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AMI後、クロピドグレルとPPI併用で再梗塞リスク上昇


急性心筋梗塞後にクロピドグレル(プラビックス)を内服している
高齢者では、PPIを併用すると再梗塞リスクが高くなるという論文。

2008年ACC/ACG/AHAガイドラインで、AMI後にアスピリンを
服用している患者の大部分にPPIの併用が推奨されているため、
この論文がセンセーショナルだということだ。

クロピドグレルは主に2C19によって代謝活性化されるが、
PPIにはこの2C19を競合的に阻害する薬剤がある。

方法:
 退院後90日以内にAMIで再入院した患者734例。
 コントロールはindex dateまで再入院しなかった患者2057例。
 66歳以上でAMIで入院し、退院後3日以内にクロピドグレルを
 開始した患者1万3636例の中からチョイス。
 
 PPI併用の時期を近い順に、
 ・現在使用中   (再入院日~30日前)
 ・最近使用     (31~90日前)
 ・かなり前に使用 (91~180日前)   と定義。

結果:
 PPIを現在使用中の患者群で、PPIの使用と再梗塞の間に
 有意な相関がみられた。オッズ比は1.27(95%CI:1.03-1.57)。

 2C19を阻害しないパントプラゾールを
 それ以外のPPI(オメプラゾール+ランソプラゾール+ラベプラゾール)と
 分けて解析してみると、パントプラゾールの使用は再梗塞と相関しなかった。
 それ以外のPPIの使用は再梗塞リスクを40%増大。
 (オッズ比1.40、95%CI:1.10-1.77)。
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~以下は日経メディカルオンラインより参照~
 クロピドグレルは世界第2位の売上げがある薬剤であり、
 「この薬物相互作用にさらされている患者数を考えると、本研究は
 公衆衛生学的に大きな意味を持つ」と著者は指摘する。

 著者らは、クロピドグレルに2C19を阻害するPPIを併用することは
 できる限り避けるべきであり、代替薬としてパントプラゾールまたは
 H2ブロッカーが適切ではないかと述べている。なお本研究の問題点
 として、OTC薬の使用状況や、喫煙、血圧、コレステロールなどの
 冠危険因子のデータがないことが挙げられるが、著者らは
 「これらによって本研究の主要な結論が脅かされるものではない」としている。

by otowelt | 2009-02-28 11:44 | 内科一般

末梢静脈カニューレ挿入時に冷却スプレーをかけると疼痛が軽減する


液化石油ガス冷却スプレーを、局所麻酔代わりに用いることが
妥当かどうかという論文。
ペンレスを頭に思い描くわけだが、、臨床現場で効いたと思ったことはない。

Effect of topical alkane vapocoolant spray on pain with intravenous cannulation in patients in emergency departments: randomised double blind placebo controlled trial. BMJ 2009;338:b215

背景:
 末梢静脈カニューレ挿入時に、多くの患者が中等度以上の痛みを感じる。
 リドカインの皮内注射の有効性は確認されているが、それ自体が痛みがある。
 これまで、静脈カニューレ挿入時の冷却スプレーの効果における研究は
 いくつか行われたが、これといった結果は出ていない。

方法:
 末梢静脈カニューレ挿入時の疼痛軽減にLPG使用の冷却スプレーを
 用いた場合の、無作為化二重盲検試験。
 18歳以上の患者201人(平均年齢58.2歳)を登録、
 98人を対照群、103人を介入群にランダム化した。
 皮膚に、冷却スプレーまたは水のスプレーを、
 12cm離れたところから2秒間吹き付けた。
 スプレー噴霧から15秒以内のカニューレ挿入完了とした。
 痛みは100mm VAS(Visual analog scale)での評価とする。

 今回の研究では、挿入時の疼痛中央値は、対照群が36mm、
 スプレー群が12mmで有意差がみられた(p<0.001)。

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by otowelt | 2009-02-27 17:57 | 内科一般

Wernicke脳症2


●ビタミンB1とは
 ビタミンB1は、米ぬかから抗神経炎症の結晶として、
 Funk、Edie、鈴木梅太郎(日本)により、分離された。
 ビタミンB1は、鈴木梅太郎によりオリザニンとも命名された。
 また、抗神経炎の意味でアノイリン(aneurin)とも呼ばれる。
 18日間投与されないと枯渇する。

