カテゴリ:気管支鏡( 51 )

ATS2015:EBUS-TBNAに用いる針の比較:22G vs 25G

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P.A. Berger, et al.
A Comparison of the 22-Gauge Medi-Globe Sonotip II Transbronchial Aspiration Needle with the 25-Gauge Cook Echotip Ultra Transbronchial Aspiration Needle, and the 25-Gauge Cook Echotip Procore Core Biopsy Needle During Endobronchial Ultrasound-Guided Tran
ATS2015, B103, Poster Discussion Session


背景:
 EBUS-TBNAは安全で低侵襲で高い診断能を有する気管支鏡検査である。この研究では22GのEBUS-TBNAと25GのEBUS-TBNAと25Gのコアニードルを比較した。

方法:
 EBUS-TBNAを受けた患者をレトロスペクティブに登録した。針は以下のものを使用
・22G:Medi-Globe Sonotip II needle
・25G:Cook Echotip Ultra needle
・25G:Cook Echotip Procore core biopsy needles
 それぞれの針による診断能を比較した。組織診断が可能であったか、また血液混入の度合いについても調べた。

結果:
 22G群に24人、25G群に24人が登録され、後者については25Gコアニードルを併用した患者についても調査した。
 22G群では合計87の針生検がおこなわれた。51生検(57%)が細胞診が可能であった。そのうち36生検(41%)が組織診断可能であった。血液混入は無視できるほどであった。
 25G群では合計96の針生検がおこなわれた(コアニードル併用)。69生検(71%)が細胞診が可能であった。そのうち、36生検(52%)が組織診断可能であった。血液混入は1検体のみで有意にみられた。
 25Gコアニードルでは組織診断評価は困難であった。

結論:
 少ない患者数の研究ではあるが、EBUSで用いる針は大きいGの方が望ましい診断能であった。将来的に大規模な研究でこれらを比較検討したい。


by otowelt | 2015-05-19 07:51 | 気管支鏡

ATS2015:3Dプリント技術による気道ステントの作製

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 科学技術の進歩は素晴らしいですね。

G.Z. Cheng, et al.
Creating Personalized Airway Stents via 3D Printing
ATS 2015, B103, Poster Discussion Session


概要:
 現在の気道ステントはシリコン製、金属製、ハイブリッド素材が用いられているが、高価で合併症が多いため使用しにくい。もっとも主要な合併症はステントの移動と肉芽形成である。
 われわれは、解剖学的な解析に基づいた個人に合った気道ステントを作成した。3DCTに基づいた解剖学的精度の高いデータを作成し、3Dプリント技術を用いて個人に合った気道ステントを作製した。技術的には実用可能であり、今後の研究が期待される。
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(Abstractより引用:現在のYステントと3Dプリンターで作製した気道ステント)


by otowelt | 2015-05-19 04:10 | 気管支鏡

バーチャル気管支鏡画像作成における有用なCTスライス厚に関する検討

e0156318_9511053.jpg 当院はLung pointを使用しています。Lung pointは部位によっては誘導困難な症例があることが過去に報告されていますが、描出は簡便です。

村上靖ら
Bf-NAVI®を用いたバーチャル気管支鏡画像作成における有用なCTスライス厚に関する検討
気管支学:37(2),153─158,2015


背景:
 Bf-NAVI®は本邦で普及しつつあるバーチャル気管支鏡ナビゲーション(virtual bronchoscopic navigation:VBN)システムで,肺末梢病変の診断に有用である.Bf-NAVIに使用するCTスライス厚は1.0 mm以下が推奨されているが,VBNに最適なスライス厚はわかっていない.

対象と方法:
 2013年8月から10月までに当院でBf-NAVIによるVBNを併用し肺末梢病変の気管支鏡検査を行った30名を対象とし,CTからスライス厚0.5 mmと1.0 mmの2通りのDICOMデータを出力,Bf-NAVIで仮想画像を作成し比較検討を行った.

結果:
 対象病変の大きさ(中央値)は23.2 mm.仮想画像作成に要した時間(中央値)はスライス厚0.5 mm:13.0分,1.0 mm:8.3分で,1.0 mmの方が有意に短かった(p<0.01).自動描出できた気管支次数(中央値)は0.5 mm:5次,1.0 mm:4次(p=0.16)で,30名中20名(67%)において0.5 mmの方がより末梢の気管支まで描出できた.自動描出で病変までの全経路を描出できた症例は0.5 mm:11名(37%),1.0 mm:5名(17%)と0.5 mmに多くみられた(p<0.01).

