<   2014年 11月 ( 19 )   > この月の画像一覧

レルベア®投与期間制限解除、30吸入用製剤発売

e0156318_12361493.jpg

 2014年12月1日からレルベア®エリプタの投薬期間の制限が解除されます。これに伴い、レルベア®100・200エリプタ30吸入用が発売されることになりました。

 個人的に、気管支喘息のICS/LABAの合剤において、効果・操作性・吸入回数・コンプライアンスの総合得点で第1位だと考えています。現時点でこれを上回る喘息治療の合剤はないでしょう。

 私はICS単剤を処方することの方が多いので、是非ICS単剤をエリプタで発売して欲しいものです。


by otowelt | 2014-11-29 00:27 | 気管支喘息・COPD

間質性肺疾患におけるステロイドの減量方法は?

e0156318_16214955.jpg・長期のステロイド治療を要する間質性肺疾患
 間質性肺疾患ではステロイドを長期に使用する疾患があります。その代表的なものがCOPとNSIP(特にcellular NSIP [cNSIP])です。特発性肺線維症に対してはステロイドの積極的な使用は推奨されていません。また、慢性過敏性肺炎や肺の線維化を伴うサルコイドーシスに対するステロイド治療についてはいまだ意見の一致をみません。そのため、呼吸器内科では長期のステロイド治療を要する間質性肺疾患は、COPとNSIPが代表的なものと考えられます。


・COPに対するステロイド治療
 COPに対するステロイドの初期投与量は、国際的にはプレドニゾロン0.5~1.0mg/kgと考えられています1)が、厳密なエビデンスはありません。その理由は、特発性間質性肺炎に対するステロイド治療が過去の臨床試験プロトコルを参照に使用されており、ステロイドの用量によって比較検討した大規模試験がないためです。個人的にはCOPに対しては0.5mg/kgで十分効果があることが多いと感じており、推奨下限の同投与量に設定しています。さてどのくらいこの量を続けて、どう漸減していくか。私が頻繁に利用しているUpToDateにはこのような記載があります。「初期投与量(UpToDateでは0.75~1.0mg/kgを推奨)を4~8週間維持し、もし病態が安定ないし改善しておれば、プレドニゾロンを0.5~0.75mg/kgへ漸減し4~6週間維持する。経口ステロイドを3~6か月続けた後、投与量をゼロにまで漸減していく」。ただしこれには参考文献はありません。そう、答えがないからです。このエキスパートオピニオンでは、8~14週間イコール3か月程度は初期投与量~やや漸減させた量を継続し、その後漸減するという形をとれと書いているワケです。そのため、投与期間は少なくとも5~6か月くらいになると想定されます。
e0156318_16563485.jpg

図1. COPに対するステロイド投与例(理想体重60kgとして計算)

 COPは再発する例が多く、特にステロイド漸減中の再発には要注意です。再発率はおよそ30~60%くらいと考えられています2)-4)。低栄養状態にある患者では再発が多いとされています4)。また、AFOPのような重症例や多葉がおかされたCOPは再発率が高いと考えられています5)。再発性のCOPに対するステロイド投与の期間にはエビデンスはありませんが、初回よりも長めに設定して1年近く投与することもあります。
 予後については、AFOPのように致死的なCOPもありますが、全体から見ればCOPの死亡率はほぼゼロに近いと考えます。


