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東日本大震災における市中肺炎の発生

e0156318_16201243.jpg東日本大震災についてはRespiratory Investigationにも報告があり、以前ご紹介しました。

東日本大震災における胸部外傷

今回、Thoraxから肺炎に関する報告がありました。

Hisayoshi Daito, et al.
Impact of the Tohoku earthquake and tsunami on pneumonia hospitalisations and mortality among adults in northern Miyagi, Japan: a multicentre observational study
Thorax Online First, published on February 19, 2013


背景:
 2011年3月11日に東北地方の大地震と津波が東日本海岸一帯を襲った。3週間以内に肺炎の入院や死亡が地方病院で相次いだ。

方法:
 多施設共同サーベイが宮城県北部の気仙沼市(人口7万4000人)の3病院で行われた。18歳以上の成人患者で2010年3月から2011年7月に市中肺炎で入院した患者をデータベースおよび診療録から同定した。
 分割回帰分析(Segmented regression analyses)がおこなわれ、肺炎の頻度がどのように変化したかを検証した。
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 気仙沼市は、65歳以上の高齢者が30.2% (n=22421)を占め、80歳以上の高齢者は8.9% (n=6618)にのぼる。これは全国平均の数値(23%、6.4%)よりも高いものである。

結果:
 合計550人の肺炎の入院があり、325人は被災前、225人は被災後であった。被災後の市中肺炎の90%が65歳以上であり、8例(3.6%)のみが津波による溺水(near-drowning)と関連していた。臨床的パターンと病原菌は被災前後を問わず同定できた。Streptococcus pneumoniae, Haemophilus influenzae、Klebsiella pneumoniaeが最も多くみられた病原菌であり、被災後はHaemophilus influenzaeによる肺炎が有意に多くみられた。
 被災後3ヶ月の間は肺炎の頻度が右肩上がりであり、週ごとの肺炎による入院および肺炎関連死亡の発生率はそれぞれ5.7倍(95% CI 3.9 to 8.4)、8.9倍(95% CI 4.4 to 17.8)であった。この増加は介護施設の入居者に最も多く、避難場所の患者がそれに次いだ。
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結論:
 東北地方の大地震と津波後の成人に肺炎の発症が多くみられた。この確たる原因は同定できなかったものの、年齢やストレスなどの複数の因子が絡み合い、肺炎のアウトブレイクにつながったのではないだろうか。


by otowelt | 2013-02-20 11:11 | 救急

東日本大震災における胸部外傷

e0156318_16201243.jpg 東日本大震災から2年近く経とうとしているのですね。
 ディスカッションで述べられているように、生存できなかった犠牲者の多さが胸部外傷受診の低さにつながったのではないかと思います。

Kimiaki Sato, et al.
Chest injuries and the 2011 Great East Japan Earthquake
Respiratory Investigation(2013), doi:10.1016/j.resinv.2012.11.002


背景:
 大地震における胸部外傷についてはまだよくわかっていない。われわれは、2011年3月11日の東日本大震災によって診断ないし治療された胸部外傷について患者プロファイルを記載することとした。

方法:
 大震災から最初の1週間の間に石巻赤十字病院を受診した3938人の診療録をレトロスペクティブにレビューした。
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 合計77人の患者が病院到着時死亡していた。残りの3861人のうち42人(1.1%)が胸部外傷を有していた。胸部外傷は身体所見や胸部レントゲン、胸部CTに基づいて診断された。

結果:
 胸部外傷は42人の患者にみられ、22人が男性、20人が女性であった(年齢範囲21-99歳)。胸部外傷の最もよくみられた原因は津波であった(21人)。その次に転落(9人)、交通事故(1人)であった。しかし、11人については情報が喪失していた。
 最もよくみられた胸部外傷の病因は裂傷や挫傷といった表層外傷であった(37人)。5人のみが肋骨骨折をきたしており、胸腔内異常は気胸(3人)、血胸(1人)、誤嚥(1人)といった内訳であった。

