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肺癌化学療法 2009


現在の肺癌の治療についてわかりやすいレビューが
日経メディカルオンラインで閲覧できる。
日経メディカルオンラインは一番医学情報をアップデートできるサイトだと思う。

肺癌化学療法 ~非小細胞肺癌の化学療法を中心に~
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/pharma/bk/200904/510457.html

by otowelt | 2009-04-30 09:50 | 肺癌・その他腫瘍

ステロイド性骨粗鬆症にゾレドロン酸(ゾメタ)単回静注が有用


当院でもボナロン35mg週1回なんて処方をよくするが、
経口ビスホスホネート製剤は、骨量を増やし椎骨骨折のリスクを低下させるが、
アドヒアランス遵守が維持できないという問題があった。
5mg毎日のほうがまだ遵守できる方かもしれない。

Lancetよりステロイド性骨粗鬆症の予防と治療における、
ゾレドロン酸(ゾメタ)と経口ビスホスホネートの比較試験。
HORIZON試験という。
(Health Outcomes and Reduced incidence with
Zoledronic acid Once yearly)

ゾメタの非劣勢が証明された。
なぁんだ、1回打っておけばいいんだぁと少し安心するスタディではあるが、
原発性骨粗鬆症ではなく、ステロイド骨粗鬆症に対するスタディなので
注意が必要である。

Zoledronic acid and risedronate in the prevention and treatment of glucocorticoid-induced osteoporosis (HORIZON): a multicentre, double-blind, double-dummy, randomised controlled trial
Lancet, Volume 373, Issue 9671, Pages 1253 - 1263, 11 April 2009


対象:
 プレドニゾロン換算で7.5mg/日以上の経口ステロイド治療を受けており、
 その後も投与が12カ月以上継続すると予想される18~85歳の患者を対象とした。
 条件を満たした833人(68%が女性、14%が骨折歴あり)を、
 ステロイド使用期間に基づいて2つに分けた。
 使用期間3カ月未満の患者は骨密度低下の予防目的のグループ(288人)、
 3カ月以上は骨密度低下の治療目的のグループ(545人)とし、
 グループごとに無作為に1対1でゾレドロン酸5mgの単回静注または
 リセドロネート5mg/日経口投与に割り付けた。

方法:
 試験はダブルダミー方式。
 ゾレドロン酸群には1日目に5mgを静注しその後はプラセボを投与。
 リセドロネート群には1日目にプラセボを静注、その後毎日リセドロネートを投与した。
 プライマリエンドポイントは、12カ月の時点の腰椎(L1~L4)の骨密度の変化率。
 セカンダリエンドポイントは、12カ月時のその他の部位
 (大腿骨近位部、大腿骨頸部、転子部、橈骨遠位端)の骨密度と、
 胸部と腰部の椎骨骨折、骨代謝のバイオマーカー(βCTx、P1NP)などに設定。

結果:
 プライマリエンドポイントにおいて、
 リセドロネートと比較したゾレドロン酸の非劣性と優越性が示された。
 12カ月の時点で、治療グループの腰椎の骨密度増加率の最小二乗平均は、
 ゾレドロン酸群が4.06%(SE 0.28)、リセドロネート群が2.71%(0.28)、
 平均差は1.36%(95%CI0.67%-2.05%、p=0.0001)。
 予防グループでは、2.60%(SE 0.45)と0.64%(0.46)、
 差は1.96%(1.04%-2.88%、p<0.0001)。
 12カ月の時点で、ほかの部位の骨密度増加率もゾレドロン酸で有意に大きかった。
 骨代謝のバイオマーカーは両群共に一貫して減少していた。
 12カ月の時点では治療グループ、予防グループの両方において、
 ゾレドロン酸群の減少が有意に大きかった。
 ゾレドロン酸は急性期の発熱などの副作用がみられたが、
 おおむね有害事象発生率に差はなかった。

 試験終了時に、長期的に使用するとしたらどちらの投与法がよいかを患者に尋ね、
 785人から回答を得た。
 「便利なのはどちらか」:81%が静注、9%が内服を選んだ
 「満足度が高いのはどちらか」:78%が静注、8%が内服を選んだ
 
