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一身上の都合により、しばらくブログを休止させていただきます。

by otowelt | 2012-09-18 19:16 | その他

新しい疾患概念の提唱:喘息性肉芽腫症(asthmatic granulomatosis)

難治性喘息に対してVATSをおこなおうと考えたことが、この病態の発見につながった。全文が読めなかったので、病理所見がよくわからない。

Sally E. Wenzel, et al.
Asthmatic Granulomatosis
A Novel Disease with Asthmatic and Granulomatous Features
Am. J. Respir. Crit. Care Med. September 15, 2012 vol. 186 no. 6 501-507


背景:
 重症喘息は気管支喘息患者の5~10%にみられるが、課題も残されておりいまだよくわかっていない。様々な異なるフェノタイプによって構成されていると認識されているが、それらの免疫病理、特に遠位気道や間質についてはほとんど報告がない。

目的:
 非典型的な難治性喘息の病態生理を同定する。

方法:
 われわれは重症喘息の定義に該当して、毎日全身性ステロイド使用を要し、胸部CT上異常がみられなかった19人(17人女性、2人男性)のうち、VATSによる生検をおこなった10人について報告した。

結果:
 19人のうち10人の病理で、気管支喘息に一致した小気道の変化(好酸球増多、杯細胞過形成)がみられたが、予期せず間質に非壊死性肉芽腫が観察された。この患者らは、過敏性肺炎の存在は否定的であるが、70%の症例において自己免疫様疾患の既往が自身あるいは家族にみられた。
 10症例は、アザチオプリン、ミコフェノール酸、メトトレキセート、インフリキシマブのいずれかで治療された。10人中9人で全身性ステロイド使用の必要性が減少し、一秒量の改善あるいは維持が達成できた。
 今回疾患概念として報告していない残りの9人については、6人が喘息性の気道疾患で、肺胞隔壁に単核球浸潤を伴っていたが、肉芽腫はみられなかった。3人は他の疾患と考えられた(誤嚥、肺炎、血栓塞栓症)。

結論:
 これらのデータから考えられることとして、重症の”喘息”のサブセットとして、肉芽腫性の病理学的変化がみられることがあり、これをわれわれは“喘息性肉芽腫症:asthmatic granulomatosis”と命名した。
 

by otowelt | 2012-09-17 18:21 | 気管支喘息・COPD

BASALT試験:喘息コントロールでは、主治医主導の吸入ステロイド量調節のほうが望ましい?

e0156318_93555.jpg実は呼吸器内科医にとってもこれは難しい問題で、特に症状が軽度の患者さんであれば、勝手に減量されていることがたまにある。
 個人的には2~3ヶ月程度のPEF80%維持ができておればステップダウンをしているが、実はステップアップやステップダウンにゴールドスタンダードはなく、”主治医主導の補正”と銘打っていても、医師ごとに管理がバラバラなのは否めない。

William J. Calhoun, et. al.
Comparison of Physician-, Biomarker-, and Symptom-Based Strategies for Adjustment of Inhaled Corticosteroid Therapy in Adults With Asthma: The BASALT Randomized Controlled Trial
JAMA. 2012;308(10):987 doi:10.1001/2012.jama.10893


背景:
 成人の喘息患者の吸入ステロイド治療を補正するためのコンセンサスは存在しない。このアプローチとして、医師の喘息コントロール評価(症状、レスキュー使用、呼吸機能)による主導によって外来受診を補正すること、呼気NO、日々の症状に基づくこと、が挙げられる。

目的:
 成人の軽症から中等症の喘息患者の治療失敗を防止するために、呼気NO、日々の症状に基づいて吸入ステロイドの補正を決定することが、主治医の評価による補正に優越性があるかどうかを検証する。

デザイン:
 ランダム化並行群間(3群)プラセボ対照盲検試験で、342人の低用量吸入ステロイドを用いている軽症~中等症の喘息患者を登録。全ての患者は喘息の診断を受けており、アルブテロール360μg吸入によって一秒量が12%改善がみられるものあるいは気道過敏性があるものとした。
 114人が主治医評価によって補正を受け(101人が完遂)、115人がバイオマーカー評価によって補正を受け(92人が完遂)、113人が症状に基づく補正(97人が完遂)。
 このBest Adjustment Strategy for Asthma in the Long Term (BASALT)試験は、アメリカの10施設からなる喘息臨床研究ネットワークでおこなわれた臨床試験であり、 2007年6月から2010年7月までの9か月間施行された。