●Wernicke脳症と訴訟問題
 東大医科学研究所附属病院で、ビタミンの
 入っていない点滴を受けたため、ウェルニッケ脳症を発症、
 歩行障害や記憶障害が残ったとして、横浜市の男性の遺族が
 国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は
 「医師には適切な量のビタミンB1を補給する注意義務を怠った
 過失がある」として、800万円の支払いを命じた。

●脚気
 ・脚気もビタミンB1不足で起こる。
 ・beriberiは「私は何もできない」という意味。
  医師が治療の方法が分からなかったから。
 ・知覚障害、運動障害、むくみ、心臓の障害を主な
  症状とする全身性の病気で、重くなると急性心不全
  を起こす危険性が増す。
 ・初期症状:脚の疲労感、下肢の知覚が鈍くなる、
  下腿のむくみ、などがみられる。さらに進行すると、
  湿性脚気と乾性脚気の2つの症状がみられる
 ・腱反射異常はアキレス腱反射が最初に現れる

Wet Beriberi
 下腿の前面や足背のむくみが次第に背部、上肢に広がる。
 むくみの増強に伴い心臓症状(動悸、心臓の拡大、頻脈など)
 があらわれる。悪化すれば急性心不全となる
Dry Beriberi
 神経と筋肉の障害(多発性神経炎)を主とする。知覚の障害が
 両側性に下腿から下腹部、上肢、躯幹、顔など全身に及ぶ。しかし、
 完全に知覚が消失することはない。運動障害は末梢神経障害と
 筋肉の変性のため。

by otowelt | 2009-02-26 17:09 | レクチャー

Wernicke脳症1


●Wernicke脳症とは
 ポーランドの神経内科医Carl Wernickeが1881年に発表した、
 ビタミンB1欠乏による昏迷、運動失調、眼筋運動障害を
 3徴とする病態。記憶障害や作話がみられるKorsakoff症候群
 へ移行することがある。
 低栄養状態、慢性アルコール中毒、AIDS、透析患者、妊娠悪阻
 悪性腫瘍(化学療法の有無を問わず)に起こりやすい。

●疫学
 ・全剖検例の0.8%~2.8%
 ・慢性アルコール中毒患者の12.5%
 ・80%以上のWernicke脳症が診断されていない
 ・平均年齢50歳
 ・男女比=1.7:1 人種差はない

●症状
 ・昏迷、運動失調、眼筋運動障害(3徴を満たすのは10~30%)
 ・昏迷・意識障害は82%の患者にみられる。
 ・眼球運動障害は,主に外眼筋麻痺と上方注視麻痺を
  きたし,水平性あるいは垂直性の眼振を呈する。
  瞳孔異常をきたすこともある。
 ・運動失調は,主に歩行障害を呈し、isolated alcohol
  cerebellar syndromeのように主に上小脳虫部領域
  の病理学的な異常をもたらす。
 ・ほかにも低血圧・低体温など。
  Salen P, et al:Wernicke's Encephalopathy; eMedicine: 2006

●診断
以下の4つのうち最低でも2つを満たすもの
 (1) 食餌摂取不良
 (2) 眼球運動障害
 (3) 小脳失調
 (4) 精神症状の変容あるいは軽度記憶障害

●Korsakoff症候群
・慢性アルコール中毒においてWernicke脳症に
 続発する、失見当識・記銘障害・逆向健忘・作話を
 症状とする症候群。1887年Korsakoffにより報告。
・全例がpost-Wernickeではない。47例中7例だけが
 続発であったとの報告もある。
  Ramayya A, Jauhar P; Increasing incidence of
   Korsakoff's psychosis in the east end of Glasgow.;
    Alcohol Alcohol. 1997 May-Jun;32(3):281-5

・逆向性健忘 retrograde amnesia
 頭部外傷などで受傷後意識障害があった期間のみならず、
 その前の期間まで逆行して健忘。回復は古い事柄から追想が可能。
・前向性健忘 anterograde amnesia

●Marchiafava Bignami病
 MBDはアルコールによる栄養障害と考えられている。
 脳梁に限局した脱髄病変を生じる稀な疾患で病態は不明
 MRIではWernicke脳症の所見は認めず,FLAIRで脳梁の前半部に高信号を認める。
 治療としてビタミンBの補充のみで軽快する報告,
 ステロイドパルスのすすめる報告もあり一定しない