結論:
 ゾレドロン酸単回静注は、リセドロネート経口よりもステロイド骨粗鬆症に有用かもしれない
 (統計学的には非劣勢)

by otowelt | 2009-04-29 09:32 | 内科一般

カンジダスコア3未満で、侵襲性カンジダ感染症発症率は2.3%

カンジダ真菌血症を疑ったとき、コロナイゼーションとの区別が問題になるが
カンジダスコアというものがあるのは、感染症医には有名な話。
カンジダコロナイゼーション患者を対象にして、

Candida score = 1×(複数ヶ所colonization)
            +1×(手術)
            +2×(severe sepsis)
            +1×(TPN)


Cut off値2.5以上でカンジダ治療開始基準。(感度 81%、特異度74%)
Crit Care Med 2006; 34: 730-7

ちなみにIDSAガイドラインでは、Candida colonization (multiple sites)が
治療開始基準となっている。ICU settingでバルーンと喀痰からコロナイゼーションが
あればそれを消してもいいということになるのかどうかは微妙な問題だが・・・

今回のCIDからの論文。
Usefulness of the "Candida score" for discriminating between Candida colonization and invasive candidiasis in non-neutropenic critically ill patients: A prospective multicenter study.
Critical Care Medicine. 37(5):1624-1633, May 2009


目的:
 非好中球減少のICUsetting患者においてカンジダコロナイゼーションと
 侵襲性カンジダ感染症(IC)を区別するためにCandida score(CS)は有用かを調べる。
 5%未満のIC、3未満のCSをプライマリーエンドポイントとする。

デザイン:
 プロスペクティブ、コホート、観察研究

セッティング:
 Spain, Argentina, Franceの36のICU

患者:
 1107人の非好中球減少患者で、最低でも7日以上ICUに入っている場合

方法および結果:
 臨床データ、真菌培養サーベイランス、血清β-Dグルカン、抗カンジダ薬が記録。
 本研究では、CS ≧3をICのハイリスク患者としている。
 CS<3の患者のうち、ICの率は2.3% (95%CI1.06-3.54)で、CS上昇とICには
 相関がみられた(p ≦ 0.001)。ROCカーブは、
 CS:0.774 (95% CI 0.715-0.832)、IC:0.633 (95% CI 0.557-0.709)。
 β-Dグルカンは、ICの独立予測因子であった(OR1.004, 95% CI 1.0-1.007)。
 コロナイズしたカンジダの無治療に対するICのRRは6.83 (95% CI 3.81-12.45)。

結論:
 ICUに7日以上滞在して、CS3未満で抗真菌薬投与を受けていない場合、
 IC発生率は5%未満であった。

・・・・・スコアが2.5と3.0で微妙に異なるのだが、
まぁ3.0を切ればICのリスクは低いというコンセンサスに異論はないだろう。

by otowelt | 2009-04-27 08:49 | 感染症全般

多剤フルオロキノロンはフルオロキノロン耐性結核のリスク

e0156318_23544194.jpg感染症の先生に、結核を否定してから抗菌薬を使用しろ
と教えられたが、業務の忙しさのため、ガフキーを待たずに
抗菌薬を院内薬局に注文してしまうことがある。

Empirical Treatment of Community‐Acquired Pneumonia and the Development of Fluoroquinolone‐Resistant Tuberculosis.
Clinical Infectious Diseases 2009;48:1354–1360


背景:
 フルオロキノロン(FLQ)の使用は、CAPの治療に使われることが多くなった。
 しかし、肺炎が実は結核だったということもある。
 こういったとき、フルオロキノロン単剤治療が、結核の耐性に関与するかどうか調べた。

方法:
 のちに結核とわかった外来フルオロキノロン使用患者を対象に研究したもの。
 ケースコントロールスタディ。

結果:
 肺TBをもつ428人の患者のうち、74人 (17.3%)が
 1つ以上のフルオロキオンロンを使用していた。
 高齢者患者(64歳以上)は、若年者よりもフルオロキノロン処方が多かった(P<.05)。
 フルオロキノロンを処方された患者は、トータル103の処方。
 74人のうち、54人 [73.0%] の患者が単剤処方だった。
 TB103人のうち69人 [67.0%] の患者がTBの診断90日以上前に処方されている。
 フルオロキノロンを処方された患者は、統計学的にフルオロキノロン耐性結核が
 有意に増えたわけではない。
 ただし、148のM. tuberculosisのうち、3例がフルオロキノロン耐性だった。
 これは、多剤フルオロキノロンを処方された患者の3例であった。
 FLQ‐resistant M. tuberculosisは、単剤フルオロキノロンよりも
 多剤フルオロキノロンがリスクとなった。(15.0% vs. 0.0%; OR, 11.4;P=0.04)
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結論:
 CAPに対する外来フルオロキオンロン使用は、単剤よりも多剤によって
 耐性結核菌をうむリスクとなる。


