カテゴリ:呼吸器その他( 275 )

気胸の診断における超音波のメタアナリシス

気胸におけるエコーについて知っておかねばならないサインは
以下の通りである。

1.lung slidingの消失
呼吸運動に伴う胸膜の動きを診ているもので、
正常であれば横にスライドしている像が確認できる。
気胸があるとlung slidingが消失する。
アニメーション動画などで見ないとわからないと思う。
YOUTUBEにたくさん転がっているので確認すべし。

2.commet tail artifactの消失
正常では胸膜から下に向かって伸びるエコー上のアーチファクトが
確認できることがあるが、気胸ではこれが消失する。
コンソリデーション等がある場合、増強すると言われており
病的肺の診断にも用いられる。
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※B-line
comet tail artifactのことをB-lineとも呼ぶことがあるが
これは、B-lineが3本以上・間隔が7mm以内といった
密な所見のときに間質性の疾患(肺水腫)などを疑うと
いう場面で用いられる用語である。なお、皮下にできる
B-line likeのものは、E-lineと呼ぶ。これは皮下気腫を意味する。
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3.M-modeにおけるseashore sign(sandy pattern)の消失
M-modeでは肺実質は呼吸性変動でsandy patternになる。
これはあたかも波が打ち寄せる砂浜のように見えるため
seashore signとも呼ばれる。気胸の場合、
seashore signの特徴であるsandy patternが消失する。
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※A-line
A-lineは肺内にできるB-lineと直交する線のことで、
1.のsea shore signと平行にできる肺内のエコーシャドウ
のことである。正常でも観察されるが、lung slidingがあり
増強しているときは気管支喘息やCOPDなどを疑う。
lung slidingがないのに増強しているときは、気胸を疑う。

過去にエコーによる気胸診断についてはメタアナリシスを紹介した。
気胸診断において超音波は感度特異度ともに高い
今月のCHESTから、気胸診断のエコーのメタアナリシスがまた出ていた。
Discussionにも記載されていたが、このメタアナリシスは
多くが外傷救急における論文を引用したものなので、
基本的に仰臥位レントゲンとエコーの話であることに注意したい。
なお、出版バイアス等についてのDiscussionがされていない。

Khaled Alrajhi, et al.
Test Characteristics of Ultrasonography for the Detection of Pneumothorax
A Systematic Review and Meta-analysis
CHEST 2012; 141(3):703–708


背景:
 気胸は潜在的に生命にかかわる病態である。CT検査は診断において標準的な
 位置づけであるが、胸部レントゲンは気胸の診断を除外する目的でも
 よく使われている。われわれは、臨床的に気胸と疑われ
 CTを使用したりあるいは脱気を行われた患者における
 エコーと仰臥位レントゲンの検査特性を比較した。

方法:
 われわれはMEDLINE、EMBASEの英語文献を検索した。
 2人の独立した研究者が適格論文をレビューするために
 標準化をおこなった。抽出したデータの質評価は、診断精度研究質評価ツール
 (QUADAS)の判定基準に基づいて行われた。
 われわれはメタナアリシス実施前に
 試験選択においてκ係数による一致度を計算した。

結果:
 われわれは570の論文をレビューし、21をフルレビューとして選択した
 (κ, 0.89)。8つの論文(合計1048患者)が適格基準を満たした(κ, 0.81)。
 1つ以外の全てのスタディは、エコーを使用しており
 気胸の除外としてはlung slidingおよびcomet tailを使用していた。
 胸部画像所見はエコーをおこなわれた1048人中864人で有用であった。
 エコーは気胸に同定において90.0%の感度(95% CI, 86.5-93.9)と
 98.2%の特異度(95% CI, 97.0-99.0)であった。
 胸部画像は50.2%の感度(95% CI, 43.5-57.0)と
 99.4%の特異度(95% CI, 98.3-99.8)であった。
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結論:
 気胸同定のためのエコーの使用はきわめてすぐれており
 仰臥位レントゲンよりも有用である。 ベッドサイドで迅速に
 おこなえるエコーは簡便かつ有用な検査であることから
 このスタディは気胸の同定にエコーをルーチンに用いることを
 支持するものである。

