<   2008年 11月 ( 14 )   > この月の画像一覧

骨髄移植でHIVが消えるかもしれない

e0156318_2138558.jpg

CROI(Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections)2008で発表された
HIV患者のAMLに対する骨髄移植の症例。

HIVウイルスは免疫担当細胞のCCR5受容体を目印に感染する。
本症例での白血病患者でのCCR5受容体が通常と異なった
もの(CCR5 delta 32 mutationのhomozygous)であり、
HIVウイルスに耐性を持つであろう遺伝子を持つドナーからの
骨髄移植を行ったところ、白血病とともにHIVウイルスも消え去ったという。
CCR5-tropic virusによるCD4への侵入を許さないということか。

by otowelt | 2008-11-30 21:49 | 感染症全般

非薬物療法で心不全患者の臨床予後は改善


適度な運動あるいは運動トレーニングは運動耐容能を増して、日常生活中の症状を改善し生活の質を高めることが明らかとなっている(Eur Heart J 1998; 19: 466-75)。

AHA2008でもHF-ACTION (Efficacy and safety of exercise training as a treatment modality in patients with chronic heart failure: Results of a randomized controlled trial investigating outcomes of exercise training)で同様の言及がなされている。

Effect of Moderate or Intensive Disease Management Program on Outcome in Patients With Heart Failure Coordinating Study Evaluating Outcomes of Advising and Counseling in Heart Failure (COACH)

珍しい研究結果だが、その名のとおりCOACHスタディと呼ばれている。
Tiny Jaarsma医師主導で行われた。
食事運動なんていうけど、アウトカムを改善させるエビデンスあるの!?
というのが研究動機。

食事や運動といった非薬物治療を遵守することが、死亡率などのアウトカムを
どう変化させるかといいう論文。

非遵守群では死亡率と心不全による再入院のリスクが有意に上昇していた(それぞれHR=1.44、p=0.03、HR=1.52、p=0.012)。また、非遵守群は遵守群に比べ心不全による入院日数がより長かった(100.4days vs 51.7days、p=0.005)。

by otowelt | 2008-11-30 18:48 | 内科一般

FOLFIRIにゲフィチニブ併用意義なし

e0156318_18214215.jpg

A phase II randomized multicenter trial of gefitinib plus FOLFIRI and FOLFIRI alone in patients with metastatic colorectal cancer. Annals of Oncology 19: 1888–1893, 2008

イレッサにはCPT-11の細胞毒性を高める作用があるのではないかといわれている。
というわけで、FOLFIRIにイレッサ250mg/日を加えるとどうなるか・・・という論文。

結果として、FOLFIRI単独治療の成績を改善することはなかった。
よって、イレッサを併用する意味はないと結論づけられる。

平均PFSとOSは、それぞれ
FOLFIRIで8.3ヶ月、18.6ヶ月、イレッサ併用群で8.3ヶ月、17.1ヶ月。
副作用にも差はなかった。

・・・・・肺腺癌に対してCBDCA+CPT-11+ゲフィチニブとかどうだろうか?
・・・・でも、なんか気分的に間質性肺炎がコワイ。

by otowelt | 2008-11-30 18:22 | 肺癌・その他腫瘍

ドセタキセルとゲフィチニブは既治療進行非小細胞肺癌に対して同等の効果

e0156318_16543629.jpg

Kim ES et al. Gefitinib versus docetaxel in previously treated non-small-cell lung cancer(INTEREST): a randomised phase III trial . Lancet 2008.

Lancetに正式に掲載された、INTEREST試験。

Iressa Non-small cell lung cancer Trial Evaluating REsponse and Survival agaist Taxotere(INTEREST)試験では全生存期間中央値はゲフィチニブ群が7.6ヶ月であったのに対しドセタキセル群は8.9ヶ月、1年生存率はゲフィチニブ群が32%でドセタキセルは34%、ハザード比は1.020(96%信頼区間 0.905-1.150)であり、ドセタキセルとゲフィチニブは既治療進行非小細胞肺癌に対して同等の効果があることが初めて証明された。

by otowelt | 2008-11-30 16:57 | 肺癌・その他腫瘍

大麻は肺癌のリスクを上昇させる


Wikipediaより
『大麻(たいま)ないしマリファナ (Marijuana) は、アサの花・茎・葉を乾燥させ、細かく切り刻み、調理または燃やすなどして発生した煙を吸引して使用する麻薬の一種であり、嗜好品や医療薬として用いられている。マリファナはメキシコ・スペイン語で「安い煙草」の意味。これは大麻の繁殖力が強く、野草として自生していたために安価に手に入ったことからメキシコでこの呼称が一般的になり、これがアメリカへと伝わって世界中にマリファナという呼称が定着した。』

なんかロシアの力士で一時期話題になった大麻。

e0156318_16215722.jpg

Cannabis use and risk of lung cancer: a case–control study. Eur Respir J 2008; 31: 280–286

