カテゴリ:びまん性肺疾患( 301 )

実臨床におけるピレスパ®とオフェブ®の忍容性は大規模臨床試験と同等

e0156318_7331272.jpg IPFの中でも比較的良好な機能である集団と、実臨床で処方される集団には大きな差があることが指摘されていましたが、忍容性や副作用に有意な差はなさそうです。

Jonathan A. Galli, et al.
Pirfenidone and nintedanib for pulmonary fibrosis in clinical practice: Tolerability and adverse drug reactions
Respirology, DOI: 10.1111/resp.13024


背景および目的:
 臨床試験とは離れた、実臨床におけるピルフェニドンとニンテダニブの忍容性はよくわかっていない。多くの肺線維症の患者はいろいろな合併症や臨床試験から除外されがちな背景を有している。

方法:
 われわれは、ニンテダニブあるいはピルフェニドンを肺線維症に対して処方された患者を後ろ向きに抽出した(2014年9月~2016年2月)。合計186人が登録された(129人がピルフェニドン、57人がニンテダニブ)。ピルフェニドン群患者は平均52±17週、ニンテダニブ群患者は平均41±15週追跡された。プライマリアウトカムは副作用による薬剤中断とした。

結果:
 登録患者はベースラインで有意な呼吸器系障害がみられ、63%が在宅酸素療法を必要とし、平均DLCOは36±14%だった。副作用による薬剤中断はピルフェニドン群の20.9%、ニンテダニブ群の26.3%でみられた。いずれの薬剤中断率も、大規模臨床試験(ASCEND/CAPACITY、INPULSIS1/2 )と差はなかった。
 ピルフェニドンによくみられた副作用は悪心(26.4%)、皮疹/光線過敏(14.7%)、ディスペプシア/GERD(12.4%)だった。ニンテダニブ群でよくみられた副作用は、下痢(52.6%)、悪心(29.8%)だった。
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(文献より引用:Figure3)

結論:
 実臨床レベルでニンテダニブあるいはピルフェニドンで治療された肺線維症の患者は、大規模臨床試験よりも呼吸機能障害や合併症の頻度が高いにもかかわらず、大規模臨床試験と同等の忍容性と副作用プロファイルであった。



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by otowelt | 2017-04-03 00:50 | びまん性肺疾患

実地臨床に即したオーストラリアIPFレジストリ

e0156318_7331272.jpg 臨床試験になぞらえた集団を解析することも重要ですが、臨床医としてはこういったコホートを実臨床に応用したいですね。

Jo HE, et al.
Baseline characteristics of idiopathic pulmonary fibrosis: analysis from the Australian Idiopathic Pulmonary Fibrosis Registry.
Eur Respir J. 2017 Feb 23;49(2). pii: 1601592. doi: 10.1183/13993003.01592-2016. Print 2017 Feb.


背景:
 致死的な進行性肺疾患である特発性肺線維症(IPF)の有病率は10万人あたり1.25~63人と考えられているため、大規模集団を用いた研究は困難である。近年、IPFの研究のための大規模な縦断的レジストリの必要性が認識されている。

方法:
 オーストラリアIPFレジストリ(AIPFR)を用いてIPFのデータを収集した。IPFコホートの臨床的特徴を調べ、患者背景、生理学的パラメータ、特異的マネジメントが死亡率に与える影響を調べた。

結果:
 AIPFRの患者647人(平均年齢70.9歳±8.5歳、67.7%が男性、追跡期間中央値2年[6ヶ月~4.5年])が解析対象となった。年齢、疾患重症度、合併症には広くばらつきがみられ、これは臨床試験のコホートでは見受けられない現象であった。累積死亡率は、1年次5%、2年次24%、3年次37%、4年次44%だった。ベースラインの肺機能(努力性肺活量、DLCO、composite physiological index)およびGAPステージは死亡率の強い予測因子であった(ハザード比4.64、95%信頼区間3.33~6.47、p<0.001)。抗線維化治療を受けていない患者と比較すると、同治療を受けた患者は、疾患重症度と独立して生存期間が長かった(ハザード比0.56、95%信頼区間0.34~0.92、p=0.022)。

