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胸水中NT-proBNPは心原性胸水の診断に有用


心不全のマーカーとしてNT-ProBNPが知られるようになった。
これは、ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメントの略であり
循環血液量の増加や心室壁へのストレスなど、心負荷の増大によって
proBNPが産生され、これが蛋白分解酵素により
NT-proBNPに分解されて血中に放出される。
NT-proBNPはBNPよりも変動幅がより大きく、
重症度の判断に役立つと言われている。
BNPよりも安定性が良好なので、信頼できるマーカーである。

CHESTより、胸水中のNT-proBNPについての論文が発表されていた。

Biomarkers of Heart Failure in Pleural Fluid
CHEST September 2009 vol. 136 no. 3 671-677


背景:
 胸水におけるBNP、NT-proBNP、ST2を心不全診断に使えるかどうか吟味。
 BNPとST2はすでに胸水中の心不全マーカーとして有用であるとわかっている。

方法:
 90人の心原性胸水、91人の非心原性胸水において3つのマーカーを測定。

結果:
 胸水中NT-pro-BNP, BNP, およびST2はAUCがそれぞれ
 0.96, 0.90、0.59であった。カットオフ値が1,300 と115 pg/mLにすることで
 NT-pro-BNPとBNPにおける弁別能が発揮できた。
 年齢や性別、クレアチニン値でNT-proBNPの値は変動しなかった。
 Light基準を用いた滲出性胸水と誤診された患者においても、
 NT-proBNPとBNPはそれらを正しく区別できた。

結論:
 胸水におけるNT-pro-BNP値は心原性胸水の診断に非常に有用である。
 Light基準を用いるよりも、こちらの方がよい。
 ST2については心不全の診断を胸水からおこなうことはできないと考えられる。

by otowelt | 2009-09-15 09:26 | 呼吸器その他