カテゴリ:呼吸器その他( 269 )

気管支拡張症+関節リウマチ(BROS)、気管支拡張症+COPD(BCOS)は超過死亡リスクを有する?

e0156318_16302611.jpg また足し算の疾患概念が・・・。
 提唱しても、流行る概念とそうでない概念がありますね。(笑)

Anthony De Soyza, et al.
Bronchiectasis Rheumatoid overlap syndrome (BROS) is an independent risk factor for mortality in patients with bronchiectasis: A multicentre cohort study
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2016.12.024



背景:
 われわれは気管支拡張症と関節リウマチ(RA)が合併したオーバーラップ症候群(BROS)が他の気管支拡張症の疫学的な背景と比べて気管支拡張症重症度インデックス(BSI)アウトカムの悪化と関連しているかどうか調べた。

方法:
 われわれはBSIデータベースから6施設1716人のデータを問い合わせ入手した。患者は他の間質性肺疾患がなくて気管支拡張症とRAを合併しているBROS、特発性気管支拡張症、気管支拡張症-COPDオーバーラップ症候群(BCOS)、その他の原因による気管支拡張症に分類された。死亡率、入院と増悪の頻度が記録された。

結果:
 われわれは147人のBROS患者(コホート全体の8.5%)を同定した。BROSと死亡率には統計学的に有意な関連がみられたが、気管支拡張症の増悪や気管支拡張症による入院とは関連していなかった。
 平均48ヶ月の追跡中の死亡率は特発性気管支拡張症では9.3%、その他の原因による気管支拡張症では8.6%、BROSで18%、BCOSで28.5%だった。BROSとBCOSは他の疫学的背景と比べて有意に死亡率が高かった。臨床的には有意ではないもの、BSIスコアは特発性気管支拡張症と比較するとBROSで有意に高かった(平均BSI7.7 vs. 7.1 , p <0.05)。BCOSでは有意にBSI(平均10.4)、緑膿菌保菌率(24%)、過去の入院頻度(58%)が高かった。

結論:
 BROSもBCOSも超過死亡が多かったが、これは疾患の複合的な作用によるものと考えられる。これらのサブグループが相加相乗的に超過死亡をもたらすのか検討を要する。


by otowelt | 2017-02-01 08:14 | 呼吸器その他

二次性胸水の中でも、両側胸水と漏出性胸水は死亡リスクが高い

e0156318_10101326.jpg 非悪性胸水を集めた大規模な研究です。

Steven P. Walker, et al.
Non-Malignant Pleural Effusions (NMPE): a prospective study of 356 consecutive unselected patients
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.12.014


背景:
 非悪性の二次性胸水は有意に罹患と死亡に影響を与える疾患である。これらの非悪性胸水(NMPE)はよくみられ、うっ血性心不全(CHF)が最多原因とされている。これにもかかわらず、死亡リスクに関するデータや死亡に影響を与える因子についてはほとんどデータが存在しない。

方法:
 われわれは未診断胸水を呈した782人の連続患者を登録した(2008年3月~2015年3月)。NMPEであった356人をさらに解析した。胸水生化学所見、胸水細胞診、胸壁エコー、胸部レントゲン写真など。臨床的適応があれば、心電図、CT検査、放射線ガイド下生検、内科的胸腔鏡が実施された。患者は最低でも12ヶ月追跡され、2人の独立した呼吸器科医によって最終診断が決定された。

結果:
 上述したように、782人のうち356人(46%)がNMPEだった。これらの患者は平均年齢68±17歳で、69%が男性だった。心、腎、肝不全のある患者の1年死亡率はそれぞれ50%、46%、25%だった。両側胸水(ハザード比3.55、95%信頼区間2.22-5.68)、漏出性胸水(ハザード比2.78、95%信頼区間1.81-4.28)はNMPE患者における予後不良と関連していた。両側胸水のある患者の1年死亡率は57%、漏出性胸水のある患者の1年死亡率は43%だった。

結論:
 これはNMPE患者を収集した最も大規模なデータであり、臓器不全に続発した胸水は1年死亡率が著明に高いことを示している。加えて、両側胸水、漏出性胸水の存在は死亡のリスクであった。



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by otowelt | 2017-01-23 00:03 | 呼吸器その他

