カテゴリ:肺癌・その他腫瘍( 469 )

肺GGN(GGO)はいつまでフォローアップする?

e0156318_12171296.jpg 肺のGGNは少なくとも3年は経過をみましょうという報告があります。

・肺GGNは少なくとも3年フォローアップした方がよい

 今回の報告は現在のプラクティスに大きな影響を与えそうですね。CTR=0の症例では果たしてどのくらい観察すればよいのか・・・。

Shigeki Sawada,et al.
Long-term outcomes of patients with ground-glass opacities detected using computed tomography
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.07.007


背景:
 スリガラス影(GGO)のフォローアップの長期アウトカムが明らかにされねばならない。

方法:
 2000年~2005年の間に、3cm未満のpure GGOあるいはmixed GGOを同定された226人が登録された。CT所見およびフォローアップ中の変化、226人の患者アウトカムがレビューされた。

結果:
 全体で124人の患者が切除された。57人は陰影が安定ないし消退したため68ヶ月後時点でのフォローアップを受けていなかった。また、45人は引き続きフォローアップを受けていた。39人がフォローアップ中に腫瘍が発生した。CTR(腫瘍径に対するコンソリデーションの直径の占める比率)が0を超える患者では、腫瘍の発生は3年以内に観察され、CTR=0の患者の16%では腫瘍発生に3年超を要した。CTR=0の患者の4%に、またCTR>25%の患者に進行性のがんが発生した。進行性のがんはフォローアップ期間中にCTRが上昇した患者の46%、腫瘍径が増大した患者の8%に観察された。

結論:
 フォローアップ期間中の高CTRおよびCTRの上昇は進行性のがんと関連していた。CTR>0の患者では、3年のフォローアップが適切な腫瘍発生をみる観察期間と考えられるが、CTR=0の患者ではさらに長い観察期間が必要かもしれない。


by otowelt | 2016-08-09 00:40 | 肺癌・その他腫瘍

クリゾチニブ治療を受けたALK陽性非小細胞肺癌の後治療チャートレビュー

e0156318_21153247.jpg ザーコリ®、アレセンサ®、ジカディア®の位置付けがエキスパートの間でも少々異なるため、色々なメディアから情報収集をしています。

Cadranel J, et al.
Characteristics, treatment patterns, and survival among ALK+ non-small cell lung cancer (NSCLC) patients treated with crizotinib: A chart review study.
Lung Cancer. 2016 Aug;98:9-14.


背景:
 第2世代ALK阻害剤は、クリゾチニブで治療を受けたALK陽性非小細胞肺癌(NSCLC)に対して最近使用されている。この研究は、局所進行性/転移性クリゾチニブ既治療ALK陽性NSCLC患者の臨床的特徴、治療シークエンス、アウトカムを調べたものである。

方法:
 本研究は、2014年7月から2015年6月まで、イギリス、EU、韓国、南アメリカで実施された後ろ向きのチャートレビューである。クリゾチニブ治療を受けたALK陽性NSCLC患者を同定し、臨床的特徴、治療内容、生存期間を事前に規定した症例登録票に基づいて抽出解析した。全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)を記述するためKaplan-Meier解析を用いた。

結果:
 試験期間中クリゾチニブ治療を受けたALK陽性NSCLC患者が158人登録された。クリゾチニブは主には二次治療として用いられていたが(41%)、地域によって大きな差がみられた。クリゾチニブ治療を受けた約半数(53%)の患者がさらなる抗癌剤治療を受け、第2世代ALK阻害剤(44%)、その他の化学療法(42%)が主な治療内容であった。クリゾチニブ治療中断後、OSは8.2ヶ月であった。第2世代ALK阻害剤を開始しなかった患者のOSは4.9ヶ月であり、それを投与されていない患者のOSはnot reachedであった。その他の化学療法を受けた患者の後治療開始後PFSは3.6ヶ月であった。