結論:
 Bf-NAVIを用いたVBNにおいて,スライス厚0.5 mmのDICOMデータは,仮想画像作成に要する時間は長いが,より末梢の気管支まで描出可能であり有用と考えられた.


by otowelt | 2015-04-18 08:46 | 気管支鏡

気管支鏡による肺膿瘍

e0156318_9511053.jpg 過去の報告例とあわせて考えると、扁平上皮癌、CTの病変サイズが大きいもの(30mm超)、生検を実施したもの、が続発性肺膿瘍のリスクである可能性がありそうです。予防的抗菌薬をおこなうサブグループについてはまだ議論の余地がありますが、個人的にもこの気管支鏡と呼吸器感染症の関連については知りたいところです。

Ishida M, et al.
Case series of lung abscesses following flexible bronchoscopy
Respiratory Investigation, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.resinv.2015.01.004


概要:
 このケースシリーズでは気管支鏡後の肺膿瘍を3例報告。それぞれ、81歳男性、65歳男性、56歳女性。282件中3件で、全体の頻度は1.06%であった。前2例が扁平上皮癌、後1例が小細胞癌という診断であった。全例に経気管支肺生検が実施された。全例で菌は同定できず、血液培養も陰性だった。男性の2例はアンピシリン/スルバクタム、ピペラシリン/タゾバクタムで治療され、女性例は膿胸に陥ったため抗菌薬と外科治療を併用された。


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by otowelt | 2015-03-25 00:48 | 気管支鏡

気管支鏡における経肺実質生検の有用性(BTPNA)

e0156318_13331132.jpg Thoraxから気管支鏡の新しい手技の話題です。本研究では「BTPNA」と名付けられています。

Felix JF Herth, et al.
Bronchoscopic transparenchymal nodule access (BTPNA): first in human trial of a novel procedure for sampling solitary pulmonary nodules
Thorax, Published Online First 6 March 2015


概要:
 われわれは、孤立性肺結節(SPN)を経肺実質的(transparenchymal)アプローチによって得られた検体で診断し、ヒトを用いた最初の研究としてこの結果を報告する。

方法:
 この研究はプロスペクティブ介入研究であり、CTによるスクリーニングによって肺癌が疑われたSPNのある患者を登録した。個々のCT結果に基づいて、気道から結節影への刺入点(POE)を定め、無血管領域を貫通する経路をはじき出した。被験者は処置後6ヶ月までフォローアップされた。結節への到達と生検について評価した。
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(BTPNA処置:文献より引用・作成)

結果:
 12人の患者が登録された。10人が“トンネル経路”によって処置を受け、有害事象は報告されなかった。2人はこの処置によって診断できなかった。12人中適切な生検は10人(83%)でおこなわれ、外科的な組織診断と相関がみられた。切除肺葉の観察では、この処置による安全性の懸念が増えることはなく、結節に対するこの処置は妥当であると考えられる。

結論:
 ヒトのSPNに対する初めての経肺実質生検の研究の結果、本手技は実施可能な気管支鏡手技である。さらなるランダム化比較試験が望まれる。


by otowelt | 2015-03-19 00:10 | 気管支鏡

気管支鏡は経鼻挿入よりも経口挿入の方がよい?

e0156318_9511053.jpg 興味深い研究です。たしかに、経鼻だからといってラクというワケではないように思います。気管支鏡の細さも重要なファクターだと思いますが。

Aguirre JE, et al.
Bronchoscope insertion route and patient comfort during flexible bronchoscopy.
Int J Tuberc Lung Dis. 2015 Mar;19(3):356-61. doi: 10.5588/ijtld.14.0632.


概要:
 メキシコのヌエボ・レオン自治大学における受診患者に対する診断的気管支鏡の研究である。

目的:
 気管支鏡を、口あるいは鼻から挿入するかの違いによって、患者の不快感、声帯可視化、局所麻酔・鎮静薬の必要性、合併症に差があるのかどうか調べること。

デザイン:
 診断的に軟性気管支鏡の適応となった18歳以上の患者におけるプロスペクティブ研究である。挿入経路はランダムに割り付けられた。処置に伴う症状はアンケートによって評価した。

結果:
 63人の患者が登録された。32人が経口、31人が経鼻の挿入に割り付けられた。両群とも、不快感については統計学的に有意差はなかった(10点満点で1.91 ± 2.95点 vs. 2.39 ± 3.56点, P = 0.74)。また、処置合併症にも差はみられなかった(4イベント vs. 0イベント, P = 0.12)。経口挿入の方が声帯可視化の時間がはやく(25.5 ± 156秒 vs. 56 ± 61秒, P < 0.01)、リドカインの必要性が少なく(15 ± 7.50mL vs. 16 ± 4 mL, P = 0.01)、挿入失敗が少なかった(0例 vs. 6例, P < 0.01)。

