カテゴリ:びまん性肺疾患( 303 )

iNSIPの50%が自己免疫疾患に関連

ERJ、NSIPの論文。
カルテからの情報をレビューしたもので
seronegativeなものをiNSIPとしているようだ。

Idiopathic nonspecific interstitial pneumonia: an interstitial lung disease associated with autoimmune disorders?
Eur Respir J 2011; 38: 384–391


背景:
 近年、特発性NSIP(iNSIP)は、他の特発性間質性肺炎の間では
 臨床的に明白に実証される疾患であり、あるデータによれば
 病理学的に自己免疫の役割によって起こっている可能性が示唆されている。
 このスタディの目的は、iNSIPが早期の肺にみられた場合にそれが
 自己免疫疾患の表現であるかどうかを評価したものである。

方法:
 診療録データベースから、NSIP(563人)のキーワードによる
 初期症例レビューから、37人のiNSIP症例が同定された。
 
結果:
 iNISPのうち27人が登録された。平均±SD年齢は54.2±8歳で
 70%が女性、59%が非喫煙者であった。
 フォローアップ(平均±SD59.7±29 months, range 12–138 months)
 において、自己免疫疾患は14人(52%)の患者に起こり
 7人(26%)は自己免疫甲状腺炎、6人(22%)はUCTD、3人(11%)は
 膠原病を発症した。自己免疫疾患を発症した患者は、
 より高齢であり、またより非喫煙者女性である傾向にあった。
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結論:
 iNSIPと診断されたうちの50%が、2年以内に
 自己免疫性疾患にいたる。
 これはiNSIPと自己免疫機能との関連を示唆するものである。

by otowelt | 2011-08-01 19:34 | びまん性肺疾患

BUILD-3試験:IPFに対するボセンタンはIPF悪化までの時間に寄与しない

BUILD-3: A Randomized, Controlled Trial of Bosentan in
Idiopathic Pulmonary Fibrosis
Am J Respir Crit Care Med Vol 184. pp 92–99, 2011


昨年ATSで発表された、IPFの有名な試験の1つである。
少し難しい試験なので、日本語訳ではなく概要にする。

BUILD-3試験はネガティブスタディなので
そこまで詳細を覚えておく必要はないが、
IPFに対するボセンタンを検証したこの試験において
生存の改善がみられなかったという事実は
呼吸器内科医にとって重要である。

ボセンタンは、第II/III相試験のBUILD-1試験で
IPF悪化または死亡までの時間が延長し、QOLでの改善が示されていた。
BUILD-3試験では、外科肺生検で証明されATS/ERS statementに基づく
IPFの診断を受けた患者を登録してプラセボと比較した。

616人の患者が登録され、ボセンタン407人、プラセボ209人に
ランダムに割り付けられた。
プライマリエンドポイントであるIPF悪化までの時間
(a confirmed decrease from baseline in FVC > 10%
and DLCO>15%, or acute exacerbation of IPF)
について改善がみられなかった(HR 0.85;95%CI0.66–1.10; P=0.2110)。
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forest plotは、なんとなくボセンタン寄りな気もする…。
もし、出版バイアスがあるならメタアナリシスで
差が出るかもしれないが…。
その差があったとしても、いずれにしても
微々たる効果なのだろうと思うところはある。

by otowelt | 2011-07-11 14:47 | びまん性肺疾患

IPF急性増悪の少数例にウイルス感染が関与する可能性

TTウイルスとは懐かしい…。

Viral Infection in Acute Exacerbation of Idiopathic Pulmonary Fibrosis
Am J Respir Crit Care Med Vol 183. pp 1698–1702, 2011


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は、進行性の一様な致死的肺疾患である。
 IPF急性増悪は、特定の疫学的原因の同定がなく急性呼吸不全を
 きたすエピソードである。
 偶発的なウイルス感染が、この原因になっている可能性が示唆される。
 
目的:
 unbiased genomics-based discovery methodsを用いて
 IPF急性増悪にウイルスが関与するかどうかを調べる。

方法:
 IPF急性増悪をきたした患者、安定した病態の患者、
 ALIに至った患者において、BALおよび血清を採取し
 ウイルス核酸PCR、汎ウイルスマイクロアッセイ等で
 ウイルス学的検索をおこなった。