結論:
 クリゾチニブ中断後、多くの患者が抗癌剤治療を受けていなかった。また、第2世代ALK阻害剤を受けていない患者ではOSは短かった。現在使われるようになった第2世代ALK阻害剤は、ALK陽性NSCLC患者の治療オプションとして重要な位置づけである。


by otowelt | 2016-07-29 00:33 | 肺癌・その他腫瘍

ALK variant 1はザーコリ®が効きやすい

e0156318_16174587.jpg 非常に興味深い論文です。勉強になりました。

Yoshida T, et al.
Differential Crizotinib Response Duration Among ALK Fusion Variants in ALK-Positive Non-Small-Cell Lung Cancer.
J Clin Oncol. 2016 Jun 27. pii: JCO658732. [Epub ahead of print]


目的:
 ALK再構成陽性非小細胞肺癌(NSCLC)は、クリゾチニブのようなALKチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)によって効果的に治療されるが、反応性や奏効期間は不均一である。ALKにはいくつかのvariantが存在するが、これらによる効果の差についてはほとんど検証されていない。

患者および方法:
 2007年1月から2014年12月までにクリゾチニブで初回治療を受けた55人の患者のうち、腫瘍検体が得られ逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によってALK variantの評価ができた35人を登録した。ALK variantごとの客観的奏効率(ORR)および無増悪生存期間(PFS)をもとに後ろ向きにクリゾチニブの効果を調べた。

結果:
 もっともよくみられたALK variantはvariant 1(EML4 exon13とALK exon20の融合)が19人(54%)、続いてvariant 2が5人(14%)、variant 3a/3b(EML4 exon6 とALK exon20の融合)が4人(12%)、その他のvariantが7人(20%)だった。ORRは全患者で69%で、variant 1は74%、non-variant 1は63%だった。PFS中央値は、non-variant 1よりもvariant 1で有意に長かった(11.0ヶ月[95%信頼区間6.5-43.0] v 4.2ヶ月[95%信頼区間1.6-10.2], P < .05)。多変量解析では、PFS延長に関して2つの独立因子が同定された。すなわち、ALK variant1(ハザード比0.350; 95%信頼区間0.128 to 0.929; P < .05)、進行病期(ハザード比4.646; 95%信頼区間1.381 to 21.750; P < .05)である。

結論:
 ALK variant 1のある患者はnon-variant 1の患者よりもクリゾチニブの効果が良好である。ALK variantステータスがALK-TKIの効果に影響するかもしれない。


by otowelt | 2016-07-04 00:29 | 肺癌・その他腫瘍

CheckMate-012試験:非小細胞肺癌に対する一次治療としてのオプジーボ®

e0156318_8501268.jpg このJCOの論文はニボルマブに関する記載ですが、CheckMate-012試験では、オプジーボ®+ヤーボイ®の併用療法で確認された奏効率(ORR)は、PD-L1発現レベルが1%以上の患者さんで57%、PD-L1発現レベルが50%以上の患者さんで92%でした。

Gettinger S, et al.
Nivolumab Monotherapy for First-Line Treatment of Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer.
J Clin Oncol. 2016 Jun 27. pii: JCO669929. [Epub ahead of print]


目的:
 抗PD-1抗体であるニボルマブは、進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対してドセタキセルより生存を改善することが示された。進行NSCLCに対する一次治療としてのニボルマブは、第I相試験、CheckMate-012試験で評価された。

方法:
 52人の患者が、病勢進行あるいは毒性中止になるまでニボルマブ3mg/kgを2週ごとに投与された。

※CheckMate -012 試験は、化学療法未治療の進行NSCLC患者を対象に、ニボルマブの安全性と忍容性を、単剤療法またはイピリムマブを含む他の薬剤との併用療法として、異なる用量と投与スケジュールを用いて評価した多群第Ib相臨床試験である。

 主要評価項目として安全性、二次評価項目として客観的奏効率(ORR)、24週無増悪生存期間(PFS)が設定され、全生存期間(OS)やPD-L1発現レベルごとの有効性は探索的エンドポイントとした。

