カテゴリ:肺癌・その他腫瘍( 474 )

NSCLCセカンドラインにおけるドセタキセルの発熱性好中球減少症の頻度は6%


非小細胞肺癌(NSCLC)におけるセカンドラインは
文句なしにドセタキセルが第一選択であろう。
発熱性好中球減少症がどのくらいの頻度で起こるのかを
調べる研究が出た。

The risk of febrile neutropenia in patients with non-small-cell lung cancer treated with docetaxel:a systematic review and meta-analysis.
Br J Cancer 2009;100:436-441.


方法:
 ドセタキセルによるNSCLCのセカンドラインにおける
 発熱性好中球減少(FN)の発生頻度について、
 システマティックレビューおよびメタアナリシスにより検討した。
 前治療歴のある患者に承認用量のドセタキセルが使用され、
 FNの発生頻度が報告されている既発表の試験を検索し、解析対象とした。

結果:
 1回以上のFNエピソードを経験した患者比率をメタアナリシスにより評価。
 患者1,609例を含む13試験についての統合ランダム効果メタアナリシスで、
 ドセタキセル投与中に1回以上のFNエピソードを経験した患者の比率は
 5.95%(95%CI 4.22-8.13)であった。G-CSFの予防的投与が
 容認された試験、あるいは第II相試験と第III相試験との間には有意差はなし。
 ドセタキセルによるFNの発生頻度は、無作為比較試験のエビデンスでは約6%で、
 これは化学療法レジメンの選択に際して考慮すべき重要な要素になると考えられた。

by otowelt | 2009-03-19 02:49 | 肺癌・その他腫瘍

ガバペンチンは、アンドロゲン除去関連のほてりを軽減する


A phase III randomized, double-blind,placebo-controlled trial of gabapentin in the management of hot flashes in men (N00CB).
Annals of Oncology 20: 542–549, 2009


背景:
 ほてり(hot lash)は、アンドロゲン除去療法(前立腺癌)において
 非常に問題になることがある。

方法:
 前立腺癌に対し安定したアンドロゲン除去療法施行中の患者で、
 ほてりを訴える症例を対象に前向き二重遮蔽プラセボ比較試験を実施した。
 患者にプラセボまたはガバペンチン(ガバペン)を
 300、600または900mg/日を投与した。ベースラインの1週間および
 試験薬投与後4週間のほてりの頻度と重症度を記録。

結果:
 適格214例における試験薬投与第4週目の平均のほてりスコアは、
 ベースラインの週に比し4.1単位減少した。ガバペンチンの投与量群別
 では、300mg群で3.2、600mg群で4.6、900mgで7.0単位減少。
 ガバペンチン群全体とプラセボ群の比較では、ほてりに関して有意差はなし。
 ガバペンチン最大量投与群の治療4週後のほてりスコアとほてりの頻度の
 変化をプラセボ群と比較した場合のp値は、それぞれ0.10および0.02だった。
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結論:
 ガバペンチンがアンドロゲン除去関連の血管運動機能障害を有する患者の
 ほてりをある程度軽減する。

by otowelt | 2009-03-18 22:34 | 肺癌・その他腫瘍

ピロリ除菌および化学療法抵抗性の胃MALTリンパ腫に放射線治療は有用


MALTリンパ腫の治療には興味があるので。
Annals of oncologyより。

Complete long-term response to radiotherapy of gastric early-stage marginal zone lymphoma resistant to both anti-Helicobacter pylori antibiotics and chemotherapy.
Ann Oncol 2009 20: 465-468


背景:
 胃MALTリンパ腫で、ピロリ除菌に抵抗性の場合の
 適切なアプローチはまだ定まっていない。

方法:
 1997年1月から2004年12月まで24人のピロリ陽性の胃MALTリンパ腫と
 診断された患者を対象とした。5人がピロリ抵抗性であった。
 その後1ないし2レジメンの化学療法が追加された。
 51から77歳で平均年齢は70歳であった。
 彼らは30 Gyの放射線治療を受けた。

