カテゴリ:呼吸器その他( 256 )

OSAの二次性高血圧症に対する時間薬物治療(クロノセラピー)

e0156318_13584726.jpg 時間薬物治療(クロノセラピー:Chronotherapy)とは、ヒトの24時間のリズムに合わせ、必要な時に必要な量を送達するという治療法です。

Serinel Y, et al.
Chronotherapy for hypertension in obstructive sleep apnoea (CHOSA): a randomised, double-blind, placebo-controlled crossover trial.
Thorax. 2016 Dec 14. pii: thoraxjnl-2016-209504. doi: 10.1136/thoraxjnl-2016-209504. [Epub ahead of print]


背景:
 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は二次性高血圧症の重要な原因である。夜間高血圧症はOSAでよくみられ、心血管系死亡率の強い予測因子である。本態性高血圧症の患者における研究では、夜間の降圧薬は、日中の血圧を上昇させることなく夜間血圧を改善させることが示されている。われわれは、これがI/II度の高血圧を有するOSA患者に適用できるかどうか検証した。

方法:
 この二重盲検ランダム化プラセボ対照クロスオーバー試験において、中等症~重症OSAおよび呼応血圧を有する患者を6週間の夜間ペリンドプリル、朝のプリンドプリルに割り付け、盲検のためにプラセボ内服を併用した。CPAP療法はペリンドプリル用量相が終わってから8週間適用された(図)。プライマリアウトカムは、線形混合モデルを用いて解析された睡眠時収縮期血圧とした。
e0156318_13495085.jpg
(文献より引用:ランダム化とクロスオーバー)

結果:
 2011年3月から2015年1月までの間に、85人の患者がランダム化され、79人がペリンドプリル用量期間を完遂し、78人がCPAP療法を完遂した(図)。
 睡眠時収縮期血圧は、夜間内服群(-6.9mmHg)でも朝内服群(-8.0mmHg)でもベースラインから有意に低下がみられた。しかし、内服時間による差は観察されなかった(差1.1mmHg、95%信頼区間-0.3 to 2.5)。ただ、起床時収縮期血圧は朝内服群の方が夜内服群よりも有意に低下した(-9.8 mm Hg vs -8.0 mm Hg、差1.8 mm Hg, 95%信頼区間1.1 to 2.5)。
 夜間あるいは朝内服にCPAP療法を加えると、いずれも睡眠時収縮期血圧を減少させたが、差は有意ではなかった(夜-3.2 mm Hg vs 朝-3.3 mm Hg)。
e0156318_13573685.jpg
(文献より引用:睡眠時収縮期血圧)

結論:
 私たちの研究によれば、OSA治療に朝の高血圧内服治療を加える妥当性があると言える。本態性高血圧症とは異なり、夜間の降圧薬の内服が支持されるわけではなかった(少なくともペリンドプリルに関しては)。

by otowelt | 2017-01-06 00:40 | 呼吸器その他

システマティックレビュー:CPAP療法時のリーク増加のリスク因子

e0156318_23181522.jpg リークに着目した珍しい論文です。

Lebret M, et al.
Factors contributing to unintentional leak during CPAP treatment: a systematic review.
Chest. 2016 Dec 13. pii: S0012-3692(16)62581-3. doi: 10.1016/j.chest.2016.11.049. [Epub ahead of print]


背景:
 CPAP療法は中等症~重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の第一選択治療である。25%にのぼるOSAS患者がCPAP療法の副反応のため同治療を断念せざるを得ない。意図せぬリークとそれによる不良の結果はCPAP治療の有害事象としてもっともよく報告されている。技術的な改善がなされても、この問題への対処はまだ成功していない。

目的:
 システマティックレビューが行われた。①意図せぬリークにおける技術的な改善点の違いが与える影響を調べること、②意図せぬリークの規定因子として任意の患者特性がすでに同定されているかどうか調べること、が目的である。

結果:
 どのCPAPモダリティも意図せぬリークを減らす上で他のモダリティより優れているということはなく、驚くべきことに、口鼻マスクは意図せぬリークの高さと関連していた。鼻閉塞、高齢者、BMI高値、中枢性肥満、男性、は意図せぬリークのリスク増加と関連していた。
e0156318_11484692.jpg
(文献より引用:Figure 2)

結論:
 意図せぬリークはいまだ重要な問題である。

by otowelt | 2017-01-05 00:34 | 呼吸器その他

喀痰好中球エラスターゼは気管支拡張症悪化のバイオマーカー

e0156318_12592061.jpg 既知の知見です。

Chalmers JD, et al.
Neutrophil Elastase Activity is Associated with Exacerbations and Lung Function Decline in Bronchiectasis.
Am J Respir Crit Care Med. 2016 Dec 2. [Epub ahead of print]