・NSIPに対するステロイド治療
 たとえ効果があまり期待できないfibrosing NSIPでもステロイド治療を導入することがありますが、cNSIPに対してはほとんどがステロイド治療を導入することになります6)。その投与量についてCOPと同じく国際的に確たるエビデンスがあるわけではなく、プレドニゾロン0.5~1.0mg/kgを投与し2~4週間ごとに5mgずつ減量することが多いです。印象としては、COPの方がやや長めに初期投与量を維持するレジメンになっていますね。また日本では、NSIPでは免疫抑制剤を併用することも多く、特にステロイド無効時にアザチオプリン(イムラン)を2~3mg/kg/日を併用する手法もメジャーです(最初から免疫抑制剤を併用する方法もあります)。個人的には、高用量ステロイドや免疫抑制剤によって良い恩恵が受けられた経験が多くないことと、NSIPに対する臨床的な利益がはっきりしていないことから、積極的に高用量ステロイドと免疫抑制剤を投与することはあまりありません。ステロイドを導入する場合は、やはり0.5mg/kg/日程度としています。ステロイドは漸減したのち、5~10mg/日程度を維持することも多いですが、病態が安定しておれば10~12か月後に完全に中止するというエキスパートオピニオンもあります。
e0156318_16581961.jpg
図2. NSIPに対するステロイド投与例(理想体重60kgとして計算)

 cNSIPの場合は疾患増悪によって死亡する可能性はかなり低いと考えられていますので7)、「ステロイドでコントロール」できる疾患であることを患者さんに強調してよいと思います。ただNSIP全体でみた場合、5年以内に15~20%程度は死亡するという報告もあり、個人差が大きいことには留意しておいた方がいいでしょう8)


(参考文献)
1) Bradley B, et al. Interstitial lung disease guideline: the British Thoracic Society in collaboration with the Thoracic Society of Australia and New Zealand and the Irish Thoracic Society. Thorax. 2008 Sep;63 Suppl 5:v1-58.
2) Drakopanagiotakis F, et al. Cryptogenic and secondary organizing pneumonia: clinical presentation, radiographic findings, treatment response, and prognosis. Chest. 2011 Apr;139(4):893-900.
3) Lazor R, et al. Cryptogenic organizing pneumonia. Characteristics of relapses in a series of 48 patients. The Groupe d'Etudes et de Recherche sur les Maladles "Orphelines" Pulmonaires (GERM"O"P). Am J Respir Crit Care Med. 2000 Aug;162(2 Pt 1):571-7.
4) Watanabe K, et al. Factors related to the relapse of bronchiolitis obliterans organizing pneumonia. Chest. 1998 Dec;114(6):1599-606.
5) Nishino M, et al. Clinicopathologic features associated with relapse in cryptogenic organizing pneumonia. Hum Pathol. 2014 Feb;45(2):342-51.
6) 日本呼吸器学会びまん性肺疾患診断・治療ガイドライン作成委員会. 非特異性間質性肺炎(NSIP). 特発性間質性肺炎診断と治療の手引き改訂2版. 南江堂. p74-92, 2011.
7) Travis WD, et al. Idiopathic nonspecific interstitial pneumonia: prognostic significance of cellular and fibrosing patterns: survival comparison with usual interstitial pneumonia and desquamative interstitial pneumonia. Am J Surg Pathol. 2000 Jan;24(1):19-33.
8) Park IN, et al. Clinical course and lung function change of idiopathic nonspecific interstitial pneumonia. Eur Respir J. 2009 Jan;33(1):68-76.


by otowelt | 2014-11-28 00:30 | びまん性肺疾患

アジア人のコントロール不良気管支喘息に対してレルベア®は高用量ICSより有効

e0156318_1052260.jpg アジア人の集団に対するレルベア®の報告です。早くICS単剤、LAMA単剤のエリプタ製剤を出していただきたいです。

Jiangtao Lin, et al.
Fluticasone furoate/vilanterol 200/25mcg in Asian asthma patients: A randomized trial
Respiratory Medicine, Published Online: October 31, 2014


背景:
 この研究は、吸入ステロイド薬(ICS)/長時間作用性β2刺激薬(LABA)の合剤である、フルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)/ビランテロールトリフェニル酢酸(VI)(レルベア®)の効果をアジア人の気管支喘息患者で検討したものである。