by otowelt | 2012-03-07 06:24 | 呼吸器その他

臨床研修医が呼吸器内科を選ぶとき

新潟大学からの報告。
呼吸器内科医にとってはかなり興味深い論文だ。
Abstractに該当する部分のみ掲載する。

田中 淳一ら
良き呼吸器科指導医としての理想像の検討 ―研修医の専門領域選択因子のアンケート結果―
日呼吸誌 1(2),2012、107-113


要旨:
 臨床研修医が専門分野を選択する際、指導医の影響が大きいと
 報告されている。昨今、呼吸器科医師不足が指摘され、呼吸器科を
 志望する医師を増やすことは急務である。研修医が進路を選択する際に、
 何を重視するのかを明らかにし、またその過程における指導医の
 影響を評価する目的で、臨床研修医、若手呼吸器科医師に
 アンケート調査を行った。その結果、選択時に重視する点は、
 やりがい、医学的な興味に続き、良き指導医の存在であった。
 一方で、研修医1 年次と2 年次で、また研修医と若手呼吸器科医師で
 選択時に重視する点、理想の指導医像に差異が認められた。
 本調査を通して、多くの臨床研修医が呼吸器科を選択するためには、
 呼吸器科のやりがいを伝え、興味を喚起する努力をし、
 研修医の経験・志向に応じ指導の仕方を変化させ、そのうえで
 若手呼吸器科医が目指す全人的診療を行う「良医」を
 ロールモデルとして認識させることが必要であることが示唆された。

引用文献も興味深い内容だ。
・西尾智尋ら.臨床研修医が呼吸器内科を専門分野に選択するプロセスの質的研究. 日呼吸会誌 2009; 47: 462-6.
・山谷睦雄ら.わが国における呼吸器科勤務医の勤務環境の現状.日医師会誌2011; 139: 2383-87.

by otowelt | 2012-03-04 22:11 | 呼吸器その他

妊娠中のニコチンパッチによる禁煙療法

Tim Coleman et. al.
A Randomized Trial of Nicotine-Replacement Therapy Patches in Pregnancy
N Engl J Med 2012; 366:808-818


背景:
 ニコチン置換療法は禁煙において効果的とされており、妊娠中でも然りである。
 われわれは、ニコチンパッチ療法の妊娠中における安全性と効果において
 検証した。

方法および結果:
 イギリスの7病院において16~50歳の12~24週にある女性で
 タバコ5cigarettes/day以上を対象に登録した。
 その1050人において、521人をニコチン置換療法(15 mg per 16 hours)、
 529人をプラセボに割りつけた。出産までの禁煙率は
 ニコチン療法とプラセボで、それぞれ9.4%、7.6%。
 非補正ORは1.26(95%CI 0.82 to 1.96)。
 しかしながら、1ヶ月後の禁煙率は21.3% vs. 11.7%と高い。
 コンプライアンスは低く、ニコチンパッチ群ではわずか7.2%、
 コントロール群は2.8%。周産期有害事象は同等であった。

結論:
 ニコチンパッチは妊娠中において有意に効果がみられるものではないが
 周産期有害事象は同等であった。しかしながらコンプライアンスが低い。

by otowelt | 2012-03-01 05:34 | 呼吸器その他

SSRIは肺高血圧のリスクを減少させない

この間BMJから新生児肺高血圧症と妊婦のSSRIの報告があったが、
Helle Kieler, et al.
Selective serotonin reuptake inhibitors during pregnancy and risk of persistent pulmonary hypertension in the newborn: population based cohort study from the five Nordic countries
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.d8012


CHESTから成人のSSRIと肺高血圧の関連について論文が出ている。
本来肺高血圧のリスク軽減のためにおこなった試験だが、
肺高血圧のリスクが上昇したという報告。
この試験デザインでは疫学的なリスク上昇は断言できないので
結論は緩やかな発言にとどめている。

Irfan A. Dhalla, et al.
Selective Serotonin Reuptake Inhibitors and Pulmonary Arterial Hypertension
A Case-Control Study
CHEST 2012; 141(2):348–353


