カテゴリ:呼吸器その他( 243 )

胸膜の炎症に対するMCP-1の役割

e0156318_10101326.jpg 膿胸に対する外科手術回避効果、という夢のような効果まであったら・・・と思わずにいられません。

Sally M. Lansley, et al.
Role of MCP-1 in pleural effusion development in a carrageenan-induced murine model of pleurisy
Respirology, DOI: 10.1111/resp.12951


背景および目的:
 滲出性胸水は1年間に100万人あたり1500人に発生する。胸膜の滲出性変化の病態生理はいまだによくわかっていない。われわれの近年の研究で、MCP-1がキードライバーになることを示し、また他の研究で悪性胸水に対する発現を報告した。今回の研究では、MCP-1がマウスの急性胸膜炎モデルに対する胸水貯留にどのような役割を持つか調べた。

方法:
 λ-カラギーナン(CAR)がCD1マウスの胸腔に注入され、16時間後の胸水量を測定した。胸水および血清MCP-1濃度を測定した。マウスは腹腔内①抗MCP-1抗体あるいはアイソタイプコントロール、②MCP-1受容体(CCR2)アンタゴニストあるいはコントロールをCAR注入12時間前あるいは注入時に治療された。

結果:
 胸膜内CARは有意に4時間後の胸水貯留と関連していた(300.0 ± 49.9 μL)。胸水中MCP-1濃度は血清MCP-1よりも有意に高かった(144603 ± 23204 pg/mL vs 3703 ± 801 pg/mL, P < 0.0001)。いずれの抗MCP-1抗体治療においても有意な胸水貯留減少が観察された。(中央値(IQR): 36 (0–168) μL vs コントロール290 (70–436) μL; P = 0.02)、これはCCR2アンタゴニストについても同様であった(153 (30–222) μL vs コントロール240 (151–331) μL, P = 0.0049)。

結論:
 CARモデルにおいてMCP-1活動性を阻害することで胸水の炎症を減弱させることができる。この結果は、胸水の炎症性変化に対するMCP-1アンタゴニストの臨床的評価の妥当性を示すものである。

by otowelt | 2016-12-07 00:02 | 呼吸器その他

電子たばこ使用は慢性気管支症状のリスクを上昇

e0156318_23175684.jpg 電子たばこの定義も結構ややこしいので、一概には結論づけられませんが。2015年のATSでは、システマティックレビューにおいて短期的な呼吸器系への影響が報告されています。

Rob McConnell, et al.
Electronic-cigarette Use and Respiratory Symptoms in Adolescents
AJRCCM, Published Online: November 02, 2016


背景:
 青年期の電子たばこの使用頻度は増えているが、その慢性的な影響についてはほとんどわかっていない。電子たばこエアロゾルの組成は肺毒性を示すという知見がある。

方法:
 2086人が参加した南カリフォルニア小児健康スタディの参加者において、慢性気管支症状(慢性咳嗽、喀痰あるいは気管支炎)のある電子たばこ使用者および過去12ヶ月の間に喘鳴がみられた患者の関連性を調べた。

結果:
 過去に電子たばこを使用したと報告したのは502人(24.0%)で、そのうち201人(9.6%)が電子たばこを過去30日以内に使用していた(現行使用)。気管支症状のリスクは電子たばこ非使用者と比べて電子たばこの既往使用者において約2倍に上昇した(オッズ比1.85、95%信頼区間1.37-2.49)。また、電子たばこの現行使用者ではそのリスクは2.02(95%信頼区間1.42-2.88)だった。電子たばこ現行使用者において、過去30日の間に1-2日使用した場合(オッズ比1.66、95%信頼区間1.02-2.68)、3日以上使用した場合(オッズ比2.52、95%信頼区間1.56-4.08)にもリスク上昇がみられた。生涯でのたばこ曝露および受動喫煙によって補正すると関連性は減少していった。しかしながら、信頼性のある交絡因子で補正しても、過去に電子たばこを使用した人では気管支症状のリスクは有意に高かった(オッズ比1.70、95%信頼区間1.11-2.59)。喫煙歴で補正した場合、電子たばこと喘鳴には有意な関連性はみられなかった。

結論:
 青年期の電子たばこ使用は慢性気管支症状の頻度を高くする。

by otowelt | 2016-11-29 00:42 | 呼吸器その他

胸膜癒着術のシステマティックレビュー

e0156318_13585789.jpg ランダム化比較試験が少ないようですね。

Hallifax RJ, et al.
Effectiveness of chemical pleurodesis in spontaneous pneumothorax recurrence prevention: a systematic review.
Thorax. 2016 Nov 1. pii: thoraxjnl-2015-207967.