結論:
 AIPFRはIPFの自然経過と臨床的マネジメントを理解する上で重要な知見を提供した。



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by otowelt | 2017-03-31 00:07 | びまん性肺疾患

喫煙に関連した急性好酸球性肺炎は、その他の急性好酸球性肺炎よりも好酸球増多を伴いにくく重症

e0156318_2331765.jpg AEPの診断基準にコンセンサスはありませんが、AllenらのものとPhilitらのものが良く使われます。この論文ではPhilitらのものが用いられています。AEPの発症までの期間と病理像に少しだけ差異がありますが、まぁここらへんは好みの問題でしょうか。
 『ポケット呼吸器診療2017』では古典的Allenらの基準を載せましたが、Philitらのものに次年度変えさせていただこうと思います。

Federica De Giacomi, et al.
Acute eosinophilic pneumonia: correlation of clinical characteristics with underlying cause
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2017.03.001


背景:
 急性好酸球性肺炎(AEP)は稀な疾患であるが、しばしばARDSや市中肺炎のような初期臨床像を呈する。AEPは特発性のことがあるが、薬剤や喫煙のような吸入物質によって惹起されることがある。

方法:
 われわれは後ろ向きにAEP患者を1998年1月1日から2016年6月30日まで単施設で抽出し、診療録を参照した。患者背景や臨床データを抽出した。

結果:
 連続36人のAEP患者が登録され、11人が喫煙関連AEP,6人が薬剤関連AEP、19人が特発性AEPであった。喫煙関連AEPのうち、6人が初回喫煙、5人が既往喫煙者で再開し始めた例であった。喫煙関連AEPの患者は、薬剤関連AEPや特発性AEPの患者よりも若かった(年齢中央値22歳 vs 47.5歳 vs 55歳、p=0.004)。喫煙関連AEPは、末梢血好酸球増多を伴いにくかった(36% vs. 50% vs. 58%, p=0.52)が、入院頻度は高かった(100% vs. 50% vs. 63%, p=0.039)。

結論:
 AEPは早期発見早期治療が行われれば予後良好な疾患である。薬剤関連および特発性AEPと比較すると、喫煙関連AEPは末梢血好酸球増多を伴いにくかったが、より重度の疾患像に特徴づけられていた。



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by otowelt | 2017-03-29 00:25 | びまん性肺疾患

LAMに対するシロリムスとヒドロキシクロロキンの併用療法

e0156318_21492533.jpg 稀少疾患の貴重なデータです。抗マラリア薬であるクロロキンにオートファジー阻害作用があることがわかっており、がんの領域でも研究が進んでいます。

Souheil El-Chemaly, et al.
Sirolimus and Autophagy Inhibition in LAM: Results of a Phase I Clinical Trial
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2017.01.033


背景:
 動物や細胞レベルでの研究では、リンパ脈管筋腫症(LAM)におけるオートファジー阻害の重要性が支持されている。LAMコホートで、われわれはシロリムスとヒドロキシクロロキン(オートファジー阻害目的)の併用治療を2用量レベルで検証し、安全性と忍容性について調べた。セカンダリエンドポイントには肺機能の変化を含めた。

方法:
 この48週の2施設共同第1相試験では、18歳以上のLAM患者に対してヒロドキシクロロキン100~200mg1日2回をシロリムスと併用してもらった(ヒドロキシクロロキンは漸増する)。

結果:
 14人の患者がインフォームドコンセントにより登録された。13人がコホートでの治療を受け、3人が200mg/dayのヒドロキシクロロキン、10人が400mg/dayのヒドロキシクロロキンの併用療法を受けた。
 もっともよくみられた副作用は粘膜炎、頭痛、下痢であった。薬剤による重篤な有害事象は報告されなかった。
 セカンダリエンドポイントでは24週時点での肺機能は改善したが、48週時点では悪化していた。高用量ヒドロキシクロロキンを分けて解析すると、1秒量および努力性肺活量は48週時点でも維持されていた。しかし、ベースラインからの6分間歩行距離は短縮していた。

