カテゴリ:びまん性肺疾患( 259 )

血清CCL18は、IPFの予後予測因子である

e0156318_19524725.jpgSerum CC-Chemokine Ligand 18 Concentration Predicts Outcome in Idiopathic Pulmonary Fibrosis.
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2009; 179: 717-723


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は、予後不良の肺疾患である。
 予後不良因子は確立されていない。
 血清CCL18濃度がこの予後に関連するのでは
 ないかといわれており、これを調べた。

目的:
 IPFにおける血清CCL18濃度について、72人の患者を
 プロスペクティブに研究。

方法:
 IPFはATS/ERS診断基準に基づいた。
 血清CCL18濃度は、ELISAで測定。
 24ヶ月後フォローされた。肺機能試験は最低でも6ヶ月ごとに行われた。

結果:
 ROC解析では、生存率とベースラインの血清CCL18濃度に相関がみられた。
 カットオフ値は150ng/ml (感度83%、特異度77%)
 血清CCL18濃度が150ng/ml以上では、死亡率が高かった(P<0.0001)。
 HRは8.0であった(年齢、性別、肺機能で調節)。
 また、CCL18濃度が高値の場合、IPFの進行がみられる。

結論:
 血清CCL18濃度はIPFの予後予測因子であり、臨床的に用いることが
 可能であると考えられる。

by otowelt | 2009-04-11 19:48 | びまん性肺疾患

IPFにBALは必要かもしれない

現時点では、IPF/UIPの診断~予後、経過の評価に
BALが必要ではないとされている。これは2002年のATS/ERSの
コンセンサスに基づいているのは、言わずもがなである。
しかしながら、他疾患を除外するために有効な場合がある。
IPFでは、NSIPやCOPに比べ、BALの細胞分画でリンパ球比率は
一般には正常であることが知られている。

BALをすべきかしないべきか、コンセンサスが出ていても
議論は止まらないところではある。

Significance of Bronchoalveolar Lavage for the Diagnosis of Idiopathic Pulmonary Fibrosis.
Am J Respir Crit Care Med. 2009 Feb 26


背景:
 2002年のATS/ERSコンセンサスに従い、
 IPFの診断は、開胸肺生検がなくても、臨床的・生理学的所見と
 HRCTの典型的特徴からおこなわれているのが現状である。

目的:
 IPFの診断のためにBALを追加することは是か否か

方法および結果:
 101人のHRCTでIPFを疑った患者を対象にした。
 74名はATS/ERS推奨criteriaに一致していた。
 BAL中のリンパ球比率でカットオフ値30%に設定。
 これはIPF診断の鑑別に最適??
 6人(8%)がBAL中リンパ球比率が30%を上回った。
 この6人の診断はNSIP(n=3)で、外因性アレルギー性肺隔炎(n=3)。
 結局6人とも診断が変わってしまった・・・

結論:
 8%でBALリンパ球増加により診断変更があったため、
 BALがないと誤診につながる可能性がある。

by otowelt | 2009-03-09 09:05 | びまん性肺疾患

MTX投与中のカリニ予防はST合剤で大丈夫


呼吸器内科では膠原病肺を扱うため、
リウマトレックスを飲んでいる患者さんも多い。
そんな患者さんはまぁ、ステロイドを内服していることもあるわけだが
そういったとき、カリニ肺炎予防が問題となる。
バクタ連日でいいのか・・・・・ベナンバックス・・・・うーむ。

確かに、メソトレキセート投与中にST合剤を投与することは
葉酸代謝経路の観点から望ましくないとされている。
理由は、以下の通りである。
1.トリメトプリムの葉酸代謝拮抗作用が加わるため
2.MTXのクリアランスがスルファメトキサゾールによって下がる
3.MTXの血清中の蛋白結合率を変える
Thomas MH, Gutterman LA: Methotrexate toxicity in a patient receiving trimethoprim-sulfamethoxazole. J Rheumatol 1986; 13:440

しかし膠原病権威であるCarol A. Langford, MDはMTX投与下の
Wegener肉芽腫患者で、ニューモシスティス肺炎予防目的のST合剤は
安全に投与できていると記載している
The Rheumatologist Oct 2008

最近のトップジャーナルでも同様の意見だ。
NEJM June 10、2487-3498, 2004

by otowelt | 2009-02-17 10:51 | びまん性肺疾患

COPDにボセンタンは無効


e0156318_23504610.jpgA randomised, controlled trial of bosentan in severe COPD.Eur Respir J. 2008 Sep;32(3):619-28.