背景:
 動物ないしヒトの臨床試験において、選択的セロトニン再取り込み阻害薬
 (SSRIs)が、肺高血圧症の予防あるいは治療に有用かもしれないとされている。

方法:
 SSRIが肺高血圧のリスクを減らすという仮説を検証するため
 症例対照研究を実施。肺高血圧で薬剤治療を要する症例を登録。
 それぞれの症例に対して10のマッチコントロールを設定。
 SSRI曝露と非SSRI抗不安薬曝露を解析。
 肺高血圧で治療を要する症例は、レセプトから判断した。
 
結果:
 460の肺高血圧症例に対して4539人のコントロールを設定。
 72.6%が女性であり、平均年齢は65.3歳であった。
 citalopramの使用が最も多かった。
 われわれの仮説に反して、SSRIの使用と肺高血圧には
 多変量解析においてリスク関連性がみられた
 (adjusted OR, 1.55; 95% CI, 1.13-2.13)。

結論:
 SSRIは肺高血圧のリスクは減少させない。

by otowelt | 2012-02-08 05:14 | 呼吸器その他

ASVはCPAPと比較してCSA/CSRとBNPの改善をもたらす

呼吸器内科医であれば、最近ASVを使うことも増えてきただろう。
実はこのASV、あまり大きな臨床試験がないのが現状。
Pepperell JC, et al. A randomized controlled trial of adaptive ventilation for Cheyne-Stokes breathing in heart failure. Am J Respir Crit Care Med. 2003;168(9):1109-14.

・ASV
ASVは従来のBiPAPと同様にIPAPとEPAPを設定でき、バックアップ換気の回数も設定することができる。その際にIPAP の最大と最小を設定し直前の呼吸フローから計算し供給圧を自動的に変動させる人工呼吸器である。




CHESTのpublished online before printに
ASVの試験が掲載されていた。

Winfried J. Randerath, et al.
Long-term auto servo-ventilation or constant positive pressure in heart failure and co-existing central with obstructive sleep apnea
Chest Published online before print January 26, 2012, doi: 10.1378/chest.11-2089


背景:
 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と中枢性睡眠時無呼吸(CSA)、
 チェーンストークス呼吸(CSR)は心不全患者でよくみられる。
 持続的陽圧呼吸(CPAP)はCSA/CSRへの臨床的アウトカム改善効果
 がある。Auto Servo-Ventilation (ASV)の効果は
 心不全患者におけるCSA/CSRを抑制するとされているが、
 OSAとCSA/CSR合併例に対する試験はほとんどない。
 
目的:
 心不全患者で睡眠障害呼吸を合併した患者に対する
 ASVとCPAPの効果をランダム化対照試験によって
 呼吸障害を軽減し、心パラメータを改善するか調べる。

方法:
 両群ともBiPAP autoSV®, Respironics, USAを12ヶ月以上使用。
 70患者(男性63人、66.3±9.1歳, BMI 31.3±6.0 kg/m2)が
 OSAとCSA/CSRの合併、高血圧、冠動脈疾患ないし心筋症とNYHA II-IIIを
 有していた。ポリソムノグラフィ、BNP、スパイロメトリー、心エコーが
 ベースライン、3ヵ月後、12ヵ月後で検査された。

結果:
 どちらのモードの治療も有意に呼吸障害、酸素飽和度の低下、中途覚醒を
 改善した。CPAPと比較してASVはthe central AHIを有意に改善
 (ベースラインCPAP 21.8±11.7,ASV 23.1±13.2,
 12ヶ月CPAP 10.7±8.7, ASV 6.1±7.8, p<0.05)、また、BNPレベルも
 改善(ベースラインCPAP 686.7±978.7ng/ml, ASV 537.3±891.8,
 12ヶ月CPAP 847.3±1848.1, ASV 230.4±297.4, p<0.05)。
 運動耐容能と心エコーパラメータには両群とも差はみられなかった。

結論:
 ASVはCPAPと比較してCSA/CSRとBNPの改善をもたらす。

by otowelt | 2012-01-27 06:18 | 呼吸器その他

ヒトにおける肺胞形成は成人するまで続く

もともと、ヒトにおいて小児期以降は肺胞形成がおこなわれないという
データがある。
・Zeltner TB, Burri PH. The postnatal development and growth of the human lung. II. Morphology. Respir Physiol 1987;67:269–282.
・Hislop AA. Airway and blood vessel interaction during lung development. J Anat 2002;201:325–334.