結果:
 これらピロリ除菌耐性の患者は放射線治療後に完全寛解を得た。
 67ヵ月後も再発がみられなかった。
 早期毒性はきわめて軽く、軽度の嘔気がみられる程度であった。
 晩期毒性は確認されなかった。

結論:
 放射線治療は、ピロリ陽性の胃MALTリンパ腫で除菌および
 その後の化学療法抵抗性の場合に効果があるものと考えられる。
 放射線治療はピロリ除菌や化学療法抵抗性であっても
 サルベージ療法として有用な可能性がある。

by otowelt | 2009-03-18 22:21 | 肺癌・その他腫瘍

胃MALTリンパ腫の治療


日本胃癌学会より2009年2月に発表された、胃悪性リンパ腫の手引き。
ガイドラインと銘打っていないことがミソである。
国立がんセンターでは、胃原発限局期MALTリンパで除菌治療を行った
132人の治療成績を報告し、追跡期間中央値84カ月で5年生存率は98%に上った。
胃MALTリンパ腫における除菌治療の奏効率は高いが、
11番染色体と18番染色体の転座によるAPI2-MALT1の遺伝子異常(融合遺伝子)
が認められる場合は、除菌治療に反応しないとされている。
いつこのAPI2-MALT1を検査するのかというコンセンサスはない。

個人的にMALTリンパ腫に興味があったので、読んでみた。


●MALTリンパ腫の治療
1.除菌
 MALTリンパ腫において除菌対象となるのは、限局期症例。
 (Lugano分類のI期およびII1期)
 限局期MALTリンパ腫においては、現在はH,pyrori除菌療法が、
 第一選択として標準的治療である。除菌療法による奏功率は、
 わが国では70-80%前後である。しかし、除菌療法後
 MALTリンパ腫が消失するまでの期間は2-3ヶ月から数年と差があり
 内視鏡検査の間隔、除菌療法後に残存する場合の
 サルベージ治療のコンセンサスは得られていない。

2.除菌抵抗例
 現時点において、除菌抵抗症例の2次治療の標準治療は存在しない。
 限局期では、放射線治療もしくは手術療法、ステージ進行期なら
 化学療法を選択する。
 放射線治療は、限局期なら、限局期低悪性度悪性リンパ腫と同様に
 30Gyの放射線治療をおこなうことが多い。
 手術療法は、胃癌と同様な定型的手術を施行する。
 化学療法は、stageII2以上の胃MALTリンパ腫には、CHOPなどを
 中心とした全身化学療法を試行していたが、B細胞悪性リンパ腫に対する
 治療に準じリツキシマブを中心とした治療が行われる。

 除菌抵抗症例については、わが国においては、肉眼的に改善を認めても
 組織学的に遺残を認めた場合に、治療が追加される(2008年NCCN)。
 しかし増悪を認めない症例も存在し、そのような場合は診断の見直しを
 含めた検討のうえでの慎重な経過観察が可能である

by otowelt | 2009-03-15 17:31 | 肺癌・その他腫瘍

CDDP+GEM+アバスチンはCDDP+GEMよりPFSを延長:AVAIL試験


以下にも書いたとおり、AVAiL試験により
アバスチンが承認されるに至ったわけだが・・・・

http://pulmonary.exblog.jp/9629452/

JCOでAVAiL試験の詳細がレポートされているので
呼吸器内科医や腫瘍内科医は要チェックだ。

Phase III Trial of Cisplatin Plus Gemcitabine With Either Placebo or Bevacizumab As First-Line Therapy for Nonsquamous Non–Small-Cell Lung Cancer: AVAiL.
JCO Mar 2009: 1227–1234.


