カテゴリ:びまん性肺疾患( 259 )

アメリカにおけるIPF疫学

e0156318_9301181.jpg 言わずと知れたRaghu先生の論文です。

Raghu G, et al.
Incidence and prevalence of idiopathic pulmonary fibrosis in US adults 18-64 years old.
Eur Respir J. 2016 Apr 28. pii: ERJ-01653-2015. doi: 10.1183/13993003.01653-2015.


背景:
 アメリカにおける18-64歳の成人のIPF疫学を調べた。

方法:
 18-64歳の成人で2004年~2010年の診療報酬データに基づき、IPFの診断を受けた患者を調べた。
年間発生率、累積罹患率を調べ、IPF診断の潜在的リスク因子を同定した。

結果:
 年間累積罹患率は2005年→2010年で増加した(10万人あたり13.4→18.2人)。一方で、年間発生率は減少した(10万人あたり7.9→5.8人)。年間発生率の減少は、若年患者が減少傾向にあり、高齢者は同水準にとどまったことに起因する。より厳格なIPF診断基準アルゴリズムに基づいたサブグループ解析でも同等の結果が得られた。高齢および男性は高い罹患率と関連していた(p<0.05)。

結論:
 65歳未満のアメリカの成人において、IPFの発生率は2005年→2010年で減少していた。これは累積罹患率がプラトーに達していることを示唆する。


by otowelt | 2016-05-11 00:03 | びまん性肺疾患

IPFに対してピルフェニドンとニンテダニブを併用した症例

 この併用療法は思いつきませんでした。肺高血圧症の併用治療も最初はこういった症例報告だったのかな、と感じました。

Hagmeyer L, et al.
Successful Concomitant Therapy with Pirfenidone and Nintedanib in Idiopathic Pulmonary Fibrosis: A Case Report.
Respiration. 2016 Apr 14. [Epub ahead of print]


概要:
 ピルフェニドンとニンテダニブはいずれもIPFに対して単剤で承認されている抗線維化薬である。これまで、これらの併用療法については有効性が報告されていない。そこで、われわれはIPFの白人男性に対して、2年のピルフェニドン単剤治療後にピルフェニドンとニンテダニブを併用した最初の事例を報告する。
 ピルフェニドン単剤治療の2年間、明らかな努力性肺活量減少がみられた(3.5L→2.5L)。ニンテダニブ併用は2015年3月から開始された。肺機能はその後安定し、併用療法の忍容性も高かった。彼に対する併用治療は現在も継続されている。


by otowelt | 2016-05-02 00:55 | びまん性肺疾患

IPFに対する制酸剤治療は無効

e0156318_9301181.jpg 感染症のリスクを増加させる可能性については、軽視できませんね。 

Kreuter M, et al.
Antacid therapy and disease outcomes in idiopathic pulmonary fibrosis: a pooled analysis.
Lancet Respir Med. 2016 Mar 31. pii: S2213-2600(16)00067-9.


背景:
 GERDは特発性肺線維症(IPF)の潜在的リスク因子とされている。われわれは、IPFに対するピルフェニドンの臨床試験でプラセボに割り付けられた患者において、制酸剤治療が疾患進行に影響を与えるかどうか調べた。

方法:
 CAPACITY004試験、006試験、ASCEND試験でプラセボ群に割り付けられたIPF患者が事後解析に組み込まれた。われわれは、ベースラインで制酸剤治療を受けていた患者がその肺機能、運動耐容能、生存、入院、有害事象に影響を与えるか調べた。プライマリエンドポイントは、1年後の疾患進行(努力性肺活量の10%以上の減少、6分間歩行距離の50m以上の減少、死亡)とした。

