<   2014年 09月 ( 27 )   > この月の画像一覧

UCTDのUIPパターンは、NSIPパターンより予後不良だがIPFより予後良好

e0156318_2029214.jpg なんか雲をつかんでいるような、手ごたえのなさを感じます。診断学における分類の重要性は理解しているつもりですが、不確かなものをカテゴライズする行為に本能的に矛盾を感じているのかもしれません。

Ho-Cheol Kim, et al.
Interstitial Pneumonia Related to Undifferentiated Connective Tissue Disease: Pathologic Pattern and Prognosis
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.14-0272


背景:
 Undifferentiated connective tissue disease (UCTD)に伴うUIPパターンの頻度あるいは予後は不明で、特発性肺線維症(IPF)と混同されうる。この研究は、UCTDに伴う間質性肺炎におけるUIPパターンの頻度を調べ、その予後についてIPFおよびUCTD-NSIPと比較することである。

方法:
 2005年1月から2012年12月までの間、特発性間質性肺炎(IIP)と診断された788人の患者をレトロスペクティブに登録した。UCTDは、Corteらの基準によって診断した。予後はUCTD-UIPとUCTD-NSIP、UCTD-UIPとIPFを比較した。

結果:
 105人のUCTD患者(全体の13.3%)のうち、44人がUIPパターン(外科的肺生検で診断:24人、胸部HRCTで診断:20人)、29人がNSIPパターン(全例外科的肺生検で診断)、9人が器質化肺炎パターン(生検で診断)と診断された。
 UCTD-UIPの全生存期間は、UCTD-NSIP群より有意に短かった(P=0.021)が、IPF群よりは良好であった(P=0.042)。

結論:
 UCTDにおいてUIPパターンはしばしばみられ、これはUCTD-NSIPよりも予後不良であった。しかしながら、UCTD-UIPはIPFよりも予後良好であった。IPF患者において基礎にあるUCTDを検索することが重要である。


by otowelt | 2014-09-30 00:06 | びまん性肺疾患

結核性心膜炎に対するステロイドとM. indicus pranii免疫療法の有効性

e0156318_2061099.jpg いつかどこかで耳にしたことがあるような抗酸菌、Mycobacterium indicus pranii。この菌については知識ゼロで論文を読みました。複合アウトカムに関しては有効性は否定されていますが、ステロイドが心膜の炎症を軽減する効果はありそうです。

Bongani M. Mayosi, et al.
Prednisolone and Mycobacterium indicus pranii in Tuberculous Pericarditis
N Engl J Med 2014; 371:1121-1130


背景:
 抗結核治療をおこなったとしても、結核性心膜炎の死亡率は依然高い。本研究において、結核性心膜炎の患者に対する糖質コルチコイド補助療法とMycobacterium indicus pranii免疫療法の有効性を評価した。

方法:
 2×2要因試験デザインを用いて、結核性心膜炎の診断が確定あるいはほぼ確実である成人患者1400人を6週にわたるプレドニゾロンあるいはプラセボ、そして3ヶ月間に5回のM. indicus praniiあるいはプラセボ注射にランダムに割り付けた。参加者3分の2は、HIV混合感染を有していた。プライマリ効果アウトカムは死亡・心嚢穿刺を要する心タンポナーデ・収縮性心膜炎の複合とした。

結果:
 プライマリアウトカムについて、プレドニゾロン群とプラセボ群に差はみられなかった(23.8% vs. 24.5%、ハザード比0.95、95%信頼区間0.77~1.18、P=0.66)。M. indicus pranii免疫療法群とプラセボ群にも有意な差はなかった(25.0% vs. 24.3%、ハザード比1.03、95%信頼区間0.82~1.29、P=0.81)。
 プレドニゾロンはプラセボと比較して収縮性心膜炎の発生率を有意に低下させ(4.4% vs. 7.8%、ハザード比0.56、95%信頼区間0.36~0.87、P=0.009)、入院率も有意に低下させた(20.7% vs. 25.2%、ハザード比0.79、95%信頼区間0.63~0.99、P=0.04)。
 プレドニゾロンとM. indicus praniiのいずれもプラセボと比べてがんの発生率を有意に上昇させた(1.8% vs. 0.6%、ハザード比3.27、95%信頼区間1.07~10.03、P=0.03、1.8% vs. 0.5%、ハザード比3.69、95%信頼区間1.03~13.24、P=0.03)。ただし、これらはHIVに関連したがんの発生の増加と考えられる。