コントロールアームはCDDP+GEMだが、
何気に日本のFACS研でもCDDP+GEMが4群でOSが一番よく、
欧米でも(Schiller, et al. NEJM2002)4群比較で一番OSがよかった。

アバスチンは、すでにアメリカの2009年NCCNのガイドラインに
組み込まれている。もう1st-lineとしての地位を確立していると言っても
過言ではない。

2009年NCCNより
PS 0,1
Chemotherapy
Chemotherapy: 2 drug regimens are preferred.
CDDP+MTA (if criteria met)
Bevacizmab+Chemotherapy (if criteria met)
Cetuximab+CDDP+VNB (if criteria met)

by otowelt | 2009-03-15 17:20 | 肺癌・その他腫瘍

化学療法時の制吐に対して、パロノセトロンはグラニセトロンより有効


グラニセトロン(カイトリル)が抗癌剤治療における
制吐剤として使用されているが、どうも効きが悪いという経験を
多くの内科医は感じていると思う。
アロキシ(ALOXIR)のphaseIIIの試験がようやく出たのでピックアップしてみたい。

Palonosetron plus dexamethasone versus granisetron plus dexamethasone for prevention of nausea and vomiting during chemotherapy: a double-blind, double-dummy, randomised, comparative phase III trial.
Lancet Oncol 2009; 10: 115–24


背景:
 化学療法を受ける癌患者で、一番問題となるものは悪心と嘔吐。
 現在、化学療法由来の悪心・嘔吐(CINV)に対しては5-HT3受容体拮抗薬
 が標準的治療となっている。5-HT3拮抗剤は、 急性期のCINVに対しては
 かなりの効果を示すものの、予防的投与を行っていても、
 ほぼ半数の患者に急性と遅延性CINVが続く。パロノセトロンは、長い半減期
 (約40時間)と、強く高度な5-HT3受容体拮抗作用をもち、化学療法に
 関連する急性・遅延性CINVの両方を防ぐ効果があるとされている。
 第Ⅱ相試験で、プライマリーエンドポイントとされている急性期でのCRに対して、
 パロノセトロンの0.075mg・0.25mg・0.75mgの間では用量依存性はなかった。
 120時間を超える試験期間では、明らかに用量依存性の反応を示した。
 パロノセトロンの3用量は容認性があり、用量と関連する副作用の増加はなし。
 パロノセトロン0.75mgがPⅡ試験で推奨用量となりうることが示唆された。
 グラニセトロンは40μg/kgの用量が推奨臨床用量で、一般的な治療である。  
 試験の目的は、特に高催吐の化学療法を受けている患者に対して、
 CINVをコントロールするための最も基本的なレジメンを確立させることにある。

方法:
 1日目の化学療法開始の30分前に静注1回用量としてパロノセトロン(0.75mg)
 かグラニセトロン(40μg/kg)を投与する群へとランダムに割り当てる。
 デキサメタゾンの予防的投与(16mg静注)は1日目のパロノセトロンや
 グラニセトロンの投与前の45分以内に行った。
 シスプラチンを受ける患者には8mg静注、AC/EC療法の患者には4mg経口の
 デキサメタゾンを2日目(化学療法から24~26時間後)と3日目(48~50時間後)に投与。
 二重盲検の手法で試験は行われた。
 
 5日間を効果のエンドポイント、8日間を安全性のエンドポイントとして追跡。
 プライマリーエンドポイントは、急性期(化学療法後0~24時間)と、
 遅延期(化学療法後24~120時間)でのCRの患者の割合。
 セカンダリーエンドポイントは 、全体期での完全緩解、嘔吐の数、
 最初の嘔吐までの時間、レスキューを服薬するまでの時間、治療失敗までの時間、
 患者の主観的な評価とした。

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結果および考察:
 この第3相試験で、強い催吐作用がある化学療法を受けている患者において
 吐き気と嘔吐の防止のpalonosetronの有効性は、急性期のグラニセトロンと非劣勢。
 また遅発相ではグラニセトロンよりよいことが示された。
 有害事象の頻度は、palonosetronとグラニセトロンでほぼ同じであった

 これらの結果から、パロノセトロンとグラニセトロンを比較し、性別や年齢、
 化学療法に関係なく、急性期の悪心・嘔吐に対しては薬剤間に有意な差はないが、
 遅延期ではパロノセトロンのほうが完全制御率は高いとし、
 「がん化学療法による悪心や嘔吐の予防には、パロノセトロンとデキサメタゾンを
 標準治療にすべきである」と研究グループは結論づけた。