介入:
 主治医アセスメントによる補正とバイオマーカー(呼気NO)による補正については吸入ステロイドの量は6週間ごどに補正を加え、症状による補正では吸入ステロイドはおのおののアルブテロールレスキュー使用によって補正をおこなった。

主要アウトアム:
 プライマリアウトカムは、治療失敗までの期間とした。

結果:
 治療失敗までの期間に群間に有意差はみられなかった。9か月のKaplan-Meierによる失敗率は、主治医主導群22% (97.5% CI, 14%-33%; 24 events)、バイオマーカー群20% (97.5% CI, 13%-30%; 21 events)、症状補正群15% (97.5% CI, 9%-25%; 16 events)であった。 
 主治医アセスメントによる補正のハザード比は、バイオマーカー群と比べると1.2 (97.5% CI, 0.6-2.3)であった。同様に症状による補正と比べると1.6 (97.5% CI, 0.8-3.3)。
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結論:
 低用量吸入ステロイドでコントロールされている軽症から中等症の遷延性喘息患者において、バイオマーカー(呼気NO)や日々の症状によって吸入ステロイド量を補正する方法は、主治医主導のもとで行う補正に比べて優越性はなかった。

by otowelt | 2012-09-14 09:11 | 気管支喘息・COPD

嚢胞性線維症における早期の緑膿菌根絶治療の比較試験

Giovanni Taccetti, et al.
Early antibiotic treatment for Pseudomonas aeruginosa eradication in patients with cystic fibrosis: a randomised multicentre study comparing two different protocols
Thorax 2012;67:10 i doi:10.1136/thoraxjnl-2012-202596


背景:
 緑膿菌の慢性肺感染症は、嚢胞性線維症の患者において望ましくないイベントを起こしうる。細菌クリアランスは病原菌同定ののちに早期抗菌薬治療を開始することで可能となる。現時点では、早期治療には最良のプラクティスはない。

方法:
 嚢胞性線維症は、臨床的所見と汗のCl濃度>60 mmol/litreから診断をおこなった。
 13施設共同のランダム化オープンラベル並行群間試験で、吸入トブラマイシン/経口シプロフロキサシンを吸入コリスチン/経口シプロフロキサシン(リファレンス治療群)と28日にわたり比較をおこなった。
 適格基準は初期ないし新たに緑膿菌が童貞された1歳より上の患者とした。治療は、一元的にバランス化され、年齢や一秒量によって層別化された。登録患者と介入者には、どの治療を受けるかという点は盲検化されなかった。
 プライマリエンドポイントは緑膿菌の微生物学的根絶eradicationとした。6ヶ月で連続3回の培養陰性と定義された。解析はITTでおこなわれた。

結果:
 105人が吸入コリスチン/経口シプロフロキサシン(A群)に割り付けられ、118人が吸入トブラマイシン/経口シプロフロキサシン(B群)に割り付けられた。全患者が解析された。緑膿菌はA群で66人(62.8%)、B群で77人(65.2%)において微生物学的根絶にいたった(OR 0.90, 95% CI 0.52 to 1.55, p=0.81)。
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 平均54±39日のフォローアップで、平均FEV1 (±SD)のベースラインからの変化はA群で2.15% (±8.50)、B群で4.55% (±11.54)であった(p=0.18)。
 治療後、Stenotrophomonas maltophiliaがよく同定されたが(OR 3.97, 95% CI 2.27 to 6.94, p=0.001)、2群間では差はみられなかった(OR 0.89, 95% CI 0.44 to 1.78, p=0.88)。

結論:
 リファレンス治療と比較して、本試験では吸入トブラマイシン/経口シプロフロキサシンの統計学的な有効性を示すことはできなかった。早期の根絶治療は、S maltophiliaの増加を招くかもしれない。

by otowelt | 2012-09-12 11:40 | 感染症全般

結核合併AIDSにおけるIRISの頻度は早期HAART例に顕著

Kogieleum Naidoo, et al.
The Immune Reconstitution Inflammatory Syndrome After Antiretroviral Therapy Initiation in Patients With Tuberculosis: Findings From the SAPiT Trial
Ann Intern Med. 2012;157:313-324.