ディスカッション:
 Wenchuanにおける地震や、阪神淡路大震災では10%以上の患者に胸部外傷がみられたとされている(World J. Surg. 2010;34:728–32.、Chest 1996;110:759–61.)。今回の東日本大震災における胸部外傷は少なかったが、これは全体の重症度が低かったり地震の規模が小さかったわけではなく、規模の大きさや津波の影響、低体温の影響などによって致死的に陥った犠牲者が多数存在したためではないかと考えられる。

結論:
 胸部外傷の患者数は驚くべきことに少数であった。ほとんどの患者が入院を要さなかった。重篤な胸部外傷による少数生存者は、大地震による津波によって説明される外傷であった。
 

by otowelt | 2013-01-05 10:57 | 救急

院外心肺停止におけるエピネフリン投与は本当に妥当か

Editorialで絶賛されているスタディ。

Akihito Hagihara, et al.
Prehospital Epinephrine Use and Survival Among Patients With Out-of-Hospital Cardiac Arrest
JAMA. 2012;307(11):1161-1168


背景:
 エピネフリンは、院外心肺停止:out-of-hospital cardiac arrest
 (OHCA)における心配蘇生において広く使用されている。しかしながら
 病院到着前におけるエピネフリンの効果の効果については
 まだよくわかっていない。

目的:
 非ランダム化デザインのプロスペクティブ観察研究および
 propensity scoreマッチングを用い、
 院外心停止のCPRにおける有効性を検討。

方法:
 ウツタイン様式による全国の院外心停止例登録システムを利用。
 2005~2008年の院外心停止例417188例が解析された。

アウトカム:
 病院到着前の自己心拍再開、心肺停止後1ヶ月生存率、
 神経学的予後良好(Cerebral Performance Category 1または2)
 での生存率、全身予後良好(Overall Performance Category 1または2)
 での生存率とした。

結果:
 病院到着前の自発心拍再開率は、エピネフリン投与群において
 15030例中2786例(18.5%)で、非投与群であった
 402158例中23042例(5.7%)に比べ有意に高いものであった
 (P<0.001)。propensity scoreでは、エピネフリン群、
 非投与群のそれぞれ13041例をマッチングによる解析においても
 エピネフリンの自発心拍再開率は有意に高いことがわかった
 (18.3%vs.10.5%、P<0.001)。心肺蘇生から1ヶ月目における、
 生存率、神経学的予後良好な生存率、全身予後良好な生存率が
 得られた患者の割合は、
 生存率:
   エピネフリン群805例(5.4%)、非投与群18906例(4.7%)
 神経学的予後良好な生存率:
   エピネフリン群205例(1.4%)、非投与群8903例(2.2%)
 全身予後良好な生存率:
   エピネフリン群211例(1.4%)、非投与群8831例(2.2%)
 すなわち、生存率はエピネフリン群で有意に高かったが、
 神経学的予後ないしは全身機能の予後良好による生存率では
 エピネフリン群が非投与群を有意に下回る結果となった(P<0.001)。
 propensity scoreの解析でも同様であった。また、

結論:
 日本における院外心肺停止患者において
 末梢エピネフリン投与は有意に病院到着前の
 自己心拍再開と関連していたが、
 心肺停止後1ヶ月の機能アウトカムには負の相関がみられた。
 

by otowelt | 2012-03-29 12:01 | 救急

救急における緊急挿管で片肺挿管の判断に肺エコーは有用

肺エコーで知っておくべきものは、言わずもがな
lung slidingである。sea shore signとも呼ばれるが、
これは呼吸運動に伴う胸膜の動きを観察したもので、
正常であれば、横にスライドしている像が確認できる。
見えない場合気胸が示唆されるが、これ自体は感度はあまり高くない。

B-line、commet tail artifactなどと呼ばれる胸膜から伸びる
縦長のアーチファクトは、肺水腫などでみられる所見であるが
これも有名であると思う。(B line同士の幅が7mm以内が
一定のコンセンサスである。)

斬新なスタディだなぁと思った論文が出ていた。
片側挿管をエコーで判断するというものである。
緊急時にポータブルレントゲンほどウザッたらしいものはない。

Shyh-Shyong Sim, et al.
Ultrasonographic lung sliding sign in confirming proper endotracheal intubation during emergency Intubation
Resuscitation 2012; 83;307-312