 強い催吐作用がある化学療法の後、デキサメタゾンを併用て、
 遅発型と全体的なCINVを防ぐ際にグラニセトロンに対するpalonosetronの有意性を
 示す最初のレポートである。
 最高2.25mgまでドーズアップしてもQTcを含むECGに対する重要な影響も
 示さなかったので、制癌剤または他の併用薬物に関連があるかもしれない。

by otowelt | 2009-03-12 14:08 | 肺癌・その他腫瘍

FDG-PETとCTを組み合わせるとBACの鑑別が可能


肺癌領域ではPETをよく使う。
まぁ、どの癌でもそうなのだが・・・・・
PETでは、肺胞上皮癌(BAC)、高分化型腺癌、10mm以下の肺癌で
偽陰性が起こる。特にこのBACの偽陰性は呼吸器内科医の間では有名だ。
J Nucl Med 1998;39:1016-1020

SUVとは、投与したRIが体内に均一に分布しかつ排泄されていないとした場合
の組織の放射能濃度を1とし、それに対して関心領域の放射能濃度が
何倍であるかを示したもの。
ちなみに、肺の平均SUVは0.6である。
Ann Acad Med Singapole 2004:33:183-185

lung cancerから出た論文では、
BACの平均SUV7.2、その他NSCLCの平均SUV13.33という結果。
以下にそれを紹介する。
・・・・・でも、PETの報告書みても、SUV10くらいが上限のことが多いのだが・・・
依頼しているPETに問題があるのか???

Clinical usefulness of the fluorodeoxyglucose (FDG)-PET maximal standardized uptake value (SUV) in combination with CT features for the differentiation of adenocarcinoma with a bronchioloalveolar carcinoma from other subtypes of non-small cell lung cancers. Lung Cancer, In Press, Corrected Proof, Available online 8 February 2009


目的:
 FDG-PETの最大SUVとCTを組み合わせることで
 BACとその他のNSCLCを区別する。

方法:
 125人の患者(男性104人、女性21人、平均年齢64歳)で、
 CTとそれに引き続くPETを施行し、手術のあとの組織学的診断の
 妥当性を検討。最終的に16症例のBACと109症例の他のNSCLCサブタイプ
 が登録された。PETで最大SUVを検討。

結果:
 BACではmixed patternを持つ結節影がCTで観察された(8/16, 50%)。
 他のNSCLCではそういったパターンはあまりみられなかった(2/109, 1.8%) 。
 (p < 0.0001)。
  BACにおける最大SUVは平均7.2であった。これは他のNSCLCの平均13.33より
 低かった。(p < 0.0001)
 BACを鑑別するためのCTでは、感度50%、特異度98.2%、PPV80%、NPV93%。
 また、PETにおける場合、感度68.8%、特異度86.2%、PPV42.3%、NPV94.9%。
 これらを組み合わせると、 感度81.3%、特異度85.3%、PPV44.8%、NPV96.9%。
 
結果:
 FDG-PETの最大SUVとCT所見を組み合わせると、
 BACと他のNSCLCの鑑別が可能。


 

by otowelt | 2009-03-05 21:50 | 肺癌・その他腫瘍

vandetanibのNSCLCへの応用


●バンデタニブとは
 バンデタニブは臨床的に証明されている2つの作用により抗腫瘍効果を発揮。
 1. 「血管内皮増殖因子(VEGF)」を阻害し、腫瘍への新しい血管形成を
   阻害することによって、腫瘍増殖を阻止する。
 2.「上皮増殖因子受容体(EGFR)」を介して起こる腫瘍増殖を直接阻害する。
   また特定の甲状腺癌の成長に関わるRETチロシンキナーゼも阻害する。


An open-label study of vandetanib with pemetrexed in patients with previously treated non-small-cell lung cancer. Ann Oncol 2009 20: 486-491

セカンドラインNSCLCにおける、バンデタニブとペメトレキセドの併用について
認容性があるという結果の論文がAnnals of oncologyより出ていた。
Boer医師のZEAL試験の論文である。