経皮的肺生検後の気胸を抑制するデバイス:BioSentry™

 CTガイド下生検などの経皮的肺生検の後の気胸を予防するために開発されたBioSentry™の論文です。この製品についてはYouTubeに分かりやすい動画があります。
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写真. 動画より引用
https://www.youtube.com/watch?v=iR8xCk68IZo

 マッチした後の方で、コントロール群の気胸発生率と胸腔ドレーン挿入率の頻度が明らかに上昇しているのですが・・・。

Ahrar JU, et al.
Efficacy of a Self-expanding Tract Sealant Device in the Reduction of Pneumothorax and Chest Tube Placement Rates After Percutaneous Lung Biopsy: A Matched Controlled Study Using Propensity Score Analysis.
Cardiovasc Intervent Radiol. 2017 Feb;40(2):270-276.


背景:
 経皮的肺生検後の気胸の発生率および胸腔ドレーン挿入率を減らすために自己拡張型穿刺孔被覆デバイス:BioSentry™を用いた研究を実施した。

方法:
 この後ろ向き研究では、318人のBioSentry™を受けた患者と1956人の受けていない患者を比較した。患者因子、病巣因子、手技特異的因子および気胸発生率、胸腔ドレーン挿入率が記録された。潜在的な選択バイアスを補正するため、患者は傾向スコアを用いて1:1にマッチされた。傾向スコアが0.02以下の絶対差であればマッチ妥当と考えた。

結果:
 マッチする前の時点で、気胸発生率および胸腔ドレーン挿入率はそれぞれコントロール群24.5%、13.1%、BioSentry™群21.1%、8.5%だった。傾向スコアを用いて、BioSentry™群の317人をマッチさせた。結果、気胸発生率(20.8 vs. 32.8%; p = 0.001)、胸腔ドレーン挿入率(8.2 vs. 20.8%; p < 0.0001)と有意にBioSentry™群で抑制できた。両治療ともに30例を超えて経験している術者に限っても同様の結果だった(気胸発生率:17.6 vs. 30.2%; p = 0.002、胸腔ドレーン挿入率:7.2 vs. 18%; p = 0.001)。

結論:
 自己拡張型穿刺孔被覆デバイス:BioSentry™は経皮的肺生検後の気胸発生率および胸腔ドレーン挿入率を有意に減少させる。特に後者の抑制に有効と考えられる。



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by otowelt | 2017-01-20 00:11 | 呼吸器その他

OSAの二次性高血圧症に対する時間薬物治療(クロノセラピー)

e0156318_13584726.jpg 時間薬物治療(クロノセラピー:Chronotherapy)とは、ヒトの24時間のリズムに合わせ、必要な時に必要な量を送達するという治療法です。

Serinel Y, et al.
Chronotherapy for hypertension in obstructive sleep apnoea (CHOSA): a randomised, double-blind, placebo-controlled crossover trial.
Thorax. 2016 Dec 14. pii: thoraxjnl-2016-209504. doi: 10.1136/thoraxjnl-2016-209504. [Epub ahead of print]


背景:
 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は二次性高血圧症の重要な原因である。夜間高血圧症はOSAでよくみられ、心血管系死亡率の強い予測因子である。本態性高血圧症の患者における研究では、夜間の降圧薬は、日中の血圧を上昇させることなく夜間血圧を改善させることが示されている。われわれは、これがI/II度の高血圧を有するOSA患者に適用できるかどうか検証した。

方法:
 この二重盲検ランダム化プラセボ対照クロスオーバー試験において、中等症~重症OSAおよび呼応血圧を有する患者を6週間の夜間ペリンドプリル、朝のプリンドプリルに割り付け、盲検のためにプラセボ内服を併用した。CPAP療法はペリンドプリル用量相が終わってから8週間適用された(図)。プライマリアウトカムは、線形混合モデルを用いて解析された睡眠時収縮期血圧とした。
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(文献より引用:ランダム化とクロスオーバー)

結果:
 2011年3月から2015年1月までの間に、85人の患者がランダム化され、79人がペリンドプリル用量期間を完遂し、78人がCPAP療法を完遂した(図)。
 睡眠時収縮期血圧は、夜間内服群(-6.9mmHg)でも朝内服群(-8.0mmHg)でもベースラインから有意に低下がみられた。しかし、内服時間による差は観察されなかった(差1.1mmHg、95%信頼区間-0.3 to 2.5)。ただ、起床時収縮期血圧は朝内服群の方が夜内服群よりも有意に低下した(-9.8 mm Hg vs -8.0 mm Hg、差1.8 mm Hg, 95%信頼区間1.1 to 2.5)。
 夜間あるいは朝内服にCPAP療法を加えると、いずれも睡眠時収縮期血圧を減少させたが、差は有意ではなかった(夜-3.2 mm Hg vs 朝-3.3 mm Hg)。
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(文献より引用:睡眠時収縮期血圧)