結論:
 結核性心膜炎の患者に対するプレドニゾロンとM. indicus pranii免疫療法のいずれも、死亡、心嚢穿刺を要する心タンポナーデ・収縮性心膜炎の複合アウトカムに対して有意な効果がみられなかった。


by otowelt | 2014-09-29 00:40 | 抗酸菌感染症

モキシフロキサシンを含む結核治療レジメン、標準治療に非劣性示さず

e0156318_16322657.jpg アベロックス®は多剤耐性結核の治療の研究が多いように思いますが、今回は感受性結核の使用についての報告です。

多剤耐性結核に対するレボフロキサシンとモキシフロキサシンの培養陰性化率は同等

Stephen H. Gillespie, et al.
Four-Month Moxifloxacin-Based Regimens for Drug-Sensitive Tuberculosis
NEJM September 7, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1407426


背景:
 先行研究や臨床前研究において、合併症のない薬剤感受性の喀痰抗酸菌塗抹検査が陽性の肺結核患者(18歳以上)に対して、モキシフロキサシンを含む4ヶ月のレジメンの有効性が示唆されている。

方法:
 われわれは、ランダム化二重盲検プラセボ対照第3相試験を実施し、モキシフロキサシンを含むレジメン2種類についてコントロールレジメンに対する非劣性を評価した。
 コントロール群はイソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、エタンブトールを8週間投与し、その後18週間イソニアジド、リファンピシンを投与した。介入群であるイソニアジド群は、コントロール群のエタンブトールの代わりにモキシフロキサシンを使用したレジメンを17週間投与し、その後プラセボを9週間投与した。もう1つの介入群であるエタンブトール群は、同様にコントロール群レジメンのイソニアジドをモキシフロキサシンに代えて17週間投与し、その後プラセボを9週間投与した(簡潔に書くと、2HREZ+4HRの6ヶ月レジメンを、2HRMZ+2HRMあるいは2REMZ+2REMの4ヶ月レジメンと比較した)。
 プライマリエンドポイントはランダム化から18ヶ月以内の治療失敗あるいは再発とした。

結果:
 1931人がランダム化された。909人が南アフリカ、376人がインド、212人がタンザニア、136人がケニア、119人がタイ、69人がマレーシア、66人がザンビア、22人が中国、22人がメキシコであった。
 per-protocol解析において、ランダム化された1931人の患者のうち、良好なアウトカムが報告されたのはイソニアジド群で85%、エタンブトール群で80%と、コントロール群の92%より低かった。コントロール群との差は、イソニアジド群が6.1ポイント(97.5%信頼区間1.7-10.5)、エタンブトール群が11.4ポイント(97.5%信頼区間6.7-16.1)だった。ITT解析、全感度解析でも結果は同様であった。
 コントロール群と比較した培養陰性までの期間に対するハザード比は、固形培地(Lowenstein–Jensen)と液体培地(MGIT)のいずれにおいても短縮していた。治療8週時点においてモキシフロキサシンの患者の方がより培養陰性化している頻度が多かったが、これについては統計学的に有意差はなかった。
 グレード3,4の有害事象の頻度には有意な差はみられなかった。

結論:
 モキシフロキサシンを含む2レジメン(INH、EBをそれぞれ変更)は、コントロール群と比較してより初期の結核菌量を減少させる。しかしながら、これらのレジメンの非劣性は示されておらず、4ヶ月の短期治療が効果的とは言えない。


by otowelt | 2014-09-27 00:39 | 抗酸菌感染症

特発性肺線維症の人種差:北海道の疫学研究から

e0156318_9301181.jpg 研究によってどうしてもバラつきがあるので、人種差を検証するのは難しい課題ですね。IPF急性増悪による死亡が多いのは韓国も同様です(Respir Med 2006; 100: 451-457.)。この論文のDiscussionにも書かれていますが、ゲフィチニブやレフルノミドによる薬剤性肺障害の頻度も日本人で多いとされており、人種の因子も関与しているのかなと感じてしまいます。
 この論文では、日本人のIPFの生存期間中央値のデータが明示されています。

Natsuizaka M, et al.
Epidemiological Survey of Japanese Patients with Idiopathic Pulmonary Fibrosis and Investigation of Ethnic Differences
Am J Respir Crit Care Med. First published online 27 Aug 2014 as DOI:10.1164/rccm.201403-0566OC


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は原因不明の予後不良の疾患である。いくつかの大規模疫学研究は、欧米諸国のものである。そのため、アジア諸国における研究は少なく、IPFの人種差についてはよくわかっていない。

