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女性腺癌は男性よりも化学療法による恩恵が大きい

platinum-based chemotherapyを受けた患者に限定した
臨床試験で、女性の優越性を論じたもの。EGFRに関するデータはない。

The influence of sex and histology on outcomes in non-small-cell lung cancer: a pooled analysis of five randomized trials
Ann Oncol (2010) 21 (10): 2023-2028.


背景:
 非小細胞肺癌(NSCLC)の術後例において、女性の腺癌の予後が良好である
 ケースがいく分かみられる。われわれは、レトロスペクティブに
 性別と組織型が化学療法の効果と毒性に影響するかどうかを検証した。

患者および方法:
 個々の患者データは、5つの進行NSCLC患者のランダム化第III相試験より
 集められた。プライマリエンドポイントは奏効率(RR)、全生存期間(OS)、
 毒性とした。副次的解析は性別と組織型によるサブグループで行われた。

結果:
 2349人の患者のうち、34%が女性であった。女性は化学療法に高い
 RRを示した(42% vs 40%, P = 0.01)。また、生存期間も男性より長かった
 (median OS 9.6 vs 8.6 months, P = 0.002)。
 年齢や病期、PS、組織型によって調節した場合のハザード比は
 0.83(95%CI 0.74–0.92, P = 0.0005)であった。また、さらなる検証で、
 長期間生存した女性は腺癌(test for interaction P = 0.006)に多かった。
 女性はよりgrade 3-4の嘔吐を男性より多く発症(P < 0.0001)し、
 用量減量も多かった(P < 0.0001)。
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結論:
 女性におけるプラチナベースの化学療法は腺癌において
 よりよい予後良好の影響をもたらす。

by otowelt | 2010-09-30 11:26 | 肺癌・その他腫瘍

mild~moderateのCOPDにおいて、バレニクリンは禁煙に有効かつ安全

バレニクリン(チャンピックス)は呼吸器内科医であれば
誰しもが耳にする禁煙薬の代表格なのだが、
あまり使用している先生は多くないように思う。
(もちろんいろいろ理由はあるのだが・・・)

過去に2つのランダム化試験があるが、
呼吸機能検査がなされていなかったり、COPD患者ではない患者も
含まれており、一貫性がないという指摘もしばしばみられていた。
・Varenicline, an α4β2 nicotinic acetylcholine receptor partial agonist, vs sustained-release bupropion and placebo for smoking cessation: a randomized controlled trial. JAMA 2006;296:47-55
・Efficacy of varenicline, an α4β2 nicotinic acetylcholine receptor partial agonist, vs placebo or sustained-release bupropion for smoking cessation: a randomized controlled trial. JAMA 2006;296:56-63


今回CHESTのpublished ahead of printにバレニクリンの
ランダム化試験が掲載されていた。
これも呼吸器内科医必読の論文である。
原稿の状態で全文読むのはめんどくさいので、
出版されてキレイな論文になってから全文読もうと思う。

Effects of Varenicline on Smoking Cessation in Mild-to-Moderate COPD: A Randomized Controlled Trial
Chest; Prepublished online September 23, 2010;


背景:
 喫煙はCOPDとその進行にもっとも大事なリスクファクターである。
 このランダム化試験は、バレニクリンとプラセボを比較することによって
 mild~moderateのCOPDに対する効果と安全性をみた初めての試験である。

方法:
 27施設による二重盲検試験で、504人のmild~moderateのCOPD患者が
 登録した。(気管支拡張薬後 FEV1/FVC<70%および予測FEV1% ≧50%)
 バレニクリン群(N=250)あるいはプラセボ群(N=254) に12週間割り当て。
 その後40週間の非治療期間をフォローアップした。プライマリエンドポイントは
 9~12週の一酸化炭素確認による持続的な禁煙率
 (carbon monoxide-confirmed continuous abstinence rate :CAR)
 とした。セカンダリエンドポイントは9~52週のCARとした。