結論:
 私たちの研究によれば、OSA治療に朝の高血圧内服治療を加える妥当性があると言える。本態性高血圧症とは異なり、夜間の降圧薬の内服が支持されるわけではなかった(少なくともペリンドプリルに関しては)。

by otowelt | 2017-01-06 00:40 | 呼吸器その他

システマティックレビュー:CPAP療法時のリーク増加のリスク因子

e0156318_23181522.jpg リークに着目した珍しい論文です。

Lebret M, et al.
Factors contributing to unintentional leak during CPAP treatment: a systematic review.
Chest. 2016 Dec 13. pii: S0012-3692(16)62581-3. doi: 10.1016/j.chest.2016.11.049. [Epub ahead of print]


背景:
 CPAP療法は中等症~重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の第一選択治療である。25%にのぼるOSAS患者がCPAP療法の副反応のため同治療を断念せざるを得ない。意図せぬリークとそれによる不良の結果はCPAP治療の有害事象としてもっともよく報告されている。技術的な改善がなされても、この問題への対処はまだ成功していない。

目的:
 システマティックレビューが行われた。①意図せぬリークにおける技術的な改善点の違いが与える影響を調べること、②意図せぬリークの規定因子として任意の患者特性がすでに同定されているかどうか調べること、が目的である。

結果:
 どのCPAPモダリティも意図せぬリークを減らす上で他のモダリティより優れているということはなく、驚くべきことに、口鼻マスクは意図せぬリークの高さと関連していた。鼻閉塞、高齢者、BMI高値、中枢性肥満、男性、は意図せぬリークのリスク増加と関連していた。
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(文献より引用:Figure 2)

結論:
 意図せぬリークはいまだ重要な問題である。

by otowelt | 2017-01-05 00:34 | 呼吸器その他

喀痰好中球エラスターゼは気管支拡張症悪化のバイオマーカー

e0156318_12592061.jpg 既知の知見です。

Chalmers JD, et al.
Neutrophil Elastase Activity is Associated with Exacerbations and Lung Function Decline in Bronchiectasis.
Am J Respir Crit Care Med. 2016 Dec 2. [Epub ahead of print]


背景:
 喀痰好中球エラスターゼおよび血清デスモシンは、内因性エラスチン障害のマーカーであり、気管支拡張症における疾患重症度と進行にかかわるバイオマーカーとされている。この研究は、エラスターゼ活性とデスモシンが気管支拡張症の増悪や肺機能低下と関連しているかどうか調べたものである。

方法:
 イギリスのダンディーにおける単施設前向きコホート(TAYBRIDGEレジストリ)を用いた。胸部HRCTで確定された433人の気管支拡張症の患者においてデスモシン測定のための血液検体採取をおこない、381人の気管支悪嘲笑の患者において喀痰エラスターゼ活性を測定した。被験者のバイオマーカーは3年にわたる疾患重症度、将来の増悪、死亡率、肺機能低下の指標として関連性が調べられた。

結果:
 喀痰エラスターゼ活性は気管支拡張症重症度インデックス(r=0.49,p<0.0001)、MRC息切れスコア(r=0.34,p<0.0001), %1秒量(r=-0.33,p<0.0001)、画像上の気管支拡張症の拡がり(r=0.29,p<0.0001)と関連していた。
 3年の経過で、喀痰エラスターゼ活性の上昇は増悪の頻度(p<0.0001)と関連していたが、死亡とは独立して関連していなかった。喀痰エラスターゼ活性は、1秒量減少の独立予測因子であった(β係数-0.139,p=0.001)。エラスターゼは、重症増悪や全死因死亡に高い鑑別能を有していた(AUC 0.75 [0.72-0.79]、AUC 0.70 [0.67-0.73])。増悪がみられた場合の喀痰中エラスターゼ活性は高く(p=0.001)、抗菌薬治療に反応がみられた。
 デスモシンは喀痰エラスターゼと相関がみられた(r=0.34,p<0.0001)。また重度の増悪のリスクであったが(ハザード比2.7、95%信頼区間1.42-5.29,p=0.003)、肺機能の低下と関連していなかった。