目的:
 予期せぬ片肺挿管は、低換気、無気肺、バロトラウマ、
 ひいては患者の死につながる。いくつものスタディによって片肺挿管
 を同定する方法が考案されたものの、救急現場において
 信頼できる手技は限られている。このスタディは、
 エコーによる適切な気管挿管の精度と時間性を評価したものである。

 
方法:
 これは国立大学教育病院の救急部においておこなわれた
 プロスペクティブ単一施設観察研究である。
 緊急挿管を呼吸不全あるいは心肺停止において
 おこなわれた患者を登録した。挿管後、ベッドサイドエコーにおいて
 換気中における両肺のスライディングを同定(鎖骨中線上)する方法をとった。
 胸部レントゲンを確実に気管挿管がおこなわれているかの確認として
 撮影した。

結果:
 115人の患者が登録され、9人(7.8%)が片肺挿管であった。
 エコーにおける精度(精確度)は88.7%(95%CI 81.6–93.3%)だった。
 非心肺停止症例においてPPVは94.7%(95% CI: 87.1–97.9%)で、
 心肺停止症例ではPPVは100% (95% CI: 87.1–100.0%)であった。
 エコー所要時間は88秒(IQR: 55.0, 193.0)であり、胸部レントゲンは
 1349秒であった(IQR: 879.0, 2221.0)。

結論:
 このスタディにおいて、両側肺エコーによる肺スライディング所見のPPVは
 高く、特に心肺停止症例においてきわめて高かった。所要時間を考えると、
 胸部レントゲンよりもエコーの方が有益かもしれない。

by otowelt | 2012-03-04 08:15 | 救急

甲状腺クリーゼ

●甲状腺クリーゼ概論
・甲状腺クリーゼとは、少なくとも1つの臓器不全を伴った
 甲状腺による代謝亢進状態である。
S.T. Tietgens and M.C. Leinung, Thyroid storm, Med Clin North Am 79 (1995), pp. 169-184.
・甲状腺機能亢進症患者の1~2%がクリーゼになる 
・治療しなければ致死率は50~90%といわれている
Fisher, J. N. Management of thyrotoxicosis. South Med J, 2002: 95(5); 493.
・早期治療しても致死率は20~30%といわれている
Singhal, A., & Campbell, D. "Thyroid storm." 2003.

●甲状腺クリーゼの症状 (from UpToDate)
 不安いらいら
 脱力 (上肢と大腿)
 手指振戦
 発汗異常、耐暑障害
 頻脈
 倦怠感
 食欲低下がないのに体重減少
 下痢・蠕動運動亢進
※意識障害+高体温+発汗・頻脈・下痢で鑑別に入れる必要がある。
※加えて、女性の中には月経不順・停止が起こりうる。
 これにより不妊になることがある。男性の場合、勃起不全などが起こる。

・高齢者は、高熱、多動などの典型的クリーゼ症状を呈さない場合があり
 (apathetic thyroid storm)、診断の際注意する。
・未治療あるいは治療が不適切な甲状腺機能亢進症が原因となる。
 感染、外傷、甲状腺切除術およびその他の手術的処置、
 塞栓症、糖尿病性アシドーシス、放射線ヨード治療、抗甲状腺剤中止、
 ストレス、脳血管障害、妊娠中毒、または分娩などが誘因となる 。
・約1/3の例では誘因が不明だが、甲状腺クリーゼの誘因として
 感染症の頻度が最も高いと思われる。