目的:
 自然気胸はよくみられる病態である。国際的なガイドラインでは、改善しないエアリークあるいは再発予防のための胸膜癒着術が推奨されている。この研究では、過去の文献により胸膜癒着術の効果を総括した。

方法:
 妥当なランダム化比較試験、症例対照研究、ケースシリーズを同定し、システマティックにレビューした。再発率またはオッズ比(コントロール群が設定されている研究)を集計した。異質性が高く、メタアナリシスは実施しなかった。

結果:
 560の文献が同定され、50が適格基準を満たした。
 胸腔ドレーンのみで管理された患者の再発率は26.1~50.1%だった。
 胸腔鏡下タルク散布法(poudrage法)(4研究249人)は再発率が2.5%~10.2%で、胸腔ドレナージ単独と比較したランダム化比較試験ではオッズ比0.10であった。
 VATS中にタルク投与を行った場合(8研究2324人)、再発率は0.0%~3.2%だったが、ブラ・ブレブ切除術と比較したランダム化比較試験では有意な差はみられなかった。
 ミノサイクリンはVATS後のそれと同等の効果が得られた(再発率0.0~2.9%)。胸腔ドレーンを介したテトラサイクリンの投与による遷延性のエアリークおよび再発予防効果は、再発率が高く13.0~33.3%で、自己血パッチ胸膜癒着術(270人)は15.6~18.2%だった。

結論:
 外科治療後あるいは胸腔鏡を通した胸膜癒着術がもっとも効果的である。いずれの癒着剤の成功率も限られたデータしかないのが現状である。

by otowelt | 2016-11-24 00:08 | 呼吸器その他

慢性難治性咳嗽に対するボツリヌス毒素注入療法の有用性

e0156318_1584655.jpg 意外な報告ですが、効果は高そうですね。

Sasieta HC, et al.
Bilateral Thyroarytenoid Botulinum Toxin Type A Injection for the Treatment of Refractory Chronic Cough.
JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. 2016 Sep 1;142(9):881-8.


背景:
 難治性慢性咳嗽は限られた治療オプションしかない衰弱性の状態である。A型ボツリヌス毒素(BtxA)の甲状披裂筋注入療法は慢性咳嗽患者にもその有効性が報告されている。われわれは、難治性慢性咳嗽患者におけるBtxAの有用性を報告する。

目的:
 慢性咳嗽治療に対する筋電図ガイド下BtxA治療の効果を調べること。

方法:
 単施設(Mayoクリニック)後ろ向き研究において、難治性咳嗽患者で筋電図ガイド下BtxA注入療法を受けた患者22人を2013年7月1日から2014年7月31日まで登録した。
 プライマリアウトカムは自己申告の2ヶ月時での咳嗽重症度または症状の改善が50%以上みられることとした。有害事象についても記録した。

結果:
 22人(年齢中央値61歳、19人が女性)が登録され、31の喉頭BtxA治療が実施された。プライマリアウトカムである自己申告の咳嗽重症度または症状の改善が50%以上みられたのは、31の治療セッションのうち16だった(52%)。11人(50%)の患者は初回のBtxA注入後に50%以上の改善がみられた。主要な有害事象は発生しなかった。処置後水分嚥下障害は治療反応性に対して84%の陽性的中率、100%の陰性的中率を示した。

結論:
 このケースシリーズにおいて、喉頭BtxA注入は難治性慢性咳嗽の患者に忍容性があり、短期間であるものの半数の例に効果があった。BtxA注入後の水分嚥下障害は良好な反応の予測因子である。反応維持期間、患者選択基準、適切なBTxA用量はまだ決まっていない。

by otowelt | 2016-11-07 00:46 | 呼吸器その他

慢性咳嗽患者のICS反応性にFeNOは有用かどうか断言できない

e0156318_11335545.jpg 個人的なメモ書きのようなものです。慢性咳嗽について今必死に調べているので・・・。

Song WJ, et al.
Could Fractional Exhaled Nitric Oxide Test be Useful in Predicting Inhaled Corticosteroid Responsiveness in Chronic Cough? A Systematic Review.
J Allergy Clin Immunol Pract. 2016 Oct 1. pii: S2213-2198(16)30319-1. doi: 10.1016/j.jaip.2016.07.017.


