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閉塞性睡眠時無呼吸は職業性外傷を起こしやすい?

e0156318_23181522.jpg Letterです。補正すると有意差消失とのこと。Abstractには結論が書いていませんでした。

A J Hirsch Allen, et al.
Obstructive sleep apnoea and frequency of occupational injury
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207994


背景:
 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)のある患者が職業性傷害(OI)のリスクを増加させるかどうか調べた。

方法:
 ブリティッシュコロンビア大学病院睡眠検査科でOSAを疑われた患者を登録(2003年5月から2011年7月)、その患者らのOIのタイプを記録した(少なくとも1日休業を余儀なくされたケース)。OI記録はポリソムノグラフィ実施5年前までさかのぼった。

結果:
 結果、OSAの無い患者と比べるとOSA患者はOIをきたすリスクがおよそ2倍高かった(オッズ比1.93, 95%信頼区間1.06 to 3.50, p=0.03)。交絡因子(性別、BMI、アルコール摂取、作業業種)の補正後はその関連性はなくなった(オッズ比1.76, 95%信頼区間0.86 to 3.59, p=0.12)。二次解析では、OSA患者はOSAの無い患者と比べると注意散漫による外傷をきたすリスクがおよそ3倍高かったが(オッズ比2.88, 95%信頼区間1.02 to 8.08, p=0.05)、交絡因子補正後はやはりその関連性がなくなった(オッズ比2.42, 95%信頼区間)。

注意散漫による外傷:「These vigilance related injuriesincluded falls, contact with heat or electricity,motor vehicle crashes and injuriesrelated to slipping/tripping.」


by otowelt | 2016-04-29 00:41 | 呼吸器その他

人工呼吸器を要する結核患者は、市中肺炎患者よりも死亡率が高い

e0156318_1641291.jpg 人工呼吸器を装着した結核患者さんは数えるくらいしか診たことがありませんが、やはり全例死亡しています。ベースラインの免疫状態もさることながら、市中肺炎のように侵された肺組織の機能が戻りにくいためだと思います。重症の結核は、何年後も何十年後もその陰影を強く残しています。

Kim S, et al.
Mortality and predictors in pulmonary tuberculosis with respiratory failure requiring mechanical ventilation.
Int J Tuberc Lung Dis. 2016 Apr;20(4):524-9.


目的:
 肺結核による呼吸不全で人工呼吸器を受けた患者の、重症化予測因子と死亡率を調べること。

デザイン:
 市中肺炎で人工呼吸器を要した患者と、結核で人工呼吸器を要した患者をレトロスペクティブに比較。

結果:
 院内死亡率は、両群で有意な差がみられた。結核群95.1%、市中肺炎群62.7%(P < 0.001)。結核患者は30日死亡率が高かったが(P = 0.040)、SOFAスコア中央値(7.0 vs. 6.0, P = 0.842)および平均APACHE IIスコア(20.0 ± 6.7 vs. 21.2 ± 6.7, P = 0.379)に群間差はなかった。結核患者はより肺病変が広範囲で(オッズ比1.307, 95%信頼区間1.042-1.641, P = 0.021)、血清アルブミン値が低く(オッズ比0.073, 95%信頼区間0.016-0.335, P = 0.001)、CRPが低く(オッズ比0.324, 95%信頼区間0.146-0.716, P = 0.005)、CURB-65スコアが低かった(オッズ比0.916, 95%信頼区間0.844-0.995, P = 0.037)。

結論:
 市中肺炎患者と比べて、結核患者はSOFAおよびAPACHE IIスコアは同等だったが死亡率が高かった。高い死亡率は重症度とは関連していなかったが、肺病変の破壊性進行と関連していることが示唆された。


by otowelt | 2016-04-28 00:36 | 抗酸菌感染症

IPFに対する制酸剤治療は無効

e0156318_9301181.jpg 感染症のリスクを増加させる可能性については、軽視できませんね。 

Kreuter M, et al.
Antacid therapy and disease outcomes in idiopathic pulmonary fibrosis: a pooled analysis.
Lancet Respir Med. 2016 Mar 31. pii: S2213-2600(16)00067-9.