イレッサの後継者ともなるべき、このバンデタニブ(商品名ザクティマ)は
アストラゼネカが力を入れている新薬の1つ。
3つの第Ⅲ相臨床試験が有名なので、呼吸器内科医としては知っておきたい。

●ZODIAC試験
バンデタニブ100mg/日とドセタキセルの併用療法をドセタキセル単剤と
比較検討する第Ⅲ相無作為化プラセボ対照二重盲検試験。
1レジメンの抗癌剤治療歴がある進行NSCLC1391例で検討。

●ZEAL試験
バンデタニブ100mg/日とペメトレキセドの併用療法を
ペメトレキセド単剤療法と比較検討する第Ⅲ相無作為化プラセボ対照二重盲検試験。
1レジメンの抗癌剤治療歴がある進行NSCLC534例で検討。

 バンデタニブと化学療法を併用したZODIAC試験とZEAL試験では、
 化学療法の単剤療法に比べ良好な結果であった。
 バンデタニブを化学療法と併用することで、PFSが延長した。
 小規模のZEAL試験では統計学的な有意差は認められなかったが、
 より大規模なZODIAC試験では統計学的に有意なPFSの延長が認められた。
 また、腫瘍縮小効果の指標となる奏効率(ORR)で統計学的に有意な改善があった。
 全生存期間(OS)においてもやや延長傾向がみられた。

 また、化学療法にバンデタニブを併用することで化学療法の単剤療法に比べ、
 疾患随伴症状を良好にコントロールすることが可能。
 良好なQOLを統計学的有意に、より長期間持続させることができた。


●ZEST試験
バンデタニブ300mg/日とエルロチニブ150mg/日の有効性を
比較検討する第Ⅲ相無作為化二重盲検試験で、治療歴のある局所進行
または転移性のNSCLC1240例で検討。
PFSを統計学的に有意に延長することを示すという主要評価項目は達成できなかった。
しかし、バンデタニブとエルロチニブは事前に計画されていた非劣性解析により
同等のPFSとOSを示した。


3つの第Ⅲ相臨床試験におけるバンデタニブの安全性プロファイルは、
これまで非小細胞肺がん患者を対象に行ったバンデタニブ試験と相違のない結果。


現在、ZEPHYR試験も進行中。

●ZEPHYR試験
ZEPHYR (ZACTIMA Efficacy trial for NSCLC Patients with
HistorY of EGFR-TKI and chemo-Resistance)試験はEGFR-TKI
による治療後の局所進行または転移性のNSCLCを対象に
バンデタニブ300mgにBSCを加えた治療とBSCのみの治療の有効性を
比較検討した無作為化並行群間二重盲検試験。現在進行中。

by otowelt | 2009-03-03 11:30 | 肺癌・その他腫瘍

閉経前乳癌に内分泌療法とゾレドロン酸を併用するとPFS延長


個人的には、乳癌は肺転移しか治療したことがないのだが、結構お目にかかることも
多いので、呼吸器内科医としてはある程度知っておきたい領域の1つ。
とはいっても、「・・・デックス」ばかりの薬が覚えられないし、
個人的にはホルモン内分泌がからむ分野はキライだ。

Endocrine Therapy plus Zoledronic Acid in Premenopausal Breast Cancer
M. Gnant and others. N Engl J Med 2009; 360 : 679 - 91


方法
ホルモン感受性の早期乳癌で閉経前女性を対象に、
 ゴセレリン(ゾラデックス)+タモキシフェン(ノルバデックス)
 またはゴセレリン(ゾラデックス)+アナストロゾール(アリミデックス)に、
 ゾレドロン酸(ゾメタ)を追加した場合の有効性を検討した。
 1,803 例を、ゴセレリン(3.6mgを28日ごとに皮下投与)
 +タモキシフェン(20mg/日を経口投与)orアナストロゾール(1mg/日を経口投与)の
 いずれかを併用し、さらにゾレドロン酸(4mgを6 ヵ月ごとに静脈内投与)を併用する群と
 併用しない群に無作為に割り付け、3 年間投与。
 プライマリエンドポイントはPFS(無病生存期間)とし、
 セカンダリエンドポイントは無再発生存期間とOS(全生存期間)とした。