背景:
 FeNOは安全かつ簡便なTh2気道炎症検査であり、慢性咳嗽患者のマネジメントにも潜在的に有用とされている。

目的:
 FeNOが、慢性咳嗽患者のICS反応性を判断する上で有用かどうかエビデンスをまとめること。

結果:
 システマティックレビューを行い、われわれは2015年2月までに査読を受けた論文記事を同定した。言語に規定は設けなかった。われわれは、慢性咳嗽患者におけるICSの反応を予測するためのFeNOの有用性について報告した研究を抽出した。

結果:
 5つの原著論文が同定された(2つは前向き、3つは後ろ向き)。試験デザインとアウトカム定義において異質性が大きく、メタアナリシスは実施できなかった。ICS反応性があったのは全体の44~59%だった。報告されたAUCは0.60-0.87であったが、前向きデザインの研究と喘息の頻度が少ない研究はAUCが低かった。

結論:
 慢性咳嗽においてICS反応性を予測する上でFeNOは強いエビデンスをもって支持できなかった。さらなるランダム化比較試験デザインが望まれる。

by otowelt | 2016-11-04 00:14 | 呼吸器その他

失神で入院した患者の6~7人に1人は肺塞栓が原因

e0156318_1015674.jpg Wellsスコアって「Alternative diagnosis less likely than pulmonary embolism」の項目が結構クセモノですよね。どうとでも受け取れるし・・・。
 失神患者でD-ダイマーが上がっていたら要注意ということですが、こんなに肺塞栓ってcommon diseaseでしたっけ?

Paolo Prandoni, et al.
Prevalence of Pulmonary Embolism among Patients Hospitalized for Syncope
N Engl J Med 2016; 375:1524-1531


背景:
 失神で入院した患者の肺塞栓の頻度はあまり示されておらず、現行ガイドラインではこれらの患者において肺塞栓の診断的ワークアップに注意を払うべきとはほとんど記載されていない(Eur Heart J 2009; 30: 2631-71.、Circulation 2006; 113: 316-27.)。

方法:
 イタリアの11病院に失神で入院した患者において肺塞栓の全身ワークアップをおこなった。失神の原因が他に判明しているかどうかは問わなかった。肺塞栓の検査前確率はWellsスコアで単純化され、肺塞栓が「likely」あるいは「unlikely」かで分類された(カットオフ値4点)。「unlikely」およびD-ダイマーが陰性の患者では、それ以上の肺塞栓診断は除外された。「likely」、D-ダイマー陽性、あるいはその両方がみられる場合はCT肺血管造影あるいは換気血流シンチが行われた。

結果:
 合計560人の患者(平均年齢76歳)が本研究に登録された。肺塞栓の診断は560人中330人(58.9%)で除外された(「unlikely」およびD-ダイマー陰性)。残りの230人のうち、肺塞栓は97人(42.2%)に同定された(ゆえに133+330=463人が肺塞栓のない失神患者ということになる)。
 本コホートにおいて、肺塞栓の頻度は17.3%だった(95%信頼区間14.2-20.5%)。肺動脈本幹塞栓子あるいは葉動脈塞栓子あるいは25%以上の血流欠損像は61人に観察された。
 失神の原因が他にあると考えられた355人のうち45人に肺塞栓がみられた(12.7%)。また、失神の原因がよくわからなかった205人のうち52人(25.4%)に肺塞栓がみられた。

結論:
 肺塞栓は失神を呈して入院した患者において、6人に1人に同定される(本コホート全体の入院患者全体で見れば、7.3人に1人か)。

余談:
 ちなみにAJRCCMに最近Hestia基準の有用性について報告がありました。Hestia基準がクリアできれば外来で肺塞栓の治療をしてもよいという判断ができます(Paul L. den Exter, et al. Efficacy and Safety of Outpatient Treatment Based on the Hestia Clinical Decision Rule with or without N-Terminal Pro–Brain Natriuretic Peptide Testing in Patients with Acute Pulmonary Embolism. A Randomized Clinical Trial. American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, Vol. 194, No. 8 (2016), pp. 998-1006. )。

<Hestia基準>
 以下の1つでも「はい」という回答であれば、患者は在宅で肺塞栓の治療をされるべきではない。
1.結構動態が安定していない?
2.血栓溶解療法あるいは塞栓摘出が必要?
3.出血リスクが高い?
4.SpO2>90%をキープするために酸素投与が必要?
5.抗凝固療法中に肺塞栓と診断された?
6.24時間を超える点滴鎮痛剤が必要なほどの疼痛がある?
7.24時間を超えて病院で治療する医学的あるいは社会学的理由がある?
8.クレアチニンクリアランスが30mL/分未満?
9.重篤な肝障害がある?
10.妊娠中?
11.ヘパリン起因性血小板減少症の既往がある?