背景:
 GERDは特発性肺線維症(IPF)の潜在的リスク因子とされている。われわれは、IPFに対するピルフェニドンの臨床試験でプラセボに割り付けられた患者において、制酸剤治療が疾患進行に影響を与えるかどうか調べた。

方法:
 CAPACITY004試験、006試験、ASCEND試験でプラセボ群に割り付けられたIPF患者が事後解析に組み込まれた。われわれは、ベースラインで制酸剤治療を受けていた患者がその肺機能、運動耐容能、生存、入院、有害事象に影響を与えるか調べた。プライマリエンドポイントは、1年後の疾患進行(努力性肺活量の10%以上の減少、6分間歩行距離の50m以上の減少、死亡)とした。

結果:
 624人の患者のうち、291人(47%)が制酸剤治療を受けていた。52週時点で、制酸剤治療を受けている群と受けてない群で疾患進行に有意差はみられなかった(制酸剤治療群:114 [39%]vs 非治療群:141 [42%], p=0.4844)。全死因死亡、IPF関連死亡率、努力性肺活量10%以上の減少、努力性肺活量の平均変化量についても両群に差はみられなかった。入院率は制酸剤治療群の方が有意ではないがやや多い傾向がみられた(65人[22%] vs 54人[16%]; p=0.0522)。ベースラインの努力性肺活量(70%カットオフ)で層別化しても、疾患進行、死亡率、努力性肺活量、6分間歩行距離、入院は両群に差はみられなかった。有害事象は両群とも同等であったが、全体の感染症、肺感染症は制酸剤治療を受けている進行期IPF患者(たとえば努力性肺活量70%未満)に多くみられた。

結論:
 IPF患者に対する制酸剤治療はアウトカムを改善させないだけでなく、潜在的に進行期患者の感染症リスク上昇と関連している。


by otowelt | 2016-04-27 00:11 | びまん性肺疾患

コントロール不良の喘息に対するレスリズマブは肺機能を改善

e0156318_8565074.jpg 抗IL-5モノクローナル抗体は、2種類あります。グラクソ・スミスクライン社のメポリズマブ(ヌーカラ®)、テバ社のレスリズマブです。日本では現状ヌーカラ®だけ覚えておけばよいです。
 
Bjermer L, et al.
Reslizumab for Inadequately Controlled Asthma with Elevated Blood Eosinophil Levels: a Randomized Phase 3 Study.
Chest. 2016 Apr 4. pii: S0012-3692(16)47551-3.


背景:
 これは、レスリズマブ(抗IL-5モノクローナル抗体)を、中用量ICSを使用しているにもかかわらず不適切にコントロールされた12~75歳の喘息患者(好酸球数400/μL以上)に用いることの効果と安全性を調べた第3相試験である。

方法:
 患者はランダムにレスリズマブ0.3mg/kgあるいは3.0mg/kgあるいはプラセボを投与する群に割り付けられた。プライマリエンドポントは16週間時点での気管支拡張薬投与前1秒量のベースラインからの変化量とした。セカンダリエンドポイントは、努力性肺活量、FEF25-75%、患者申告喘息症状、SABA使用、血中好酸球数、安全性とした。

結果:
 レスリズマブは有意に1秒量を改善した(プラセボとの差:0.3mg/kg群115mL[95%信頼区間16-215; P= .0237]、3.0mg/kg:160mL[95%信頼区間60-259; P= .0018])。レスリズマブ3.0mg/kg群では臨床的に意義のある努力性肺活量増加(130mL)およびFEF25-75%(233mL/秒)が観察された。レスリズマブはACQおよびAQLQをプラセボより改善させた。Asthma Symptom Utility Index、SABA使用についてもレスリズマブ群で改善した。有害事象は喘息増悪、頭痛、鼻咽頭炎だったが、ほとんどが軽症~中等症だった。

結論:
 レスリズマブは、不適切にコントロールされた喘息患者において肺機能、喘息コントロール、喘息症状、QOLを改善させ、忍容性も問題なかった。レスリズマブ3.0mg/kg用量は喘息アウトカムを0.3mg/kg用量よりも改善し、安全性も同等であった。


by otowelt | 2016-04-26 00:39 | 気管支喘息・COPD

BRAF-V600E変異陽性非小細胞肺癌に対するダブラフェニブの有効性

e0156318_9144269.jpg 非小細胞肺癌に対するダブラフェニブの論文です。ダブラフェニブ(タフィンラー)はBRAF V600E/K変異を有する悪性黒色腫の治療の際に、MEK阻害薬トラメチニブ(メキニスト)と併用されます。

Planchard D, et al.
Dabrafenib in patients with BRAFV600E-positive advanced non-small-cell lung cancer: a single-arm, multicentre, open-label, phase 2 trial.
Lancet Oncol. 2016 Apr 11. pii: S1470-2045(16)00077-2. doi: 10.1016/S1470-2045(16)00077-2. [Epub ahead of print]


背景:
 活性化BRAFV600E(Val600Glu)変異は肺腺がんの1~2%にみられ、これらの患者に対して当該標的治療が有効かもしれない。ダブラフェニブは経口選択的BRAFキナーゼ阻害薬である。われわれは、BRAFV600E陽性の進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対するダブラフェニブの臨床的活性を調べた。