目的:
 日本におけるIPFの疫学的ステータスと人種差を調べること。

方法:
 われわれは本研究において北海道(人口560万人)を日本のIPFの疫学コホートとして選択した。553人のIPF患者の診療録をレトロスペクティブに検証し、疫学的および予後解析をおこなった。登録患者のうち、62人が外科的肺生検によって診断されている。

結果:
 登録患者の平均年齢は70±9歳で、72.7%が男性、67.6%が喫煙者、4.8%が家族性であった。呼吸機能検査では40%の患者が肺活量が予測値の60%未満であった。%DLCOは全体の57%の患者で予測値の60%未満だった。
 IPFの有病率および累積罹患率は、それぞれ10万人あたり10.0人、2.23人だった。男性が72.7%であり、年齢とともに頻度が上昇していた。生存期間中央値は35ヶ月であり、40%の死亡がIPF急性増悪であった。IPFの予後に影響を与える最も重要な因子は、%肺活量だった。
e0156318_23573472.jpg
(文献より引用)
e0156318_23575494.jpg
(文献より引用)

結論:
 日本人のIPFステータスはわれわれの研究が最初のデータに分類される。われわれの結果によれば、欧米諸国に比べると日本人のIPFは、男性に多く、IPFの死亡は急性増悪によるものが多く、心血管性疾患による死亡は少なかった。これはIPFの人種差を示唆するものである。


by otowelt | 2014-09-26 00:57 | びまん性肺疾患

呼吸器疾患患者における侵襲性肺アスペルギルス症の診断パフォーマンス

e0156318_1939242.jpg ガラクトマンナン抗原とラテラルフローの感度・特異度がまあまあよいようです。β-Dグルカンは予想通りの結果です。

Juergen Prattes, et al.
Novel Tests for Diagnosis of Invasive Aspergillosis in Patients with Underlying Respiratory Diseases
Am J Respir Crit Care Med. First published online 09 Sep 2014


目的:
 侵襲性肺アスペルギルス症(IPA)は、呼吸器疾患も含め好中球の減少していない病態でも発生しうる。われわれは、呼吸器疾患のある患者の気管支肺胞洗浄液(BALF)検体を通常培養するとともに、BALFガラクトマンナン、1,3-β-Dグルカン、アスペルギルス特異的ラテラルフローの診断的パフォーマンスを調べた。

方法:
 基本的な登録患者は18歳超の呼吸器疾患患者で気管支鏡を受けた者である。呼吸器疾患のある221人の患者から得られた268のBALF検体を解析した。ただし、血液悪性腫瘍や過去に臓器移植を受けた患者は除外した。オーストラリアのGraz大学病院において2012年2月~2014年5月に実施した。IPAは 改訂版EORTC/MSG基準(Clin Infect Dis. 2008; 46: 1813-1821.)を用いた。

結果:
 診断時、ほとんどの患者が広域抗菌薬を使用していた。最も多い基礎疾患はCOPDだった。
 31人(14%)の患者がprobableあるいはproven IPAと診断され、25人がpossible IPA、残りの165人はIPAと診断されなかった。probable/proven IPAは32%と有意に30日死亡率が高かった(p=0.034)。
 感度、特異度、診断的オッズ比はガラクトマンナン(カットオフ値0.5: 0.97, 0.81, 124.4、カットオフ値1.0: 0.97, 0.93, 422.1、カットオフ値3.0: 0.61, 0.99, 109.8)、β-Dグルカン(カットオフ値80pg/ml: 0.90, 0.42, 6.57、カットオフ値200pg/ml: 0.70, 0.61, 3.7)、ラテラルフローデバイス(0.77, 0.92, 41.8)、培養(0.29, 0.97, 14)でばらつきがみられた。
e0156318_19351040.jpg
(文献より引用:非IPAと比較したproven/probable IPAの診断パフォーマンス)

 proven/probable IPAと非IPAの鑑別におけるROC-AUCは、ガラクトマンナンは0.965(95%信頼区間0.935 – 0.996)、β-Dグルカン0.752 (95%信頼区間0.662 – 0.842)であった。
e0156318_19364918.jpg
(文献より引用)

結論:
 probableあるいはproven IPAはわれわれの集団では14%にみられ、これは有意に高い30日死亡率と関連していた。β-Dグルカンのパフォーマンスは低い特異性であり、培養も感度が低かった、その一方でアスペルギルスラテラルフローデバイスはガラクトマンナンの代替として使用可能である。


by otowelt | 2014-09-25 00:54 | 感染症全般

ランダム化比較試験がその後の解析で別の結果になることがある

非常に興味深いです。

Shanil Ebrahim, et al.
Reanalyses of Randomized Clinical Trial Data
JAMA. 2014;312(10):1024-1032