by otowelt | 2016-10-24 00:51 | 呼吸器その他

難治性慢性咳嗽に対する理学療法+言語聴覚療法は咳嗽頻度を減らす

e0156318_9285562.jpg 客観的な咳嗽頻度を減らせたという点に大きな意義があるでしょう。

Chamberlain Mitchell SA, et al.
Physiotherapy, and speech and language therapy intervention for patients with refractory chronic cough: a multicentre randomised control trial.
Thorax. 2016 Sep 28. pii: thoraxjnl-2016-208843. doi: 10.1136/thoraxjnl-2016-208843.

背景:
 理学療法および言語聴覚療法(PSALTI)は難治性慢性咳嗽の非薬物治療として注目されている。われわれは、難治性慢性咳嗽患者において、PSALTIが健康関連QOLを改善し咳嗽の頻度を減らすことができるかどうか調べた。

方法:
 この多施設共同ランダム化比較試験において、難治性慢性咳嗽の患者を4週間のPSALTIセッション(教育、喉頭衛生・水分摂取教育※1、咳嗽抑制技術※2、呼吸エクササイズ※3、カウンセリング)あるいはコントロール介入(ライフスタイルのアドバイス)にランダムに割り付けた。4週時点での健康関連QOL(LCQ)を調べた。セカンダリ効果アウトカムとして、24時間咳嗽頻度(咳嗽モニター)、咳嗽反射感度を設定した。

※1:鼻呼吸を推奨する。水分や非カフェイン飲料の摂取頻度を高くするなど。
※2:努力性嚥下、水をすする、甘いものを摂取するなど。
※3:安静時腹式呼吸、口すぼめ呼吸など。

結果:
 2011年12月から2014年4月までの間に登録された75人の被験者(34人がPSALTI群、41人がコントロール群)が解析対象となった。LCQはPSALTI群で平均1.53点(95%信頼区間0.21-2.85点)改善した(p=0.024)。客観的咳嗽頻度は41%減少した(95%信頼区間36%-95%)(p=0.030)。PSALTI群での改善維持は3ヶ月の長さに及んだ。カプサイシンによる気道過敏性には差はみられなかった(C5)。
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(文献より引用:客観的咳嗽頻度)

結論:
 PSALTIによる健康関連QOLおよび咳嗽頻度の改善がみられた。難治性慢性咳嗽患者に対するPSALTIの適用が支持される。


by otowelt | 2016-10-18 00:55 | 呼吸器その他

インドにおける低コスト禁煙対策:単一教育セッション+ヨガ呼吸法訓練

e0156318_1346566.jpg 2%台という結果ですが、コスト対効果は大きいと思います。ヨガ呼吸法が入っているところがインドらしいですね。

Bidyut K Sarkar, et al.
Original article: Effectiveness of a brief community outreach tobacco cessation intervention in India: a cluster-randomised controlled trial (the BABEX Trial)
Thorax Published Online First: 5 October 2016 doi:10.1136/thoraxjnl-2016-208732


背景:
 たばこの使用によって世界では毎月100万人の死者が出ており、このほとんどが低中所得国(LMICs:Lower Middle Income Countries)である。そのため、低コストで効果的な禁煙介入策が早急に求められている。

目的:
 インドの禁煙対策として、短時間の地域への働きかけ介入をヘルスワーカーによって実施。この効果を調べる。

デザイン:
 クラスターランダム化比較試験。

場所:
 デリーにおける32の低中所得区域で、半数が政府公認(再定住のための住宅地:Resettlement colony)、半数が政府非公認(JJ[Jhuggi-Jhopri] Cluster Colony)。

参加者:
 1213人の成人喫煙者。

介入:
 行政区域ごとに介入群とコントロール群に1:1にランダム化割り付けを行った(各16クラスター:それぞれ611人、602人)。2012年7月から2013年11月まで実施された。介入は単一の禁煙助言セッション(15分)にヨガ呼吸法(KapalbhatiとAnulomvilom)の単一訓練セッションを行い、コントロール群には1分の禁煙助言のみを行った。