背景:
 喀痰好中球エラスターゼおよび血清デスモシンは、内因性エラスチン障害のマーカーであり、気管支拡張症における疾患重症度と進行にかかわるバイオマーカーとされている。この研究は、エラスターゼ活性とデスモシンが気管支拡張症の増悪や肺機能低下と関連しているかどうか調べたものである。

方法:
 イギリスのダンディーにおける単施設前向きコホート(TAYBRIDGEレジストリ)を用いた。胸部HRCTで確定された433人の気管支拡張症の患者においてデスモシン測定のための血液検体採取をおこない、381人の気管支悪嘲笑の患者において喀痰エラスターゼ活性を測定した。被験者のバイオマーカーは3年にわたる疾患重症度、将来の増悪、死亡率、肺機能低下の指標として関連性が調べられた。

結果:
 喀痰エラスターゼ活性は気管支拡張症重症度インデックス(r=0.49,p<0.0001)、MRC息切れスコア(r=0.34,p<0.0001), %1秒量(r=-0.33,p<0.0001)、画像上の気管支拡張症の拡がり(r=0.29,p<0.0001)と関連していた。
 3年の経過で、喀痰エラスターゼ活性の上昇は増悪の頻度(p<0.0001)と関連していたが、死亡とは独立して関連していなかった。喀痰エラスターゼ活性は、1秒量減少の独立予測因子であった(β係数-0.139,p=0.001)。エラスターゼは、重症増悪や全死因死亡に高い鑑別能を有していた(AUC 0.75 [0.72-0.79]、AUC 0.70 [0.67-0.73])。増悪がみられた場合の喀痰中エラスターゼ活性は高く(p=0.001)、抗菌薬治療に反応がみられた。
 デスモシンは喀痰エラスターゼと相関がみられた(r=0.34,p<0.0001)。また重度の増悪のリスクであったが(ハザード比2.7、95%信頼区間1.42-5.29,p=0.003)、肺機能の低下と関連していなかった。

結論:
 喀痰好中球エラスターゼ活性は、成人気管支拡張症における疾患重症度および将来のリスクのバイオマーカーである。

by otowelt | 2016-12-13 00:07 | 呼吸器その他

胸膜の炎症に対するMCP-1の役割

e0156318_10101326.jpg 膿胸に対する外科手術回避効果、という夢のような効果まであったら・・・と思わずにいられません。

Sally M. Lansley, et al.
Role of MCP-1 in pleural effusion development in a carrageenan-induced murine model of pleurisy
Respirology, DOI: 10.1111/resp.12951


背景および目的:
 滲出性胸水は1年間に100万人あたり1500人に発生する。胸膜の滲出性変化の病態生理はいまだによくわかっていない。われわれの近年の研究で、MCP-1がキードライバーになることを示し、また他の研究で悪性胸水に対する発現を報告した。今回の研究では、MCP-1がマウスの急性胸膜炎モデルに対する胸水貯留にどのような役割を持つか調べた。

方法:
 λ-カラギーナン(CAR)がCD1マウスの胸腔に注入され、16時間後の胸水量を測定した。胸水および血清MCP-1濃度を測定した。マウスは腹腔内①抗MCP-1抗体あるいはアイソタイプコントロール、②MCP-1受容体(CCR2)アンタゴニストあるいはコントロールをCAR注入12時間前あるいは注入時に治療された。

結果:
 胸膜内CARは有意に4時間後の胸水貯留と関連していた(300.0 ± 49.9 μL)。胸水中MCP-1濃度は血清MCP-1よりも有意に高かった(144603 ± 23204 pg/mL vs 3703 ± 801 pg/mL, P < 0.0001)。いずれの抗MCP-1抗体治療においても有意な胸水貯留減少が観察された。(中央値(IQR): 36 (0–168) μL vs コントロール290 (70–436) μL; P = 0.02)、これはCCR2アンタゴニストについても同様であった(153 (30–222) μL vs コントロール240 (151–331) μL, P = 0.0049)。

結論:
 CARモデルにおいてMCP-1活動性を阻害することで胸水の炎症を減弱させることができる。この結果は、胸水の炎症性変化に対するMCP-1アンタゴニストの臨床的評価の妥当性を示すものである。

by otowelt | 2016-12-07 00:02 | 呼吸器その他

電子たばこ使用は慢性気管支症状のリスクを上昇

e0156318_23175684.jpg 電子たばこの定義も結構ややこしいので、一概には結論づけられませんが。2015年のATSでは、システマティックレビューにおいて短期的な呼吸器系への影響が報告されています。