結論:
 診断的気管支鏡の挿入経路による患者の不快感には差はなかった。しかしながら、経口挿入の方が声帯可視化がはやく、リドカイン使用量が少なく、挿入失敗がなかった。


by otowelt | 2015-03-11 00:29 | 気管支鏡

肺癌が疑わしい患者に対してEBUS-TBNAによる初期診断は治療決定までの期間を短縮する

e0156318_16584987.jpg 最初からEBUS-TBNAをした方がいいのでは?という実臨床に即した論文です。

Neal Navani, et al.
Lung cancer diagnosis and staging with endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration compared with conventional approaches: an open-label, pragmatic, randomised controlled trial
The Lancet Respiratory Medicine, Published Online: 03 February 2015


背景:
 肺癌の診断および病期診断は、治療オプションや疾患予後を推定する重要なプロセスである。われわれは、肺癌を疑われた患者に対する初期の検索として気管支内超音波ガイド下経気管支生検(EBUS-TBNA)についてアセスメントした。

方法:
 このオープンラベル多施設共同ランダム化比較試験において、われわれはCTを行い病期I~IIIAの肺癌を疑われた患者をイギリスの6施設から登録し、ランダムにEBUS-TBNAあるいは通常の気管支鏡を用いて病期診断を進める群に割り付けた。EBUS-TBNAによってリンパ節診断ができない場合、超音波ガイド下の針生検(EUS-FNA)を代替手技として認めた。ランダム化は短径1cm以上の縦隔リンパ節の存在や登録施設によって層別化された。手技的な特性もあって、患者および術者への盲検化はできなかった。プライマリエンドポイントは病期診断手技後から治療決定までの期間とした。解析はintention-to-diagnose。

結果:
 2008年6月10日から2011年7月4日までの間、われわれは133人の患者をランダムにEBUS-TBNA群66人、通常気管支鏡群67人に割り付けた。2人のEBUS-TBNA群の患者がEUS-FNAを実施することになった。治療決定までの期間の中央地はEBUS-TBNA群の方が通常の気管支鏡群よりも短かった(14日; 95%信頼区間14–15 vs. 29日; 95%信頼区間23–35、ハザード比1.98, 95%信頼区間1.39–2.82, p<0.0001)。いずれの群も1人の患者がCTガイド下生検によって気胸になった。

結論:
 治療決定までの期間を短くする意味でも、肺癌を疑われた患者に対して初期の診断手技としてEBUS-TBNAを考慮すべきであろう。


by otowelt | 2015-02-26 00:30 | 気管支鏡

EBUS-TBNAは中等度の鎮静でも全身麻酔下でも診断能・合併症・忍容性に差はない

e0156318_16584987.jpg 日本でも、ミダゾラムやプロポフォールを使った鎮静が増えてきていると思います。当院でも然りです。

Roberto F Casal, et al.
Randomized Trial of Endobronchial Ultrasound-guided Transbronchial Needle Aspiration under General Anesthesia versus Moderate Sedation
Am J Respir Crit Care Med. First published online 09 Jan 2015


背景:
 EBUS-TBNAの診断能、合併症、忍容性について鎮静の種類が及ぼす影響について論じた研究はレトロスペクティブの研究がほとんどであり、その内容は一致していない。

目的:
 EBUS-TBNAの診断能、合併症、忍容性に鎮静の種類がおよぼす影響を調べること。

方法:
 EBUS-TBNAを選択される患者は、想定する疾患は良悪性を問わず、縦隔あるいは肺門リンパ節が腫大しているかエコーで同定できる腫瘤があるものとした。患者は1:1にランダムに全身麻酔下あるいは中等度の鎮静のもと実施する群に割り付けられた。病理医に対してはランダム化は盲検化され、迅速細胞診が全ての処置に実施された。
 全身麻酔に割り付けられた患者は、静脈麻酔を受けラリンジアルマスクを装着した(薬剤はプロポフォール、レミフェンタニル、エトミデート、ケタミンなどを併用可とした)。
 中等度の麻酔群に割り付けられた患者は、1%リドカイン局所麻酔に加えてミダゾラム+フェンタニルの併用をRASS2-3を目指して実施された。

アウトカム:
 主要アウトカムは診断能とした。これはEBUS-TBNAを実施した患者で特異的な診断が得られたものの割合と定義した。その他、合併症や患者の忍容性(アンケート調査)を調べた。