背景:
 免疫再構築症候群(IRIS)は、抗結核治療を開始した共感染患者において抗レトロウイルス治療(ART)を行う上での障壁となっている。

目的:
 結核合併AIDS患者において、ART開始のタイミングに関連したIRISの頻度、受賞度、アウトカムを調べる。

デザイン:
 ランダム化オープンラベル臨床試験(ClinicalTrials.gov registration number: NCT00398996)

セッティング:
 南アフリカ共和国Durbanにおける外来クリニック

患者:
 642人のHIV+結核患者が登録

評価項目:
 SAPiTの二次解析(Starting Antiretroviral Therapy at Three Points in Tuberculosis)。
 IRISは結核治療を開始して4週間以内にARTを開始する群(early integrated treatment group)、結核強化治療が終わって4週以内にARTを開始する群(late integrated treatment group)、結核治療が終了してから4週以内にARTを開始する群(sequential treatment group)に割り付けられた。
 IRISは、治療反応性と随伴して新規に発症した症状・徴候の増悪、治療時に関連する放射線学的所見とした。IRISの重症度は、入院、寛解までの期間とした。

結果:
 IRISの頻度は100人年あたり、早期開始群19.5(n=43), 後期開始群7.5(n=18)、遂次開始群8.1(n = 19)であった。 CD4が0.050×109cells/L未満の場合、IRISの頻度はそれぞれ100人年あたり45.5, 9.7, 19.7であった。
 IRISの頻度は、早期開始群において有意に高くみられ、後期開始群と比較すると(incidence rate ratio,
2.6 [95% CI, 1.5 to 4.8]; P <0.001)、遂次開始群と比較すると(incidence rate ratio, 2.4 [CI, 1.4 to 4.4]; P 0.001)であった。他の2群と比較して、早期開始群はより重度のIRIS症例が多かった(35% vs. 19%; P = 0.179)。また、早期開始群のほうが他の2群よりも入院頻度が多く(42% vs. 14%; P= 0.007)、寛解までの期間が長かった(70.5 vs. 29.0 days; P = 0.001)。
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結論:
 結核合併AIDSに対してARTを早期に開始することは、IRISの頻度や重症度に有意に関連していた。これらの知見は特に、早期にARTを開始して生存的利益をもたらす必要のある低CD4患者のART開始例に関連していた。

by otowelt | 2012-09-11 17:36 | 感染症全般

塩漬け肉の高用量摂取はCOPD入院のリスクを上昇させる

燻製か塩漬け肉か訳を迷ったが、生ハムのようなものを想像していただければよいと思う。ディスカッションにも述べられているが、亜硝酸(nitrites)が原因ではないかと考えられている。

Jordi de Batlle, et al.
Cured meat consumption increases risk of readmission in COPD patients
ERJ September 1, 2012 vol. 40 no. 3 555-560


背景:
 近年の試験では、塩漬け肉(cured meat)の摂取はCOPD発症のリスクであると考えられている(Am J Clin Nutr 2008; 87: 1002–1008.、Am J Epidemiol 2007; 166: 1438–1445.)。しかしながら、そのCOPD発生への潜在的影響については検証されていない。
 われわれは、COPD患者における塩漬け肉と再入院リスクの関連について調べた。

方法:
 2004年から2006年の間、274人のCOPD患者がCOPDで初回入院となった。彼らについて、塩漬け肉の食事摂取を過去2年間にわたって情報収集をおこない、2007年12月31日まで継続フォローアップした(中央期間2.6年)。
 塩漬け肉とCOPD入院の関連性を、パラメトリック回帰生存期間モデルを用いて検証した。