Rob McConnell, et al.
Electronic-cigarette Use and Respiratory Symptoms in Adolescents
AJRCCM, Published Online: November 02, 2016


背景:
 青年期の電子たばこの使用頻度は増えているが、その慢性的な影響についてはほとんどわかっていない。電子たばこエアロゾルの組成は肺毒性を示すという知見がある。

方法:
 2086人が参加した南カリフォルニア小児健康スタディの参加者において、慢性気管支症状(慢性咳嗽、喀痰あるいは気管支炎)のある電子たばこ使用者および過去12ヶ月の間に喘鳴がみられた患者の関連性を調べた。

結果:
 過去に電子たばこを使用したと報告したのは502人(24.0%)で、そのうち201人(9.6%)が電子たばこを過去30日以内に使用していた(現行使用)。気管支症状のリスクは電子たばこ非使用者と比べて電子たばこの既往使用者において約2倍に上昇した(オッズ比1.85、95%信頼区間1.37-2.49)。また、電子たばこの現行使用者ではそのリスクは2.02(95%信頼区間1.42-2.88)だった。電子たばこ現行使用者において、過去30日の間に1-2日使用した場合(オッズ比1.66、95%信頼区間1.02-2.68)、3日以上使用した場合(オッズ比2.52、95%信頼区間1.56-4.08)にもリスク上昇がみられた。生涯でのたばこ曝露および受動喫煙によって補正すると関連性は減少していった。しかしながら、信頼性のある交絡因子で補正しても、過去に電子たばこを使用した人では気管支症状のリスクは有意に高かった(オッズ比1.70、95%信頼区間1.11-2.59)。喫煙歴で補正した場合、電子たばこと喘鳴には有意な関連性はみられなかった。

結論:
 青年期の電子たばこ使用は慢性気管支症状の頻度を高くする。

by otowelt | 2016-11-29 00:42 | 呼吸器その他

胸膜癒着術のシステマティックレビュー

e0156318_13585789.jpg ランダム化比較試験が少ないようですね。

Hallifax RJ, et al.
Effectiveness of chemical pleurodesis in spontaneous pneumothorax recurrence prevention: a systematic review.
Thorax. 2016 Nov 1. pii: thoraxjnl-2015-207967.


目的:
 自然気胸はよくみられる病態である。国際的なガイドラインでは、改善しないエアリークあるいは再発予防のための胸膜癒着術が推奨されている。この研究では、過去の文献により胸膜癒着術の効果を総括した。

方法:
 妥当なランダム化比較試験、症例対照研究、ケースシリーズを同定し、システマティックにレビューした。再発率またはオッズ比(コントロール群が設定されている研究)を集計した。異質性が高く、メタアナリシスは実施しなかった。

結果:
 560の文献が同定され、50が適格基準を満たした。
 胸腔ドレーンのみで管理された患者の再発率は26.1~50.1%だった。
 胸腔鏡下タルク散布法(poudrage法)(4研究249人)は再発率が2.5%~10.2%で、胸腔ドレナージ単独と比較したランダム化比較試験ではオッズ比0.10であった。
 VATS中にタルク投与を行った場合(8研究2324人)、再発率は0.0%~3.2%だったが、ブラ・ブレブ切除術と比較したランダム化比較試験では有意な差はみられなかった。
 ミノサイクリンはVATS後のそれと同等の効果が得られた(再発率0.0~2.9%)。胸腔ドレーンを介したテトラサイクリンの投与による遷延性のエアリークおよび再発予防効果は、再発率が高く13.0~33.3%で、自己血パッチ胸膜癒着術(270人)は15.6~18.2%だった。

結論:
 外科治療後あるいは胸腔鏡を通した胸膜癒着術がもっとも効果的である。いずれの癒着剤の成功率も限られたデータしかないのが現状である。

by otowelt | 2016-11-24 00:08 | 呼吸器その他

慢性難治性咳嗽に対するボツリヌス毒素注入療法の有用性

e0156318_1584655.jpg 意外な報告ですが、効果は高そうですね。

Sasieta HC, et al.
Bilateral Thyroarytenoid Botulinum Toxin Type A Injection for the Treatment of Refractory Chronic Cough.
JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. 2016 Sep 1;142(9):881-8.