方法:
 12週間の二重盲検ダブルダミー並行群間多施設共同試験において、309人のアジア人の気管支喘息患者(12歳以上、高用量ICSあるいは中用量ICS/LABAでコントロール不良)を登録した。患者は1:1にランダムに割り付けられ、155人が1日1回のFF/V(200/25μg)、154人が1日2回のフルチカゾンプロピオン酸(FP)500μgに割り付けられた。プライマリエンドポイントは、試験期間中の夜間PEFのベースラインからの変化とした。セカンダリエンドポイントは、24時間レスキューフリー率(%)、朝のPEF、24時間無症状頻度(%)、喘息QOL質問票スコアのベースラインからの平均変化とした。同時に安全性の解析も行った。

結果:
 夜間PEFのベースラインからの変化は、補正平均差はFF/VIとFPの間で28.5 L/min (95%信頼区間20.1~36.9)で、統計学的に有意だった(p <0.001)。24時間レスキューフリー率(%)のベースラインからの変化は、補正平均差1.0%(95%信頼区間–7.3~9.2)で、統計学的な差はなかった(p = 0.821)。
 治療による有害事象はFF/VI、FPともに同等であり、重篤なものは報告されなかった。その他安全性の懸念は観察されなかった。

結論:
 アジア人の気管支喘息の患者において、FF/VIはFPと比較して夜間PEFを12週間にわたって改善させた。また両薬剤とも同等の安全性プロファイルであった。


by otowelt | 2014-11-27 00:37 | 気管支喘息・COPD

HIV感染症を有する成人への36ヶ月間イソニアジドの肝障害の頻度は5%

e0156318_2243466.jpg ボツワナの試験(The Lancet, Volume 377, Issue 9777, Pages 1588 - 1598, 7 May 2011 )では、36ヶ月のイソニアジドが有効とされていますが、現時点では9~12ヶ月以上の投与が有効であることは分かっているものの、果たして3年も投与が必要なのかどうかは研究グループによって意見が分かれています。

Zegabriel Tedla, et al.
Isoniazid-associated hepatitis in HIV-infected adults receiving thirty-six months isoniazid prophylaxis in Botswana
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.14-0215


背景:
 結核蔓延国においてHIVに感染した成人に対して、WHOは36ヶ月のイソニアジド予防治療(36IPT)を推奨している。われわれは、36IPTを用いた患者においてイソニアジドによる肝炎の頻度とリスク因子を調べた。

方法:
 ボツワナで実施されたランダム化比較試験において1006人のHIV感染成人が36IPTを受けた。黄疸やトランスアミナーゼが正常上限の2.5倍を超えて上昇している患者は登録から除外した。ARTを受けている場合はCD4陽性リンパ球数が200未満、それ以外はCD4陽性リンパ球数を問わず登録した。重症肝炎(正常上限の5倍を超えるトランスアミナーゼ上昇)がみられた場合、36IPTは中止した。しかし、中等度の障害であれば容認した(2.5~5倍)。

結果:
 1006人中19人(1.9%)が重症肝炎を起こした。3人が黄疸を呈し、2人が肝性脳症に陥った。また31人(3.1%)が中等度の肝炎を起こした。肝炎を起こした50人のうち20人は、ベースラインのARTとは関連していなかった(ハザード比1.49、95%信頼区間0.20-11.1, P=0.70)。

結論:
 36IPTを受けたHIV感染症の成人患者は、過去に報告されているほど肝炎や肝性脳症を起こすわけではなさそうだ。ARTを受けていない患者と比較しても、ARTによってそのリスクが上昇するわけでもなかった。


by otowelt | 2014-11-26 00:18 | 抗酸菌感染症

青年期において運動誘発性気管支攣縮は2割近くに観察される

e0156318_10214396.jpg  これまでの研究ではEIBは10%くらいの頻度だろうと考えられているため(Pediatr Pulmonol 2005;39:301–5.、J Pediatr 2002;141:343–8.、Eur Respir J 1996;9:2094–8.、Allergy2006;61:454–60.)、この研究ではかなり多いなという印象です。

Henrik Johansson, et al.
Prevalence of exercise-induced bronchoconstriction and exercise-induced laryngeal obstruction in a general adolescent population
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2014-205738