結果:
 45人のIPF急性増悪をきたした患者のうち4人に
 一般的な気道ウイルス感染の同定がなされた
 (parainfluenza [n=1], rhinovirus[n=2], coronavirus [n=1])。
 安定した患者においてはBALでは何も検出されなかった。
 汎ウイルスマイクロアッセイでは、IPF急性増悪患者において
 さらにウイルス感染の根拠を明らかにした
 (herpes simplex virus[n=1], Epstein-Barr virus [n=2],
 torque teno virus [TTV] [n=12])。
 TTV感染症は急性増悪患者において有意に多くみられた(P=0.0003)が、
 ALIコントロール群とは同等であった。
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結論:
 IPF急性増悪において多くの場合ウイルス感染は同定されなかった。
 少数例ではあるがTTV感染は比較的有意にみられ、ALI患者でも
 この傾向があった。

by otowelt | 2011-06-23 05:54 | びまん性肺疾患

間質性肺疾患に続発した気胸には自己血パッチ胸膜癒着が有効

自己血パッチによる胸膜癒着は
1987年にRobinsonによって最初に報告された。
Autologous blood for pleurodesis in recurrent and chronic spontaneous pneumothorax. Can J Surg 30: 428-429,1987.

間質性肺炎に気胸を合併した場合には
よく自己血パッチを使用することがある。
化学的な胸膜癒着より自己血パッチを使用する傾向にあるのは
前者では間質性肺炎の急性増悪のリスクがあるからとされている。
・Serious complications with talc slurry pleurodesis. Respirology 6: 181-185, 2001.
・Percutaneous computed tomography-guided radiofrequency ablation of lung tumors complicated with idiopathic interstitial pneumonia.Ann Thorac Surg 87: 948-950, 2009.


以下、京都大学からの論文。

Efficacy of Blood-Patch Pleurodesis for Secondary Spontaneous Pneumothorax in Interstitial Lung Disease
Intern Med 50: 1157-1162, 2011


目的:
 われわれは、間質性肺疾患(ILD)の患者の気胸の予後関連性と
 自己血パッチ胸膜癒着の効果と安全性を調べた。

方法:
 12年をレトロスペクティブにみて
 34のILD患者に起こった59の気胸をレビューした。
 
結果:
 自己血パッチのあと、エアリークは22気胸中16(72.7%)で消失し、
 化学的胸膜癒着術をおこなったあと、エアリークは
 14気胸中11(78.6%)で消失した。
 治癒率も再発率も、化学的胸膜癒着と比べて自己血パッチで
 同程度であった(p=0.99 and 0.99, respectively)。
 加えて、自己血パッチにおいては有害事象はみられなかった。
 生存期間中央値は、最初に気胸が起こってからIIP患者では9ヶ月未満で、
 他のタイプのILD患者では3年程度であった。
 Kaplan-Meier生存カーブでは、縦隔壁気腫合併例において
 有意に低かった(p<0.05)。多変量Cox回帰分析において
 気胸を起こした数、IIPの診断、縦隔気腫は死亡の独立予測因子であった。

結論:
 ILDに続発した気胸に対して自己血パッチによる胸膜癒着は安全であり
 初期に行う価値があると考えられる。しかしながら、治療にもかかわらず
 気胸発症後の予後はILD患者では不良である。
 加えて、縦隔気腫は予後不良因子である。

by otowelt | 2011-06-14 06:40 | びまん性肺疾患

関節リウマチ関連肺疾患における病態別の生存

当たり前の結果だが…。

Lung diseases directly associated with rheumatoid arthritis and their relationship to outcome
Eur Respir J 2011; 37: 1411–1417


背景:
 関節リウマチ関連肺疾患(RA-LD)の臨床的アウトカムと死因は
 よくわかっていない。

方法:
 レトロスペクティブスタディがRA-LD患者144人に施行された。
 最初の呼吸器的検査の受診からフォローアップ中央値は4.5年であった。

結果:
 臨床、画像、病理学的に以下のように分類。
 合計57人の患者がUIP、31人が気管支拡張症、16人がNSIP、
 11人が細気管支炎、5人がOP、5人がDAD、19人が混合型の肺病変だった。
 5年生存率はUIPで36.6%、気管支拡張症で87.1%、NISPで93.8%、
 細気管支炎で88.9%、OPで60%、DADで20%であった。
 DADの生存は、UIPに比べて悪かった。
 全生存率についてUIPは、気管支拡張症、NISP、細気管支炎より悪かった。
 144人中71人(49.3%)が死亡、うち58人(81.7%)が呼吸器的原因で死亡。
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結論:
 RA-LD患者において、DADは最も高い死亡率であり
 UIPはNSIPなどの患者よりも全生存が悪い。