結論:
 シロリムスとヒドロキシクロロキンの併用は忍容性がある。大規模臨床試験において肺機能に対する潜在的効果を検証すべきだろう。


by otowelt | 2017-03-14 00:41 | びまん性肺疾患

慢性過敏性肺炎における線維芽細胞巣の存在は予後不良因子

e0156318_1063321.jpg 診断されたCHPが本当に真のCHPなのか、そこが一番の問題なのですが。

Ping Wang, et al.
Pathological Findings and Prognosis in a Large Prospective Cohort of Chronic Hypersensitivity Pneumonitis.
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2017.02.011


背景:
 慢性過敏性肺炎(CHP)患者において特異的な組織病理学的特徴が死亡や肺移植を予測することができるかどうかよくわかっていない。

方法:
 登録中の縦断的コホートから、外科的肺生検によってCHPと診断された患者を同定した。外科的肺生検組織検体は、経験のある呼吸器病理医によって前向きに評価された。
 Cox比例ハザード解析によって非移植生存期間の独立予測因子を同定し、Kaplan-Meier解析によってアウトカムを視覚化した。

結果:
 119人の患者が同定された。f-NSIPパターン、細気管支中心性線維化(BF)パターン、UIPパターンは、c-NSIPパターンやperibronchiolar inflammation with poorly formed granulomas (PI-PFG)パターンと比較して有意に非移植生存期間の悪化と関連していた。f-NSIPパターン、BFパターン、UIPパターンの患者の間には生存期間の差は観察されなかった。
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(文献より引用:Figure4)

 死亡までの期間あるいは移植までの期間の独立予測因子には、線維芽細胞巣の存在あるいはdense collagen fibrosisが含まれた。
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(文献より引用:Table3)

結論:
CHP患者において、UIPパターン、f-NSIPパターン、BFパターンと比較すると、c-NSIPパターン、PI-PFGパターンは非移植生存期間が良好であった。線維芽細胞巣やdense collagen fibrosisの存在は、死亡や肺移植といった悪化イベントと相関していた。どのような組織パターンであろうと、組織病理学的に線維芽細胞巣がみられたら、CHP患者が予後不良と考える必要があるかもしれない。




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by otowelt | 2017-03-10 00:01 | びまん性肺疾患

ダプトマイシンによる好酸球性肺炎

e0156318_1872356.jpg 呼吸器科でダプトマイシンを使うことはほとんどありませんが。一度キュビシン®を使用している患者さんのGGOを紹介されたことがあります。

Uppal P, et al.
Daptomycin-induced eosinophilic pneumonia - a systematic review.
Antimicrob Resist Infect Control. 2016 Dec 12;5:55.


背景:
 好酸球性肺炎は肺に好酸球が増加する疾患であり、時に血流にも増多がみられる。ダプトマイシンと関連した好酸球性肺炎の報告が複数ある。

方法:
 システマティックレビューを行い、ダプトマイシン使用と関連した好酸球性肺炎の症例を同定した。信頼性のある研究をPubMedなどの電子データベースから抽出した。全症例について、年齢、疾患適応、臨床所見、客観的所見、治療、アウトカムを評価した。非英語文献は除外した。
 
結果:
 35人の症例が解析に組み込まれた。ダプトマイシンによる好酸球性肺炎は83%が男性で、ほとんどが高齢者だった(平均年齢65.4±15歳)。ダプトマイシンの用量は4~10mg/kg/日とばらつきがみられ、ほとんどの症例では腎機能障害がみられた。平均ダプトマイシン投与期間は2.8±1.6週だった。94%の患者が呼吸困難感、57%の患者が発熱を呈し、末梢血好酸球増多は77%、胸部CTおよびレントゲン写真上の浸潤影は86%にみられた。ダプトマイシン中断によって症状は改善した(24時間~1週間の経過)。66%の患者は、ステロイドを処方された。

