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POLARSTAR:エルロチニブによる間質性肺疾患のリスク因子

世界肺癌学会から。エルロチニブの興味深い演題です。

Kuwano K, et al.
Investigation of risk factors for developing interstitial lung disease (ILD) and poor prognostic factors for ILD death in Japanese patients with non-small-cell lung cancer (NSCLC): a final analysis of a large-scale erlotinib surveillance study (POLARSTAR)
15th World Conference on Lung Cancer O03.07


概要:
 2007年12月18日から2009年10月までにエルロチニブの投与を受けた日本人の非小細胞肺癌(NSCLC)患者10708人が登録され、9909人のデータが安全性解析に、9663人が有効性解析に利用された。間質性肺疾患(ILD)様のイベントは独立したILD審査委員会によって解析された。
 ILD様イベントを経験した491人の患者うち、審査委員会でILDと確認されたのは429人。エルロチニブによるILD発生率は4.33%だった。3人に1人が死亡した(1.54%)。
 多変量Cox回帰分析の結果、エルロチニブによるILDのリスク因子として、ILD既往(補正ハザード比3.187)、喫煙歴(補正ハザード比2.246)、COPD(補正ハザード比1.860)、呼吸器感染症(補正ハザード比1.550)、PS2~4(補正ハザード比1.431)など。死亡を含めた重篤なアウトカムのリスク因子は、PS2~4(補正オッズ比2.450、95%信頼区間1.405~4.272、p=0.0016)、正常肺50%未満(補正オッズ比3.118、95%信頼区間1.477~6.582、p=0.0029)、蜂巣肺合併間質性肺炎(補正オッズ比6.665、95%信頼区間1.349~32.943、p=0.0200)だった。


by otowelt | 2013-10-31 17:05 | 肺癌・その他腫瘍

汚染メチルプレドニゾロンによる真菌感染症

e0156318_22344250.jpg NEJMから、汚染メチルプレドニゾロンによる真菌感染症の論文です。

Rachel M. Smith, et al.
Fungal Infections Associated with Contaminated Methylprednisolone Injections
N Engl J Med 2013; 369:1598-1609


背景:
 慢性疼痛の治療に対しておこなわれる注射に際して真菌感染症はまれな合併症である。2012年9月に、ある調剤薬局から購入された防腐剤無添加メチルプレドニゾロン酢酸エステルの注射に関連した真菌感染症の調査をおこなった。

方法:
 当該薬局からメチルプレドニゾロン酢酸エステル3ロットが回収された。その後に行われた未開封バイアルの調査によって真菌が同定された。その関連が示唆されたメチルプレドニゾロン酢酸エステルに曝露した可能性があるすべての患者に対して、連邦政府、州、地域公衆衛生当局、薬剤を投与した医療機関の従事者が通知をおこなった。標準化症例報告書臨床データを収集し、培養検査、PCR、病理組織検査、免疫組織化学検査によって、分離株・検体中の真菌の存在を調べた。

結果:
 2012年10月19日までに曝露した可能性のある患者13534人の99%以上とコンタクトをとることが出来た。2013年7月1日時点で、20州で報告された感染例は749例、死亡例は61例(8%)だった。感染例153例(20%)の検体でExserohilum rostratumが確認された。追加情報は728例(97%)から得られ、229例(31%)は髄膜炎を発症していた。感染例は、メチルプレドニゾロン酢酸エステルの注射を中央値で1回(1~6 回)投与されていた。感染例の年齢の中央値は64歳(15~97歳)、潜伏期間中央値は47日(0~249回)だった。

結論:
 複数の州に渡る大規模な真菌感染症の集団発生は、罹患率・死亡率が高かった。真菌感染症は、ある単一調剤薬局に端を発した、汚染グルココルチコイドの注射と関連していた。すみやかな公衆衛生対策として、汚染製品の早急な回収、曝露患者への通知、医師への早期情報提供が行われた。


by otowelt | 2013-10-31 00:25 | 感染症全般

GAPモデル:慢性間質性肺疾患の死亡予測スコア

e0156318_23175710.jpg 性別、年齢、呼吸機能。スコアリングしなくても予後予測因子であることは明白ですが、今後の疫学研究のため分類化することが重要なのかもしれません。