ただ、これらのデータは昔ながらの形態学的組織検査の結果に
基づくものであり、信頼性に乏しかった。

哺乳類において新しい技術を用いた肺胞形成の論文がいくつかあるが
これによれば、哺乳類の発達において青年期においても
肺胞形成がおこなわれている可能性が示唆されている。
・Hyde DM, et al. Alveoli increase in number but
not size from birth to adulthood in rhesus monkeys. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 2007;293:L570–L579.
・Kovar J, et al. Postnatal alveolar development of the rabbit. J Appl Physiol 2002;93:629–635.


現在の仮説では、ヒトの肺胞形成は3歳までに完了するとされているが、
成人に到達するまでの間、肺胞が形成されつづけるという
論文が発表されていた。

Manjith Narayanan, et al.
Alveolarization Continues during Childhood and Adolescence
New Evidence from Helium-3 Magnetic Resonance
Am. J. Respir. Crit. Care Med. January 15, 2012 vol. 185 no. 2 186-191


本論文では7-21歳の患者において3HeMRを用いた
肺胞形成の評価をおこなった。ヘリウムは、肺MRIではよく使用され、
超偏極(hyperpolarization)によって肺の評価をおこなうために
用いるものである。

7歳から21歳において、肺胞数は1.94倍(95% CI, 1.64–2.30)、
肺胞容積は1.75倍(95% CI,1.48–2.07)に増加。

by otowelt | 2012-01-15 20:09 | 呼吸器その他

繰り返す呼吸器感染で発見されたMounier-Kuhn症候群

過去に以下の記事を紹介したが
Mounier-Kuhn症候群
AJRCCMに面白い画像が紹介されていた。

Pradeep H, et al.
Mounier-Kuhn Syndrome: Imaging in Recurrent Pulmonary Infections
Am. J. Respir. Crit. Care Med. January 15, 2012 vol. 185 no. 2 225


繰り返す感染のため当初cystic fibrosisなどを疑われていた63歳男性が
Mounier-Kuhn症候群と診断された症例報告。気管支鏡の写真、
3DCTの画像が掲載されており稀な疾患であるため非常に勉強になる。

by otowelt | 2012-01-15 19:40 | 呼吸器その他

睡眠時無呼吸症候群に対するモダフィニル


 2011年11月25日、モダフィニル(モディオダール錠100㎎)
(diphenyl-methyl sulfinyl-2 acetamide)の適応に、
CPAP等による気道閉塞に対する治療を実施中の閉塞性睡眠時無呼吸症候群
が加わった。添付文書的には、CPAPを3ヵ月以上続けている状態であっても
改善しないものに対して用いる、と書かれている。

 モダフィニルは、ナルコレプシーに使用されている薬剤で、作用機序は不明。
視床下部における神経細胞の活性化、GABA遊離抑制作用、ヒスタミン遊離作用
などが確認されているが詳しくはわかっていない。
 副作用は、頭痛(21.5%)、口渇(11.7%)、不眠(9.1%)、動悸(5.8%)など。

 よく引用されるのが以下のCHESTの論文だと思う。


Schwartz JR,et al.
Modafinil as adjunct therapy for daytime sleepiness in obstructive sleep apnea: a 12-week, open-label study.
Chest. 2003 Dec;124(6):2192-9.


これは125人のOSAの患者に対するモダフィニルとプラセボのランダム化試験で、
12週間目でのESSやQOLなどを指標にしており、
この試験ではモダフィニルによるアウトカム改善が確認された。

by otowelt | 2012-01-06 17:43 | 呼吸器その他

saddle pulmonary embolismのアウトカムは認識されているよりも良好である

サドル型の肺塞栓は、発症が急性か慢性かで
全くアウトカムが異なるような気がするのは
私だけだろうか?