●Wernicke脳症の病態機序
・アルコールは、
 アセトアルデヒド→酢酸塩→アセチルCoA
 のように分解され、クエン酸回路 (TCA cycle) に入り、
 最終的にはCO2とH2Oになる。
・クエン酸回路では、α-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ反応
 における脱炭酸の補酵素であるサイアミン二リン酸として
 サイアミンが大量に消費されるのでサイアミン欠乏になりやすい。
・ビタミンB1はブドウ糖代謝に関係する補酵素であり、
 その欠乏は中間代謝物であるピルビン酸の蓄積を招く。
・ブドウ糖を主な栄養源とする脳では特にビタミンB1の需要が高い
 ので、障害を来たしやすい。 特に medial thalamic nuclei を
 はじめ脳幹の様々な神経核(動眼神経核、外転神経核など)に
 病変を形成する。 小脳虫部も障害されて運動失調を来たす。

●検査
 CBC:貧血や白血病などを除外する
 電解質:高Na,高Caなどを除外する
 SaO2:低酸素血症や高二酸化炭素血症を除外する
 Toxic drug screening
 腰椎穿刺:中枢感染症が疑わしい場合
 乳酸:上昇はサイアミン欠乏症を示唆するかもしれない
 サイアミン欠乏の証明:最も信頼性の高いのは、
   赤血球トランスケトラーゼ活性の低下。サイアミン
   ピロリン酸(TPP)添加で、同酵素の活性が15%以上
   賦活されれば、欠乏症の疑いが濃厚(TPP効果)。
 治療的診断:脚気心の場合、サイアミン補充開始後
   12時間以内に血圧上昇と心拍低下がみられ1~2日
   で、利尿による心拍数の是非が生ずる。

●画像
 MRIにて第三脳室および中脳水道周囲にT2高信号域
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●病理
・乳頭体病変はほぼ必発
・第3脳室壁,中脳水道周囲,第4脳室底の灰白質に,壊死,点状出血。

●治療
・サイアミン100mg(アリナミンF2A) /日 数日
  その後10~20mg/日を維持
・アルコール中毒患者の場合、サイアミンなし
 でグルコース投与するとWernicke脳症を誘発する場合がある

※サイアミン欠乏新生児に対しては・・・
・高用量サイアミン50 mg/day 2週間 (Fattal-Valevski, 2005)

文責"倉原優"

by otowelt | 2009-02-26 15:04 | レクチャー

経口ステロイドに抗菌薬を併用すると、COPD急性増悪の発症と死亡率を軽減する


ERJには登録していないためアブストラクトしか読めないので
何の抗菌薬を使ったのかわからない・・・・
そしてどのくらいの期間抗菌薬を使ったのかも。

Reduced risk of next exacerbation and mortality associated with antibiotic use in COPD
Eur Respir J 2009 33: 282-288


デザイン:
 経口ステロイドあるいは、経口ステロイド・抗菌薬による治療後の
 COPD急性増悪のリスクについて評価したコホート研究。

方法:
 50歳以上のCOPD患者を登録。
 少なくとも1回以上の急性増悪を経験しており、経口ステロイドあるいは
 経口ステロイド・抗菌薬を投与されていることが条件。
 2回目あるいは3回目の増悪について評価した。

結果:
 842人が1回以上の急性増悪を経験している。
 1回目の増悪から2回目の増悪までの期間は、
 ステロイド群、ステロイド・抗菌薬群で差はみられなかった。
 しかしながら、2回目から3回目の増悪期間は、
 ステロイド群189日 VS ステロイド・抗菌薬群258日であった。
 ステロイドと抗菌薬の併用による保護的な効果は、
 最初の3か月と考えられる。(HR0.72, 95%CI 0.62–0.83)
 死亡率はステロイド・抗菌薬併用群で有意に低かった。