Christopher J. Ryerson, et al.
Predicting survival across chronic interstitial lung disease:The ILD-GAP model
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1474


概要:
 疾患特異的要因や患者特異的要因の不均一さから、慢性間質性肺疾患のリスクを推し量ることは困難である。この試験の目的は、慢性間質性肺疾患のある患者をGAPモデルを用いて死亡予測を分類化することにある。GAPモデルはそれぞれ性別(Gender)、年齢(Age)、生理検査(Physiology)からなる、以下の8点満点のスコアとした。
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(文献より引用)
 特発性肺線維症(IPF)307人、慢性過敏性肺炎206人、膠原病関連間質性肺疾患281人、特発性NSIP45人、分類不能型間質性肺疾患173人の死亡とスコアを解析した。その結果、GAPモデルはすべての間質性肺疾患サブタイプにおいて予測パフォーマンスが良好であった(混合コホートでc-index 74.6)。
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(文献より引用)


by otowelt | 2013-10-30 00:19 | びまん性肺疾患

ACROSS試験:COPDに対するロフルミラストの有効性

e0156318_2225660.jpg近年、いくつかの呼吸器疾患において、ホスホジエステラーゼ阻害薬が注目されています。

Jinping Zheng, et al.
Roflumilast for the treatment of COPD in an Asian population – a randomized, double-blind, parallel-group study
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1252


背景:
 ロフルミラストは慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対して効果が期待されている経口ホスホジエステラーゼ4阻害薬である。これまでのロフルミラストの試験は主に欧米人が対象となっていた。東洋中国人に対する効果と安全性について大規模試験で明らかにする必要がある。

方法:
 重症以上のCOPD患者(中国人、マレーシア人、インド人)626人において多施設共同プラセボ対照二重盲検試験(ACROSS試験[A COPD study investigating ROflumilast on safety and effectiveneSS])を実施した。ランダムに1:1にロフルミラスト500μg1日1回あるいはプラセボに24週間割り付けた。プライマリエンドポイントは、ベースラインから試験終了時までの気管支拡張薬投与前一秒量の変化とした。

結果:
 2011年3月から2012年5月までの間、795人の患者がスクリーニングされ、626人がそれぞれの治療群にランダム化された。509人が試験を完遂した。ベースラインの患者背景に群間差はみられなかった。313人の患者がそれぞれの治療群に割り付けられた。
 プラセボと比較してロフルミラストは平均の気管支拡張薬投与前一秒量の変化の増加がみられた(0.071L; 95%信頼区間0.046~0.095L; P <.0001)。同様の効果はセカンダリエンドポイントである気管支拡張薬投与後の一秒量(0.068L; 95% 信頼区間0.044~0.092L; P <.0001)、 気管支拡張薬投与前および後の努力性肺活量(0.109L; 95%信頼区間0.061~0.157L; P <.0001、0.101L; 95%信頼区間0.055~0.146L; P <.0001)でも観察された。
 有害事象プロファイルは過去のロフルミラストの試験でも同様であった。治療関連有害事象で最も多くみられたのは下痢であった(ロフルミラスト6.0% vs. プラセボ1.0%)。

結論:
 ロフルミラストは呼吸機能の改善に重要な役割を果たし、アジア人にも忍容性がある。ロフルミラストは重症以上のCOPD患者の適切な治療選択肢となるかもしれない。


by otowelt | 2013-10-29 00:40 | 気管支喘息・COPD

潜在性結核感染の治療効果判定にクオンティフェロンは無効

e0156318_2130255.jpg LTBIの効果指標としてIGRAは無効であると結論付けた論文です。

John L. Johnson, et al.
Effect of Isoniazid Therapy for Latent Tuberculosis Infection on QuantiFERON-TB Gold In-tube Responses in Tuberculin Skin Test Positive Adults in a High Tuberculosis Incidence Area: A Controlled Study
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1232