結論:
 喀痰好中球エラスターゼ活性は、成人気管支拡張症における疾患重症度および将来のリスクのバイオマーカーである。

by otowelt | 2016-12-13 00:07 | 呼吸器その他

胸膜の炎症に対するMCP-1の役割

e0156318_10101326.jpg 膿胸に対する外科手術回避効果、という夢のような効果まであったら・・・と思わずにいられません。

Sally M. Lansley, et al.
Role of MCP-1 in pleural effusion development in a carrageenan-induced murine model of pleurisy
Respirology, DOI: 10.1111/resp.12951


背景および目的:
 滲出性胸水は1年間に100万人あたり1500人に発生する。胸膜の滲出性変化の病態生理はいまだによくわかっていない。われわれの近年の研究で、MCP-1がキードライバーになることを示し、また他の研究で悪性胸水に対する発現を報告した。今回の研究では、MCP-1がマウスの急性胸膜炎モデルに対する胸水貯留にどのような役割を持つか調べた。

方法:
 λ-カラギーナン(CAR)がCD1マウスの胸腔に注入され、16時間後の胸水量を測定した。胸水および血清MCP-1濃度を測定した。マウスは腹腔内①抗MCP-1抗体あるいはアイソタイプコントロール、②MCP-1受容体(CCR2)アンタゴニストあるいはコントロールをCAR注入12時間前あるいは注入時に治療された。

結果:
 胸膜内CARは有意に4時間後の胸水貯留と関連していた(300.0 ± 49.9 μL)。胸水中MCP-1濃度は血清MCP-1よりも有意に高かった(144603 ± 23204 pg/mL vs 3703 ± 801 pg/mL, P < 0.0001)。いずれの抗MCP-1抗体治療においても有意な胸水貯留減少が観察された。(中央値(IQR): 36 (0–168) μL vs コントロール290 (70–436) μL; P = 0.02)、これはCCR2アンタゴニストについても同様であった(153 (30–222) μL vs コントロール240 (151–331) μL, P = 0.0049)。

結論:
 CARモデルにおいてMCP-1活動性を阻害することで胸水の炎症を減弱させることができる。この結果は、胸水の炎症性変化に対するMCP-1アンタゴニストの臨床的評価の妥当性を示すものである。

by otowelt | 2016-12-07 00:02 | 呼吸器その他

電子たばこ使用は慢性気管支症状のリスクを上昇

e0156318_23175684.jpg 電子たばこの定義も結構ややこしいので、一概には結論づけられませんが。2015年のATSでは、システマティックレビューにおいて短期的な呼吸器系への影響が報告されています。

Rob McConnell, et al.
Electronic-cigarette Use and Respiratory Symptoms in Adolescents
AJRCCM, Published Online: November 02, 2016


背景:
 青年期の電子たばこの使用頻度は増えているが、その慢性的な影響についてはほとんどわかっていない。電子たばこエアロゾルの組成は肺毒性を示すという知見がある。

方法:
 2086人が参加した南カリフォルニア小児健康スタディの参加者において、慢性気管支症状(慢性咳嗽、喀痰あるいは気管支炎)のある電子たばこ使用者および過去12ヶ月の間に喘鳴がみられた患者の関連性を調べた。

結果:
 過去に電子たばこを使用したと報告したのは502人(24.0%)で、そのうち201人(9.6%)が電子たばこを過去30日以内に使用していた(現行使用)。気管支症状のリスクは電子たばこ非使用者と比べて電子たばこの既往使用者において約2倍に上昇した(オッズ比1.85、95%信頼区間1.37-2.49)。また、電子たばこの現行使用者ではそのリスクは2.02(95%信頼区間1.42-2.88)だった。電子たばこ現行使用者において、過去30日の間に1-2日使用した場合(オッズ比1.66、95%信頼区間1.02-2.68)、3日以上使用した場合(オッズ比2.52、95%信頼区間1.56-4.08)にもリスク上昇がみられた。生涯でのたばこ曝露および受動喫煙によって補正すると関連性は減少していった。しかしながら、信頼性のある交絡因子で補正しても、過去に電子たばこを使用した人では気管支症状のリスクは有意に高かった(オッズ比1.70、95%信頼区間1.11-2.59)。喫煙歴で補正した場合、電子たばこと喘鳴には有意な関連性はみられなかった。