耐性結核とは少し異なるが、結核の偽陰性に関連するかという論文がある。
Arch Intern Medでは以下のような結論。
・結核症診断前のFluoroquinoloneの使用の診断上のインパクト
 を調査した報告では、培養陰性結核への影響は否定的。
・年齢、性別、人種、疾患部位、HIV、診断年数補正において、
 fluoroquinolone暴露は培養陰性結核と相関しない
 (OR, 0.81; 95% CI, 0.41-1.60)
Increasing Outpatient Fluoroquinolone Exposure Before Tuberculosis Diagnosis and Impact on Culture-Negative Disease Arch Intern Med. 2007;167(21):2317-2322.

どうでもいいが、ジェニナックとクラビットとアベロックスを
multipleに外来処方しまくっている現状が当院にはある。
ニューキノロンを外来で処方することにためらいがないのか・・・?

by otowelt | 2009-04-26 00:53 | 抗酸菌感染症

再発NSCLCにペメトレキセド+カルボプラチンはペメトレキセドに比べ増悪リスクを33%減少

e0156318_23213387.jpgセカンドラインのアリムタは、
カルボと併用したほうがよい??
セカンドラインにプラチナダブレットというのは
認容されるのだろうか?
PS is allが欧米の考え方ではあるが。


Randomized phase II and pharmacogenetic study of pemetrexed compared with pemetrexed plus carboplatin in pretreated patients with advanced non-small-cell lung cancer.
J Clin Oncol 2009 Mar 23


背景:
 プラチナベース化学療法後に再発のみられた非小細胞肺癌患者を対象に、
 ペメトレキセドとペメトレキセド+カルボプラチン(PC)を比較する
 無作為第II相試験を実施。

方法:
 適格基準は、組織診ないし細胞診で進行NSCLCの確診が得られ、
 プラチナベース化学療法後3か月以降に再発がみられた患者で、PS 0~2。
 患者をペメトレキセド500mg/m2(アームA)または
 カルボプラチンAUC 5+ペメトレキセド500mg/m2(アームB)に無作為に割りつけ、
 それぞれ3週毎に静脈内投与した。効果判定は6週毎、毒性の評価は3週毎に行った。
 プライマリエンドポイントは無増悪期間(TTP)、セカンダリエンドポイントは
 客観的奏効率(ORR)、全生存期間(OS)および毒性である。
 
 また同意の得られた患者の末梢血白血球において、
 還元型葉酸担体チミジル酸シンターゼ、γ-グルタミルヒドラーゼおよび
 メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)の遺伝子多型を検討。

結果:
 患者240例を登録した。TTP中央値はアームAの2.8か月に対して
 アームBで4.2か月(HR0.67;95%CI 0.51-0.89;p=0.005)だった。
 OS中央値はアームA7.6か月、アームB8.0か月、ORRはそれぞれ4%および9%。
 サブグループ解析では腺癌が良好なアウトカムと関連した。
 
 MTHFR C677Tのホモ接合体変異のある症例では野生型または
 ヘテロ接合体変異の症例に比べ無増悪生存期間が良好であった。
 
結論:
 再発NSCLCに対する第2次治療として、PC併用はペメトレキセド単独に比べて
 増悪のハザードを33%有意に減少させた。

by otowelt | 2009-04-25 23:18 | 肺癌・その他腫瘍

picoplatinはプラチナ無効SCLC治療への選択肢


JCOから、肺小細胞癌に対するピコプラチンの論文が出た。
ピコプラチンは白金系製剤に抵抗のある固形癌を対象にデザインされた
白金系抗癌剤であり、悪性胸膜中皮腫、卵巣癌、NSCLC、SCLC、前立腺癌、乳癌
などphase II試験が報告されている。
腎障害が軽いのが特徴である。

