カテゴリ:呼吸器その他( 243 )

出版のお知らせ:ポケット呼吸器診療2017

 毎年アップデート出版している「ポケット呼吸器診療2017」が2017年3月1日に発売されます。前回の2016年版からさらにボリュームが50ページ増え、内容が充実しました。変更があった部分は青いアミをかけて、一目で分かるように工夫をこらしています。価格は、何とか1,000円台を維持できました。

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発売日:2016年2月12日
単行本 : 206ページ
価格 : 1,800円 (税抜)
出版社 : シーニュ
著者 : 倉原 優 (国立病院機構近畿中央胸部疾患センター内科)
監修 : 林 清二 (国立病院機構近畿中央胸部疾患センター院長)

e0156318_13141310.jpgAmazonから予約/購入する 

<2016年版→2017年版の主な変更点>
・胸部CT所見を追加:juxtaphrenic peak sign、tram lineなど数項目
・肺エコー所見を追加:shred sign、quad signなど数項目
・代表的肺エコー所見の画像を追加
・インフルエンザ治療薬を追加
・マイコプラズマ肺炎の診断にLoopamp®マイコプラズマP 検出試薬キット、プロラスト®Myco、プライムチェック® マイコプラズマ抗原、リボテスト® マイコプラズマ、クイックチェイサー®Mycoなどを追加。
・クラミドフィラ肺炎の診断にヒタザイム法、エルナス®肺炎クラミドフィラIgMを追加。
・百日咳の診断にノバグノスト百日咳/IgM、ノバグノスト百日咳/IgAを追加。
・肺アスペルギルス症の分類を変更:慢性肺アスペルギルス症(CPA)、単純性肺アスペルギローマ(SPA)、慢性進行性肺アスペルギルス症(CPPA)、慢性壊死性肺アスペルギルス症(CNPA)、慢性空洞性肺アスペルギルス症(CCPA)、慢性線維性肺アスペルギルス症(CFPA)。
・CPAの診断チェックリストを追加。
・ABPAの診断基準に国際的にコンセンサスが得られているAgarwalのものを追加。
・TNF -α 阻害薬と結核の関連について記載。
・粟粒結核の治療を追加。
・リファマイシンの相互作用注意薬としてエレルサ®、グラジナ®、ジメンシー®を追加。
・日本結核病学会病型分類のイラストを掲載。
M. massilienseについて記載。
・プロボコリン®、ケンブラン®について少しだけ記載。
・ACT(Asthma Control Test)を掲載。
・ゾレア®投与量の表を掲載。
・COPDの重症度分類(GOLD2017準拠)を変更。COPD治療指針をGOLD2017から作図。
・COPDに対する肺容量減量術、ロフルミラストについて記載。
・COPD 増悪の重症度分類を掲載(Anthonisenらの分類、Rodoriguezの分類、Vogelmeierらの分類)
・CosioらのACOS 診断基準を掲載。
・スペーサーの情報を最新のものへ変更。
・特発性肺線維症(IPF)診断のフローチャートを「特発性間質性肺炎診断と治療の手引き改訂第3版」のものへ変更。
・NSIPの治療を独立して記載。「特発性間質性肺炎診断と治療の手引き改訂第3版」に準拠。
・COPの治療を独立して記載。「特発性間質性肺炎診断と治療の手引き改訂第3版」に準拠。
・膠原病関連間質性肺疾患の章を作成:SSc─ILD、PM/DM─ILD、RA─ILD、SjS─ILD、SLE─ILDなど。
・特発性肺線維症(IPF)急性増悪の定義を変更:Collardらの2016年改訂案および「特発性間質性肺炎診断と治療の手引き改訂第3版」の2種類を掲載。
・肺癌の治療を「EBMの手法による肺癌診療ガイドライン2016 年版」に準拠(大幅に変更)。
・肺癌のTNM分類および病期分類を「肺癌取扱い規約第8 版」のものに変更。
・EGFR-TKIによる皮膚障害の治療をグレード別に記載。
・悪性胸膜中皮腫のTNM分類および病期分類にIASLC病期決定プロジェクト案のものを追加。
・ANCA関連血管炎の項目を追加。
・Salisburyらの慢性過敏性肺炎(CHP)診断アルゴリズムを追加。
・過敏性肺炎の原因をいくつか追加:みかん農家肺、堆肥肺、金属加工液肺など
・アレルギーの章にABPAの診断と治療を詳しめに再掲載(感染症:アスペルギルス症のところにも一部記載があったが、アレルギーが本態であるため実用的になるよう配慮した)。
・石綿との関連が明らかな業務上疾病の表を追加。
・咳喘息、アトピー咳嗽の情報を追記。
・副鼻腔気管支症候群(SBS)の項目を追加。
・呼吸不全の章に急性心不全患者の管理アルゴリズムを追加。