●甲状腺クリーゼの診断
1.診断基準 2008年
・必須項目
 甲状腺中毒症の存在(遊離T3 および遊離T4の少なくともいずれか一方が高値)
・症状
1. 中枢神経症状
  不穏、せん妄、精神異常、傾眠、けいれん、昏睡。Japan Coma Scale (JCS)
  1以上またはGlasgow Coma Scale (GCS)14 以下
2. 発熱(38 度以上)
3. 頻脈(130 回/分以上)
4. 心不全症状
  肺水腫、肺野の50%以上の湿性ラ音、心原性ショックなど重度な症状
  NYHA分類4 度またはKillip 分類 III 度以上
5. 消化器症状
  嘔気・嘔吐、下痢、黄疸を伴う肝障害
・確実例
必須項目および以下を満たす
a.中枢神経症状+他の症状項目1つ以上、または、
b.中枢神経症状以外の症状項目3 つ以上
・疑い例
a.必須項目+中枢神経症状以外の症状項目2つ、または
b.必須項目を確認できないが、甲状腺疾患の既往・眼球突出・甲状腺腫の存在
  があって、確実例条件のa またはb を満たす場合


2.
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・甲状腺クリーゼの治療
1.甲状腺ホルモン合成阻害
 メルカゾール(メチルメルカプトイミダゾール)1錠5mg 
 1回10~20mgを6時間ごとに経口摂取もしくは胃管投与 
 ※末梢でのT4からT3への変換抑制作用を期待して、
  プロパジール(プロピルチオウラシル)
  100~400mgを6時間ごとに投与することもある(300-400mg8時間ごととも)

2.血中の甲状腺ホルモンを下げる
  ルゴール  1回10滴 6時間ごとに経口 7日間
 (strong iodine solution; iodine 50mg/ml, KI 100mg/ml)
  内服用ルゴール液には1滴あがり6.3mgのヨードが含まれており、
  ルゴール液1滴には4mgのヨードが含まれている。
  甲状腺ホルモン分泌抑制のためには10mg/日の
  ヨードで十分であるが甲状腺クリーゼの場合には、
  下痢による吸収不全のため100mg以上の大量ヨードが必要
  またはヨウ化カリウム(38.2mg)1日1錠
 ※ヨードのかわりに市販の造影剤(100ml/日)を用いることもある
 ※ヨードアレルギーの場合
  リーマス(炭酸リチウム) 1回300mg 1日4回 6時間ごと
  炭酸リチウムは甲状腺ホルモン分泌抑制作用をもつ。血中濃度を1mEq/lに保つ。

3.循環不全にたいして
 インデラル(プロプラノロール) 1A2mg
 1mg/分で10mgまで 10分かけて静注、その後20mgを6時間ごと経口投与
 あるいはヘルベッサー90~180mgを分3で。
 心不全へのジギタリスは2倍量。

4.甲状腺ホルモンのT4からT3への変換を抑制する
 ソルコーテフ(ヒドロコルチゾン)
 1回100mg 6時間ごとに静注

5.発熱にアスピリンは使わない(アセトアミノフェンはOK)
  代謝亢進作用、甲状腺ホルモン結合蛋白から
  甲状腺ホルモンを置換する作用があるため原則として用いない。

6.FT4を3-7日ごとに測定する。正常化すればヨード剤中止可。
  中止後1-2週間は増悪の可能性も考えておく。
  FT4正常化もしくは2-3週間たってから抗甲状腺薬減量を考える。


by otowelt | 2012-03-03 05:51 | 救急

インピーダンス閾値弁装置を標準CPRに加えても、予後改善効果はない

以前LancetにACDの論文があった。
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Standard cardiopulmonary resuscitation versus active compression-decompression cardiopulmonary resuscitation with augmentation of negative intrathoracic pressure for out-of-hospital cardiac arrest: a randomised trial. Lancet. 2011 Jan 22;377(9762):301-11.

今回、NEJMからITDの論文が出た。
ACD-CPRとともに有効とされていたが、
この論文では、改善はみられなかった。

A Trial of an Impedance Threshold Device in Out-of-Hospital Cardiac Arrest
N Engl J Med 2011;365:798-806.