79人の肺癌患者と324人のコントロール患者が登録されて、検討された。
これによれば、大麻吸入は肺癌のリスクを8% (95% CI2–15)上昇させる。

by otowelt | 2008-11-26 16:31 | 肺癌・その他腫瘍

吸入ステロイドは女性の全死亡率と心血管イベントによる死亡率を減少

e0156318_1442958.jpg

Prospective Study of Inhaled Corticosteroid Use, Cardiovascular Mortality, and All-Cause Mortality in Asthmatic Women. Chest 2008;134;546-551

吸入ステロイドは女性の心血管イベントの減少と死亡率の減少をもたらす。
2671人の女性が登録され、その中には喘息やCOPDの患者がいた。
全体の54%が吸入ステロイドを使用していた。
吸入ステロイドは、死亡率を減らした(オッズ比 0.58;95%CI 0.36-0.92)。
また、心血管イベントによる死亡も減らした(オッズ比 0.35;95%CI 0.13-0.93)。
しかしながら、癌による死亡や他の原因による死亡は減らさなかった。(当たり前だが)

だからといって、診療内容に大きな差がでるわけではないのだが。

by otowelt | 2008-11-26 14:43 | びまん性肺疾患

EGFR変異と肺腺癌の良好な予後についての具体的な論文

EGFR変異は肺腺癌での良好な予後とゲフィチニブ治療による
サバイバルベネフィットをかなり予測する

e0156318_1356545.jpg


EGFR Mutations Predict Survival Benefit From Gefitinib in Patients With Advanced Lung Adenocarcinoma: A Historical Comparison of Patients Treated Before and After Gefitinib Approval in Japan. Journal of Clinical Oncology, Vol 26, No 34 (December 1), 2008: pp. 5589-5595


INTACT、TRIBUTE studyではEGFR-TKI投与にかかわらず、EGFR変異患者は変異のない患者と比べて長く生存した。
本試験では肺腺癌患者のサバイバルベネフィットにEGFR変異やその他因子がゲフィチニブ治療の予後予測因子となるか、ゲフィチニブ承認前後で比較。

EGFR変異と生存期間延長との間には有意な交互作用がみられ(P=0.045)、
EGFR変異がイレッサの延命効果を予測する因子であった。
背景因子を揃えてハザード比を出した場合、ゲフィチニブ承認前後で
ハザード比0.47(P<0.001)EGFR変異あり、なしでハザード比0.76(P=0.88)だった。

またEGFR変異が、ゲフィチニブ治療と関係なく予後を規定する因子であることも示唆。
ちなみにDELとL858Rの変異を持つ患者の間でOSに差は見られなかった
(MST:15.6 v 12.8M HR:0.86 P=0.58)。

DELとL858Rの間に奏効率の差は見られなかった (29% v 35% P=0.49)。

by otowelt | 2008-11-26 13:58 | 肺癌・その他腫瘍

腺癌・大細胞癌でCDDP+MTAが有用

e0156318_1283362.jpg

JPhase III Study Comparing Cisplatin Plus Gemcitabine With Cisplatin Plus Pemetrexed in Chemotherapy-Naive Patients With Advanced-Stage Non–Small-Cell Lung Cancer
Journal of Clin Oncol 26:3543-3551, 2008


NSCLCのファーストラインに対する、シスジェムVSシスアリムタ。
イーライリリー!って感じのスタディだが、
サブセット解析でMTA/CDDP群において、
腺癌と大細胞癌で、より長い生存期間が得られた。

ちなみに、doseは以下の通り。
 CDDP 75 mg/m2
 MTA 500 mg/m2   q 3 weeks × 6 cycles

うちでも中皮腫でアリムタをよく使うが、
そんなに副作用も大きくなく、PSさえよければ
認容性は高いのではないだろうか。

by otowelt | 2008-11-24 12:14 | 肺癌・その他腫瘍

非小細胞肺癌におけるVandetanib


Vandetanib (ZD6474) Phase III Non-Small Cell Lung Cancer (NSCLC) Clinical Programme

NSCLCセカンドラインの地位を得たドセタキセル単剤の
成績をVandetanib(ザクティマ)がPFSで上回っているらしい。


ZODIAC Study (D4200C00032)
a global Phase III randomised, double-blind, placebo controlled study evaluating the efficacy and safety of vandetanib (ZD6474) 100mg once daily in combination with docetaxel versus docetaxel alone in patients with locally advanced or metastatic non-small cell lung cancer after failure
of 1st line anti-cancer therapy

by otowelt | 2008-11-24 11:53 | 肺癌・その他腫瘍

大腸癌セカンドラインにおけるXELOXはFOLFOX-4と同等

e0156318_911551.jpg


Capecitabine plus oxaliplatin (XELOX) versus 5-fluorouracil/folinic acid plus oxaliplatin (FOLFOX-4) as second-line therapy in metastatic colorectal cancer: a randomized phase III noninferiority study  Annals of Oncology 19: 1720–1726, 2008

大腸癌のセカンドラインにおいて、XELOXとFOLFOX-4は
PFS、OSにおいても同等という報告。
現場では点滴時間、というのが非常にネックになってくるので
面白い論文だと思う。

大腸癌の肺転移症例も呼吸器内科でみることがあるため
大腸癌のレジメンも頭に入れておく必要がある。

by otowelt | 2008-11-24 10:09 | 肺癌・その他腫瘍