 このマニュアルは「できるだけコンパクトかつ有用な安い書籍」を目標にしていますが、限りなく最新の文献に基づいた疾患情報を提供できるよう心がけています。実臨床で使用することを最優先に、不要な贅肉を極限までこそぎ落としました。

 呼吸器を診療する医師のポケットに長く入れていただけるよう、これからも努力致しますので、よろしくお願い申し上げます。「こういった内容の方がよい」「こういった項目を入れて欲しい」などの叱咤激励もお待ちしております。

 最後に、シーニュの藤本浩喜様、監修を引き受けていただいた当院院長の林清二先生に心より感謝申し上げます。



by otowelt | 2017-02-20 15:09 | 呼吸器その他

メタアナリシス:閉塞性睡眠時無呼吸に対するCPAP療法と下顎前方維持装置(MAD)のQOLに対する有効性

e0156318_1118556.jpg どちらも結構眠りにくいと思われがちですが、OSAの患者さんには結構テキメンです。

Eric Kuhn, et al.
Effects of CPAP and MADs on health-related quality of life in OSA: a systematic review and meta-analysis
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2017.01.020


背景:
 未治療の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、治療によって軽減が見込まれる健康関連QOL障害と日中の傾眠と関連している。この報告の目的は、CPAP療法と下顎前方維持装置(MAD: mandibular advancement device)がOSAの健康関連QOLに与える影響を調べることである。

方法:
 MEDLINE、Cochrane Libraryデータベースを2015年11月まで検索した。健康関連QOLへの効果を調べるための、CPAP療法、MAD、コントロール治療を比較したランダム化比較試験を登録した。健康関連QOLはSF-36アウトカムを用いて解析されたものとした。試験特性、質、バイアスが3人の著者によって評価された。多変量ランダム効果メタ回帰を用いたネットワークメタアナリシスによって、SF-36スコアを構成する精神的側面、身体的側面への治療効果をアセスメントした。

結果:
 1491の研究が同定され、23のランダム化比較試験がメタアナリシスに組み込まれた(患者数2342人)。コントロール治療と比較して、CPAP療法は精神的側面に対して1.7点(95%信頼区間0.1-3.2, p=0.036)、身体的側面に対して1.7点(95%信頼区間0.5-2.9, p=0.005)の改善をもたらした。MADは精神的側面に対して2.4点(95%信頼区間0.0-4.9, p=0.053)、身体的側面に対して1.5点(95%信頼区間-0.2-3.2, p=0.076)の改善をもたらしたが、統計学的に有意ではなかった。SF-36スコアに対する治療効果にはCPAP療法とMADには有意差はみられなかった。

結論:
 CPAP療法は、OSAの健康関連QOLの改善に効果的である。MADもおそらく効果的であると思われるが、さらなるランダム化比較試験によってこれら2治療を比較することが望まれる。



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by otowelt | 2017-02-20 00:30 | 呼吸器その他