結果:
 9~12週のCARはバレニクリン群で有意に高かった。
 (42.3% VS 8.8%; OR, 8.40; 95% CI, 4.99–14.14; p<0.0001)であった。
 バレニクリンCARは9~52週においても同様に高かった
 (18.6% vs placebo 5.6%; OR, 4.04; 95% CI, 2.13–7.67; p<0.0001)。
 バレニクリン群では、悪心、悪夢、上部気道感染などの副作用がよくみられた。
 重篤な副作用は両群ともみられなかった。

結論:
 mild~moderateのCOPDにおいて、バレニクリンは
 プラセボよりも禁煙に効果があり安全である。

by otowelt | 2010-09-27 23:09 | 気管支喘息・COPD

北京型結核菌は治療失敗とは直接的に関連していない

東アジアで分離される結核菌の多くが特徴的な遺伝子型を示すため、
これを私たちは北京型と呼んでいる。
        J Clin Microbiol. 1995;33:3234-8.

北京型株は、他のジェノタイプと比べて以下のような特徴がある。
・感染伝播力が優れている
薬剤耐性と関連性が高い
・発病・再発を引き起こしやすい
・BCG接種による免疫の影響を受けにくい
        Trends Microbiol.2002;10:45-52.

The Mycobacterium tuberculosis Beijing Genotype Does Not Affect Tuberculosis Treatment Failure in Vietnam
Clinical Infectious Diseases 2010;51:879–886


背景:
 Mycobacterium tuberculosis Beijing genotype(北京型)は、
 臨床的に重症型であり、治療失敗も多い。
 これは薬剤耐性が関与しているものと思われる。
 われわれは、薬剤耐性が北京型と強く関連していると
 思われるベトナムにおいて、ジェノタイプが治療失敗に影響を与えるのか
 どうかを検討した。

方法:
 population‐based prospective cohort study。
 塗沫陽性の結核患者は治療前後で薬剤感受性を検査。
 培養ごとに治療失敗率を調査した。

結果:
 1106人の患者が登録。
 33人が治療失敗を経験した(3.0%; 95%CI, 2.1%–4.1%)。
 380人の北京型感染のうち、失敗率は5.3%(95% CI, 0.3%–7.9%)。
 MDRTBは失敗と強く関連していた(OR 114; 95% CI, 30–430)。
 MDRによる調整後、北京型のみでは治療失敗とは関連していなかった
 (adjusted OR, 0.7; 95% CI, 0.3–2.0)。

結論:
 北京型結核菌は治療失敗とは直接的に関連がなかった。
 

by otowelt | 2010-09-25 09:48 | 抗酸菌感染症

気腫肺に対する気管支バルブ療法は、肺機能等を改善するものの合併症が増える

COPDにおける"volume reduction"の治療概念を
EWSでランダム化した論文であり、これも呼吸器内科必読の論文である。

A Randomized Study of Endobronchial Valves for Advanced Emphysema
N Engl J Med 2010; 363:1233-1244


背景:
 空気を流出させるが流入はさせない気管支バルブを、進行COPDによる過膨張の
 患者に留置することで、肺葉容積を減少させ、肺機能や運動耐容能が
 改善する可能性があるとされている。

方法:
 COPD患者を対象に、気管支バルブ療法と標準的内科治療を比較して
 安全性と有効性を検証した。エンドポイントは、ITT解析による一秒量と
 6分間歩行距離の%変化。6の主要な合併症の複合発生率に基づいて、安全性を
 検証した。

結果:
 321例中220例を気管支バルブ群、101例を標準的内科治療群にランダムに割付。
 6ヵ月時の一秒量は、バルブ群で4.3%(予測値の1.0%ポイント)上昇したのに
 対し、標準群では 2.5%(予測値の0.9%ポイント)低下。
 一秒量の平均群間差は6.8%(P=0.005)。6 分間歩行距離における群間差も同様。
 12ヵ月時の合併症複合発生率はバルブ群で10.3%、標準群で4.6%(P=0.17)。
 90日時で、バルブ群では標準群と比較して入院を要するCOPD増悪
 (7.9% VS 1.1%、P=0.03)、喀血(6.1% VS 0%,P=0.01)発生率が高かった。
 12ヵ月時のバルブ群の標的肺葉肺炎発生率は4.2%。