背景:
 T細胞インターフェロンγ遊離アッセイ(IGRA)は、結核菌感染の診断に用いられており、潜在性結核感染(LTBI)の治療反応性バイオマーカーに有用である可能性が示唆されている。

方法:
 HIV陰性でツベルクリン反応陽性の南アフリカの成人健常人82人におけるIGRAの反応性を調べたプロスペクティブ試験において、6ヶ月の1日1回のイソニアジド予防治療あるいは経過観察をおこなった群で比較した。クオンティフェロンゴールドインチューブ(QFT-GIT)アッセイによってベースラインおよびイソニアジド予防治療後、ないしは経過観察群のインターフェロンγ反応性を調べた。

結果:
 登録した成人の平均年齢は26.6歳だった。ベースラインのQFT-GITは、イソニアジド予防治療群の39人中36人(92%)、経過観察群39人中37人(95%)が陽性で、全体のベースラインのインターフェロンγレベルは10 IU/mLだった。イソニアジド予防治療群の2人(5%)、経過観察群の2人(5%)がQFT-GIT陽性から陰性に転じた。
 インターフェロンγレベルはベースラインからイソニアジド予防治療終了時にかけて減少し(p ≤ 0.0001)、経過観察群においてもベースラインから減少した(p = 0.03)。これら2群での当該減少について統計学的な差はみられなかった(Wilcoxon-Mann-Whitney test; p = 0.31)。治療終了時のインターフェロンγレベルは5.1 IU/mLだった。

結論:
 結核蔓延地域におけるツベルクリン反応が陽性の人では、イソニアジドの予防治療はQFT-GITの結果に変化を与えないと考えられる。QFT-GITはLTBIの治療反応性バイオマーカーには有用ではないだろう。


by otowelt | 2013-10-28 00:32 | 抗酸菌感染症

胸部レントゲン写真読影の理想と現実

e0156318_131549.jpg●はじめに
 私は個人的に「胸部レントゲン」と呼んでいますが、「胸部X線」、もっと詳しく書くと「胸部単純X線」という言葉が正しい医学用語だと思います。別にヴィルヘルム・レントゲンをリスペクトして「胸部レントゲン」と呼んでいるわけではありませんが、呼吸器科医の多くがそう呼んでいるのが現状です。10年後くらいには死語になっているかもしれませんが……。

 ―――「胸部レントゲン写真が読影できる」というのは、簡単な言葉ですが奥が深い言葉です。哲学と言っても過言ではありません。ちなみに「胸部レントゲン写真が読影できる」と「胸部レントゲン写真を読影して正しい診断ができる」は全く別次元の話です。どれだけ胸部レントゲン写真の読影に長けた人間が見ても、診断が不可能な陰影なんてそれこそ山のようにあります。慢性好酸球性肺炎だと思っていたら特発性器質化肺炎だった、市中肺炎だと思っていたら肺結核だった、などなど。胸部CTよりもはるかに情報量は少ないのです。


●読影方法の理想と現実
 胸部レントゲン写真の読影について色々な書籍を眺めていると、「まずは撮影条件をチェックする」、「読影に値するかどうか評価をする」、「骨と軟部組織に異常がないかどうかチェクをする」・・・などと書かれており、さらに詳しい本になると「傍気管線の肥厚がないかどうかチェックをする」、「気管の角度が開大していないかをチェックする」といったアドバンスな内容も書かれています。

 そのため、研修医の方に読影をお願いすると、明らかに肺野に腫瘤影があってもその言及に至るまで10分以上かかることもあります。胸部レントゲンの教育上はそれでよいと思うのです。間違いではありません。しかし、現実的ではありません。