結論:
 ダプトマイシン投与中に呼吸困難感や発熱を呈した症例では、好酸球性肺炎を考慮すべきである。


by otowelt | 2017-02-06 00:58 | びまん性肺疾患

強皮症関連間質性肺疾患における咳嗽は治療により軽減

e0156318_1521417.jpg ILDの咳嗽治療ほど悩ましいものはありません。

Donald P. Tashkin, et al.
Improved cough and cough-specific quality of life in patients treated for scleroderma-related interstitial lung disease (SSc-ILD): Results of Scleroderma Lung Study II
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.11.052


背景:
 咳嗽はよくみられる強皮症関連間質性肺疾患(SSc-ILD)の頻度の高い症状であるが、他のSSc-ILDの特徴との関連性、咳嗽特異的QOL、治療反応性については詳しく検討されていない。

方法:
 われわれは、Scleroderma Lung Study II(ミコフェノール酸モフェチル[MMF]あるいは経口シクロホスファミド[CYC]のILD治療効果を比較したランダム化比較試験)に登録されたSSc-ILD患者142人の咳嗽について調べた。
 頻繁な咳嗽がQOLに及ぼす影響はLCQスコアを用いて治療に反応して咳嗽頻度が変化したかどうかを調べ、またGERDと咳嗽の関連性について調べた。

結果:
 ベースラインで頻繁に咳嗽がみられたのは61.3%であった。彼らは有意に呼吸困難症状が強く、胸部HRCTでILDの分布が広範囲であり、DLCOが低く、GERD症状が多かった。咳嗽特異的QOLは咳嗽がみられた患者ではやや阻害されていた(総LCQスコア15.4±3.7)。頻繁に咳嗽がみられる頻度は2年間の治療においてCYC群44%、MMF群41%にまで減少した。この減少はGERDやILDの重症度と相関がみられた。

結論:
 SSc-ILD患者では頻繁に咳嗽がみられ、GERDやILDと相関がみられ、治療によって咳嗽の頻度が減少することが分かった。頻繁な咳嗽はSSc-ILDの臨床試験における治療反応性の有用なサロゲートマーカーになるかもしれない。


by otowelt | 2017-01-13 00:42 | びまん性肺疾患

INPULSIS試験サブグループ解析:日本人IPF患者に対するニンテダニブの有用性

e0156318_7331272.jpg 日本人に対するオフェブ®のサブ解析の結果です。

Azuma A, et al.
Nintedanib in Japanese patients with idiopathic pulmonary fibrosis: A subgroup analysis of the INPULSIS® randomized trials.
Respirology. 2016 Dec 20. doi: 10.1111/resp.12960. [Epub ahead of print]


背景および目的:
 IPFは、慢性の進行性線維性間質性肺炎の一型である。プラセボと比較してニンテダニブは努力性肺活量(FVC)の年間減少率を有意に抑制することが2つのINPULSIS試験において示されている。われわれは、日本人患者におけるニンテダニブの効果と安全性について調べた。

方法:
 われわれは、事前に規定したINPULSIS試験の日本人サブグループ患者においてFVC年間減少率、初回の急性増悪(AE)までの期間、ベースラインからのSGRQスコアの変化、安全性を調べた。

結果:
 登録患者638人中78人がニンテダニブ群の日本人、423人中50人がプラセボ群の日本人だった。日本人患者における結果は、INPULSIS試験全体と変わらなかった。日本人において、補正FVC年間減少率はニンテダニブ群で-135.9 mL/年、プラセボ群で-267.7 mL/年だった(差131.9mL、 95%信頼区間50.7~213.1 mL/年)。初回AEまでの期間についてもINPULSIS試験と同様(ハザード比0.25、95%信頼区間0.06~1.02)、ベースラインからの52週までのSGRQスコアの変化についても同様だった(差-3.87、95%信頼区間-8.51~0.76)。ニンテダニブ群では、下痢と肝障害がもっともよくみられた副作用イベントであったが、用量減量・中断・対症療法によって可逆性がみられた。