結論:
 進行した不均一(heterogeneous)肺気腫に対する気管支バルブ療法は
 肺機能、運動耐容能、症状に改善をもたらす一方、留置後のCOPD増悪、肺炎、
 喀血の合併症の頻度が増加した。

by otowelt | 2010-09-24 08:50 | 気管支喘息・COPD

吸入ステロイド+チオトロピウムは、吸入ステロイド+サルメテロールに非劣勢

呼吸器内科医必読。
喘息にスピリーバを使用できる時がくるかもしれない。
(COPD+喘息として使っていることもあるが…)
UPLIFT試験以降、スピリーバがノリノリだ。

Tiotropium Bromide Step-Up Therapy for Adults with Uncontrolled Asthma
September 19, 2010, NEJM


背景:
 LABA治療が、ステロイド吸入(ICS)しているコントロール不良喘息患者において
 症状を改善するが、他の代替療法が望まれる。

方法:
 3方法を用いた二重盲検/三重dummy交叉試験を210人の喘息患者で実施。
 以下のような3群とした。
 1.ICS+チオトロピウム
 2.ICS倍量:プライマリ優越性の比較
 3.ICS+LABA(サルメテロール):セカンダリ非劣性の比較

結果:
 チオトロピウム使用群において、倍量のICSに対し
 優越性アウトカムとして、PEFにおいて平均28.5L/minの差が出た。
 また、セカンダリアウトカムの多くで優越性がみられた。
 セカンダリアウトカムとしては以下の通り。
 夜のPEFで35.3L/min(P<0.001)、喘息コントロール日数平均差0.079 (P=0.01)、
 気管拡張剤使用前一秒量の平均差0.10 L/min (P=0.004)、daily symptom score
 -0.11点(P<0.001)。
 サルメテロール追加効果に比べて、非劣勢が証明された。
 
結論:
 吸入ステロイドにチオトロピウムを加えることは、呼吸機能検査をもとにした
 症状改善に効果があるものと考えられる。これは、サルメテロールの
 追加効果と同等である。

by otowelt | 2010-09-21 09:39 | 気管支喘息・COPD

COPD増悪は、COPDそのものの重症度より過去に増悪既往の方が規定因子

Susceptibility to Exacerbation in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
N Engl J Med 2010; 363:1128-1138


背景:
 COPDでは急性増悪が重要である。しかしながら、その頻度や
 決定因子についてはよくわかっていない。大規模な観察コホート集団において
 COPDには、重症度とは独立した、増悪するための
 ”型”(phenotype of COPD)が存在するという仮説を検証した。

方法:
 Evaluation of COPD Longitudinally to Identify Predictive
 Surrogate Endpoints:ECLIPSE試験に登録された患者2138人を対象。
 増悪の頻度やさまざまな因子との関連を解析。増悪は、
 医療提供者により抗菌薬ないしはステロイド・あるいはその両方が処方された
 イベント、もしくは入院の原因となったイベント(重度の増悪)と定義。
 3年間観察した。

結果:
 重症度が上昇するにつれて増悪の頻度は上昇した。調査1年目の増悪発生率は
 GOLDII 期のCOPD1例あたり0.85、III期1.34、IV期2.00。全体で増悪は
 II 期22%、III期33%、IV期47%で高頻度であった。
 いずれの病期においても、増悪を予測する唯一の強因子は、”増悪の既往”。
 phenotypeは、より重度の疾患や過去の増悪と関連していた。

結論:
 COPDの重症度が進行するにつれて増悪の頻度は上昇するが、
 発生率は独立した感受性のphenotype(型)を反映している。
 

by otowelt | 2010-09-20 09:15 | 気管支喘息・COPD

Del-19+L858RのEGFR complex mutationは、ゲフィチニブの利益が大きい

肺癌を診療しているドクターにとっては、興味のそそられる論文が
JTO最新号に掲載されていた。

EGFRにおけるcomplex mutationの頻度は、3.4%から6.9%程度と
言われており、本記事における論文でも6.6%であった。
だいたいNSCLCの5%程度と覚えておけばよい
            Cancer Sci 2006; 97: 753-759.
            Oncologist 2008; 13:1276-1284.
            Clin Oncol 2007; 19: 499-506.