結果:
 624人の患者のうち、291人(47%)が制酸剤治療を受けていた。52週時点で、制酸剤治療を受けている群と受けてない群で疾患進行に有意差はみられなかった(制酸剤治療群:114 [39%]vs 非治療群:141 [42%], p=0.4844)。全死因死亡、IPF関連死亡率、努力性肺活量10%以上の減少、努力性肺活量の平均変化量についても両群に差はみられなかった。入院率は制酸剤治療群の方が有意ではないがやや多い傾向がみられた(65人[22%] vs 54人[16%]; p=0.0522)。ベースラインの努力性肺活量(70%カットオフ)で層別化しても、疾患進行、死亡率、努力性肺活量、6分間歩行距離、入院は両群に差はみられなかった。有害事象は両群とも同等であったが、全体の感染症、肺感染症は制酸剤治療を受けている進行期IPF患者(たとえば努力性肺活量70%未満)に多くみられた。

結論:
 IPF患者に対する制酸剤治療はアウトカムを改善させないだけでなく、潜在的に進行期患者の感染症リスク上昇と関連している。


by otowelt | 2016-04-27 00:11 | びまん性肺疾患

IPFに対するII型肺胞上皮細胞の気管内移植

e0156318_9301181.jpg IPFの治療法としてはかなり画期的なアイディアだと思います。

Serrano-Mollar A, et al.
Safety and Tolerability of Alveolar Type II Cell Transplantation in Idiopathic Pulmonary Fibrosis.
Chest. 2016 Mar 25. pii: S0012-3692(16)45721-1.


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は限られた治療法しかない進行性の地誌的疾患である。II型肺胞上皮細胞(ATII)は、成人の肺の起源となる細胞であり、肺傷害の状況で肺胞修復の役割を担う。しかしながら、IPFではATIIは死滅しており、線維芽細胞や筋線維芽細胞に置き換えられている。過去の臨床前研究において、われわれはATIIの気管内移植によって肺の線維化を軽減することを示した。この研究の目的は、IPFに対するATIIの気管内移植の安全性と忍容性を調べたものである。

方法:
 気管支鏡下に気管内ATII移植を実施された、中等症で進行期にあるIPF患者16人を登録した。ATII移植の安全性と忍容性(12ヶ月以内の有害事象)を調べた。さらに、肺機能、呼吸器症状、12ヶ月フォローアップによる疾患進行についても調べた。

結果:
 ATII気管内移植による有害事象は有意に認められなかった。フォローアップから12ヶ月後、肺機能、呼吸器症状、疾患進行について有意な悪化はみられなかった。

結論:
 ATII気管内移植はIPF患者において安全かつ忍容性がある。これにより、IPF治療としてのATII療法の潜在的効果を検証する臨床試験を計画する妥当性が示された。


by otowelt | 2016-04-21 00:03 | びまん性肺疾患

IPFが進行し続けてもピルフェニドンを継続したほうがよい?

e0156318_13274932.jpg ご存知Nathan医師の論文です。beyond PDという考え方が肺がんの世界に存在しますが、IPFでもこうした考えが出てきました。

Steven D Nathan, et al.
Effect of continued treatment with pirfenidone following clinically meaningful declines in forced vital capacity: analysis of data from three phase 3 trials in patients with idiopathic pulmonary fibrosis
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207011


背景:
 特発性肺線維症(IPF)の治療反応をアセスメントするにしても、臨床経過にばらつきがあり複雑と言える。われわれは、疾患進行の頻度を調べ、増悪後もピルフェニドンの治療を継続した場合の効果を評価した。

方法:
 ASCENDおよびCAPACITY試験の登録患者を組み込んだ(1247人)。プラセボ群における6ヶ月間隔の連続呼吸機能検査の努力性肺活量変化との関連性をみるためピアソンの相関係数を用いた。努力性肺活量が10%以上減少したピルフェニドン群の患者は、図のようにその後の6ヶ月フォローアップアウトカム解析期間に組み入れた。プラセボ群は、6ヶ月ごとに努力性肺活量10%以上の減少あるいは死亡をきたしたかどうかをアウトカムとした。
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(Figure1:文献より引用)