背景:
 インピーダンス閾値弁装置(ITD)は、胸腔内圧の陰圧を増加させ
 CPR時の静脈還流量と心拍出量を増加させることができる。
 以前の研究では、CPR時にITDを使用することで心停止後生存率が
 改善する可能性があるとされた。

方法:
 アメリカとカナダにある10の施設で、院外CPA患者を対象とし
 標準的CPRにおいてITD装置を使用した場合とプラセボITD(sham ITD)を
 使用した場合で比較。プライマリアウトカムは、十分な機能
 (修正Rankin scaleで3以下)での生存退院とした。

結果:
 8718人のうち、4345人がプラセボ群、4373人がITD装置群にランダムに
 割り付け。プライマリアウトカム基準を満たした患者は、ITDのプラセボ群
 では260人(6.0%)、ITD装置群では254人(5.8%)だった
 (補正後リスク差 -0.1 %ポイント、95%CI -1.1~0.8,P=0.71)。
 救急部へ到着した時点での心拍再開率、生存した状態での入院率、
 生存退院率などを含むセカンダリアウトカムにも差はなかった。

結論:
 院外CPA患者に対する標準的CPRにITDを使用しても、
 十分な機能を有した状態での生存率に改善はない。

by otowelt | 2011-09-02 05:01 | 救急

クモ膜下出血に対する第3世代CT検査の感度特異度

クモ膜下出血に対するCTの感度特異度の話。
あれ、BMJってfigure/tableって文末に添付してあったっけ?

Sensitivity of computed tomography performed within six hours of onset of headache for diagnosis of subarachnoid haemorrhage: prospective cohort study
BMJ 2011;343:d4277 doi: 10.1136/bmj.d4277


目的:
 現代の第3世代CTのクモ膜下出血における感度を調べる。
 特に頭痛発症6時間以内のものを調べた。

デザイン:プロスペクティブコホート試験

セッティング:カナダにおける11の三次救急施設、2000年から2009年

参加者:
 神経学的に正常な成人で、新しい頭痛を発症した患者で
 クモ膜下出血除外のためにCT検査をオーダーされた患者

結果:
 クモ膜下出血は、CTにおいてクモ膜下に血液がみられたもの、
 髄液でキサントクロミーがみられたもの、脳血管造影的診断。
 3132人の登録患者(平均年齢45.1歳、82.1%にあたる2571人が
 人生最悪の頭痛と表現)のうち、240人がクモ膜下出血であった(7.7%)。
 CTにおけるoverallのクモ膜下出血に対する感度は
 92.9%(95%CI 89.0% to 95.5%)であり、特異度は100%
 (99.9% to 100%)であった。NPVは99.4% (99.1% to 99.6%)、
 PPVは100% (98.3% to 100%)であった。6時間以内にCTを
 施行された953人のうち、クモ膜下出血の121人は
 CTによって診断されており、これは感度100%(97.0% to 100.0%)
 特異度100% (99.5% to 100%)、NPV100% (99.5% to 100%)
 PPV100% (96.9% to 100%)であった。
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結論: 
 現在の第3世代CT検査は、特に6時間以内に撮影した場合
 クモ膜下出血に対して高感度を有する。

by otowelt | 2011-08-03 04:51 | 救急

ER受診後に入院せずに帰ると、待ち時間が長い患者ほど有害事象イベントリスクが高い

Association between waiting times and short term mortality and hospital admission after departure from emergency department: population based cohort study from Ontario,Canada
BMJ 2011;342:d2983


背景:
 待ち時間が長い時間帯にERを受診し、長い待ち時間のあとに
 結局入院せずに帰宅した患者における有害イベントの発生リスクについて検討。

方法:
 住民ベースのレトロスペクティブコホート試験。
 2003年4月~2008年3月までに、カナダのオンタリオ州の
 ベッド数が多い病院でのERを受診後に、結局入院せずに
 帰宅した患者を対象とした。
 すなわち、
 1.医師の診察を受けた後に帰宅した場合
 2.医師と会わずに診断、治療を受けずに帰宅した場合 
 を含める。プライマリエンドポイントはメイン背景因子
 (患者、受診時間帯、施設)で調整後の有害事象リスク
 (7日以内の入院あるいは死亡)とした。

