変化についても評価した。

結果:
 外科的肺生検に基づく評価では、7人の患者がcNSIPパターン、16人がfNSIPパターン、20人がfNSIP+UIPパターン(discordant UIPパターン)、9人がUIPパターン(concordant UIPパターン)に分類された。変化をみたフェーズでは、外科的肺生検でfNSIPパターンであった患者が細気管支中心性間質性肺炎(BIP)パターンあるいはUIPパターンに変化していた。

結論:
 慢性BRHPでは、葉間・葉内の組織学的ばらつきがみられた。幾人かの慢性BRHP患者は、早期にみられたfNSIPパターンがUIPパターンへと進展していた。


by otowelt | 2017-09-26 00:01 | びまん性肺疾患

肺胞蛋白症ではYKL-40が上昇し、高ければ疾患アウトカムが不良である

e0156318_10543430.jpg YKL-40をコードする遺伝子CHI3L1は、プロモータ領域での-131C→G変異がYKL-40蛋白の増加および1秒量の悪化と相関しています(N Engl J Med. 2008 Apr 17;358(16):1682-91.)。

Bonella F, et al.
Serum YKL-40 is a reliable biomarker for pulmonary alveolar proteinosis.
Respirology. 2017 Oct;22(7):1371-1378.


背景および目的:
 肺胞蛋白症(PAP)は肺胞を充満するまれな呼吸器疾患である。YKL-40はマクロファージや上皮細胞から産生されるキチナーゼ様タンパクで、間質性肺疾患の患者で上昇することがわかっている。キチナーゼはTh2細胞由来の炎症に対しても重要な役割を果たすことが知られており、喘息患者の組織においても過剰発現が確認されている。われわれは、今回PAPに対するYKL-40の役割を評価した。

方法:
 合計34人の自己免疫性PAP患者および50人の健常コントトールが登録された。YKL-40は血清および気管支肺胞洗浄液(BALF)中でELISA法を用いて測定された。キチナーゼコード遺伝子の多型(CHI3L1-329、 -131)がPCRおよびpyrosequencingで同定された。血清YKL-40レベルと疾患アウトカムの相関性が解析された。

結果:
 ベースラインの血清YKL-40およびBALF中YKL-40はPAP患者で有意に高かった(それぞれ286 ± 27 ng/mL vs 42 ± 4 ng/mL, P < 0.0001; 323 ± 36 ng/mL vs 3 ± 1 ng/mL, P < 0.0001)。血清YKL-40レベルはベースライン時および全経過中のDLCOと相関していた(それぞれP = 0.002、P < 0.0001)。疾患進行がみられたPAP患者では、血清YKL-40レベルが安定的あるいは改善がみられたPAP患者よりも高かった(P < 0.0001)。ベースラインのカットオフ値を300 ng/mLに設定すると、疾患進行を有意に予測できた(ハザード比7.875, P = 0.001)。Gアレルの存在は血清およびBALF中のYKL-40レベルと関連していた。

結論:
 YKL-40はPAP患者の血清およびBALFで上昇しており、アウトカムの予測に有用かもしれない。


by otowelt | 2017-09-25 00:44 | びまん性肺疾患

INJOURNEY試験:IPFに対するニンテダニブとピルフェニドンの併用療法

e0156318_21341355.jpg 副作用が問題なく、肺活量減少を明らかに抑制できるのであれば治療選択肢となるでしょう。マネジメント可能であると結論に書かれていますが、ちょっと忍容性については根拠が乏しいように思います。

Carlo Vancheri, et al.
Nintedanib with Add-on Pirfenidone in Idiopathic Pulmonary Fibrosis: Results of the INJOURNEY Trial
AJRCCM, https://doi.org/10.1164/rccm.201706-1301OC


背景:
 ニンテダニブとピルフェニドンはIPFの進行を遅らせるが、疾患は進行し続けることは間違いない。これら2剤の併用に関してさらなる安全性と有効性のデータが求められている。

目的:
 安全性、忍容性、薬学動態および探索的効果エンドポイントを調べるために、ピルフェニドンとニンテダニブを併用群とそれぞれの単独治療を受ける群を比較する。

方法:
 IPF患者で、4~5週のニンテダニブ150mg1日2回を受けるrun-in periodの後のスクリーニング検査で%努力性肺活量が50%以上あるものを対象に、ピルフェニドン(801mg1日3回)あるいはニンテダニブをそのまま継続する群に割り付けられた。治療は12週間継続。プライマリエンドポイントはベースラインから12週目までのの消化器系副作用の治療必要性とした。解析は記述的および探索的に行われた。

結果:
 消化器系副作用はニンテダニブ+ピルフェニドン群53人中37人(69.8%)にみられ、ニンテダニブ単独群の51人中27人(52.9%)にみられた。
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(文献より引用: Figure E2 消化器系副作用)

 トラフ値はニンテダニブ単独とピルフェニドン併用群では同等だった。ベースラインから12週時点までの努力性肺活量変化はニンテダニブ+ピルフェニドン群で-13.3±17.4mL、ニンテダニブ単独群で-40.9±31.5mLだった。トランスアミナーゼ、γGTPの上昇は併用群で多く観察された。

結論:
 IPF患者におけるニンテダニブ+ピルフェニドンの併用は、安全性、忍容性ともにマネジメント可能である。さらなるアウトカム調査を今後に期待したい。


by otowelt | 2017-09-21 00:28 | びまん性肺疾患

喫煙ステータスとIPF

e0156318_21341355.jpg Miia Kärkkäinen, et al.
Effect of smoking and comorbidities on survival in idiopathic pulmonary fibrosis
Respiratory Research201718:160