結果:
 平均年齢は68±8歳、93%が男性、42%が現喫煙者、気管支拡張薬吸入後の平均一秒量は予測値で53±16%、塩漬け肉摂取の中央量は23 g/dayであった。
 年齢、一秒量、総カロリー摂取量で調整した場合、塩漬け肉高用量摂取(中央値よりも多いもの)はCOPD再入院リスクを有意に上昇させた(補正HR 2.02, 95% CI 1.31–3.12; p=0.001)。
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結論:
 塩漬け肉の高用量摂取はCOPD患者の再入院リスクを上昇させる。将来的には健康的食事の効果のアセスメントが考慮されるべきかもしれない。

by otowelt | 2012-09-10 22:34 | 気管支喘息・COPD

肺動脈径は、COPD増悪のリスク因子

まぁ、肺動脈が拡張しておればCOPDの重症度が高くなるのは容易に想像できる。

J. Michael Wells, et al.
Pulmonary Arterial Enlargement and Acute Exacerbations of COPD
N Engl J Med 2012; 367:913-921


背景:
 COPD増悪は、呼吸機能の急速な低下とその死亡に関連しているが、こういったイベントのリスクがある患者で、特に入院を要する患者を同定することが臨床上重要である。
 肺高血圧症は進行COPDの重要合併症であり急性増悪を予測することが可能だが、肺血管の異常も COPD早期にみられる。
 肺血管疾患のCTによる測定評価(肺動脈径/大動脈径>1)が、COPD重度増悪に関連するかもしれない。

方法:
 COPDのある喫煙者と、過去の喫煙者を対象とする多施設共同観察試験を施行した。肺動脈径/大動脈径比>1 と、登録時に入院を要する重度増悪の既往との関連を検討。また、同コホートと外部検証コホートの経時的追跡調査によって、肺動脈径/大動脈径比がこれらのイベントの予測因子として有用なのかどうか検討。
ロジスティック回帰分析と,ゼロ過剰負の二項回帰分析を用い,増悪の既知の危険因子について補正した.

結果:
 多変量ロジスティック回帰分析で、肺動脈径/大動脈径比>1 と試験登録段階でのCOPD重度増悪の既往とに有意な関連があった(odds ratio, 4.78; 95% CI, 3.43 to 6.65; P<0.001)。
 同比>1 は、将来のCOPD重度増悪のリスク上昇に関連する独立因子であった(odds ratio, 3.44; 95% CI, 2.78 to 4.25; P<0.001)。外部コホートでは(odds ratio, 2.80; 95% CI, 2.11 to 3.71; P<0.001)。
 いずれのコホートにおいても、全変数のなかで肺動脈径/大動脈径比比>1 がCOPDの重度増悪ともっとも強い関連があった。

結論:
 CTにおける肺動脈径/大動脈径比比>1は、COPDの重度の増悪に関連。

by otowelt | 2012-09-09 15:37 | 気管支喘息・COPD

吸入ステロイドによる思春期身長の弊害

H. William Kelly, et al.
Effect of Inhaled Glucocorticoids in Childhood on Adult Height
N Engl J Med 2012; 367:904-912


背景:
 思春期前期の小児に対する持続型喘息に対する吸入グルココルチコイドによって、小児の成長速度が一時的に低下するとされている。吸入グルココルチコイドの使用開始後1~4年での身長は減少するものの、ひいてはそれが成人の身長が減少させるとはまだ考えられていない。

方法:
 小児喘息管理プログラム(CAMP)の登録者1041人中943人(90.6%)の成人身長を測定。測定時の平均年齢(±SD)は24.9±2.7歳だった。登録者は、5~13歳の時点でブデソニド400μg/日群、ネドクロミル16 mg/日群、プラセボ群にランダムに割り付けられ、4~6年間投与された。人口動態的性格、喘息特性、試験登録時の身長で補正する多重線形回帰を使用して、実薬投与群とプラセボ群とで成人身長の差を計算した。

結果:
 ブデソニド群ではプラセボ群よりも平均成人身長が1.2cm低く(95%CI-1.9~-0.5,P=0.001)、ネドクロミル群では平均成人身長はプラセボ群よりも 0.2cm低かった(95% CI -0.9~0.5,P=0.61)。
 初期2年間の吸入グルココルチコイドの1日投与量が大きいほど、成人身長が低く(1 μg/kg、-0.1 cm/kg)と関連(P=0.007)。プラセボ群と比較して、ブデソニド群の成人身長の減少は、投与開始から2年後に観察された減少(-1.3 cm、95% CI -1.7~-0.9)と大きく差はなかった。初期2年間では、ブデソニド群における成長速度の低下が思春期前の登録者にみられた。
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結論:
 吸入グルココルチコイドを思春期前期小児に使用することで、成人時の身長減少も継続して確認されたが、減少幅は進行も累積も確認されなかた。