by otowelt | 2011-06-03 05:17 | びまん性肺疾患

血清periostinレベルはIIPsにおける線維化と関連

感度と特異度の高いバイオマーカーの開発がさかんだが、
いまだ決定的なものは出ていない。
臨床的にはKL-6、SPあたりをよく使っている。

Periostin, a matrix protein, is a novel biomarker for idiopathic interstitial pneumonias
Eur Respir J 2011; 37: 1119–1127


背景:
 特発性間質性肺炎(IIPs)は、組織学的にいくつかに分類され
 usual interstitial pneumonia (UIP)、nonspecific interstitial
 pneumonia(NSIP)、cryptogenic organising pneumonia (COP)
 などがある。われわれは、マトリックスタンパクであるperiostinが
 IIPsの組織病理分類におけるバイオマーカーとして有用かどうか検証した。

方法:
 IIPsの組織型のそれぞれにおいて、免疫組織化学的解析をおこない
 血清periostinレベルを測定し、また血清periostinレベルと
 呼吸機能の関連についてidiopathic pulmonary fibrosis (IPF)患者で
 検証した。

結果:
 periostinは、UIPとfibrotic NSIPの患者において強く発現しており、
 cellular NSIPとCOPの患者において、正常肺と同様発現は弱かった。
 IPFにおける血清periostinレベルは、正常人やCOP患者よりも
 有意に高かった。さらに、IPFにおける血清periostinレベルは
 呼吸機能とも関連していた。
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結論:
 血清periostinレベルはIIPsにおける線維化と関連していると考えられ
 バイオマーカーとして有用である可能性が示唆される。

by otowelt | 2011-05-07 17:37 | びまん性肺疾患

MUC5B発現調節傷害は、肺線維症に関与

すごく大事な論文なのだが、訳してもわずかしか意味がわからなかった…。

A Common MUC5B Promoter Polymorphism and Pulmonary Fibrosis
N Engl J Med 2011;364:1503-12



背景:
 肺線維症の病態にはいくつかの変異が関連しているが、これは
 集団的リスクの部分的な説明にすぎない。

方法:
 全ゲノム連鎖解析により、82家族でIPFおよび11p15の3.4Mb領域との連鎖を
 検出した。また、家族性間質性肺炎83人、IPF患者492人、コントロール322人
 において、肺に発現しているゲル形成ムチン遺伝子の変異評価をおこなった。
 さらに、肺組織においてMUC5B発現を評価。

結果:
 MUC5B転写開始部位の3kb上流に位置するSNP:rs35705950の変異型の
 対立遺伝子の頻度は、家族性間質性肺炎において34%、IPFにおいて38%、
 コントロール群において9%であった。
 このSNPにおける変異型の対立遺伝子が、ヘテロないしホモである被験者の
 疾患ORは、家族性間質性肺炎ではそれぞれ6.8(95%CI 3.9~12.0)、
 20.8(95% CI 3.8~113.7)であった。またIPFにおいてはぞれぞれ
 9.0(95% CI 6.2~13.1)、21.8(95% CI 5.1~93.5)であった。
 IPF肺におけるMUC5Bの発現は、コントロール患者の14.1倍高かった
 (P<0.001)。rs35705950の変異型の対立遺伝子は、コントロール患者の
 肺におけるMUC5B発現のup-regulationに関連。
 (野生型対立遺伝子がホモであるコントロール患者の37.4倍:P<0.001)
 IPFの病変で、MUC5B蛋白が発現した。
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結論:
 MUC5Bのプロモーターにみられるポリモルフィズム:多型は、
 家族性間質性肺炎とIPFに関連していた。また、肺における
 MUC5Bの調節機能障害は、肺線維症の発症に関与しているものと考える。

by otowelt | 2011-04-23 07:03 | びまん性肺疾患

COPと二次性OPには臨床的・放射線的違いは少ない

このスタディにおける二次性OPは、
薬剤性(アミオダロン、βブロッカー、コカイン濫用)、全身性炎症性疾患
(関節リウマチ、結節性動脈炎、リウマチ性多発筋痛症)、
固形腫瘍(大腸、乳房)、血液疾患(非Hodgkinリンパ腫)、
腎移植後、感染症で構成されている。
Abstractには記載されていないが、56%が喫煙者であったことも興味深い。