背景:
 喫煙はIPFのリスクを増加させると言われている。合併症が生存期間を短縮させるが、喫煙者は非喫煙者よりも生存期間が長いことがいくつかの研究で示されている。これらの関連についてはいまだ報告はない。

方法:
 後ろ向き研究で、IPF患者から性別、喫煙歴などの情報を収集した。合併症や治療内容についてもデータを集めた。死亡を予測する因子は、Cox比例ハザード解析によって同定した。

結果:
 登録されたIPF患者のうち、45人が非喫煙者(53.3%が女性)、66人が既喫煙者(9.1%が女性)、17人が現喫煙者(17.6%が女性)だった。現喫煙者は、ベースラインの年齢が非喫煙者(58.1±8.74歳 vs 71.4±8.74歳、p<0.001)や既喫煙者(58.1±8.74歳 vs 72.5.4±7.95歳、p<0.001)よりも若かった。非喫煙者や現喫煙者の生存期間中央値は、既喫煙者よりも長かった(55.0ヶ月、52.0ヶ月 vs 36.0ヶ月)(p=0.028、0.034)。年齢および重症度を補正すると、喫煙は生存とは関連していなかった。心血管系疾患はもっともよくみられた合併症だった。現喫煙者は、既喫煙者よりもCOPDや肺癌を有している頻度が高かった。心血管系疾患、COPD、インスリンの使用は補正解析において生存期間の短縮と関連していた。

結論:
 現喫煙者の発症が若年であることから、喫煙はIPFの経過に影響を与えるだろう。しかし、喫煙そのものは生存には寄与していなかった。


by otowelt | 2017-09-20 00:33 | びまん性肺疾患

IPFにもたらすオゾンと微小粒子状物質の影響

e0156318_21341355.jpg 地道な研究ですが、重要な知見ですね。

Sesé L, et al.
Role of atmospheric pollution on the natural history of idiopathic pulmonary fibrosis.
Thorax. 2017 Aug 10. pii: thoraxjnl-2017-209967. doi: 10.1136/thoraxjnl-2017-209967.


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は、疾患安定性・生理的疾患進行・急速な肺機能低下といったいろいろな病像があるも、臨床経過を予測するkとは難しい。また、少数の患者はIPF急性増悪(AE)を経験する。近年の研究において、オゾンとNO2はIPF-AEの発生に寄与すると報告されている。われわれは、屋外での大気汚染がIPFの自然経過に影響すると仮説を立てた。

方法:
 IPF患者はフランス多施設縦断的前向きコホート(French cohort COhorte FIbrose [COFI])から192人の抽出した。大気汚染レベルはIPF患者の住居に最も近い大気環境観測所のデータをそれぞれの患者に符号させた。Cox比例ハザード解析によって、IPF-AE、IPF病勢進行、死亡に対する大気汚染の影響を評価した。

結果:
 IPF-AEの発症は、発症前6週間の間の平均オゾンレベルの上昇と有意に関連していた(ハザード比1.47/10μg/m3, 95%信頼区間1.13-1.92, p=0.005)。微小粒子状物質であるPM10とPM2.5の暴露累積は、IPF患者のそれぞれ34%・100%でWHO推奨レベルを超過。死亡はPM10への暴露(ハザード比2.01/10μg/m3, 95%信頼区間1.07-3.77, p=0.03)とPM2.5の暴露(ハザード比7.93/10μg/m3, 95%信頼区間2.93-21.33, p<0.001)と有意に関連していた。
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(文献より引用:Table4:死亡に与える影響)

結論:
 屋外の大気汚染がIPFに対して負の影響をもたらすことが示された。IPF-AEに対するオゾンの役割と微小粒子状物質曝露の潜在的な影響を示した。


by otowelt | 2017-09-07 16:27 | びまん性肺疾患

間質性肺疾患の死体肺移植待機中の患者の早期死亡リスク因子

e0156318_18552345.jpg ドナーが増えないと根本的な解決にならないのは明らかです。日本人の死生観が大きなハードルになっているように思います。

Hisao Higo, et al.
Clinical characteristics of Japanese candidates for lung transplant for interstitial lung disease and risk factors for early death while on the waiting list
Respiratory Investigation, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.resinv.2017.03.002


背景:
 肺移植は、日本における間質性肺疾患(ILD)のアウトカムを良好にする。しかしながら、ドナーがきわめて少なく、移植までに約2.5年待機をしなければならないため、移植までに多くの患者が亡くなる。われわれは、移植待機した日本のILD患者の臨床的特徴と移植前死亡のリスク因子を明らかにした。

方法:
 われわれは、日本臓器移植ネットワークに登録された患者の臨床データを岡山大学病院から抽出し、後ろ向きにレビューした。1999年から2014年までにILDで死体肺移植の希望登録をしたものを対象とした。

結果:
 53人のILD患者が対象となった(24人がIPF、29人がその他)。患者は重度の肺機能障害と低運動耐容能を有していた。移植待機期間中央値は462日であり、22人の患者が死亡した。移植を受けずに462日以前に死亡した患者は、462日以上待機した患者と比較して、重度の呼吸困難を有しており、6分間歩行距離が短く、パフォーマンスステータスが低かった。
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(文献より引用:Figure1)

結論:
 日本のILD患者において死体肺移植を待機している患者は、重度の肺機能障害がある。重度の呼吸困難、短い6分間歩行距離、低いパフォーマンスステータスは、待機リストにおける早期死亡のリスク因子であった。



by otowelt | 2017-08-24 00:01 | びまん性肺疾患