結果:
 プラセボ群の連続した6ヶ月ごとの努力性肺活量の変化には弱いながらも負の相関がみられた(相関係数−0.146, p<0.001)。ピルフェニドン群の34人(5.5%)およびプラセボ群の68人(10.9%)が10%以上の努力性肺活量減少を6ヶ月時点で経験していた。引き続く呼吸機能検査で、ピルフェニドン群の患者はプラセボ群よりも10%以上の努力性肺活量や死亡を経験する頻度が低かった(5.9% vs 27.9%; 相対差78.9%)。ピルフェニドン群の1人(2.9%)、プラセボ群の14人(20.6%)が死亡した(相対差85.7%)。

結論:
 IPF患者の縦断的な努力性肺活量データは患者間にばらつきがあるものの、連続した努力性肺活量の傾向を用いて治療反応をアセスメントすることは難しいのではないだろうか。治療中に疾患進行した患者において、ピルフェニドン治療を継続することはその後の努力性肺活量減少や死亡のリスクを減らす。


by otowelt | 2016-04-15 00:00 | びまん性肺疾患

胸部HRCTにおけるinconsistent with UIPには、病理学的なUIP診断が多数含まれる

e0156318_9301181.jpg 過去の報告ではUIPの画像-病理診断の観察者間一致は、κ=0.5程度とされています。胸部HRCTにおいてinconsistent with UIPパターンであっても、真のUIP患者さんがたくさん存在するということは、胸部HRCTのパターン認識が疾患進行や予後を反映するものではなく、あくまで縦断的診断の要素が強いことを示唆するものです。
 適格基準が定められた臨床試験や疫学ならともかく、目の前の患者さんがpossible UIPかinconsistent with UIPの分類のどちらに入るのかという問題は、市中肺炎の胸部画像を見てconsolidationなのかGGOなのかという問題と、本質的に差はありません。
 
Yagihashi K, et al.
Radiologic-pathologic discordance in biopsy-proven usual interstitial pneumonia.
Eur Respir J. 2016 Feb 25. pii: ERJ-01680-2015.


背景:
 この研究の目的は、特発性肺線維症(IPF)の多施設共同試験に参加した大規模集団における臨床的、放射線学的、病理学的所見を、特にUIPの画像診断と組織診断の不一致に焦点を当てて比較することである。

方法:
 2人の独立した放射線科医が、胸部HRCTおよび外科的肺生検を受けた241人の患者をレトロスペクティブにレビューした。HRCT所見は、UIP、possible UIP、inconsistent with UIPに分類された。組織所見はdefinite UIP, probable UIP, possibe UIP, not UIPに分類された。

結果:
 241人のうち、胸部HRCTで102人(42.3%)がUIP、64人(26.6%)がpossible UIP、75人(31.1%)がinconsistent with UIPと診断された。胸部HRCTでUIPと診断された患者のうち、99人(97.1%)が組織学的にdefiniteあるいはprobable UIPと診断され(一致群)、胸部HRCTでinconsistent with UIPと診断された患者のうち71人(94.7%)が組織学的にdefiniteあるいはprobable UIPと診断された(不一致群)。不一致群の患者は、一致群の患者よりもやや若く喫煙者が少なかったが、両群で生存期間に差はみられなかった。

結論:
 IPFと診断された患者のうち、胸部HRCTでinconsistent with UIPと診断された患者の94.7%が組織学的にUIPと診断された。これはすなわち、inconsistent with UIPという用語が、病態のミスリードを招くことを支持するものである。


by otowelt | 2016-04-06 07:43 | びまん性肺疾患

間質性肺病変の存在は死亡率を上昇させる

e0156318_8341658.jpg 有名コホートにおける間質性肺病変の存在が死亡率を上昇させるという報告です。

Rachel K. Putman, et al.
Association Between Interstitial Lung Abnormalities and All-Cause Mortality
JAMA. 2016;315(7):672-681. doi:10.1001/jama.2016.0518.