Cryptogenic and Secondary Organizing Pneumonia: Clinical Presentation, Radiographic Findings, Treatment Response, and Prognosis
CHEST 2011; 139(4):893–900


背景:
 器質化肺炎(OP)は、臨床的にも病理学的にも明確に規定されている。
 この病態は、原因不明であるCOPと二次性のOPとがある。
 このスタディにおいて、われわれはCOPと二次性OPの特徴を
 2つの教育病院において解析した。

方法:
 生検によって診断された61人のOPの患者をレトロスペクティブに検証。
 40人の患者がCOPと診断され、21人が二次性OPと診断された。
 臨床所見、放射線学的所見、呼吸機能検査、血液検査データ、BAL所見、
 治療、臨床アウトカムが解析された。

結果:
 平均年齢は60.46 ± 13.57 歳であった。
 不快感、咳嗽、発熱、呼吸困難、両側肺浸潤影、拘束性障害が
 最もよくみられた症状と所見であった。
 BALリンパ球比率はOPにおいて平均43.8%であった。
 再発率と1年後死亡率はそれぞれ37.8%、9.4%であった。
 院内死亡率は5.7%であった。臨床所見と放射線所見は
 COPと二次性OPの間に大きな違いはみられなかった。
 呼吸機能検査における混合性障害と低ナトリウム血症、
 血小板減少、低アルブミン、低タンパク、低pHが二次性OPで
 よくみられる所見であった。高クレアチニン血症、高ビリルビン血症、
 高PaCO2、BALリンパ球増多も二次性OPでよくみられた。
 再発率、死亡率に両者の差はみられなかった。1年後の死亡率は赤沈、
 低アルブミン、低ヘモグロビンに関連していた。
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結論:
 COPおよび二次性OPの患者における臨床所見、放射線所見は
 同等であり非特異的である。血液検査異常は二次性OPにおいて
 よくみられる傾向にあり予後不良因子と関連しているが、
 しかしながらこれは基礎疾患によるものが大きい。
 治療反応性は同等であり、再発率、死亡率も同等であった。

by otowelt | 2011-04-05 21:00 | びまん性肺疾患

エビデンスにもとづいた特発性肺線維症の診断とマネジメント:ATS/ERS/JRS/ALATステートメント

メモ。

An Official ATS/ERS/JRS/ALAT Statement: Idiopathic Pulmonary Fibrosis: Evidence-based Guidelines for Diagnosis and Management
Am J Respir Crit Care Med Vol 183. pp 788–824, 2011


●「結論」および「治療」の推奨のまとめ

●結論
1. IPFは慢性進行性線維化をきたす間質性肺炎で、原因がわからないもので、
 高齢成人に起こり、肺に限局した疾患で、なおかつ
 病理学的および/または放射線学的にUIPパターンであるものを指す。
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2.IPFの診断には以下のことが必要である
 a. 他の間質性肺疾患を除外していること。たとえば、家庭内職場内における
  曝露、膠原病、薬剤など。
 b. VATSを受けていない場合、UIPパターンがHRCTにおいて認められること。
 c. VATSを受けている場合、病理学的所見とHRCT所見が特異的に合致すること。
 2000年ATS/ERSコンセンサスにおける、メジャー・マイナー診断基準は
 削除された。
3. IPF診断の確からしさは、呼吸器内科医、放射線科医、病理医が
 相補的に討議した上で実現されるものである。
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4. IPFは致死的な肺疾患である。自然経過は多岐にわたり、予測困難である。
 a.ほとんどのIPF患者が長年かけて呼吸機能の低下がみられるが、
  呼吸機能は安定していたり急速に悪くなる患者もいる。
 b. 安定していたにも関わらず、急性増悪を経験する患者もいる。
5. 疾患の進行は、呼吸器症状の悪化、呼吸機能検査結果の悪化、
 HRCTにおける線維化の悪化、急性の呼吸機能減衰、死亡によって表現される。
6. IPF患者は非顕在化あるいは明白な合併症をもつかもしれない。
 すなわち、肺高血圧症、胃食道逆流症、閉塞性睡眠時無呼吸、肥満、
 気腫などである。これらの病態がIPFのアウトカムにどう影響するかは
 わかっていない。