by otowelt | 2012-09-09 15:18 | 気管支喘息・COPD

咳嗽は、強皮症による間質性肺疾患の線維化と治療反応性の指標になるかもしれない

e0156318_11493659.jpg膠原病肺の患者さんの場合、肺高血圧症では咳嗽は出ないが、線維化では咳嗽が出やすいのは確かだ。ただ、日常臨床でこの情報が実用的に役立つかどうかは微妙なラインであろう。

Arthur C. Theodore, et al.
Correlation of Cough With Disease Activity and Treatment With Cyclophosphamide in
Scleroderma Interstitial Lung Disease
Findings From the Scleroderma Lung Study
CHEST 2012; 142(3):614–621


背景:
 咳嗽は、強皮症による間質性肺疾患(SSc-ILD)の患者における有意な症状であり、the Scleroderma Lung Study (SLS)では158人の患者のうち73%にみられた。SLSは、多施設共同の経口シクロホスファミドとプラセボを活動性肺病変のある患者で検討したランダム化試験である。

方法:
 156人のSLS参加者のベースラインの咳嗽の頻度、重症度、痰と、シクロホスファミドおよびプラセボ治療後1年後の間質性肺疾患重症度と咳嗽反応性の相関性を調べた。

結果:
 ベースラインで咳嗽のあった患者は咳嗽のない患者と比較して、有意にDLCOが低下しており、身体的側面のQOLサマリースコア、HRCTにおける最大線維化スコアと関連していた。
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 咳嗽重症度と頻度はFVC%予測値と相関していた。治療12ヶ月後、咳嗽の頻度はプラセボ群と比較してシクロホスファミド群で減少しており、18ヶ月目においても有意な差がみられた(すなわちシクロホスファミド中止から6ヶ月)。
 上記のような有効性は、シクロホスファミド終了12ヶ月後にはベースラインと同等レベルに戻っていた。
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結論:
 咳嗽は強皮症による間質性肺疾患でよくある症状であり、線維化と相関がみられる。シクソホスファミドによる治療反応性が咳嗽にみられるが、治療終了1年後にはベースラインと同等にもどってしまった。
 咳嗽は進行性の線維化の症状であり、シクロホスファミドの治療反応性を解析する上での独立した因子となるかもしれない。

by otowelt | 2012-09-07 06:36 | びまん性肺疾患

高齢者ARDS、敗血症関連ARDSが増えている

Charalampos Pierrakos and Jean-Louis Vincent
The changing pattern of acute respiratory distress syndrome over time: a comparison of two periods
ERJ September 1, 2012 vol. 40 no. 3 589-595


背景:
 この試験の目標は、ARDSのアウトカムやパターンが人工呼吸器や集中治療技術の向上によってどのように変化してきたかを調べたものである。
 同一病院において、2期間を別々に検証した。

方法:
 われわれは、全てのARDSと診断された患者を登録した(according to American–European
Consensus Conference criteria)。治療は本試験登録の病院で2006年1月から2009年4月までおこなった(Erasme Hospital, Brussels)(group B, n=210)、また過去の1993年1月から1995年2月までのデータも参照した(group A, n=129)。

結果:
 ARDSの有病率は減少していた(from 2.5% in group A to 1.7% in group B, p<0.001)。ARDS患者は現在のところ高齢患者や敗血症関連ARDSが多い。Multiple transfusionや外傷によるARDSは過去のものよりも少ない。生存者間におけるICU在室日数は、短くなっていた(13±9 versus 17±17 days, p=0.025)。また近年のコホートでは死亡率も低下する傾向になっているが、統計学的有意差はなかった(46% versus 52%, p=0.158)。多臓器不全は両期間においてもっともよくみられる死因であった。
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結論:
 ARDSのパターンは、期間の間に変化した。ARDS患者はより高齢でより重症になっていた。敗血症関連ARDSは増えており、外傷関連あるいは輸液関連ARDSが減少していた。それでもなお多臓器不全は最も多い死因である。

by otowelt | 2012-09-06 10:20 | 集中治療