背景:
 運動誘発性の呼吸器症状は、青年期によくみられる。運動は、運動誘発性気管支攣縮(EIB)や運動誘発性喉頭閉塞(EILO)のように一時的に気道を収縮させる刺激因子として知られている。われわれのもく亭kは、EIBやEILOの頻度を一般的な集団で調査することである。

方法:
 このクロスセクショナルスタディにおいて、運動誘発性の呼吸困難感に対するアンケートが1997年から1998年の間スウェーデンで実施された(3838人参加)。ランダムサブサンプルの146人(99人が運動誘発性呼吸困難感を自己申告、47人が症状なし)に対して標準化トレッドミル運動負荷試験が実施された。EIBに対する運動試験は、乾燥した空気を吸入しつつ実施された。検査陽性所見は、1秒量がベースラインから10%以上減少することとした。EILOは持続的に運動中喉頭鏡を観察することで判断された。

結果:
 全体を通してEIBとEILOの頻度は、19.2%、5.7%だった。性差は観察されなかった。労作時に呼吸困難感を訴えた青年では、39.8%がEIB、6%がEILO、4.8%が両方を有していた。呼吸困難感を訴えたにもかかわらずEIB・EILOの双方を有さなかったのは、女性よりも男性に多かった(64.7% vs 38.8%; p=0.026)。EIBやEILOの試験が陽性だったか否かによって、参加者の間のBMI、呼吸機能検査、喘息の診断・治療などに差はみられなかった。
e0156318_102105.jpg
(文献より引用)
e0156318_10222947.jpg
(文献より引用)
e0156318_1028926.jpg
(文献より引用)

結論:
 EIBもEILOも運動誘発性呼吸困難感の原因としてよくみられるものである。EILOは男女ともに同等の頻度であり、EIBに合併することがある。


by otowelt | 2014-11-25 00:02 | 気管支喘息・COPD

ROS1陽性の非小細胞肺癌に対するクリゾチニブの有効性

e0156318_21153247.jpg in vitroでもROS1の方が効果的とされているので、ALKよりもROS1に対しての効果の方が期待できるかもしれませんね。

Alice T. Shaw, et al.
Crizotinib in ROS1-Rearranged Non–Small-Cell Lung Cancer
N Engl J Med 2014; 371:1963-1971


背景:
 非小細胞肺癌(NSCLC)には、ROS1遺伝子受容体チロシンキナーゼをコードする遺伝子(ROS1)の再構成によって定義される特異的な分子サブグループがあり、これによる肺癌にはROS1キナーゼ阻害薬に感受性があるかもしれない。クリゾチニブは、ALK、ROS1などの遺伝子受容体チロシンキナーゼであるMETに対する低分子チロシンキナーゼ阻害薬である。

方法:
 クリゾチニブの第1相試験コホートにおいて、検査でROS1の再構成が観察された進行NSCLC患者50人を登録。登録患者に対してクリゾチニブ250mgを1日2回投与し、その安全性、薬物動態、効果を評価した。次世代シーケンシングやRT-PCRによってROS1融合パートナーを同定。

結果:
 CR3人、PR33人、客観的奏効率72%(95%信頼区間58~84)だった。奏効期間の中央値は17.6ヶ月(95%信頼区間14.5~未達)だった。PFS中央値は19.2ヶ月(95%信頼区間14.4~未達)。ROS1融合パートナーは30検体で7種類同定され、そのうち5種類は既知のものであり、2種類は新しい遺伝子だった。ROS1再構成の型とクリゾチニブの効果に相関はなかった。クリゾチニブの安全性プロファイルは、過去に報告されているものと同等であった。