結果:
 治療関連有害事象は患者の71%にみられた。疲労(29%)、皮疹(19%)、悪心(14%)、下痢(12%)などが挙げられる。10人(19%)の患者がGrade 3-4の治療関連有害事象を経験した。6人(12%)の患者が有害事象によって治療中断となった。ORRは23%(12人)で、4人は現在も完全寛解を維持し続けている。12人中9人(75%)が初回評価までに腫瘍縮小がみられており、8人(67%)は現在も効果を維持している。PD-L1発現レベル1%以上ではORR28%、1%未満(発現なし)ではORR14%だった。発現レベル50%以上の場合、ORRは50%だった。PFS中央値は3.6ヶ月であり、24週PFS率は41%(95%信頼区間27-54)だった。OS中央値は19.4ヶ月で、1年および18ヶ月OS率は73%(95%信頼区間59-83)、57%(95%信頼区間42-70)だった。
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(小野薬品工業プレスリリースより引用)

結論:
 進行NSCLCの一次治療におけるニボルマブは忍容性があり、反応性も良好である。


by otowelt | 2016-07-01 00:49 | 肺癌・その他腫瘍

血中および胸水中VEGFレベルはベバシズマブのアウトカムを予測するバイオマーカー

e0156318_10101326.jpg アバスチン®のバイオマーカーの報告です。

Tamiya M, et al.
Vascular Endothelial Growth Factor in Plasma and Pleural Effusion Is a Biomarker for Outcome After Bevacizumab plus Carboplatin-Paclitaxel Treatment for Non-small Cell Lung Cancer with Malignant Pleural Effusion.
Anticancer Res. 2016 Jun;36(6):2939-44.


目的:
 悪性胸水は、VEGFが血清および血漿で上昇することと関連している。悪性胸水(MPE)患者におけるベバシズマブ治療のアウトカムとしてバイオマーカーは存在しない。われわれは過去にカルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブが進行性非小細胞肺癌(NSCLC)およびMPE患者に効果的であることを示したが、治療アウトカムと血中あるいは胸水中のVEGFレベルの関連性については評価していなかった。そこで、このVEGFレベルがベバシズマブ治療アウトカムを予測するかどうか評価した。

患者および方法:
 NSCLCおよびMPEの患者23人を2010年9月から2012年6月まで登録した。血中VEGFレベルは19人の患者で、胸水中VEGFレベルは22人の患者で測定された。

結果:
 血中VEGFレベルが低い患者と比較して、高レベルの患者は有意に全生存期間(13.8ヶ月 vs. 6.5ヶ月, p=0.04)、無増悪生存期間(8.7ヶ月 vs. 4.8ヶ月, p<0.01)、胸水再貯留までの期間(9.7ヶ月 vs. 6.2ヶ月, p=0.02)が短かった。胸水中VEGFレベルが低い患者と比較して、高レベルの患者は有意に全生存期間(19.6ヶ月 vs. 6.9ヶ月, p<0.01)、胸水再貯留までの期間(9.6ヶ月 vs. 6.7ヶ月, p=0.04)が短かったが、無増悪生存期間には有意差はなかった(6.6ヶ月 vs. 5.9ヶ月, p=0.18).

結論:
 血中および胸水中のVEGFレベルは、NSCLCおよびMPE患者におけるベバシズマブのアウトカムを予測するかもしれない。 


by otowelt | 2016-06-23 00:45 | 肺癌・その他腫瘍

再発性SCLCに対してニンテダニブは有効か?

e0156318_12291546.jpg 小細胞肺癌に対する有効な治療法の報告が欲しいところ。

Han JY, et al.
A phase II study of nintedanib in patients with relapsed small cell lung cancer.
Lung Cancer. 2016 Jun;96:108-12. doi: 10.1016/j.lungcan.2016.04.002. Epub 2016 Apr 6.