結論:
 青年期の電子たばこ使用は慢性気管支症状の頻度を高くする。

by otowelt | 2016-11-29 00:42 | 呼吸器その他

胸膜癒着術のシステマティックレビュー

e0156318_13585789.jpg ランダム化比較試験が少ないようですね。

Hallifax RJ, et al.
Effectiveness of chemical pleurodesis in spontaneous pneumothorax recurrence prevention: a systematic review.
Thorax. 2016 Nov 1. pii: thoraxjnl-2015-207967.


目的:
 自然気胸はよくみられる病態である。国際的なガイドラインでは、改善しないエアリークあるいは再発予防のための胸膜癒着術が推奨されている。この研究では、過去の文献により胸膜癒着術の効果を総括した。

方法:
 妥当なランダム化比較試験、症例対照研究、ケースシリーズを同定し、システマティックにレビューした。再発率またはオッズ比(コントロール群が設定されている研究)を集計した。異質性が高く、メタアナリシスは実施しなかった。

結果:
 560の文献が同定され、50が適格基準を満たした。
 胸腔ドレーンのみで管理された患者の再発率は26.1~50.1%だった。
 胸腔鏡下タルク散布法(poudrage法)(4研究249人)は再発率が2.5%~10.2%で、胸腔ドレナージ単独と比較したランダム化比較試験ではオッズ比0.10であった。
 VATS中にタルク投与を行った場合(8研究2324人)、再発率は0.0%~3.2%だったが、ブラ・ブレブ切除術と比較したランダム化比較試験では有意な差はみられなかった。
 ミノサイクリンはVATS後のそれと同等の効果が得られた(再発率0.0~2.9%)。胸腔ドレーンを介したテトラサイクリンの投与による遷延性のエアリークおよび再発予防効果は、再発率が高く13.0~33.3%で、自己血パッチ胸膜癒着術(270人)は15.6~18.2%だった。

結論:
 外科治療後あるいは胸腔鏡を通した胸膜癒着術がもっとも効果的である。いずれの癒着剤の成功率も限られたデータしかないのが現状である。

by otowelt | 2016-11-24 00:08 | 呼吸器その他

慢性難治性咳嗽に対するボツリヌス毒素注入療法の有用性

e0156318_1584655.jpg 意外な報告ですが、効果は高そうですね。

Sasieta HC, et al.
Bilateral Thyroarytenoid Botulinum Toxin Type A Injection for the Treatment of Refractory Chronic Cough.
JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. 2016 Sep 1;142(9):881-8.


背景:
 難治性慢性咳嗽は限られた治療オプションしかない衰弱性の状態である。A型ボツリヌス毒素(BtxA)の甲状披裂筋注入療法は慢性咳嗽患者にもその有効性が報告されている。われわれは、難治性慢性咳嗽患者におけるBtxAの有用性を報告する。

目的:
 慢性咳嗽治療に対する筋電図ガイド下BtxA治療の効果を調べること。

方法:
 単施設(Mayoクリニック)後ろ向き研究において、難治性咳嗽患者で筋電図ガイド下BtxA注入療法を受けた患者22人を2013年7月1日から2014年7月31日まで登録した。
 プライマリアウトカムは自己申告の2ヶ月時での咳嗽重症度または症状の改善が50%以上みられることとした。有害事象についても記録した。

結果:
 22人(年齢中央値61歳、19人が女性)が登録され、31の喉頭BtxA治療が実施された。プライマリアウトカムである自己申告の咳嗽重症度または症状の改善が50%以上みられたのは、31の治療セッションのうち16だった(52%)。11人(50%)の患者は初回のBtxA注入後に50%以上の改善がみられた。主要な有害事象は発生しなかった。処置後水分嚥下障害は治療反応性に対して84%の陽性的中率、100%の陰性的中率を示した。

結論:
 このケースシリーズにおいて、喉頭BtxA注入は難治性慢性咳嗽の患者に忍容性があり、短期間であるものの半数の例に効果があった。BtxA注入後の水分嚥下障害は良好な反応の予測因子である。反応維持期間、患者選択基準、適切なBTxA用量はまだ決まっていない。

by otowelt | 2016-11-07 00:46 | 呼吸器その他