結果
 無病生存率はタモキシフェン群で 92.8%,アナストロゾール群で 92.0%
 内分泌療法単独群で 90.8%
 内分泌療法+ゾレドロン酸群で 94.0%。
 アナストロゾール群とタモキシフェン群のあいだで無病生存率に有意差はなし。
 ゾレドロン酸を内分泌療法に追加した場合、増悪リスクで36%の相対的低下
 がみられた(HR 0.64,95% CI 0.46~0.91,P=0.01)。
 ゾレドロン酸を追加しても死亡リスクに有意な低下はみられなかった。
 (HR 0.60,95% CI 0.32~1.11,P=0.11)。

結論
 補助内分泌療法にゾレドロン酸を追加することで、ホルモン感受性早期乳癌の
 閉経前女性において、無病生存期間が延長する。

by otowelt | 2009-02-18 12:51 | 肺癌・その他腫瘍

なぜアバスチンが非小細胞肺癌へ使われるのか


2008年末に、ベバシズマブ(アバスチン)の非小細胞肺癌への適応拡大が申請された。

これはE4599試験、AVAiL試験という2つの第III相試験に基づいて、
プラチナ製剤をベースとした標準的な化学療法にベバシズマブを併用することで、
扁平上皮癌を除く未治療の進行・再発のNSCLC患者の生存期間・無増悪生存期間を
統計学的に有意に延長することが示された。
欧米では扁平上皮癌を除く進行・再発のNSCLC(非扁平上皮癌)の
1st-lineとして承認されている。

●E4599試験
 局所進行性、転移性、または再発性NSCLCで非扁平上皮細胞の878名を
 対象とした多施設共同無作為化第Ⅲ相臨床試験。
 生存期間の中央値は化学療法単独では10.3カ月であるのに対し、
 化学療法とAvastin 15mg/kgの3週1回投与との併用群では12.3カ月。
 PaclitaxelおよびcarboplatinとAvastinとの併用群の全生存期間は、
 化学療法単独群に比べて25%改善。
 肺出血(喀血)がAvastin+化学療法併用群で2.3%に観察された。
 Avastin治療に関連した、最も多い有害事象は、高血圧(5.6%)、蛋白尿(4.2%)、
 疲労(5.1%)、および呼吸困難(5.6%)であった。
 Sandler A et al. N Eng J Med 2006; 355: 2542-2550

●AVAiL試験
 シスプラチン+ゲムシタビンにベバシズマブの上乗せ効果を検証した試験。
 AVAiL(Avanstin in Lung Cancer)試験。
 シスプラチン、ゲムシタビンのみの群と、化学療法にベバシズマブ7.5mg/kgを
 投与した群、化学療法にベバシズマブ15mg/kgを投与した群の3群で行った。
 1000人以上の非小細胞肺がん(非扁平上皮がん)が対象で、
 化学療法のみの群と比較して、無増悪生存率が20~30%延長した。


・Avastinについて (中外製薬より)
 Avastinは、血管新生(がん組織に栄養と酸素を供給する血管網の伸長)を阻害する初めての治療薬です。Avastinは、血管新生における重要な因子であるVEGF(血管内皮増殖因子)と呼ばれる生体内の蛋白質を標的として、腫瘍の増殖と全身への転移に不可欠な血液供給を遮断するものです。
 Avastinは欧州では2005年1月に、米国では2004年2月に、転移性結腸・直腸がん患者のファーストライン治療薬として承認されました。米国では2006年6月、転移性結腸・直腸がん患者のセカンドライン治療薬として追加で承認を受けました。さらに2006年10月、FDAによる優先審査を経て、血管新生阻害剤では世界で初めてNSCLCの治療薬として承認されました。Avastinは、最近では2007年3月に、欧州では転移性乳がん女性患者のファーストライン治療薬として、また日本では2008年4月、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんへの使用が承認されました。

 

by otowelt | 2009-02-17 08:45 | 肺癌・その他腫瘍