結果:
 149人の患者がEBUS-TBNAを受け、75人が全身麻酔群、74人が中等度鎮静群に割り付けられた。患者背景およびリンパ節の特性に差はみられなかった。
 診断能は全身麻酔群70.7%、中等度鎮静群68.9%だった(p=0.816)。感度はそれぞれ98.2%、98.1%とこれも差はみられなかった(p=0.979)。
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(文献より引用)

 合併症についても差はなかった。アンケート調査では、両群のほとんどの患者はもう一度処置を受けなければならない場合、同じ方法を受けるかと問われたとき「間違いなく選ぶだろう」と答えた(p=0.355)。処置中の咳嗽については差はなかったが、呼吸困難感は全身麻酔群の方が有意に多かった。

結論:
 全身麻酔と比較して、中等度の鎮静であってもEBUS-TBNAは十分な診断能が得られ、合併症、忍容性にも問題はなかった。


by otowelt | 2015-01-29 00:36 | 気管支鏡

末梢型肺癌の診断におけるEBUS-GSの有用性

e0156318_10584757.jpg EBUS-GSに関するスタディです。ありそうでない、なかなか稀有な研究なので参考になります。

Minami D, et al.
Endobronchial ultrasound-guided transbronchial biopsy with or without a guide sheath for diagnosis of lung Cancer
Respir Inveg, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.resinv.2014.10.003


背景:
 ガイドシースを用いた超音波ガイド下経気管支生検(EBU-GS)は、肺癌の診断で広く使用されている。しかしながら、その診断能は広く差がある。この研究は、EBUS-GSがもたらす効果を調べたものである。

方法:
 われわれはレトロスペクティブに末梢型肺癌に対して経気管支肺生検(TBB)を行われた110人を登録した。気管支鏡でEBUS-GSを用いた60人(グループA)と用いていない50人(グループB)にそれぞれ割り付けた。それぞれの診療録を抽出し、2群の種々のケカについてt検定を用いて比較した。

結果:
 患者背景や腫瘍の大きさには両群ともに有意な差はみられなかったが、10~20mmの結節の頻度はグループAの方が多かった。また最終的に腺癌と診断された頻度もグループAが多かった(p=0.046)
 肺癌の診断感度はグループAで83.3%、グループBで68%だった(P=0.066)。20mm以上の結節に対する診断感度はそれぞれ86.4%、76.7%だった(P=0.263)。さらに10~20mmの結節についてはそれぞれ60%、14.2%だった(P=0.0004)。
 TBBだけでみた場合、感度はグループAが63.3%、グループBが44%だった(P=0.043)。TBB単独で20mm以上の結節を評価すると、診断感度はグループA70.2%、グループB44.8%だった(P=0.051)。同様に10~20mmの結節の診断感度は、それぞれ45%、14.2%だった(P=0.115)。
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(文献より引用)

結論:
 TBB、ブラシング、気管支洗浄を用いたEBUS-GSは20mm未満の肺癌の診断にも効果的と考えられる。


by otowelt | 2015-01-15 00:42 | 気管支鏡

ネーザルハイフロー併用下気管支鏡の報告

e0156318_9511053.jpg ケースシリーズですが、実臨床に即した論文だと思います。参考にさせていただきました。

Miyagi K, et al.
Implementation of bronchoalveolar lavage using a high-flow nasal cannula in five cases of acute respiratory failure
Respiratory Investigation, in press, doi:10.1016/j.resinv.2014.06.006


背景:
 近年の臨床プラクティスにおいて、鼻腔高流量酸素療法(HFNC、ネーザルハイフローなど)は成人の呼吸不全の患者において酸素化を改善するとされている。しかしながら、急性呼吸不全時にHFNCを用いて気管支鏡を行うことはこれまでに報告されていない。われわれは、HFNC下で気管支鏡を施行できた急性呼吸不全の5症例を報告する。

概要:
 5人の患者(1人が女性、4人が男性)は、57歳から79歳までの患者で、P/F比は144~221であった。検査後、1人はHFNCを中止することができ、2人はHFNCのFiO2を減ずることができた。BALによって3人の診断が確定できた。残りの2人についてはBALは診断に有用であった。

 Case1:肺胞蛋白症:FiO250%・50L/min
 Case2:好酸球性肺炎:FiO280%・40L/min
 Case3:びまん性肺胞出血:FiO260%・35L/min
 Case4,5:薬剤性肺障害:FiO295%・30L/min、FiO250%・50L/min

 5例のうち、1人のみが気管支鏡から16時間後に非侵襲性換気を要した。


by otowelt | 2014-08-26 00:40 | 気管支鏡