背景:
 間質性肺病変は、6分間歩行距離、DLCO、全肺気量の減少に関連している。しかしながら、これまで死亡率との関連性について研究されたことはない。

目的:
 間質性肺病変が死亡率増加と関連するかどうか調べた。

方法:
 前向きコホート研究のうち、FHS (Framingham Heart Study)から2633人、AGES-Reykjavik Studyから5320人、COPDGene Study から2068人、ECLIPSEから1679人の患者を登録した。間質性肺病変の有無は胸部CTで評価した。

アウトカム:
 フォローアップ期間中央値3~9年間の全死因死亡率。

結果:
 間質性肺病変は、FHSの2633人のうち177人(7%)、AGES-Reykjavik 5320人のうち378人 (7%)、COPDGene2068人のうち156人(8%)、ECLIPSE1670人のうち157人(9%)にみられた。フォローアップ期間中央値(3-9年)において、間質性肺病変がない場合と比較すると、間質性肺病変の存在は死亡率(死亡率絶対率)を増加させた(7% vs 1% in FHS (差6%[95%信頼区間2% to 10%]), 56% vs 33% in AGES-Reykjavik (差23%[95%信頼区間18% to 28%]), 11% vs 5% in ECLIPSE (差6%[95%信頼区間1% to 11%])。
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(文献より引用:Figure 3)

 共変量補正後では、間質性肺病変の存在は死亡リスク増加と関連していた(FHS:ハザード比2.7 [95%信頼区間1.1 to 6.5]; P = .03、AGES-Reykjavik:ハザード比1.3 [95%信頼区間1.2 to 1.4]; P < .001、 COPDGene:ハザード比1.8 [95%信頼区間1.1 to 2.8]; P = .01、ECLIPSE:ハザード比1.4[95%信頼区間1.1 to 2.0]; P = .02)。AGES-Reykjavikコホートにおいて、死亡率の増加は呼吸器疾患、特に肺線維症に起因する死亡率増加により説明が可能であった。

結論:
 4つの独立したコホートにおいて、間質性肺病変は全死因死亡率の増加をもたらした。臨床的意義についてはさらなる研究が望ましい。


by otowelt | 2016-03-14 00:19 | びまん性肺疾患

間質性肺疾患の終末期に緩和ケアはあまり実施されていない?

e0156318_1462333.jpg びまん性肺疾患でも緩和ケアは非常に重要です。
 記事末にある森田達也先生の本は、個人的にかなりオススメです。

Zainab Ahmadi, et al.
End-of-life care in oxygen-dependent ILD compared with lung cancer: a national population-based study
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207439


背景:
 進行性の線維性間質性肺疾患(ILD)はしばしば進行性で強い症状と予後不良性と関連している。その症状の頻度や、終末期の緩和ケアサービスへの医療アクセスが十分かどうかという知見はほとんどない。

目的:
 酸素療法を要する終末期ILD患者と終末期肺癌患者の間で、症状の頻度と緩和ケア治療を受ける頻度に差があるかどうか調べること。

方法:
 国内登録コホート研究で、2011年1月1日から2013年10月14日までに死亡した酸素療法を要するILD患者および肺癌患者を集めた。症状の頻度や、死前期7日間の治療をスウェーデン緩和ケア登録データを用いて抽出・比較した。

結果:
 ILD患者285人および肺癌患者10822人が登録された。ILDの死亡は、肺癌と比較して“予期せぬ状態”で起こり(15% vs 4%)、緩和ケアを受けている状態の患者も肺癌より少なかった(17% vs 40%)。また、終末期の話し合いも肺癌よりも実施される頻度が少なかった(41% vs 59%)。
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(文献より引用)

 ILD患者は息切れに苦しむ頻度が多く(75% vs 42%)、一方肺癌患者は疼痛に苦しむ頻度が多かった(51% vs 73%) (いずれもp<0.005)。ILD患者の息切れ、疼痛、不安症状はほとんど軽快することはなかった。ILD患者の酸素療法開始から死亡までの期間は中央値で8.4ヶ月だった(IQR 3.4–19.2ヶ月)。

結論:
 ILD患者は肺癌患者よりも終末期ケアへのアクセスが不足しており、息切れも強いことがわかった。この研究により、酸素療法を要するILD患者の終末期ケアがよりよいものになるよう望まれる。



by otowelt | 2016-02-24 00:48 | びまん性肺疾患

人工呼吸器を装着されたIPF患者の院内死亡率は50%

e0156318_10121893.jpg 後ろ向きコホート研究なので参考程度ですが、良好なアウトカムは期待できません。しかしながら、医学の進歩のためか、死亡率は経時的に減っているようです。


Rush B, et al.
The use of mechanical ventilation in patients with idiopathic pulmonary fibrosis in the United States: A nationwide retrospective cohort analysis.
Respir Med. 2015 Dec 21. pii: S0954-6111(15)30096-2. doi: 10.1016/j.rmed.2015.12.005.