概要:
 ランダム化比較試験が発表された後に再度解析が加えられ、結果が発表されたものをMEDLINEを用いて検索した。その結果、36のランダム化比較試験について37の追加解析が後に発表されていた。そのうち別の研究者によって行われた事後解析は5試験あった。
 追加の解析が元の論文と異なっていた部分で多かったのが統計・解析の部分(n=18)、アウトカムの定義や測定法に関する部分(n=12)であった。
 追加の解析のうち本来の論文と結論が変わっていた試験が13(35%)で、まったく逆の結論となっていた試験もみられた。


by otowelt | 2014-09-24 00:04 | その他

COPD急性増悪の原因微生物としてウイルスも重要

e0156318_2149438.jpg ウイルス感染で体温が高いのはわからなくもないのですが、CRPは実臨床と少し違った印象でしょうか。

Tristan W. Clark, et al.
C-reactive protein level and microbial aetiology in patients hospitalised with acute exacerbation of COPD
ERJ September 3, 2014 erj00922-2014


背景:
 ウイルスも最近もCOPD急性増悪を起こしうるとされているが、それぞれの相対的重要性はよくわかっていない。CRPは急性増悪時に上昇するが、そのetiologyについてはよくわかっていない。われわれは、血清CRPとウイルスおよび細菌の同定との関連性を調べた。

方法:
 これはCOPD急性増悪で入院した患者のプロスペクティブの観察研究である。鼻咽頭スワブのPCRで呼吸器ウイルスを調べた(インフルエンザA、B、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルス、ヒトメタニューモウイルスなど)。細菌検査では喀痰および血液培養が採取され、尿中肺炎球菌抗原が調べられた。CRPと、ウイルス・細菌・それらの混合感染に関連したその他の因子が多変量ロジスティック回帰分析によって調べられた。

結果:
 264人のCOPD急性増悪患者が登録された。26%は呼吸器ウイルスのみが同定され、13%が細菌のみが同定され、12%はそれらの混合であった。49%は病原微生物は検出されなかった。同定されたウイルスは、ピコルナウイルス、インフルエンザウイルス、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ヒトメタニューモウイルス、アデノウイルス。細菌は肺炎球菌よりもインフルエンザ桿菌の方が多かった。
 CRP値および体温はウイルス同定率と強く関連していた(それぞれp<0.001 and p = 0.004)。また、混合感染率についても有意に関連がみられた(それぞれp = 0.02 and p = 0.03)。細菌同定率はCRPや体温と関連していなかった。
e0156318_21451843.jpg
(文献より引用)

結論:
 この研究によれば、COPD急性増悪を引き起こす病原微生物として重要な役割を持つ。


by otowelt | 2014-09-22 00:13 | 気管支喘息・COPD

何となく研修医に伝えたいこと その10:医学書は衝動買いしない

e0156318_20193484.jpg 意気揚々と高い医学書を購入し、そのまま1ページも読むことなく本棚の肥やしになってしまった経験はありませんか?高い給料をもらっている人ならまだしも、研修医の方々が1万円もする太い本を購入しているのを見ると「本当に買うのかい!?」と待ったをかけたくなります。

 当然ながら、医学書は高い。医師が購入する医学書というのはだいたい相場が決まっていまして、おおよそ1ページあたり10~15円程度になっています。ただ、専門性が増すほど需要が減りますので、1ページあたり30円くらいする本もザラにあります。一方、需要(購買絶対数)が多い一般向けの小説や文庫本なんかは1ページあたり2円以下に抑えられていることが多いです。医学書の値段の後に東野圭吾のような売れっ子作家の本の値段を見ると、とてもリーズナブルに見えます。

 そのため、流行りの小説を衝動買いするのと、何となく医学書を衝動買いするのでは、ワケが違います。

 私は研修医のころ、給料の多くを医学書の購入につぎ込んでいました。今思えば、非常にもったいなかったなと思います。もちろん実臨床に役立った医学書も数多くありますが、本棚の隅にホコリをかぶって数回しか開かなかった医学書もあります。何だか、本に対して申し訳ない気分でいっぱいです。

 私は、最低でも半分以上は読めると思う医学書しか買わないようにしています。つまり、辞書的に使用する可能性が高い分厚いモノは買いません。本を執筆している身でこんなことを書いていたら出版社の人に怒られそうですが・・・。

 ちなみに知り合いやお世話になった先生の本は、全部買っています。指導医はあのときこういったことを教えたかったのかと反芻する意味もありますが、懐かしさと嬉しさが99%です。