 私は“簡易読影”と“綿密読影”の2種類を使い分けるべきだと思います。


●胸部レントゲン写真の簡易読影
 簡易読影の場合、撮影条件や読影に値するかどうかは後回しで、まず結論(病変の場所、性状、鑑別診断)を述べてもらいます。下の私の胸部レントゲン写真の場合、「左下肺野にコンソリデーションがありますので、細菌性肺炎や肺結核などの呼吸器感染症を第一に考えます」と最初に言ってもらう方法です。これは私の主観ですが、簡易読影をして結論を先に言ってもらった方がスマートです。くだけた言い方をすれば、カッコイイ。
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(胸部レントゲン写真:私の胸部レントゲン写真です)

 そのため、まずは10秒以内に主要な異常を指摘するよう教えています(さすがに当該患者さんの名前と合致しているかどうかは事前に確認させるべきですが)。結論から先に言ってしまって、もし後で撮影コントラストが低すぎる・高すぎる、鎖骨がかなりズレた位置にある、というイチャモンをつければよいわけです。特に救急医や呼吸器内科医はこの簡易読影の方が「当たり前」になっていると思いますし、実臨床上はそちらの方にメリットが大きいです。

 実は、外堀を埋めてじわじわ結論に迫る読影方法が是とされる根拠はあまりありません。そんな研究を立案したとしても、じゃあアウトカムはどうするの、という話になりますし。

 しかし、上の胸部レントゲン写真をよく見ると両肺尖部に胸膜肥厚があります。実は私は大学生の頃から肺尖部の胸膜が肥厚しており(apical capなどと呼びます)、健康診断のときにしばしば指摘を受けます。簡易読影に偏りすぎると、こういった微細な所見を見逃すことにつながりますので、注意が必要です。


●胸部レントゲン写真の綿密読影
 いわゆる、教育的読影はこちらです。まさに理想的読影法と言えるでしょう。研修医に教える方法は主にこの読影法ですが、あまり現実的ではありません。

 個人的には、これはアルバイトや読影業務に携わるとき、あるいは診断が不明であったり、症状はあるのに胸部レントゲン写真で主要所見がはっきりしなかったりする場合に用いるべき読影法だと思います。もちろん、時間があるならばすべての胸部レントゲン写真で綿密読影を行うべきだと思います。

 極端な話をすると、急性疾患を疑っている場合に「えーと撮影条件は、鎖骨が第2肋間の~」などと読影していると、指導医から叱咤されるかもしれませんから。


●おわりに
 胸部CTが主流になってきたためか、胸部レントゲン写真を綿密に読影する医師は激減しました。斯く言う私もその例外ではありません。しかし、簡便ですぐに結果が得られる胸部レントゲン写真は現場に欠かすことはできません。その読影においては、患者さんに不利益を与えないことを大前提として、医師個々に合った読影スタイルを身に付けることが肝要だと思います。


by otowelt | 2013-10-25 00:21 | 呼吸器その他

フルオロキノロンを投与された糖尿病患者では重症血糖異常のリスクが増加

e0156318_1218325.jpg フルオロキノロンと血糖の話題です。

Hsu-Wen Chou, et al.
Risk of Severe Dysglycemia Among Diabetic Patients Receiving Levofloxacin, Ciprofloxacin, or Moxifloxacin in Taiwan
Clin Infect Dis. (2013) 57 (7): 971-980.


背景:
 これまでの観察研究や致死的な症例報告によって、フルオロキノロン投与と関連した重症血糖異常の安全性について議論が勃発した。この研究の目的は、異なる種類のフルオロキノロンを投与された糖尿病患者における重症血糖異常のリスクを評価することである。

方法:
 糖尿病患者のコホートを用いて2006年1月から2007年12月にかけて行われた試験である。外来で新たにレボフロキサシン、シプロフロキサシン、モキシフロキサシン、セファロスポリン、マクロライドの経口薬を処方された糖尿病患者を登録した。イベントは、抗菌薬投与開始30日以内の、血糖異常による救急外来受診あるいは入院とした。血糖の増減についてはICD-9-CMコード(処方歴)より抽出した。傾向スコアを用いて解析した。