日本医師会員喫煙意識調査報告

第5回(2016年)日本医師会員喫煙意識調査報告の概要です。対象は日本医師会員7500人。データはフリーで公開されています。

参考URL:http://www.med.or.jp/nichiionline/article/004947.html


概要
・2000年から2016年に医師の喫煙率は半分以下になった。
・男性の喫煙率は、呼吸器科が最低(3.5%)。泌尿器科(17.5%)、耳鼻咽喉科(15.3%)、精神科(14.3%)などが高い。
・女性の喫煙率は、呼吸器科、循環器科、耳鼻咽喉科が0%。男性と同じく泌尿器科が最も高い(25.0%)。
・喫煙に関する要因は、男性(調整オッズ比4.31、95%信頼区間2.87-6.48)、毎日の飲酒(同2.07、95%信頼区間1.50-2.85)、不幸せ感(同1.39、95%信頼区間1.03-1.87)など。
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(第5回(2016年)
日本医師会員喫煙意識調査報告平成29年2月15日[公益社団法人日本医師会]より引用)




by otowelt | 2017-02-17 00:41 | 呼吸器その他

インターネット調査が明かす慢性咳嗽診療の難しさ

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 研究ベースでは「まったく原因が分かりませんでした」という症例が除外されていたり、あるいは過小に記載されていることがあります。そのため、患者さん側からみた実態を表した文献はほとんどないと言われています。

 2015年にヨーロッパで実施されたインターネット調査による横断研究の結果が発表されました1)。1120人がアンケートに答えています。年単位の難治性慢性咳嗽でクリニックを受診した患者さんの47%は診断がつかず、また治療によって咳嗽が軽減したのはたったの7%だったという結果でした。

 私たちが想定しているよりも、プライマリケアにおける慢性咳嗽というのは手ごわい相手なのかもしれません。


(参考文献)
1) Chamberlain SA, et al.The impact of chronic cough: a cross-sectional European survey. Lung. 2015 Jun;193(3):401-8.



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by otowelt | 2017-02-09 00:40 | 呼吸器その他

気管支拡張症+関節リウマチ(BROS)、気管支拡張症+COPD(BCOS)は超過死亡リスクを有する?

e0156318_16302611.jpg また足し算の疾患概念が・・・。
 提唱しても、流行る概念とそうでない概念がありますね。(笑)

Anthony De Soyza, et al.
Bronchiectasis Rheumatoid overlap syndrome (BROS) is an independent risk factor for mortality in patients with bronchiectasis: A multicentre cohort study
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2016.12.024



背景:
 われわれは気管支拡張症と関節リウマチ(RA)が合併したオーバーラップ症候群(BROS)が他の気管支拡張症の疫学的な背景と比べて気管支拡張症重症度インデックス(BSI)アウトカムの悪化と関連しているかどうか調べた。

方法:
 われわれはBSIデータベースから6施設1716人のデータを問い合わせ入手した。患者は他の間質性肺疾患がなくて気管支拡張症とRAを合併しているBROS、特発性気管支拡張症、気管支拡張症-COPDオーバーラップ症候群(BCOS)、その他の原因による気管支拡張症に分類された。死亡率、入院と増悪の頻度が記録された。

結果:
 われわれは147人のBROS患者(コホート全体の8.5%)を同定した。BROSと死亡率には統計学的に有意な関連がみられたが、気管支拡張症の増悪や気管支拡張症による入院とは関連していなかった。
 平均48ヶ月の追跡中の死亡率は特発性気管支拡張症では9.3%、その他の原因による気管支拡張症では8.6%、BROSで18%、BCOSで28.5%だった。BROSとBCOSは他の疫学的背景と比べて有意に死亡率が高かった。臨床的には有意ではないもの、BSIスコアは特発性気管支拡張症と比較するとBROSで有意に高かった(平均BSI7.7 vs. 7.1 , p <0.05)。BCOSでは有意にBSI(平均10.4)、緑膿菌保菌率(24%)、過去の入院頻度(58%)が高かった。