結果:
 5年間で13934542人がERで医師の診察を受けたのち入院せずに帰宅、
 617011人が医師と会わずに帰宅。
 7日以内に有害事象イベントが発生するリスクは、ER平均待ち時間が
 長くなるにつれて上昇。待ち時間が6時間以上の1時間未満に対する
 調整ORは、重症例では死亡が1.79(95%CI1.24~2.59)、
 入院が1.95(95%CI:1.79~2.13)であり、軽症例では死亡が1.71
 (95%CI1.25~2.35)、入院が1.66(95%CI1.56~1.76)。
 医師による診察については、入院せずに帰宅した患者における
 有害事象イベントの発生リスクには寄与しなかった。
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結論:
 ERを受診後に入院せずに帰宅した患者では、待ち時間が長いほど
 将来的な短期的な有害事象イベントの発生リスクが上昇する。

by otowelt | 2011-06-17 12:06 | 救急

挿管された外傷患者へのストレス量のヒドロコルチゾンはその後の肺炎を減少させる

Hydrocortisone Therapy for Patients With Multiple Trauma
The Randomized Controlled HYPOLYTE Study
JAMA. 2011;305(12):1201-1209


背景:
 ストレス量のヒドロコルチゾンを外傷患者に用いることの役割はまだわかっていない。

目的:
 ヒドロコルチゾンを外傷患者に用いることの効果を検証する。

方法:
 多施設共同ランダム化プラセボ対照比較試験である
 (HYPOLYTE (Hydrocortisone Polytraumatise)試験)
 フランスの7ICUにおいて、2006年11月から2009年8月までの
 150人の重症外傷患者を登録した。彼らはランダムにヒドロコルチゾン投与群
 (200 mg/d 5日間、その後6日目100mg/d、7日目50mg/d)
 とプラセボ群に割りつけられた。不適切な副腎応答があった患者は治療中断とした。
 主要転帰は28日以内の院内肺炎とし、副次転帰は人工呼吸器装着期間、
 低ナトリウム血症、死亡とした。

結果:
 ITT解析では149人が組み込まれた。
 modified ITT解析では、113人がコルチコステロイド欠乏であった。
 ITT解析でヒドロコルチゾン治療を受けた73人のうち26人 (35.6%) が、
 プラセボ群の76人のうち39人(51.3%)が、28日以内に肺炎に陥った
 (HR 0.51; 95% CI0.30-0.83; P=.007)。
 modified ITT解析では、前者の56人のうち20人(35.7%)が、
 後者の57人のうち31人が28日以内に肺炎に陥った
 (HR, 0.47; 95% CI, 0.25-0.86; P=.01)。
 人工呼吸器非装着日数は、ヒドロコルチゾン群において
 ITT解析では4日増加(95% CI, 2-7;P=.001)、modified ITT解析では
 6日増加(95% CI, 2-11; P<.001)。
 低ナトリウム血症はプラセボ群の7人(9.2%)にみられたが
 ヒドロコルチゾン群では観察されなかった。
 (absolute difference, −9%; 95% CI, −16% to −3%; P=.01).
 プラセボ群の76人中4人(5.3%)、ヒドロコルチゾン群の73人中6人(8.2%)
 が死亡した(absolute difference, 3%; 95% CI, −5% to 11%; P=.44)。
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結論:
 挿管された外傷患者において、ストレス量のヒドロコルチゾンを
 投与することによって、院内肺炎を減少させることができる。

by otowelt | 2011-03-29 13:10 | 救急

東北地方太平洋沖地震による内科学会緊急掲載:内科医のための災害医療活動

東北地方太平洋沖地震に被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。


"内科医のための災害医療活動"の特集が内科学会のホームページに
掲載されています。

【緊急掲載】 このたびの大地震に際しまして
日本内科学会では,昨年の日本内科学会雑誌99巻に「内科医のための災害医療活動」という企画を連続掲載いたしました.
 この企画は災害時の「超急性期 最初の2日間」から「3日目以降編」,「医療支援編(避難所編)」,「災害拠点病院編」,「内科学メンタル編(精神医療支援編)」に至るまで,内科医をはじめ,災害発生時の医療現場に有用な情報を掲載した内容となっております.
 かかる大地震に際しまして,皆様の取り組みの一助になりますよう、PDFデータとして掲載いたします.

http://www.naika.or.jp/info/info110311.html

by otowelt | 2011-03-12 09:28 | 救急