結論:
 経口ステロイドに抗菌薬を加えることで、COPD急性増悪の頻度を
 減らすことができる。これにより死亡率も減少する。

by otowelt | 2009-02-25 18:16 | 気管支喘息・COPD

びまん性浸潤型皮膚サルコイドーシスにはインフリキシマブが有用


最近、肺癌カンファレンスでサルコイドーシスと肺癌の合併症例が出てきた。
CHESTに皮膚サルコイドーシスの話があった。

サルコイドーシスは皮膚症状として、初期に結節性紅斑がよくみられる。
個人的にも救急救命センターの外来でみたことがある。
その後、比較的初期に瘢痕浸潤が起こる。
これは手術痕などの瘢痕が、赤く腫脹してくるもの。
皮膚サルコイドとよばれるものは、肉芽腫がそこにあるものを言うが
丘疹を多発する結節型が最も多く、次いで隆起した斑状皮疹局面型、
顔や手足の腫脹をきたすびまん浸潤型、
皮下硬結を生ずる型(Darier‐Roussy)、
皮下類肉腫subcutaneous sarcoidosisなどなどがある。

びまん性浸潤型皮膚サルコイドーシス(Lupus pernio)についての
インフリキシマブの治療効果について考察した論文。
何かとやはりのレミケード。
神経サルコイドーシスに抗TNF-α抗体が有用であるとされている。
Neurology 72; 337-340, 2009

The Treatment of Lupus Pernio.
Chest February 2009 135:468-476; published ahead of print September 23, 2008, doi:10.1378/chest.08-1347


背景:
 Lupus pernioは患者のQOLをゆるがすほどの皮膚症状が出ることもあり、
 治療に関しては難渋することが多い。
 54人のLupus pernioの患者さんで解析。

方法:
 すべての患者は顔写真を撮影された。その写真により、顔面皮膚の浸潤面積が
 <10%、10~25%、25~50%、>50%に分けた。それらについて治療効果を
 解析した。評価は、resolution, near resolution, improvement,
 no change, worseningの5種類とした。
 投薬は、インフリキシマブを含むレジメン、全身ステロイド、非インフリキシマブ、
 非ステロイド、ステロイド+非ステロイドのグループに分けた。

結果:
 resolution~near resolutionは、インフリキシマブレジメンが
 他のすべてを上回った結果が出た。
 (インフリキシマブ77%; ステロイド+非ステロイド, 29%;
 ステロイド20%; 非ステロイド11%)
 顔面浸潤面積の改善もインフリキシマブ群が一番よかった。
 逆に非インフリキシマブ、非ステロイド含有レジメンは成績を下げた。

結果:
 インフリキシマブはびまん性浸潤型皮膚サルコイドーシス(Lupus pernio)
 の治療に対して、有用。

by otowelt | 2009-02-25 14:37 | サルコイドーシス

COPDのincidence rateについての考察


今週のCHESTより。
COPDの疫学は、発見が遅いことから未開拓領域。
そのため、インパクトファクターも甘い傾向にある。

Prevalence, Incidence, and Lifetime Risk for the Development of COPD in the Elderly.Chest February 2009 135:368-377; published ahead of print February 5, 2009, doi:10.1378/chest.08-0684

背景:
 COPDの有病率prevalenceはすでに考察されている論文がいくつかある。
 (Lancet2007の有病率10.1%が有名か?
  ・・・・・・・・・40歳以上の成人の10人に1人がstageⅢ以上)
 
 しかしながら、COPDの発生率incidenceに関しての報告は少ない。

 prevalence: ある一時点においての疾病を有している人の割合
 incidence:ある一定期間における新たなる疾病の発症頻度(人年)


方法:
 prospective population-based cohort studyを
 55歳以上のCOPD患者でおこなった。

結果:
 7,983人の患者が登録され、648症例が平均11年のフォローアップで
 COPDを発症している。overall incidence rate (IR)は9.2/1,000人年。
 [95%CI, 8.5~10.0]
 IRはもちろん、男性の方が多かった。
 ・男性:(14.4/1,000人年; 95% CI, 13.0~16.0)
 ・女性:(6.2/1,000 PY; 95% CI, 5.5 to 7.0)
 また、スモーカーの方が高かったのは言わずもがな。
 そして、このIRは55~59歳の若い女性にも患者群として
 有意に多かったという結果が出た。(7.4/1,000人年; 95%CI, 4.1~12.6)
 

by otowelt | 2009-02-25 11:47 | 気管支喘息・COPD

ICU敗血症において、ピペラシリンのボーラス投与の方が持続点滴より血清濃度が高い

Critical Care Medicine:Volume 37(3)March 2009pp 926-933
Piperacillin penetration into tissue of critically ill patients with sepsis-Bolus versus continuous administration?