また、T790MについてもEGFR-TKI投与前からの存在が3例(0.9%)に
みられており、Discussionではこれについても触れられている。

以下、今回のJTO(published ahead of print)からの論文。

Complex Mutations in the Epidermal Growth Factor Receptor Gene in Non-small Cell Lung Cancer
J Thoracic Oncol. 2010; 5


背景:
 EGFR遺伝子変異はEGFR-TKIの効果予測因子である。異なる遺伝子変異が
 共存することがあるが、いわゆる"complex mutations"と
 EGFR-TKIとの関連についてはまだよくわかっていない。

方法:
 われわれは、complex mutationの頻度を783人のNSCLCにおいて
 2006年4月から2009年5月まで調べた。
 遺伝子変異解析はpeptide nucleic acid(PNA)および
 locked nucleic acid(LNA)を使用したPCR clamp法でおこなった。
 ゲフィチニブの効果は、complex mutationのある患者において検証した。

結果:
 EGFR遺伝子変異は318人(41%)の患者でみられた。
 そのうち21人(6.6%)がcomplex mutationを持っていた。
 21人中16人がゲフィチニブ投与を受けた。RRは67%(95%CI 35-90%)で、
 PFS中央値は12.2ヵ月(95%CI 1.3-undeterminable)。
 RRの解析によれば、Del-19+L858RはよいRRであり(86%)、
 G719S(exon18)+L858Rのcomplex mutation(40%)に比べると
 良好な傾向のRRであった(p=0.2222)。
 PFS中央値は、Del-19+L858Rの方が他のcomplex mutationよりも
 長かった(16.5ヵ月 VS 3.8ヵ月, p=0.0459)

結論:
 EGFRのcomplex mutationは、珍しくはない。
 ゲフィチニブの効果は、この変異の組み合わせによって異なると考えられる。
 Del-19+L858Rの組み合わせの変異は、他のcomplex mutationの
 組み合わせよりもゲフィチニブの利益が大きい。

by otowelt | 2010-09-16 16:53 | 肺癌・その他腫瘍

重症ARDSにおいて、早期の神経筋ブロック薬は90日死亡率を改善

最新のNEJMより。
自発呼吸温存の呼吸管理が望まれる時代になるかと思ったのに、
こういった論文が出ると何がなんだか。
CPA後なんかで低体温療法でシバリングを防ぎたい場合なんかでは
筋弛緩薬を用いてもいいと思うが。
こういうときは、エビデンスの集積を待とう。
・Clinical practice guidelines for the sustained use of sedatives and analgesics in the critically ill adult. Crit Care Med. 2002 ; 30: 119-41.
・Clinical practice guidelines for sustained neuromuscular blockade in the adult critically ill patient. Crit Care Med. 2002 ; 30: 142-56


以下今回の論文。

Neuromuscular Blockers in Early Acute Respiratory Distress Syndrome
N Engl J Med 2010; 363:1107-1116


背景:
 ARDSにより人工呼吸管理を受けている患者において神経筋ブロック薬は
 は酸素化を改善し、VILIを減少させるかもしれない。しかし、呼吸筋委縮を
 きたすおそれがある。われわれは、2日間の神経筋ブロックを用いて早期ARDS
 に対する同薬の効果について検証した。

方法:
 この多施設共同二重盲検試験は、重症ARDSの340人の患者において
 早期48時間にcisatracurium besylateを用いる群(178人)と
 プラセボ群(162人)にランダムに割りつけられた。
 重症ARDSとはP/F比が150未満と定義された(PEEPは5cmH2O以上、
 TVは6~8ml/kg)。プライマリアウトカムは退院前死亡率および
 90日院内死亡率とした。