結論:
 この研究により、日本人患者におけるニンテダニブの効果と安全性が示され、またINPULSIS試験全体の結果と同程度であった。


by otowelt | 2017-01-11 00:36 | びまん性肺疾患

AETHER試験:IPFに対するヒト間葉系幹細胞静注療法

e0156318_22194053.jpg 2014年にRespirologyでもMSCの報告がされています。

・特発性肺線維症に対する胎盤由来間葉系幹細胞の投与の安全性について

Glassberg MK, et al.
Allogeneic human mesenchymal stem cells in patients with idiopathic pulmonary fibrosis via intravenous delivery (AETHER): a phase I, safety, clinical trial.
Chest. 2016 Nov 24. pii: S0012-3692(16)62462-5. doi: 10.1016/j.chest.2016.10.061. [Epub ahead of print]


背景:
 最近FDAはIPFに対して2つの薬剤を承認したが、治癒可能な治療法はいまだに存在せず疾患死亡率は高い。臨床前および臨床データによってヒト間葉系幹細胞(MSC)が潜在的な新規治療法として報告されている。AETHER試験は、IPF患者に対する骨髄由来MSCの単回静注の安全性を評価した初めての臨床試験である。

方法:
 9人の軽症~中等症IPF患者が連続して3つのうちの1つのコホートに登録され、非近親の若年男性ドナーから得られたMSCを単回静注(20×106、100×106、200×106)された。すべてのベースライン患者データは、多面的研究チームによってレビューされた。プライマリエンドポイントは、治療による重篤な有害事象の発生とした(死亡、非重篤肺塞栓、脳卒中、呼吸困難による入院、臨床的に有意な検査データ異常)。

結果:
 治療関連の重篤な有害事象は報告されなかった。2つの治療と関連しない死亡がみられ、これはIPFの進行であった。静注後60週までに、平均3.0%の%努力性肺活量の減少がみられ、平均5.4%の%DLCOの減少がみられた。

結論:
 軽症~中等症IPFの患者においてヒトMSC静注は安全に実施できると考えられる。

by otowelt | 2016-12-22 00:36 | びまん性肺疾患

過敏性肺炎における血清YKL-40値は有用な予後予測バイオマーカー

e0156318_10412991.jpg キチナーゼは、Th2性炎症に対して重要な役割を果たすことが知られています。

Long X, et al.
Serum YKL-40 as predictor of outcome in hypersensitivity pneumonitis.
Eur Respir J. 2016 Nov 11. pii: ERJ-01924-2015.


背景:
 YKL-40はキチナーゼ様タンパクで、マクロファージ、好中球、上皮細胞から産生され、特に特発性間質性肺炎やサルコイドーシスで上昇する。

方法:
 われわれは過敏性肺炎におけるバイオマーカーとしてのYKL-40の役割を調べた。72人の過敏性肺炎患者、100人の間質性肺疾患のコントロール患者、60人の健康コントロール患者を調べた。YKL-40は血清および気管支肺胞洗浄液(BALF)においてELISAを用いてベースラインとフォローアップ時に調べた。YKL-40値と臨床的アウトカム、疾患アウトカムの関連性が評価された。

結果:
 ベースラインのYKL-40値は、健康コントロール患者よりも過敏性肺炎患者で有意に高かったが(p<0.001)、他の間質性肺疾患患者よりは低かった。過敏性肺炎患者におけるベースラインのBALF中YKL-40値は間質性肺疾患の中で最も高かった。過敏性肺炎の患者では、血清YKL-40値はベースラインおよび経過中のDLCOと相関がみられた。疾患が進行したり死亡した過敏性肺炎患者ではベースラインYKL-40値はそれ以外の過敏性肺炎患者よりも高かった(p<0.001)。
 カットオフ値を119 ng/mLとすると、ベースラインの血清YKL-40値は疾患進行を有意に予測した(ハザード比6.567、p<0.001)。またカットオフ値を150 ng/mLにすると、死亡と有意に関連がみられた(ハザード比9.989; p<0.001)。

結論:
 過敏性肺炎患者における血清YKL-40値は有用な予後予測バイオマーカーである。

by otowelt | 2016-12-08 00:31 | びまん性肺疾患