今週のCrit Care Med。
敗血症におけるピペラシリンの投与について、
ボーラス点滴がいいのか持続点滴がいいのかという論文。

目的:
 敗血症におけるピペラシリン投与では、days1、2にボーラスで
 投与することがあり、これが他の投与法より有用であるかどうかはわかっていない。
 Prospective randomized controlled trialで考察。

患者:
 918床ある病院のICU(18床)でおこなわれた。
 13人の患者がピペラシリン/タゾバクタムによる治療が妥当と思われた。
 このデータについて考察。

介入:
 ピペラシリン/タゾバクタムは、持続点滴が6人、ボーラスが7人。
 血清濃度は、day1とday2に測定された。

結果:
 平均ピペラシリン血清濃度(day1, day2)は、ボーラス群で有意に高かった。
 (8.9 vs. 4.9 mg/L; p = 0.078)(16.6 vs. 4.9 mg/L; p = 0.007)
 組織濃度は、day1,day2も特に大きな違いはみられなかった。
 (infusion group 2.4 mg/L vs. bolus group 2.2 mg/L; p = 0.48)
 (infusion group 5.2 mg/L vs. bolus group 0.8 mg/L; p = 0.45)

結果:
 ボーラス点滴のピペラシリンの方が血清濃度が高い。(組織濃度は差がない)


結局MICによるわけだが・・・・

ゾシンのホームページ(http://medical.taishotoyama.co.jp/zosyn/index.html)
4.5g1日3回が実現できたのは大きいかもしれない。重症なら1日4回。
PIPCで12gなので、治療する側としても嬉しいところである。

by otowelt | 2009-02-24 14:10 | 集中治療

敗血症性多臓器不全に持続的静脈-静脈血液濾過は有用でない


今週のCrit Care Med。
敗血症における多臓器不全に対する血液濾過の有用性について。

Critical Care Medicine:Volume 37(3)March 2009pp 803-810
Impact of continuous venovenous hemofiltration on organ failure during the early phase of severe sepsis: A randomized controlled trial


目的:
 敗血症による多臓器不全に対して持続的静脈-静脈血液濾過を
 おこなうことにはまだ異論がある。この有用性について考察。
 フランスのICUでおこなわれた、ランダム化無作為試験。

患者:
 80人の患者で24時間以内に臓器不全に陥った症例。

介入:
 group 1 (HF), 血液濾過群:25 mL/kg/hrを96時間
 group 2 (C),  通常の治療群

結果:
 プライマリエンドポイントは、14日観察における臓器不全の数、重症度、期間。
 重症度はSepsis-Related Organ Failure Assessment scoreで算定。
 結果的に76人が解析され、臓器不全の数や重症度は
 血液濾過群の方が高かった(p < 0.05)。

結果:
 敗血症による多臓器不全に対して持続的静脈-静脈血液濾過を行うことは
 臓器不全を悪化させる。しかしながら、高用量血液濾過(>35 mL/kg/hr)
 はチャレンジしていない。

by otowelt | 2009-02-24 13:44

気道熱傷


救命センター併設の病院だと、呼吸器内科医は、ERで気道熱傷の
コンサルトを受けることもしばしばある。

●気道熱傷を疑うポイント
・密室での火災
・咳、痰、くしゃみ、息切れ、嗄声
・黒い痰、焦げた鼻毛
・咽頭浮腫、顔面や頚部の熱傷
・その他の部位の重症熱傷
・ラ音(Crackle、Wheeze)
・意識障害

SpO2がどんなに良くても、必ず10Lリザーバーマスクで酸素投与を行う。

カルボキシヘモグロビンや、メトヘモグロビンがあると、SpO2は
実際の値よりも過大評価をしてしまうため、あまり信用しないほうがよい。


●対処 ABC
1.挿管
・口腔、咽頭内に熱傷や浮腫があるとき
・頚部全周の熱傷やstridorがあるとき
・昏睡状態のとき
             → 挿管
※全身熱傷の場合、大量輸液を行うことで、気道浮腫を起こすことも。
 気道熱傷がなくても、早期の気管挿管が必要

2.高容量酸素投与(COPD患者さんでも迷わずに!)
3.Β2刺激薬使用。
4.20G×2本ライン確保
5.血ガスでCO-Hb、Met-Hbチェック
6.胸部レントゲン
7.心電図(不整脈や心筋虚血が起こりうる)

by otowelt | 2009-02-24 09:45 | 救急