結論:
 BROSもBCOSも超過死亡が多かったが、これは疾患の複合的な作用によるものと考えられる。これらのサブグループが相加相乗的に超過死亡をもたらすのか検討を要する。


by otowelt | 2017-02-01 08:14 | 呼吸器その他

二次性胸水の中でも、両側胸水と漏出性胸水は死亡リスクが高い

e0156318_10101326.jpg 非悪性胸水を集めた大規模な研究です。

Steven P. Walker, et al.
Non-Malignant Pleural Effusions (NMPE): a prospective study of 356 consecutive unselected patients
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.12.014


背景:
 非悪性の二次性胸水は有意に罹患と死亡に影響を与える疾患である。これらの非悪性胸水(NMPE)はよくみられ、うっ血性心不全(CHF)が最多原因とされている。これにもかかわらず、死亡リスクに関するデータや死亡に影響を与える因子についてはほとんどデータが存在しない。

方法:
 われわれは未診断胸水を呈した782人の連続患者を登録した(2008年3月~2015年3月)。NMPEであった356人をさらに解析した。胸水生化学所見、胸水細胞診、胸壁エコー、胸部レントゲン写真など。臨床的適応があれば、心電図、CT検査、放射線ガイド下生検、内科的胸腔鏡が実施された。患者は最低でも12ヶ月追跡され、2人の独立した呼吸器科医によって最終診断が決定された。

結果:
 上述したように、782人のうち356人(46%)がNMPEだった。これらの患者は平均年齢68±17歳で、69%が男性だった。心、腎、肝不全のある患者の1年死亡率はそれぞれ50%、46%、25%だった。両側胸水(ハザード比3.55、95%信頼区間2.22-5.68)、漏出性胸水(ハザード比2.78、95%信頼区間1.81-4.28)はNMPE患者における予後不良と関連していた。両側胸水のある患者の1年死亡率は57%、漏出性胸水のある患者の1年死亡率は43%だった。

結論:
 これはNMPE患者を収集した最も大規模なデータであり、臓器不全に続発した胸水は1年死亡率が著明に高いことを示している。加えて、両側胸水、漏出性胸水の存在は死亡のリスクであった。



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by otowelt | 2017-01-23 00:03 | 呼吸器その他

経皮的肺生検後の気胸を抑制するデバイス:BioSentry™

 CTガイド下生検などの経皮的肺生検の後の気胸を予防するために開発されたBioSentry™の論文です。この製品についてはYouTubeに分かりやすい動画があります。
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写真. 動画より引用
https://www.youtube.com/watch?v=iR8xCk68IZo

 マッチした後の方で、コントロール群の気胸発生率と胸腔ドレーン挿入率の頻度が明らかに上昇しているのですが・・・。

Ahrar JU, et al.
Efficacy of a Self-expanding Tract Sealant Device in the Reduction of Pneumothorax and Chest Tube Placement Rates After Percutaneous Lung Biopsy: A Matched Controlled Study Using Propensity Score Analysis.
Cardiovasc Intervent Radiol. 2017 Feb;40(2):270-276.


背景:
 経皮的肺生検後の気胸の発生率および胸腔ドレーン挿入率を減らすために自己拡張型穿刺孔被覆デバイス:BioSentry™を用いた研究を実施した。

方法:
 この後ろ向き研究では、318人のBioSentry™を受けた患者と1956人の受けていない患者を比較した。患者因子、病巣因子、手技特異的因子および気胸発生率、胸腔ドレーン挿入率が記録された。潜在的な選択バイアスを補正するため、患者は傾向スコアを用いて1:1にマッチされた。傾向スコアが0.02以下の絶対差であればマッチ妥当と考えた。