実は以前にもSCLCに対するphaseII試験は報告されている。
プラチナ無効のSCLCに対して、OS中央値は27週間(95%CI, 16 to 34 weeks)だった。
(ZD0473 treatment in lung cancer: An overview of the clinical
trial results. Eur J Cancer 38:S13-S18, 2002)

Phase II Study of Picoplatin As Second-Line Therapy for
Patients With Small-Cell Lung Cancer
J Clin Oncol 27:2046-2051. 2009


目的:
 この試験は、SCLC患者におけるプラチナ製剤が無効な場合の
 ピコプラチンの効果と安全性をみたものである。

患者および方法:
 対象となったのは、ファーストライン治療で、白金系製剤の化学療法で失敗したか、
 6カ月以内に病状が進行した再発性の小細胞肺癌患者。
 静脈内にピコプラチンを150 mg/m2、3週間ごとに投与する。
 response、progression-free survival、overall survivalがエンドポイント。

結果:
 77人の患者がピコプラチンで治療された(平均サイクル数2)。
 3人の患者(4%)がPR、33人(43%) がSD、36人 (47%)がPD。
 PFS中央値は9.1週間(95% CI, 7.0 to 12.1週間)。
 OS中央値は26.9週間(95% CI, 21.1 to 33.4)。
 Grade3-4の有害事象については、血小板減少(48%)、好中球減少症(25%)、
 貧血(20%)であった。治療関連死はなかった。
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結論:
 ピコプラチンはプラチナ無効SCLCに臨床的に効果があると考えられる。
 

by otowelt | 2009-04-21 15:49 | 肺癌・その他腫瘍

ATTRACT-1試験が日本でもスタート


非扁平上皮癌へのベバシズマブ(アバスチン)の効果は
肺癌診療において呼吸器内科医が知っておかねばならない知識の1つだが、
このアバスチンとはまた少し異なる新薬のスタディが始まった。

ASA404を使った試験であり、phaseIII試験をATTRACT-1試験という。
当院でもATTRACT-1試験がそろそろ行われる予定である。

2008年のBritish Journal of Cancerに紹介されたCBDCA+PACとの
併用のphaseII試験が今回のphaseIII試験(ATTRACT-1試験)の礎になっている。
化学療法群(36人)には、カルボプラチン(AUC 6mg/ml・min)と
パクリタキセル(175mg/m2)、一方の併用群(37人)には、
化学療法+ASA404(1200mg/m2)が最高6サイクルまで投与された。
試験の結果、生存期間の中央値は化学療法群が8.8か月であるのに対して、
ASA404投与群では14.0か月。無増悪期間はASA404群が5.4か月で、
化学療法群は4.4か月だった。また、死亡リスクに関しては、ASA404投与群は
化学療法群と比べて27%の減少が見られた。

ASA404は小分子血管破壊剤で、腫瘍の生存や成長に必要な
腫瘍血管を選択的に破壊するのが特徴である。

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by otowelt | 2009-04-21 12:42 | 肺癌・その他腫瘍

ホルモン療法にゾレドロン酸を加える乳癌治療は妥当


Endocrine Therapy plus Zoledronic Acid in Premenopausal Breast Cancer
N Engl J Med 360 ; 7 FEBRUARY 12, 2009


背景:
 卵巣機能抑制剤(LH-RHa)+抗エストロゲン剤(TAM)は
 閉経前内分泌感受性乳癌のスタンダードなアジュバント療法である。
 アロマターゼ阻害剤(AI)は閉経後の乳癌患者に対しては、TAMより優れている。
 前臨床データでは、ゾレドロン酸は抗腫瘍作用を持つ事が示唆されている。
 閉経前進行乳癌患者に対して、LH-RHaとAIの併用療法は、
 LH-RHaとTAM併用療法に比べて血中エストロゲン濃度を更に76%減少させる。
 このエストロゲン濃度の減少は内分泌感受性乳癌に対する治療効果を
 さらに高める可能性があり、早期閉経前乳癌に対しても、AIはTAMにかわる
 新しい治療であるか検証中である。