結果:
 78433人の糖尿病患者が解析の対象となった。
 1000人あたりの高血糖の絶対リスクは、モキシフロキサシン6.9、マクロライド1.6だった。反対に、低血糖の絶対リスクはモキシフロキサシン10.0、マクロライド3.7だった。マクロライドと比較した際の高血糖の補正オッズ比と95%信頼区間は、レボフロキサシン1.75(1.12-2.73)、シプロフロキサシン1.87(1.20-2.93)、モキシフロキサシン2.48(1.50-4.12)だった。低血糖のオッズ比は、レボフロキサシン1.79(1.33-2.42)、シプロフロキサシン1.46(1.07-2.00)、モキシフロキサシン2.13(1.44-3.14)だった。
 モキシフロキサシンを投与された患者の低血糖リスクは、シプロフロキサシンを投与された患者と比較して有意に高かった。また、モキシフロキサシンにインスリンを併用された患者で、有意な低血糖リスクの増加が観察された(補正オッズ比 2.28、95%信頼区間1.22-4.24)。

結論:
 フルオロキノロンの経口薬を投与された糖尿病患者では、重症血糖異常のリスクが増加する。一方で、低血糖リスクはフルオロキノロンの種類によって異なり、モキシフロキサシンと最もよく関連がみられた。


by otowelt | 2013-10-24 00:40 | 感染症全般

牽引性気管支拡張症、蜂巣肺のひろがり、DLCO減少は膠原病関連線維性肺疾患の死亡リスク

e0156318_10245565.jpg論文が予想以上に長かったので、あまり読んでませんが。

Simon L F Walsh, et al.
Connective tissue disease related fibrotic lung disease: high resolution computed tomographic and pulmonary function indices as prognostic determinants
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2013-203843


目的:
 膠原病に関連した線維性肺疾患(CTD-FLD)の患者の死亡率を上昇させるHRCTのパターンと呼吸機能検査指数を同定すること。

方法:
 CTD-FLD患者でHRCTを撮影された168人(103人が女性、平均年齢55.9歳)が、2人の観察者によってHRCTパターンおよび牽引性気管支拡張症を評価された。UIP、fNSIP、分類不能の放射線学的な診断に割り当てられた。Cox回帰分析を用いて、死亡率の関連性が検証された。蜂巣肺および牽引性気管支拡張症スコアは二元的スコア(あり/なし)に変換されて調べられた。病理検体のある51人の患者のサブグループ解析が行われ、放射線学的な診断との整合性を観察した。

結果:
 牽引性気管支拡張症の重症度(ハザード比1.10, p=0.001, 95%信頼区間1.04 to 1.17)、蜂巣肺のひろがり(ハザード比1.08, p=0.021, 95%信頼区間1.03 to 1.13)、DLCOの減少(ハザード比0.97, p=0.013, 95%信頼区間0.95 to 0.99)は死亡リスク上昇と関連していた。観察者間一致および予後強度は、二元的な牽引性気管支拡張症スコアの方が蜂巣肺スコアよりも高かった(重み付きκ (κw)=0.69, ハザード比4.00, p=0.001, 95%信頼区間1.19 to 13.38 vs. κw=0.50, ハザード比2.87, p=0.022, 95%信頼区間1.53 to 5.43)。
  放射線学的病理学的に一致がみられたUIPよりも不一致例の方が予後が良好であった。しかしながら、fNSIPよりは予後不良であった。
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(文献より引用)

結論:
 牽引性気管支拡張症の重症度、蜂巣肺のひろがり、DLCOはCTD-FLDの死亡リスクと強く関連がみられた。牽引性気管支拡張症の観察者間一致率は蜂巣肺よりも高かった。病理学的にUIPと証明されたCTD-FLDにおいて、放射線学的診断は生存的な影響を与える。


by otowelt | 2013-10-22 00:44 | びまん性肺疾患

重症COPDの肺高血圧症に対してシルデナフィルを使用しても運動耐容能は改善しない

e0156318_6502763.jpg 二次性肺高血圧症に対するシルデナフィルの効果を検証した論文です。

Isabel Blanco, et al.
Sildenafil to improve respiratory rehabilitation outcomes in COPD: a controlled trial
Eur Respir J. 2013;42:982-992.