Alejandro Sardi, et al.
Saddle pulmonary embolism: Is it as bad as it looks? A community
hospital experience
Crit Care Med 2011; 39:2413–2418


背景:
 サドル型の肺塞栓:saddle pulmonary embolismは
 巨大な血栓によって引き起こされ、急速な血行動態の不安定を
 惹起する。しかしながら、臨床所見やアウトカムにはばらつき
 がみられる。超音波による右心機能、CT血管造影、心筋酵素上昇
 に基づいて血栓溶解剤やカテーテル血栓除去を血行動態不安定な
 患者に使用することに疑問の声もある。
 
目的:
 saddle pulmonary embolismのアウトカムとマネジメント
 について、放射線学的所見やエコーの特徴とともに調べる。

結果:
 2004年6月1日から2009年2月28日まで
 レトロスペクティブに肺塞栓患者に対しておこなった 
 CT血管造影を評価した。2人の放射線科医により
 saddle pulmonary embolismを抽出し、
 the clot burden scoreを評価した。
 臨床情報、エコー、治療法、アウトカムについても
 診療録により抽出された。
 saddle pulmonary embolismは、680人のうち37人に
 認められた(5.4%, 95% CI 4% to 7%)。
 saddle pulmonary embolismの患者は、年齢中央値60歳で、
 41%が男性であった。主要な合併症は神経疾患(24%)、
 最近の外科手術(24%)、悪性疾患(22%)であった。
 低血圧が14%に認められ、遷延性のショックが8%にみられた。
 1人の患者が人工呼吸器を要した。エコーは27人(73%)の
 患者に行われた。右室の拡張と機能不全が78%に認められた。
 67%の患者で肺動脈収縮期圧の上昇がみられた。
 CT血管造影では、中央値31ポイントというclot burden scoreであった。
 右室左室径比は中央値で1.39であった。未分画ヘパリンは
 33人(87%)の患者に投与され、血栓溶解療法は4人(11%)に
 おこなわれた。入院日数中央値は9日であった。37人のsaddle
 pulmonary embolismのうち2人(5.4%)が
 死亡した(95%CI 0.7% to 18%)。
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結論:
 CT血管造影で同定されたsaddle pulmonary embolismの患者の
 ほとんどは標準マネジメントによく反応した。不吉な見た目では
 あるが、saddle pulmonary embolismはおおむね血行動態は
 安定しており、血栓溶解療法や他のインターベンションを要しない。

by otowelt | 2011-11-09 21:51 | 呼吸器その他

気胸診断において超音波は感度特異度ともに高い

いくら感度・特異度が高いと言われても、
超音波のみで診断するのは、まだ怖いと思うのは私だけだろうか。

Wu Ding, et al.
Diagnosis of Pneumothorax by Radiography and Ultrasonography. A Meta-analysis
CHEST 2011; 140(4):859–866


目的:
 このスタディは、気胸の診断においてA-P胸部レントゲンと経胸壁超音波を
 比較したメタアナリシスである。

方法:
 英語文献のレントゲンと超音波を用いた気胸診断の文献を選択した。
 組み入れたスタディを再計算し、forest plotとsROCを用いて解析した。

結果:
 超音波における感度・特異度はぞれぞれ0.88、0.99であった。
 レントゲンではそれぞれ0.52、1.00であった。
 放射線科医以外の臨床医が超音波をおこなった場合、感度・特異度は
 0.89、0.99であった。sROCにおけるAUCでは有意差はなkった。
 メタ回帰分析によれば、ただこの超音波診断においては
 術者に大きく依存すると考えられた
 (relative diagnostic OR, 0.21; 95% CI, 0.05-0.96; P=.0455)。
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結論:
 メタアナリシスによれば、ベッドサイドにおける気胸診断において
 臨床医の超音波は、レントゲンと比べても高い感度と得意度をほこる。
 しかし、超音波の診断精度は、術者のスキルに依存する。

by otowelt | 2011-10-05 09:49 | 呼吸器その他