目的:
 ニンテダニブは経口トリプルキナーゼ阻害薬である。この研究は、再発/抵抗性の小細胞肺癌(SCLC)患者に対するニンテダニブの効果と安全性を評価したものである。

患者および方法:
 ECOG PS0-2の患者で1~2回の化学療法/化学放射線治療歴がある者を登録した。患者は、ニンテダニブ200mg1日2回4週サイクルを病勢進行あるいは毒性による中止があるまで続けられた。プライマリエンドポイントは、客観的奏効率(ORR)とした。

結果:
 2011年12月から2014年6月までに24人の患者が登録された。22人の患者が治療を完遂し、その効果を評価された。フォローアップ期間中央値は9.7ヶ月(0.5-19.8ヶ月)だった。年齢中央値は64歳(46-77歳)だった。6人の患者はsensitive relapseで、8人が1回の化学療法治療歴を有していた。
 効果については、1人がPR、7人がSDだった。ORRは5%(95%信頼区間0.1-22.8%)だった。PFS中央値は1.0ヶ月(95%信頼区間0.9-1.1ヶ月)で、OSは9.8ヶ月(95%信頼区間8.4-11.2ヶ月)だった。
 有害事象は、肝障害86%、貧血73%、食思不振59%、悪心50%だった。ほとんどの有害事象はマネジメント可能であった。Grade3の肝障害が5人(23%)にみられた。

結論:
 再発性/抵抗性SCLCに対するニンテダニブは、マネジメント可能だが限られた抗腫瘍活性しか有さない。



by otowelt | 2016-06-02 00:44 | 肺癌・その他腫瘍

EGFR遺伝子変異陽性NSCLCは脳転移の頻度が高い

e0156318_1164629.jpg 既知の知見です。 

Hsu F, et al.
EGFR mutation status on brain metastases from non-small cell lung cancer.
Lung Cancer. 2016 Jun;96:101-7. doi: 10.1016/j.lungcan.2016.04.004.


目的:
 この研究の目的は、EGFR遺伝子変異が進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者における脳転移の頻度にどういった影響を与えるか調べることである。

方法:
 後ろ向き研究。EGFR遺伝子変異陽性および陰性が判明している患者を本研究コホートとして使用。プライマリエンドポイントは、脳転移の頻度とした。セカンダリエンドポイントは全生存期間とした。

結果:
 543人の患者のうち、121人がEGFR遺伝子変異陽性、422人がEGFR遺伝子変異野生型であった。脳転移の累積罹患率は、前者で39.2%、後者で28.2%だった(p=0.038; ハザード比1.4)。多変量解析では、若年者、EGFR遺伝子変異陽性は有意な脳転移予測因子であった。生存期間中央値はEGFR遺伝子変異陽性群22.4ヶ月、野生型7.9ヶ月であった(p<0.001)。PS不良および脳転移は生存期間短縮のリスク因子であった。

結論:
 進行期NSCLCにおけるEGFR遺伝子変異陽性の患者では野生型の患者と比べて脳転移の頻度が高い。


by otowelt | 2016-05-27 00:26 | 肺癌・その他腫瘍

タグリッソ®発売

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本日、タグリッソ®が発売されました。

効能効果:
 
EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌

効能・効果に関連する使用上の注意
 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、EGFRT790M変異陽性が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断薬を用いて測定すること。
1.【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。
2.本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。

用法用量:
 通常、成人にはオシメルチニブとして80mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

by otowelt | 2016-05-25 08:50 | 肺癌・その他腫瘍

BRAF-V600E変異陽性非小細胞肺癌に対するダブラフェニブの有効性

e0156318_9144269.jpg 非小細胞肺癌に対するダブラフェニブの論文です。ダブラフェニブ(タフィンラー)はBRAF V600E/K変異を有する悪性黒色腫の治療の際に、MEK阻害薬トラメチニブ(メキニスト)と併用されます。