背景:
 難治性慢性咳嗽は限られた治療オプションしかない衰弱性の状態である。A型ボツリヌス毒素(BtxA)の甲状披裂筋注入療法は慢性咳嗽患者にもその有効性が報告されている。われわれは、難治性慢性咳嗽患者におけるBtxAの有用性を報告する。

目的:
 慢性咳嗽治療に対する筋電図ガイド下BtxA治療の効果を調べること。

方法:
 単施設(Mayoクリニック)後ろ向き研究において、難治性咳嗽患者で筋電図ガイド下BtxA注入療法を受けた患者22人を2013年7月1日から2014年7月31日まで登録した。
 プライマリアウトカムは自己申告の2ヶ月時での咳嗽重症度または症状の改善が50%以上みられることとした。有害事象についても記録した。

結果:
 22人(年齢中央値61歳、19人が女性)が登録され、31の喉頭BtxA治療が実施された。プライマリアウトカムである自己申告の咳嗽重症度または症状の改善が50%以上みられたのは、31の治療セッションのうち16だった(52%)。11人(50%)の患者は初回のBtxA注入後に50%以上の改善がみられた。主要な有害事象は発生しなかった。処置後水分嚥下障害は治療反応性に対して84%の陽性的中率、100%の陰性的中率を示した。

結論:
 このケースシリーズにおいて、喉頭BtxA注入は難治性慢性咳嗽の患者に忍容性があり、短期間であるものの半数の例に効果があった。BtxA注入後の水分嚥下障害は良好な反応の予測因子である。反応維持期間、患者選択基準、適切なBTxA用量はまだ決まっていない。

by otowelt | 2016-11-07 00:46 | 呼吸器その他

慢性咳嗽患者のICS反応性にFeNOは有用かどうか断言できない

e0156318_11335545.jpg 個人的なメモ書きのようなものです。慢性咳嗽について今必死に調べているので・・・。

Song WJ, et al.
Could Fractional Exhaled Nitric Oxide Test be Useful in Predicting Inhaled Corticosteroid Responsiveness in Chronic Cough? A Systematic Review.
J Allergy Clin Immunol Pract. 2016 Oct 1. pii: S2213-2198(16)30319-1. doi: 10.1016/j.jaip.2016.07.017.


背景:
 FeNOは安全かつ簡便なTh2気道炎症検査であり、慢性咳嗽患者のマネジメントにも潜在的に有用とされている。

目的:
 FeNOが、慢性咳嗽患者のICS反応性を判断する上で有用かどうかエビデンスをまとめること。

結果:
 システマティックレビューを行い、われわれは2015年2月までに査読を受けた論文記事を同定した。言語に規定は設けなかった。われわれは、慢性咳嗽患者におけるICSの反応を予測するためのFeNOの有用性について報告した研究を抽出した。

結果:
 5つの原著論文が同定された(2つは前向き、3つは後ろ向き)。試験デザインとアウトカム定義において異質性が大きく、メタアナリシスは実施できなかった。ICS反応性があったのは全体の44~59%だった。報告されたAUCは0.60-0.87であったが、前向きデザインの研究と喘息の頻度が少ない研究はAUCが低かった。

結論:
 慢性咳嗽においてICS反応性を予測する上でFeNOは強いエビデンスをもって支持できなかった。さらなるランダム化比較試験デザインが望まれる。

by otowelt | 2016-11-04 00:14 | 呼吸器その他

失神で入院した患者の6~7人に1人は肺塞栓が原因

e0156318_1015674.jpg Wellsスコアって「Alternative diagnosis less likely than pulmonary embolism」の項目が結構クセモノですよね。どうとでも受け取れるし・・・。
 失神患者でD-ダイマーが上がっていたら要注意ということですが、こんなに肺塞栓ってcommon diseaseでしたっけ?

Paolo Prandoni, et al.
Prevalence of Pulmonary Embolism among Patients Hospitalized for Syncope
N Engl J Med 2016; 375:1524-1531


背景:
 失神で入院した患者の肺塞栓の頻度はあまり示されておらず、現行ガイドラインではこれらの患者において肺塞栓の診断的ワークアップに注意を払うべきとはほとんど記載されていない(Eur Heart J 2009; 30: 2631-71.、Circulation 2006; 113: 316-27.)。

方法:
 イタリアの11病院に失神で入院した患者において肺塞栓の全身ワークアップをおこなった。失神の原因が他に判明しているかどうかは問わなかった。肺塞栓の検査前確率はWellsスコアで単純化され、肺塞栓が「likely」あるいは「unlikely」かで分類された(カットオフ値4点)。「unlikely」およびD-ダイマーが陰性の患者では、それ以上の肺塞栓診断は除外された。「likely」、D-ダイマー陽性、あるいはその両方がみられる場合はCT肺血管造影あるいは換気血流シンチが行われた。