背景:
 肺高血圧は薬物治療が確立されていないCOPDの深刻な合併症である。この研究は肺動脈圧の上昇したCOPD患者にシルデナフィルを併用することで、呼吸リハビリテーションの結果がよりよくなるかどうかを検討したものである。

方法:
 この二重盲検ランダム化比較試験では、患者は20mgのシルデナフィルあるいはプラセボを1日3回内服し、3ヶ月間の呼吸リハビリテーションを行った。プライマリエンドポイントは自転車での持続的運動負荷試験の結果とした。セカンダリエンドポイントは漸増運動試験パフォーマンス、6分間歩行距離、QOLとした。

結果:
 中等度以上に肺動脈圧が上昇した重症COPD患者63人を登録し、ランダム化した。Cycle endurance timeはシルデナフィル群で149秒(95%信頼区間26-518秒)増加し、プラセボ群では169秒増加した(95%信頼区間0-768秒) (差の中間値は -7秒, 95%信頼区間-540–244秒; p=0.77)。この研究が終了した時点で、斬増運動試験、6分間歩行検査、生活の質について、両群間に差はなかった。動脈血液ガス分析の結果と有害事象は、両群ともほぼ同等であった。

結論:
 中等度以上に肺動脈圧が上昇した重症COPD患者では、シルデナフィルを使用しても、運動耐容能が改善するということはなかった。


by otowelt | 2013-10-21 06:38 | 気管支喘息・COPD

インターネット研修によって抗菌薬処方を減少させることができる

e0156318_10153163.jpg 詳しい「methods」が知りたかったのですが、全文が読めないのでよくわからないです。

Paul Little, et al.
Effects of internet-based training on antibiotic prescribing rates for acute respiratory-tract infections: a multinational, cluster, randomised, factorial, controlled trial
The Lancet, Volume 382, Issue 9899, Pages 1175 - 1182, 5 October 2013


背景:
 プライマリケアにおける、大量の抗菌薬処方は抗菌薬耐性を招く原因になりうる。医師と患者の教育によって処方レベルを下げることができるかもしれない。複数のヘルスケアシステムにおいてインターネットによる処方訓練法(研修)の効果を検証する。

方法:
 2010年10月から12月までの間のベースライン監査の後、ヨーロッパ6ヶ国のプライマリケア・プラクティスを、通常ケアの研修、CRP検査研修、コミュニケーションスキルを高める研修、CRPとコミュニケーションスキルの両方の研修、にそれぞれクラスターランダム化した。2011年2月から5月までの間、患者が登録された。

結果:
 ベースラインの監査は259のプラクティスで行われ、6771人のベースライン患者が登録された。うち、3742人(55.3%)が下気道感染症、1416人(20.9%)が上気道感染症であり、5355人(79.1%)に抗菌薬が処方されていた。
 ランダム化ののち、246のプラクティスが組み込まれ、4264人の新規患者が登録された。抗菌薬処方率は非CRP研修群と比較するとCRPを用いた研修では低かった(33% vs. 48%、補正リスク比0.54、95%信頼区間0.42~0.69)。またコミュニケーションスキルの研修を受けた場合、受けなかった場合と比較しても、同等の結果が得られた(36% vs. 45%、補正リスク比0.69、95%信頼区間0.54~0.87)。CRPとコミュニケーションスキルを組み合わせた研修は、最も処方率が低下した(CRP:0.53、95%信頼区間0.36~0.74、p<0.0001、コミュニケーションスキル:0.68、95%信頼区間0.50~0.89、p=0.003、両方:0.38、95%信頼区間0.25~0.55、p<0.0001)。

結論:
 インターネットによる研修によって気道感染に対する抗菌薬の処方を減らすことができる。


by otowelt | 2013-10-19 09:30 | 感染症全般