アウトカム:
 プライマリアウトカムは、介入後7ヶ月時に実施した6ヶ月時の禁煙維持率の結果とした(唾液中コチニン濃度を用いた)。

結果:
 禁煙率は介入群で有意に高かった(2.6% [16/611] vs 0.5% [3/602]、相対リスク5.32, 95%信頼区間1.43 to 19.74, p=0.013)。たばこの種類(無煙たばこなど)による相互作用はみられなかった。被験者の背景で補正した解析でもこの結果は同様だった。
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(文献より引用)

結論:
 低中所得地域に対する単一の禁煙セッションによるはたらきかけは、禁煙率を上昇させる。


by otowelt | 2016-10-17 00:23 | 呼吸器その他

出版のお知らせ:ナースのための世界一わかりやすい呼吸器診断学

 金芳堂から「ナースのための世界一わかりやすい呼吸器診断学」を2016年10月14日に出版します。
 タイトルのように、本書はナース向けです。呼吸器疾患を毛嫌いしているナース、呼吸器疾患を楽しく勉強したいというナースにオススメの一冊です。カタクルシイ文章は一切なく、「ねころんで読める呼吸のすべて」シリーズと同じように、読みやすい文章のはずです。
 なお、「世界一」というのはあくまで出版社と筆者の至極主観的な意見に過ぎませんので、読者の皆様が世界で何番目くらいなのか判断していただければ幸いです。もし100番目くらいだったならば、心より伏してお詫び申し上げます。
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発売日 : 2016年10月14日
単行本 : 224ページ
価格 : 2,800円 (税抜)
出版社 : 金芳堂
著者 : 倉原 優 (国立病院機構近畿中央胸部疾患センター内科)

e0156318_13141310.jpgAmazonから予約/購入する (入荷がやや遅いかも)

e0156318_13141310.jpg金芳堂から購入する

 呼吸器疾患を医師がどのように診断しているか、分かりやすく書いてみました。ナース向けというタイトルですが、普段「特発性間質性肺炎やサルコイドーシスのような呼吸器疾患が難しいなあ」と感じている全ての医療従事者に読んでいただければ幸いです。
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by otowelt | 2016-10-14 00:38 | 呼吸器その他

早産児の呼吸困難に対するネーザルハイフローはCPAPより治療失敗率が高い

e0156318_13512197.jpg Pediatricsのメタアナリシスでは経鼻高流量酸素療法とNPPVでは差はなかったと結論づけられていました(Pediatrics. 2015 Sep;136(3):542-53)。コクランレビューでは、鼻の皮膚障害や気胸が少ない点がメリットであると述べられていました(Cochrane Database Syst Rev. 2016 Feb 22;2:CD006405.)。

Calum T. Roberts, et al.
Nasal High-Flow Therapy for Primary Respiratory Support in Preterm Infants
N Engl J Med 2016; 375:1142-1151


背景:
 経鼻高流量酸素療法は、新生児の抜管後呼吸補助として用いた場合、CPAP療法と有効性が同等であることが示されている。しかし、呼吸困難のある呈する早産児に対する一次呼吸補助としての有効性は明らかでない。

方法:
 国際多施設共同ランダム化非劣性試験において、出生後早期に呼吸困難を発症しサーファクタント補充療法を受けていない早産児564人(在胎28週0日以上)を、経鼻高流量酸素療法を行う群と、経鼻CPAP療法を行う群にランダムに割り付けた。プライマリアウトカムはランダム化後72時間以内の治療失敗と定めた。非劣性判定は、プライマリアウトカムのリスク絶対差を算出し非劣性マージンを10%ポイントとした。高流量酸素療法が失敗した新生児にはレスキュー目的でのCPAPを適用することとし、同治療が失敗した新生児には挿管・人工呼吸管理をおこなった。

結果:
 プライマリアウトカムに有意差が認められたため、安全性モニタリング委員会の勧告に従い試験登録を早期中止した。治療失敗は、経鼻高流量酸素療法群278人中71人(25.5%)、経鼻CPAP群286人中38人(13.3%)で発生した(リスク差12.3%ポイント、95%信頼区間5.8~18.7、P<0.001)(経鼻高流量酸素療法群の方が治療失敗が有意に多かった)。72 時間以内の挿管率に群間差はなかった(それぞれ15.5%、11.5%、リスク差3.9%ポイント、95%信頼区間-1.7~9.6、P=0.17)。有害事象の発現率にも有意差はなかった。

結論:
 呼吸困難を呈する早産児の一次呼吸補助に経鼻高流量酸素療法を用いることは、経鼻CPAPよりも治療失敗率が高くなったため、試験は早期中止された。


by otowelt | 2016-10-06 00:34 | 呼吸器その他