結論:
 この試験において、ROS1再構成の進行NSCLC患者におけるクリゾチニブの抗腫瘍効果が観察された。


by otowelt | 2014-11-24 00:54 | 肺癌・その他腫瘍

出版のお知らせ:本当にあった医学論文

 「本当にあった医学論文」を中外医学社から出版します。こんなことを書いたら出版社から怒られそうな気がしますが、完全にオバカな読み物です。筆者の人格が疑われる懸念があるので、ちょっぴり真面目な内容も入れています。

e0156318_149144.jpg

発売日:2014年11月26日
単行本 : 150ページ
価格 : 2,300円 (税別)
出版社 : 中外医学社
著者 : 倉原 優 (国立病院機構近畿中央胸部疾患センター内科)

e0156318_13141310.jpgAmazonから予約/購入する (入荷がやや遅いかも)

e0156318_13141310.jpg中外医学社から購入する

 「ふーん、あっそう。」

 妻に感想を聞いたときに、こう言われたテーマばかりを厳選しましたので、多くの読者が「あっそう」と思ってくださることと期待しています。マンガで勉強する医学書もあるくらいですから、こういう本で医学論文の興味の扉を開く本があってもいいと思うんです。

 こんなトンデモ企画を実現してくださった中外医学社の岩松宏典様に心より感謝申し上げます。外科的なアドバイスに協力してくれた友人である大和徳洲会病院の大西貴久くん、ありがとう。そして、色々アイディアを出してくれた妻と子どもたちに感謝します。

 数日だけブログをお休みします。今後ともよろしくお願いします。


by otowelt | 2014-11-19 00:54 | その他

慢性サルコイドーシスに対するウステキヌマブ・ゴリムマブはプラセボと比べて効果が乏しい

e0156318_11333269.jpg ステラーラ®は乾癬に、シンポニー®は関節リウマチに保険が通っています。

Marc A. Judson, et al.
Safety and efficacy of ustekinumab or golimumab in patients with chronic sarcoidosis
ERJ November 1, 2014 vol. 44 no. 5 1296-1307


背景:
 サルコイドーシスは、インターロイキン12やTNF-αなどの前炎症性サイトカインを分泌する非乾酪性肉芽腫によって特徴づけられる原因不明の全身性の肉芽腫性疾患である。75%の患者で肺に病変がみられ、後遺症を残すことなく多くの患者が寛解するが、およそ30%は慢性サルコイドーシスとなる。ウステキヌマブ(ステラーラ®)およびゴリムマブ(シンポニー®)は、それぞれインターロキン12p40およびTNF-αに作用するヒトモノクローナル抗体であり、慢性期の徴候や症状を軽減させる可能性が期待されている。

方法:
 ステロイドなどの薬物治療をおこなっても症状が持続する慢性肺サルコイドーシス患者132人、慢性皮膚サルコイドーシス患者58人を本試験に登録した。これらの患者を、ウステキヌマブあるいはゴリムマブあるいはプラセボにランダムに割り付けた。登録された患者はステロイドを16~28週間の間で漸減していくよう規定された。プライマリエンドポントは%予測努力性肺活量の変化、6分間歩行距離、St George’s Respiratory Questionnaire (SGRQ)、28週時のSkin Physician Global Assessment (SPGA) 反応性がみられた患者割合とした。

結果:
 16週時で、統計学的に有意ではないがベースラインからの%予測努力性肺活量の差が観察された:ウステキヌマブ(−0.15, p=0.13)、ゴリムマブ(1.15, p=0.54)、プラセボ(2.02)。
e0156318_15502052.jpg
(文献より引用)

 28週時にも、統計学的に有意差はみられなかった。SPGA反応性はゴリムマブ治療によってプラセボより多くみられた(53% vs 30%)。両治療群ともにプラセボよりステロイド漸減量が多く達成できた。
e0156318_15512993.jpg
(文献より引用)