Planchard D, et al.
Dabrafenib in patients with BRAFV600E-positive advanced non-small-cell lung cancer: a single-arm, multicentre, open-label, phase 2 trial.
Lancet Oncol. 2016 Apr 11. pii: S1470-2045(16)00077-2. doi: 10.1016/S1470-2045(16)00077-2. [Epub ahead of print]


背景:
 活性化BRAFV600E(Val600Glu)変異は肺腺がんの1~2%にみられ、これらの患者に対して当該標的治療が有効かもしれない。ダブラフェニブは経口選択的BRAFキナーゼ阻害薬である。われわれは、BRAFV600E陽性の進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対するダブラフェニブの臨床的活性を調べた。

方法:
 これは多施設共同非ランダム化オープンラベル第2相試験であり、治療歴の有無を問わず病期IVのBRAFV600E陽性NSCLC患者を登録した。患者はダブラフェニブ150mg1日2回の投与を受けた。プライマリエンドポイントは、1回でも試験薬を投与された患者の奏効率とした。安全性はこの集団で解析をおこなった。研究そのものは現在も進行しているが、この2相試験コホートの患者は組み込まれていない。

結果:
 2011年8月3日から2014年2月25日までの間、84人の患者が登録され、そのうち6人がNSCLCの治療を過去に受けたことがなかった。治療歴のある78人のうち26人の奏効率は33%(95%信頼区間23-45%)、過去に治療を受けたことが無い6人のうち4人が客観的奏効が得られた。1人はダブラフェニブによる脳出血によって死亡した。もともよくみられたGrade3以上の有害事象は皮膚扁平上皮がん(12%)、無力症(5%)、基底細胞癌(5%)だった。

結論:
 ダブラフェニブはBRAFV600E陽性NSCLC患者に臨床的活性を持つ。ダブラフェニブは限定的な治療法しかない当該集団において治療オプションとなりうる。


by otowelt | 2016-04-25 00:47 | 肺癌・その他腫瘍

システマティックレビュー:非小細胞肺癌に対する維持療法

e0156318_8124310.jpg タルセバを含めた維持療法についてもさかんに議論されています。

Kulkarni S, et al.
The Use of Systemic Treatment in the Maintenance of Patients with Non-small Cell Lung Cancer: A Systematic Review.
J Thorac Oncol. 2016 Mar 21. pii: S1556-0864(16)30017-X. doi: 10.1016/j.jtho.2016.03.007.


背景:
 非小細胞肺がん(NSCLC)はしばしば進行期に診断され、治療オプションが限られているのが現状である。維持療法は病勢進行までの期間を延長させる効果があり、潜在的には全生存期間をも延長する。また、病勢進行があったときに二次治療にすすむことができる患者の割合も増加させることができる。このシステマティックレビューの目的は、NSCLC患者の維持療法としての全身治療の有用性を調べることである。

方法:
 MEDLINE, EMBASE, Cochrane Libraryを用いて、病期IIIBあるいはIVの最低4コースのプラチベースの化学療法を実施したNSCLC患者において、維持療法を他の全身治療あるいはプラセボと比較した第III相ランダム化比較試験を抽出した。当該研究に対してメタアナリシスを実施した。

結果:
 14のランダム化比較試験が登録された。全生存期間に対する利益は、非扁平上皮NSCLCに対するペメトレキセド維持療法で最も強く観察された(ハザード比0.74; 95%信頼区間 0.64 to 0.86)。しかし、扁平上皮NSCLC患者にはこの利益は観察されなかった。EGFR-TKIによる全生存期間への利益も観察されたが、ペメトレキセドほどの効果はなかった(ハザード比0.84; 95%信頼区間0.75 to 0.94)。ドセタキセルあるいはゲムシタビン維持療法は、全生存期間に対する影響はなかった。

結論:
 4~6コースのプラチナベース化学療法を受けて進行がみられなかった進行期IIIB/IV期NSCLCにおいて、ペメトレキセド維持療法による全生存期間の効果が最も強く、EGFR-TKIがそれに次ぐ。


by otowelt | 2016-04-22 00:18 | 肺癌・その他腫瘍