結果:
 合計560人の患者(平均年齢76歳)が本研究に登録された。肺塞栓の診断は560人中330人(58.9%)で除外された(「unlikely」およびD-ダイマー陰性)。残りの230人のうち、肺塞栓は97人(42.2%)に同定された(ゆえに133+330=463人が肺塞栓のない失神患者ということになる)。
 本コホートにおいて、肺塞栓の頻度は17.3%だった(95%信頼区間14.2-20.5%)。肺動脈本幹塞栓子あるいは葉動脈塞栓子あるいは25%以上の血流欠損像は61人に観察された。
 失神の原因が他にあると考えられた355人のうち45人に肺塞栓がみられた(12.7%)。また、失神の原因がよくわからなかった205人のうち52人(25.4%)に肺塞栓がみられた。

結論:
 肺塞栓は失神を呈して入院した患者において、6人に1人に同定される(本コホート全体の入院患者全体で見れば、7.3人に1人か)。

余談:
 ちなみにAJRCCMに最近Hestia基準の有用性について報告がありました。Hestia基準がクリアできれば外来で肺塞栓の治療をしてもよいという判断ができます(Paul L. den Exter, et al. Efficacy and Safety of Outpatient Treatment Based on the Hestia Clinical Decision Rule with or without N-Terminal Pro–Brain Natriuretic Peptide Testing in Patients with Acute Pulmonary Embolism. A Randomized Clinical Trial. American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, Vol. 194, No. 8 (2016), pp. 998-1006. )。

<Hestia基準>
 以下の1つでも「はい」という回答であれば、患者は在宅で肺塞栓の治療をされるべきではない。
1.結構動態が安定していない?
2.血栓溶解療法あるいは塞栓摘出が必要?
3.出血リスクが高い?
4.SpO2>90%をキープするために酸素投与が必要?
5.抗凝固療法中に肺塞栓と診断された?
6.24時間を超える点滴鎮痛剤が必要なほどの疼痛がある?
7.24時間を超えて病院で治療する医学的あるいは社会学的理由がある?
8.クレアチニンクリアランスが30mL/分未満?
9.重篤な肝障害がある?
10.妊娠中?
11.ヘパリン起因性血小板減少症の既往がある?




by otowelt | 2016-10-24 00:51 | 呼吸器その他

難治性慢性咳嗽に対する理学療法+言語聴覚療法は咳嗽頻度を減らす

e0156318_9285562.jpg 客観的な咳嗽頻度を減らせたという点に大きな意義があるでしょう。

Chamberlain Mitchell SA, et al.
Physiotherapy, and speech and language therapy intervention for patients with refractory chronic cough: a multicentre randomised control trial.
Thorax. 2016 Sep 28. pii: thoraxjnl-2016-208843. doi: 10.1136/thoraxjnl-2016-208843.

背景:
 理学療法および言語聴覚療法(PSALTI)は難治性慢性咳嗽の非薬物治療として注目されている。われわれは、難治性慢性咳嗽患者において、PSALTIが健康関連QOLを改善し咳嗽の頻度を減らすことができるかどうか調べた。

方法:
 この多施設共同ランダム化比較試験において、難治性慢性咳嗽の患者を4週間のPSALTIセッション(教育、喉頭衛生・水分摂取教育※1、咳嗽抑制技術※2、呼吸エクササイズ※3、カウンセリング)あるいはコントロール介入(ライフスタイルのアドバイス)にランダムに割り付けた。4週時点での健康関連QOL(LCQ)を調べた。セカンダリ効果アウトカムとして、24時間咳嗽頻度(咳嗽モニター)、咳嗽反射感度を設定した。

※1:鼻呼吸を推奨する。水分や非カフェイン飲料の摂取頻度を高くするなど。
※2:努力性嚥下、水をすする、甘いものを摂取するなど。
※3:安静時腹式呼吸、口すぼめ呼吸など。

結果:
 2011年12月から2014年4月までの間に登録された75人の被験者(34人がPSALTI群、41人がコントロール群)が解析対象となった。LCQはPSALTI群で平均1.53点(95%信頼区間0.21-2.85点)改善した(p=0.024)。客観的咳嗽頻度は41%減少した(95%信頼区間36%-95%)(p=0.030)。PSALTI群での改善維持は3ヶ月の長さに及んだ。カプサイシンによる気道過敏性には差はみられなかった(C5)。
e0156318_926164.jpg
(文献より引用:客観的咳嗽頻度)

結論:
 PSALTIによる健康関連QOLおよび咳嗽頻度の改善がみられた。難治性慢性咳嗽患者に対するPSALTIの適用が支持される。


by otowelt | 2016-10-18 00:55 | 呼吸器その他