方法:
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 1803人の閉経前乳癌患者。
 Endocrine-responsive (ER and/or PR が陽性)。
 病期IあるいはIIで、positive nodesは10以下。
 プライマリエンドポイントはdisease free survival(DFS)
 セカンダリエンドポインツはRecurrence-free survival (RFS)
 OS、安全性

結果:
 ゾレドロン酸投与群では全てのカテゴリーにおいてイベントが少なかった
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考察:
 観察期間中央値47.8ヶ月時点において、ゾレドロン酸投与群では
 有意なDFSの改善が得られた(36%のリスクリダクション、絶対差3.2%)
 NNTは31であった。これはタキサン系薬剤のメタアナリシスの結果
 (Paclitaxel:28、Docetaxel:31)と同程度である。
 ゆえに、ホルモン療法にゾレドロン酸を加える治療は標準治療へとシフトするに値する。
 いくつかの試験は、ゾレドロン酸の投与を受けた乳癌患者の骨髄の微小転移を
 減少させる事が示されている。
 また、これまでのデータと本試験の結果により、ゾレドロン酸には骨の内外で
 抗腫瘍効果を発揮する可能性が示唆された。
 LH-RHaの投与期間は2年~5年と様々である。
 閉経前早期乳癌患者に対するLH-RHa+AI剤の併用がもたらした結果は、
 LH-RHa+TAMと同等であった。

by otowelt | 2009-04-19 10:04 | 肺癌・その他腫瘍

ALI死亡率はここ10年で低下

e0156318_2103043.jpgRecent trends in acute lung injury mortality: 1996-2005
Critical Care Medicine. 37(5):1574-1579, May 2009.

目的:
 1つのセンターにおけるALIの死亡率は、
 長期間にわたって低下傾向にある。
 しかしながら、最近のALIの死亡率の傾向が
 アメリカ全体で低下傾向にあるのかよくわかっていない。
 最近の進んだALIの治療が死亡率を下げるのかを検証。

デザイン:
 レトロスペクティブコホート試験(ARDSネットワーク)

対象:
 ARDSネットワークに登録された、成人ICU患者。
 2451人の人工呼吸器患者で、ARDSネットワークに1996年から2005年に
 登録された人を対象とする。

結果:
 1996年~1997年の間で粗死亡率は35%。
 2004年から2005年にかけてはこれが、26%まで低下(p < 0.0005)。
 
結論:
 ARDSネットワークに登録したALI患者で、最近のALI治療により
 粗死亡率は低下した。

by otowelt | 2009-04-19 02:09

低用量プレドニゾロンによるGVHD治療は予後良好


e0156318_2247966.jpgGVHDで肺水腫になった患者さんがいたので。
血液内科と呼吸器内科とICU医がスクラム組んで
治療することもある。
血液内科医はやはり、カッコイイ。
呼吸器内科医からみても、そう思う。

Initial therapy of acute graft-versus-host disease with low-dose prednisone does not compromise patient outcomes.
Blood 113: 2888-94, 2009


背景:
 急性GVHDに対しては、プレドニゾロン換算で2mg/kgのステロイドが用いられる。

目的:
 低用量のステロイド(プレドニゾロン換算で1mg/kg )が予後悪化させないかどうかを
 調べるため。

方法:
 2000-2005年に移植を受け、 GVHDに対する初期治療として
 標準量ステロイド(n=386) あるいは、低用量ステロイド(n=347) を受けた
 733 例についてレトロスペクティブに検討。

結果:
 100 日までの平均プレドニゾン換算積算投与量は
 低用量ステロイド群、標準用量ステロイド群でそれぞれ44mg/kgと87mg/kg。
 調整後の予後は 2 群で有意な差は認めなかった。
 OSは(HR, 1.10; 95% CI, 0.9-1.4)であった。
 多変量解析において侵襲性真菌感染症のリスク(HR,0.59; 95%CI, 0.3-1.0)
 と入院期間 (HR, 0.62; 95% CI, 0.4-0.9) が低用量群で有意に減少した。
 
結論:
 低用量の糖質コルチコイドによる初期治療は Grade I/II のGVHD患者において、
 疾患のコントロールや死亡率に影響せず、ステロイドの毒性を減少できる。

by otowelt | 2009-04-18 22:48 | 内科一般