 28週を通して、有害事象に3群間差はみられなかった。

結論:
 ウステキヌマブおよびゴリムマブは忍容性があるが、いずれも本試験では肺サルコイドーシスに効果はみられなかった。しかしながら、ゴリムマブはある程度皮膚サルコイドーシスに効果がある可能性が示唆された。


by otowelt | 2014-11-18 00:46 | サルコイドーシス

肉芽腫性肺疾患で壊死性のものは感染性のことが多い

e0156318_1534083.jpg 日本ではコクシジオイデスが多いということはないですが、参考になります。

Alia Nazarullah, et al.
Incidence and aetiologies of pulmonary granulomatous inflammation: A decade of experience
Respirology, Article first published online: 29 OCT 2014, DOI: 10.1111/resp.12410


背景および目的:
 肉芽腫性肺疾患(GLD)はさまざまな原因によって引き起こされる。病因を同定するためには、しばしば病理学的所見を臨床所見・微生物学的所見・放射線学的データと照らし合わせる必要がある。この研究の目的はGLDの異なる病因を同定することである。

方法:
 1999年から2011年までの間、2228人の肺生検検体のうち、226人(10.1%)がGLD陽性であった。190人の患者をレトロスペクティブにレビューし、病理学的・臨床的・微生物学的な相関に基づいて診断した。

結果:
 全体のうち確定診断は68.4%、疑い診断は13.2%、診断不明は18.4%であった。感染性疾患が54.7%、非感染性疾患が26.8%であった(18.4%が不明)。抗酸菌感染症は27%にみられ、そのうち、非結核性抗酸菌、結核性抗酸菌、未分類抗酸菌の順に多かった。生検検体でAFBは29%が陽性で、73%で培養陽性であった。真菌感染症は27%にみられ、コクシジオイデス、クリプトコッカス、アスペルギルス、ヒストプラズマの順に多かった。生検検体でゴモリ・メテナミン銀染色(GMS)は83%が陽性、52%で培養陽性であった。サルコイドーシスは非感染性の病因としてよくみられ、21%にのぼった。壊死性の肉芽腫は感染の存在と関連していた(P < 0.001)。
e0156318_15282818.jpg
(文献より引用)

結論:
 AFB・GMS陰性の壊死性肉芽腫がみられた場合、非結核性抗酸菌による感染症が最も考えやすい。コクシジオイデス症はもっともよくみられる真菌感染症である。非壊死性GLDは、非感染性のものが多く、おそらくはサルコイドーシスと考えてよい。


by otowelt | 2014-11-17 00:13 | 呼吸器その他

妊娠喘息に対する全身性ステロイドの使用

e0156318_1353377.jpg 妊娠喘息に対する全身性ステロイドの使用は、胎児を守るためにも重要な選択肢と考えます。産婦人科と呼吸器内科がしっかりタッグを組んでやっている病院もあります。

Kohei Hasegawa, et al.
Improved Management of Acute Asthma among Pregnant Women Presenting to the Emergency Department
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.14-1874


概要:
 1996年から2001年までおよび2011年から2012年までの2期間において救急部を気管支喘息発作で受診した多施設共同観察研究のデータを統合した。この中から18~44歳の妊婦患者を同定した。プライマリアウトカムは、全身性ステロイドの使用とした。
 4895人の喘息発作の患者のうち、125人が妊婦であった。2期間を通して、患者背景、喘息発作の重症度、ピークフロー値には差はみられなかった。しかしながら、救急部における全身性ステロイドの使用は有意に継時的に増加していた(51%→78%)(オッズ比3.11; 95%信頼区間1.27-7.60; P=0.01)。また退院時の全身性ステロイド使用も増加していた(42%→63%)(オッズ比2.49; 95%信頼区間0.97-6.37; P=0.054)。補正を行うと、近年の妊婦はより救急部において全身性ステロイドを受けている頻度が高かった(オッズ比4.76; 95%信頼区間 1.63-13.9; P=0.004)。また、退院時でも同様であった(オッズ比3.18; 95%信頼区間1.05-9.61; P=0.04)。
 この研究によれば、妊娠喘息に対する全身性ステロイドの使用頻度は増えているが、それでも使用されていない妊婦がおり、さらなる改善が望まれる。


by otowelt | 2014-11-14 00:17 | 気管支喘息・COPD