結果:
 マッチする前の時点で、気胸発生率および胸腔ドレーン挿入率はそれぞれコントロール群24.5%、13.1%、BioSentry™群21.1%、8.5%だった。傾向スコアを用いて、BioSentry™群の317人をマッチさせた。結果、気胸発生率(20.8 vs. 32.8%; p = 0.001)、胸腔ドレーン挿入率(8.2 vs. 20.8%; p < 0.0001)と有意にBioSentry™群で抑制できた。両治療ともに30例を超えて経験している術者に限っても同様の結果だった(気胸発生率:17.6 vs. 30.2%; p = 0.002、胸腔ドレーン挿入率:7.2 vs. 18%; p = 0.001)。

結論:
 自己拡張型穿刺孔被覆デバイス:BioSentry™は経皮的肺生検後の気胸発生率および胸腔ドレーン挿入率を有意に減少させる。特に後者の抑制に有効と考えられる。



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by otowelt | 2017-01-20 00:11 | 呼吸器その他

OSAの二次性高血圧症に対する時間薬物治療(クロノセラピー)

e0156318_13584726.jpg 時間薬物治療(クロノセラピー:Chronotherapy)とは、ヒトの24時間のリズムに合わせ、必要な時に必要な量を送達するという治療法です。

Serinel Y, et al.
Chronotherapy for hypertension in obstructive sleep apnoea (CHOSA): a randomised, double-blind, placebo-controlled crossover trial.
Thorax. 2016 Dec 14. pii: thoraxjnl-2016-209504. doi: 10.1136/thoraxjnl-2016-209504. [Epub ahead of print]


背景:
 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は二次性高血圧症の重要な原因である。夜間高血圧症はOSAでよくみられ、心血管系死亡率の強い予測因子である。本態性高血圧症の患者における研究では、夜間の降圧薬は、日中の血圧を上昇させることなく夜間血圧を改善させることが示されている。われわれは、これがI/II度の高血圧を有するOSA患者に適用できるかどうか検証した。

方法:
 この二重盲検ランダム化プラセボ対照クロスオーバー試験において、中等症~重症OSAおよび呼応血圧を有する患者を6週間の夜間ペリンドプリル、朝のプリンドプリルに割り付け、盲検のためにプラセボ内服を併用した。CPAP療法はペリンドプリル用量相が終わってから8週間適用された(図)。プライマリアウトカムは、線形混合モデルを用いて解析された睡眠時収縮期血圧とした。
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(文献より引用:ランダム化とクロスオーバー)

結果:
 2011年3月から2015年1月までの間に、85人の患者がランダム化され、79人がペリンドプリル用量期間を完遂し、78人がCPAP療法を完遂した(図)。
 睡眠時収縮期血圧は、夜間内服群(-6.9mmHg)でも朝内服群(-8.0mmHg)でもベースラインから有意に低下がみられた。しかし、内服時間による差は観察されなかった(差1.1mmHg、95%信頼区間-0.3 to 2.5)。ただ、起床時収縮期血圧は朝内服群の方が夜内服群よりも有意に低下した(-9.8 mm Hg vs -8.0 mm Hg、差1.8 mm Hg, 95%信頼区間1.1 to 2.5)。
 夜間あるいは朝内服にCPAP療法を加えると、いずれも睡眠時収縮期血圧を減少させたが、差は有意ではなかった(夜-3.2 mm Hg vs 朝-3.3 mm Hg)。
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(文献より引用:睡眠時収縮期血圧)

結論:
 私たちの研究によれば、OSA治療に朝の高血圧内服治療を加える妥当性があると言える。本態性高血圧症とは異なり、夜間の降圧薬の内服が支持されるわけではなかった(少なくともペリンドプリルに関しては)。

by otowelt | 2017-01-06 00:40 | 呼吸器その他

システマティックレビュー:CPAP療法時のリーク増加のリスク因子

e0156318_23181522.jpg リークに着目した珍しい論文です。

Lebret M, et al.
Factors contributing to unintentional leak during CPAP treatment: a systematic review.
Chest. 2016 Dec 13. pii: S0012-3692(16)62581-3. doi: 10.1016/j.chest.2016.11.049. [Epub ahead of print]