目的:
 アメリカにおいて人工呼吸器装着(MV)および非侵襲的人工換気(NIMV)を受けたIPF患者の死亡を調べた。

方法:
 後ろ向きコホート研究。上記処置を2006年から2012年までに受けたIPF患者を同定し、その転帰を調べた。

結果:
 55208382人の入院患者を調べ、IPFと診断された17770人を同定した。そのうち、MV1703人、NIMV778人を解析した。
 MVを受けた患者の死亡率は、NIMVを受けた患者よりも高かった(51.6 vs 30.9%, p < 0.0001)。また、MVを受けた患者はNIMVを受けた患者よりも若く(平均66.3±12.8歳 vs 平均70.2±12.9歳)、入院期間が長かった(13.3日[IQR 16] vs 6.5日[IQR 7]、p < 0.0001)。
 MVを受けたIPF患者の死亡率は、2006年の58.4%から2012年には49.3%と減少していた(p = 0.03)。MV群の149人(8.7%)が当初から在宅酸素療法を使用していた。在宅酸素療法使用患者の総死亡率は48.1%だった。これは、在宅酸素療法を使用していない患者とは有意差はなかった(p = 0.35)。

結論:
 人工呼吸管理をおこなわれたIPF患者の院内死亡率はおよそ50%である。


by otowelt | 2016-02-17 00:01 | びまん性肺疾患

Airway-centered fibroelastosisは呼吸器疾患として独立した疾患概念か

e0156318_17355372.jpg 細気管支中心性に線維化と炎症がみられる一群のことをAirway-centered fibroelastosisと呼びますが、疾患概念として確立されたものかどうかは研究グループによって差があるため、あまりその名は知られていません。しかしながら呼吸器内科では長らく議論の交わされている重要な疾患群であることは確かで、上葉から始まり次第に下葉まで広がる、不気味な疾患です。
 胸部HRCTでは、肥厚した気管支壁とその周囲の線維化を反映し気管支血管束周囲に間質性の陰影がみられます。牽引気管支拡張症もみられます。
 今回の報告はhyperelastosisがあるという点で、過去のairway-centered idiopathic fibrosisの報告(YousemらやChurgらの報告が有名ですね)とはいささか異なるという点を強調しています。また今回の報告は急性の経過をたどる一群ということでPPFEとは異なります。

Pauline Pradere, et al.
Airway-centered fibroelastosis: a distinct entity
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2015.10.065


概要:
 われわれは5人の非喫煙者女性(38~56歳)のairway-centered fibroelastosisを報告する。同疾患は、病理学的に上葉にみられる広範囲な気道中心性のfibroelastosisがみられ、気管支壁肥厚・変形・拡張を伴う気管支の明らかな異常を呈するという特徴を有する。小葉中心の線維化と軽度の慢性炎症は周囲の間質に波及する。疫学としては過去の報告では女性に多いとされている。
 本報告の女性たちは、喘鳴と呼吸困難の急性症状エピソードを有した慢性の呼吸困難感が主症状である。また、生理学的な異常も中等度ないし重度にみられ、閉塞性パターンが3人、拘束性パターンが2人にみられた。吸入および経口ステロイドを使用しても、全例で疾患の進行がみられ慢性呼吸不全に陥った。2人に肺移植を要した。4人の患者は慢性喘息を有していた。
 本疾患は、特発性あるいは喘息関連のものがあると考えている。


by otowelt | 2016-01-28 00:12 | びまん性肺疾患