ボセンタン(トラクリア)は、肺動脈性肺高血圧(PAH)の
重症患者に適応があるのはご存知の通り。
COPDの二次性肺高血圧症は、運動時に悪化する。
トラクリアで肺高血圧を伴うCOPDの
ADLを改善できるかという論文。

結果として6MW(6分間歩行試験)で改善なく、
肺機能、肺動脈圧、最大酸素摂取量なども改善なし。
結果として何の有意差もなかった・・・・。

まぁ、もともと肺がぶっこわれてるわけだから
トラクリアでどーのこーのっていうのは無茶な話であって。
当たり前ですね。

by otowelt | 2009-01-08 23:55 | びまん性肺疾患

LAAの比率とFFMIは反比例する


e0156318_14275475.jpg

Inter Med 48: 41-48, 2009)

COPDにおいて、筋肉量の減少というのは予後に相関することが知られているが、
まだはっきりとしたデータは存在しない。
この論文は112人の安定したCOPD患者で、
fat mass indexおよびfat free mass indexを考察したもの。

なんでこんな研究がなされたかというと、
最近はBMIよりもFFMI(fat free mass index)がはやっているからである。
BMIはCOPDの病期分類上の有意な影響を与えないとされるが、
FFMIはstageゼロで有意な影響を与える。
Chest. 2007; 132:164-169


結局予後まではわからないが、
LAAの比率は、FFMIあるいはFMIと反比例するだろうという結果が得られた。

つまりは、COPDにヤセはよくないということ。

by otowelt | 2009-01-07 14:35 | びまん性肺疾患

日本呼吸器学会 近畿地方会

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by otowelt | 2008-12-14 16:05 | びまん性肺疾患

低酸素血症は咳反射を抑制

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Danny J. Eckert, Peter G. Catcheside, Daniel L. Stadler, Rachel McDonald, Michael C. Hlavac, and R. Doug McEvoy. Acute Sustained Hypoxia Suppresses the Cough Reflex in Healthy Subjects Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2006; 173:506-511.

なんとなく、そういう感じはするのだが、
データとして見た事がなかったので・・・。

咳閾値は低酸素血症で有意に上昇する。
そのメカニズムは、弧束核でのGABAの関与か????

by otowelt | 2008-12-11 16:04 | びまん性肺疾患

嚢胞性線維症における緑膿菌感染症


ほとんどの呼吸器内科医は、
嚢胞性線維症(cystic fibrosis: CF)と聞いたら緑膿菌が頭に出てくるはずだ。

CFは白人に特有な遺伝病である。
CF患者の平均寿命は30年ほどだが、P. aeruginosa感染が死亡原因のひとつである。
P. aeruginosaの病原因子の発現の多くは、同種間のコミュニケーション機能である
クォーラムセンシング(quorum sensing:特定の細胞密度(定足数)の感知システム)
によって制御されていることから、多くの研究者がP. aeruginosa のQS研究に
携わっている。

それはさておき、computer-assisted SalI DNA fingerprinting により
抽出したニュージーランドのCF患者の緑膿菌の伝播における論文がERJで紹介された。
要は、CF患者における緑膿菌は人から人へ伝播している過程をとっているものが
多いわけではなさそうという。

Pseudomonas aeruginosa transmission is infrequent in New Zealand cystic fibrosis clinics. Eur Respir J 2008; 32:1583-1590

呼吸器内科やってますが、CFなんて見たことない。
日本におけるDPBみたいなマユツバものではなく、れっきとした疾患ではあるので
海外で恥をかかぬよう、呼吸器内科医としては知っておきたい疾患ではある。

ちなみに
成人CF患者の緑膿菌慢性気道感染に対する治療のガイドライン(Birmingham, UK)は、
第1選択としてCPFXの単独療法
第2選択以降はβラクタム+アミノ配糖体

by otowelt | 2008-12-02 16:04 | びまん性肺疾患

吸入ステロイドは女性の全死亡率と心血管イベントによる死亡率を減少

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Prospective Study of Inhaled Corticosteroid Use, Cardiovascular Mortality, and All-Cause Mortality in Asthmatic Women. Chest 2008;134;546-551

吸入ステロイドは女性の心血管イベントの減少と死亡率の減少をもたらす。
2671人の女性が登録され、その中には喘息やCOPDの患者がいた。
全体の54%が吸入ステロイドを使用していた。
吸入ステロイドは、死亡率を減らした(オッズ比 0.58;95%CI 0.36-0.92)。
また、心血管イベントによる死亡も減らした(オッズ比 0.35;95%CI 0.13-0.93)。
しかしながら、癌による死亡や他の原因による死亡は減らさなかった。(当たり前だが)

だからといって、診療内容に大きな差がでるわけではないのだが。

by otowelt | 2008-11-26 14:43 | びまん性肺疾患