●治療
1.IPFの治療を行う場合以下を使用ないことを推奨として強く掲げる
 a. ステロイド単剤(very low quality of the evidence)
 b. コルヒチン(very low quality of the evidence)
 c. シクロスポリン(very low quality of the evidence)
 d.ステロイドと免疫調整薬の併用(very low quality of the evidence)
 e. インターフェロンγ1b (high quality of the evidence)
 f.ボセンタン(moderate quality of the evidence)
 g. エタネルセプト(moderate quality of the evidence)
2. IPF治療に以下のものを用いない推奨は弱い。
 言い換えるなら、これらの治療は大多数の患者に用いるべきではないが
 一部の患者には選択してもよい。
 a.アセチルシステインとアザチオプリン、プレドニゾンの併用
  (low quality of the evidence)
 b.アセチルシステイン単剤(low quality of the evidence)
 c. 抗凝固剤(very low quality of the evidence)
 d. ピルフェニドン(moderate quality of the evidence)
3. 長期酸素療法はIPF患者、臨床的に安静時低酸素がみられる患者には強く推奨する。
 (very low quality of the evidence)
4. 肺移植はIPFの適切な症例には強く推奨する(very low quality of the evidence)
5. IPF患者において、人工呼吸器使用しない推奨は弱い。
 (low quality of the evidence)
6. 呼吸リハビリテーションをIPF患者におこなうことは推奨としては弱い。
 (low quality of the evidence)
7. 急性増悪をきたしたIPF患者にステロイドを使用することは、推奨としては弱い。
 (very low quality of the evidence)
8.肺高血圧症の治療をIPF患者におこなうことは、推奨としては弱い。
 (very low quality of the evidence)
9.症状のない胃食道逆流の治療をIPF患者におこなうことは、推奨としては弱い。
 (very low quality of the evidence)

by otowelt | 2011-03-21 13:34 | びまん性肺疾患

LAM患者における、シロリムスの有効性と安全性

呼吸器内科医にとっては重要な論文だろう。

Efficacy and Safety of Sirolimus in Lymphangioleiomyomatosis
NEJM, March 16, 2011 (10.1056/NEJMoa1100391)


背景:
 リンパ脈管筋腫症(LAM)は、女性にみられる進行性の嚢胞性疾患である。
 哺乳類ラパマイシン標的タンパクmTORシグナルの不適切な活性化によって
 細胞増殖・リンパ脈管異常が起こる。
 シロリムス(ラパマイシン)はmTORを阻害し、LAMに有効であると考えられている。

方法:
 われわれは、2段階のシロリムス試験を89人の中等度呼吸機能障害のある
 LAM患者で施行。12ヵ月のランダム化二重盲検プラセボ対照化試験をおこない
 引き続き12ヵ月の観察期間をおいた。
 プライマリエンドポイントはFEV1の勾配変化率とした。

結果:
 治療期間の間、FEV1勾配はプラセボ群で−12±2 ml per month(43人)
 シロリムス群で1±2 ml per month(46人)であった。(P<0.001)
 FEV絶対値の違いは、治療期間において153ml。これは登録時平均FEV1の
 およそ11%だった。
 プラセボ群比較で、シロリムス群はベースラインから12ヶ月時点において
 FVC、FRC、血中vascular endothelial growth factor D (VEGF-D)、QOL、
 機能的パフォーマンスを改善した。
 6分間歩行距離とDLCOの改善は両群において有意差はなかった。
 シロリムス中止後、肺機能減少の勾配は元に戻り、プラセボ群と平行になった。
 有害事象は、シロリムスにおいてよくみられたが、
 重度の有害事象においては有意差はみられていない。
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結論:
 LAM患者において、シロリムスは呼吸機能の安定化をもたらし
 血清VEGF-Dを減少させる。そして、症状とQOLの改善をもたらす。
 選択されたLAM患者においてシロリムスは有用かもしれない。

by otowelt | 2011-03-17 13:31 | びまん性肺疾患