背景:
 CPAP療法は中等症~重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の第一選択治療である。25%にのぼるOSAS患者がCPAP療法の副反応のため同治療を断念せざるを得ない。意図せぬリークとそれによる不良の結果はCPAP治療の有害事象としてもっともよく報告されている。技術的な改善がなされても、この問題への対処はまだ成功していない。

目的:
 システマティックレビューが行われた。①意図せぬリークにおける技術的な改善点の違いが与える影響を調べること、②意図せぬリークの規定因子として任意の患者特性がすでに同定されているかどうか調べること、が目的である。

結果:
 どのCPAPモダリティも意図せぬリークを減らす上で他のモダリティより優れているということはなく、驚くべきことに、口鼻マスクは意図せぬリークの高さと関連していた。鼻閉塞、高齢者、BMI高値、中枢性肥満、男性、は意図せぬリークのリスク増加と関連していた。
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(文献より引用:Figure 2)

結論:
 意図せぬリークはいまだ重要な問題である。

by otowelt | 2017-01-05 00:34 | 呼吸器その他

喀痰好中球エラスターゼは気管支拡張症悪化のバイオマーカー

e0156318_12592061.jpg 既知の知見です。

Chalmers JD, et al.
Neutrophil Elastase Activity is Associated with Exacerbations and Lung Function Decline in Bronchiectasis.
Am J Respir Crit Care Med. 2016 Dec 2. [Epub ahead of print]


背景:
 喀痰好中球エラスターゼおよび血清デスモシンは、内因性エラスチン障害のマーカーであり、気管支拡張症における疾患重症度と進行にかかわるバイオマーカーとされている。この研究は、エラスターゼ活性とデスモシンが気管支拡張症の増悪や肺機能低下と関連しているかどうか調べたものである。

方法:
 イギリスのダンディーにおける単施設前向きコホート(TAYBRIDGEレジストリ)を用いた。胸部HRCTで確定された433人の気管支拡張症の患者においてデスモシン測定のための血液検体採取をおこない、381人の気管支悪嘲笑の患者において喀痰エラスターゼ活性を測定した。被験者のバイオマーカーは3年にわたる疾患重症度、将来の増悪、死亡率、肺機能低下の指標として関連性が調べられた。

結果:
 喀痰エラスターゼ活性は気管支拡張症重症度インデックス(r=0.49,p<0.0001)、MRC息切れスコア(r=0.34,p<0.0001), %1秒量(r=-0.33,p<0.0001)、画像上の気管支拡張症の拡がり(r=0.29,p<0.0001)と関連していた。
 3年の経過で、喀痰エラスターゼ活性の上昇は増悪の頻度(p<0.0001)と関連していたが、死亡とは独立して関連していなかった。喀痰エラスターゼ活性は、1秒量減少の独立予測因子であった(β係数-0.139,p=0.001)。エラスターゼは、重症増悪や全死因死亡に高い鑑別能を有していた(AUC 0.75 [0.72-0.79]、AUC 0.70 [0.67-0.73])。増悪がみられた場合の喀痰中エラスターゼ活性は高く(p=0.001)、抗菌薬治療に反応がみられた。
 デスモシンは喀痰エラスターゼと相関がみられた(r=0.34,p<0.0001)。また重度の増悪のリスクであったが(ハザード比2.7、95%信頼区間1.42-5.29,p=0.003)、肺機能の低下と関連していなかった。

結論:
 喀痰好中球エラスターゼ活性は、成人気管支拡張症における疾患重症度および将来のリスクのバイオマーカーである。

by otowelt | 2016-12-13 00:07 | 呼吸器その他