結果:
 cisatracurium群では90日死亡のHRはプラセボと比べると
 0.68 (95%CI 0.48 to 0.98; P=0.04)であった。
 (P/F、APACHEIIなどで調整後)
 90日死亡率は、cisatracurium群31.6% (95% CI, 25.2 to 38.8)、
 プラセボ群40.7% (95% CI, 33.5 to 48.4)であった(P=0.08)。
 28日死亡率はそれぞれ23.7% (95% CI, 18.1 to 30.5)、
 33.3% (95% CI, 26.5 to 40.9)であった(P=0.05)。
 ICU関連麻痺は2群で差がみられなかった。

結論:
 重症ARDSにおいて、早期の神経筋ブロック薬は90日死亡率を改善させる。

by otowelt | 2010-09-16 11:23 | 集中治療

塵肺は粉塵曝露がない状態でも初期10年で悪化しうる

INTERNAL MEDICINEから塵肺の論文。
塵肺の論文は多くないので、非常に目を引く。

Progression of Pneumoconiosis in Coal Miners after Cessation of Dust Exposure: A Longitudinal Study Based on Periodic Chest X-ray Examinations in Hokkaido, Japan
Inter Med 49: 1949-1956, 2010


背景:
 炭鉱夫を引退した塵肺患者において、10年以上追跡したスタディは日本にはない。

方法:
 レトロスペクティブに1091人のレントゲンによる塵肺診断の患者を
 1985年から2005年まで北海道で調べた。

結果:
 10年間207人(19%)が、20年間85人(8%) が登録できた。
 207人のうち62%、85人のうち29%がその間に塵肺の進行を認めた
 ILOカテゴリー1の31%、カテゴリー2の55%が10年間に複雑性の塵肺へ
 進展し、カテゴリー1および2の6%が20年間に同様の経過をたどった。

結論:
 塵肺は粉塵曝露がない状態でも初期10年で悪化しうる。

by otowelt | 2010-09-15 09:29 | びまん性肺疾患

HAART時代のHIV感染患者における呼吸機能検査異常

Pulmonary Function Abnormalities in HIV-Infected Patients during the Current Antiretroviral Therapy Era
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2010; 182: 790-796


背景:
 多剤併用抗ウイルス療法が始まる前は、HIV患者において
 気道症状や呼吸機能検査異常はよくみられていた。
 しかし、HAARTが発達した現段階における同項目については
 よくわかっていない。加えて、こういった異常は
 軽視されている傾向にある。

目的:
 われわれの目的は、HIV患者における気道症状や呼吸機能検査異常や
 関連するリスクファクターを同定することである。

方法:
 168人のHIV患者において呼吸機能検査をおこなった横断的研究である。

結果:
 気道症状は47.3%の患者においてみられた。また
 静脈内麻薬を使用している患者に関連性がみられた
 (OR 3.64; 95% CI 1.32–10.046; P = 0.01)。
 15%の患者が過去に呼吸器の検査を受けていた。
 呼吸機能検査異常は64.1%の患者において拡散能異常がみられ、
 21%に不可逆性の閉塞性異常がみられた。拡散能異常は
 既喫煙(OR 2.46; 95% CI, 1.16–5.21; P = 0.02)、ニューモシスティス
 肺炎予防と関連していた(OR 2.94; 95% CI, 1.10–7.86; P = 0.01)。
 不可逆性の閉塞性異常は喫煙のpack-years
 (OR 1.03 per pack-year; 95% CI, 1.01–1.05; P < 0.01)、および
 静脈内麻薬使用(OR 2.87; 95% CI, 1.15–7.09; P = 0.02)、
 抗ウイルス治療(OR 6.22; 95% CI, 1.19–32.43; P = 0.03)と関連。

結論:
 気道症状および呼吸機能検査異常は、現段階においてもHIV感染者では
 よくみられるものである。喫煙および静脈内麻薬使用は
 呼吸機能検査異常の重要な危険因子である。しかし、抗ウイルス治療も
 不可逆性の閉塞性病変のリスクに関連しているかもしれない。
 HIV感染患者において、閉塞性病変は軽視されがちである。

by otowelt | 2010-09-13 05:58 | 呼吸器その他