<何となく研修医に伝えたいこと>
その1:夕方に指示を出すべからず
その2:病棟ではあまりタメ口は使うべからず
その3:患者さんの社会背景や退院後の生活を常に考えるべし
その4:1日2回は患者さんに会いに行くべし
その5:ポリファーマシーのクセをつけない
その6:研修医時代は早めに出勤した方がよい
その7:クリアカットになりすぎない
その8:「●●も否定できない」は肯定の理由にはならない
その9:処方する前に必ず添付文書をチェックするべし


by otowelt | 2014-09-20 00:22 | コラム:研修医に伝えたいこと

アネメトロ 9月26日発売

 本日、ファイザーからプレスリリースが出ています。

嫌気性菌感染症治療剤「アネメトロ®点滴静注液500mg」9月26日に新発売

 アネメトロについてはご存知の方も多いと思いますが、発売日は9月26日です。特に消化器系の先生は待ち望んでいた注射製剤でしょうか。

by otowelt | 2014-09-19 17:47 | 感染症全般

高齢COPD患者に対する新規LABA/ICS使用はLABA単独と比較して死亡・入院リスクを軽減

e0156318_946195.jpg LABA/ICSかICS/LABAかauthorによっていろいろなこだわりがありますが、個人的にはどっちでもいいです。
 COPDの重症度に基づいて前向きに検討されたものではありませんが、高齢者に対するLABA/ICSの知見に一石を投じる研究です。COPDと誤診されたケースも含まれていることをlimitationsとして挙げていますが、これもreal worldにありうることとして議論されています。 

Andrea S. Gershon,et. al.
Combination Long-Acting β-Agonists and Inhaled Corticosteroids Compared With Long-Acting β-Agonists Alone in Older Adults With Chronic Obstructive Pulmonary Disease
JAMA. 2014;312(11):1114-1121. doi:10.1001/jama.2014.11432.


背景:
 COPDは世界的に第2位の死因となっている呼吸器疾患である。どの薬剤を処方するかを知ることは、COPD患者の健康アウトカムを改善させる上でもっとも有効である。

目的:
 長期的な医学的利益を調べるために、長時間作用型β刺激薬(LABA)と吸入ステロイド薬(ICS)の併用についてLABA単独と比較した。

方法:
 この研究は、カナダのオンタリオで2003年から2011年まで実施されたコホート研究である。COPDを有する66歳以上の患者が登録された。傾向スコアマッチングの後、8712人の新規LABA/ICS吸入薬使用者、3160人の新規LABA単独吸入薬使用者が同定された(フォローアップ中央値はそれぞれ2.7年、2.5年)。
 プライマリアウトカムは、死亡およびCOPDによる入院の複合アウトカムとした。ただし、下気道感染症に伴う入院例は除外した。セカンダリアウトカムは、肺炎による入院、骨粗鬆症が原因と考えられる骨折による入院とした。

結果:
 プライマリアウトカムはLABA/ICS使用者で5594人(3174人が死亡[36.4%]、2420人がCOPDにより入院[27.8%])、LABA単独使用者の2129人(1179人が死亡[37.3%]、950人がCOPDにより入院[30.1%])に観察された。LABA/ICSの新規使用は、LABA単独の新規使用と比較して死亡あるいはCOPDによる入院のリスクをわずかながら減少させた(5年時点での複合アウトカムの差:−3.7%; 95%信頼区間−5.7% to −1.7%; ハザード比0.92; 95%信頼区間0.88-0.96)。
e0156318_21283851.jpg
(文献より引用)

 気管支喘息を合併していると診断されたCOPD患者ではこの差は大きかった(同差−6.5%; 95%信頼区間−10.3% to −2.7%; ハザード比0.84; 95%信頼区間0.77-0.91)。また、吸入長時間作用型抗コリン薬(LAMA)の吸入を受けていない患者でもこの差は大きかった(同差−8.4%; 95%信頼区間−11.9% to −4.9%; ハザード比0.79; 95%信頼区間0.73-0.86)。呼吸機能検査を受けていない患者においても差は大きく検出された(ハザード比0.87; 95%信頼区間0.81-0.93)。
e0156318_2130597.jpg
(文献より引用)

 なお、セカンダリアウトカムについて差はみられなかった。

結論:
 高齢COPD患者において、特に気管支喘息合併例やLAMA非使用者では、新規のLABA/ICS使用は新規のLABA使用と比較して、死亡あるいはCOPDによる入院の複合アウトカムを改善させた。

by otowelt | 2014-09-19 00:55 | 気管支喘息・COPD