方法:
 これは多施設共同非ランダム化オープンラベル第2相試験であり、治療歴の有無を問わず病期IVのBRAFV600E陽性NSCLC患者を登録した。患者はダブラフェニブ150mg1日2回の投与を受けた。プライマリエンドポイントは、1回でも試験薬を投与された患者の奏効率とした。安全性はこの集団で解析をおこなった。研究そのものは現在も進行しているが、この2相試験コホートの患者は組み込まれていない。

結果:
 2011年8月3日から2014年2月25日までの間、84人の患者が登録され、そのうち6人がNSCLCの治療を過去に受けたことがなかった。治療歴のある78人のうち26人の奏効率は33%(95%信頼区間23-45%)、過去に治療を受けたことが無い6人のうち4人が客観的奏効が得られた。1人はダブラフェニブによる脳出血によって死亡した。もともよくみられたGrade3以上の有害事象は皮膚扁平上皮がん(12%)、無力症(5%)、基底細胞癌(5%)だった。

結論:
 ダブラフェニブはBRAFV600E陽性NSCLC患者に臨床的活性を持つ。ダブラフェニブは限定的な治療法しかない当該集団において治療オプションとなりうる。


by otowelt | 2016-04-25 00:47 | 肺癌・その他腫瘍

在宅酸素療法中のCOPD患者にネーザルハイフローを用いることで経皮的二酸化炭素分圧、呼吸数が減少

e0156318_8463897.jpg リサーチレターです。

Fraser JF, et al.
Nasal high flow oxygen therapy in patients with COPD reduces respiratory rate and tissue carbon dioxide while increasing tidal and end-expiratory lung volumes: a randomised crossover trial.
Thorax. 2016 Mar 25. pii: thoraxjnl-2015-207962. doi: 10.1136/thoraxjnl-2015-207962.


背景: 
 1日15時間以上の長期酸素療法(LTOT)はCOPD患者のアウトカムを改善させる。寒気を吸入することで粘液線毛クリアランスに害が及ぶとされており、ハイフロー鼻腔酸素療法(NHF)は急性増悪の頻度を減らし、肺機能やQOLを改善するかもしれない。

方法:
 このランダム化クロスオ-バー試験で、30人のLTOTを受けている男性患者におけるNHF治療の短期的な生理学的反応をアセスメントした。LTOTは鼻カニューラで2~4L/分、NHFはAIRVO+Optiflowで30L/分とした。

結果:
 LTOTと比較してNHFでは、経皮的二酸化炭素分圧(TcCO2)(43.3 vs 46.7 mm Hg, p<0.001),経皮的酸素分圧(TcO2) (97.1 vs 101.2 mm Hg, p=0.01), I:E比(0.75 vs 0.86, p=0.02)、呼吸数(15.4 vs 19.2 bpm, p<0.001)が低下した。また、1回換気量(Vt) (0.50 vs 0.40, p=0.003)、呼気終末肺気量(EELV) (174% vs 113%, p<0.001:ベースラインからの相対的変化Δ%) は上昇した。主観的な呼吸困難感やインターフェイスに関してはLTOT群の方が良好であると回答された。

結論:
 LTOTを比較して、NHFはTcCO2、I:E比、呼吸数を減少させ、EELV, Vtを上昇させた。これは、酸素に依存した患者におけるNHFの長期的治療がアウトカムを改善させる生理学的な根拠になる可能性がある。


by otowelt | 2016-04-23 00:34 | 気管支喘息・COPD

システマティックレビュー:非小細胞肺癌に対する維持療法

e0156318_8124310.jpg タルセバを含めた維持療法についてもさかんに議論されています。

Kulkarni S, et al.
The Use of Systemic Treatment in the Maintenance of Patients with Non-small Cell Lung Cancer: A Systematic Review.
J Thorac Oncol. 2016 Mar 21. pii: S1556-0864(16)30017-X. doi: 10.1016/j.jtho.2016.03.007.


背景:
 非小細胞肺がん(NSCLC)はしばしば進行期に診断され、治療オプションが限られているのが現状である。維持療法は病勢進行までの期間を延長させる効果があり、潜在的には全生存期間をも延長する。また、病勢進行があったときに二次治療にすすむことができる患者の割合も増加させることができる。このシステマティックレビューの目的は、NSCLC患者の維持療法としての全身治療の有用性を調べることである。

方法:
 MEDLINE, EMBASE, Cochrane Libraryを用いて、病期IIIBあるいはIVの最低4コースのプラチベースの化学療法を実施したNSCLC患者において、維持療法を他の全身治療あるいはプラセボと比較した第III相ランダム化比較試験を抽出した。当該研究に対してメタアナリシスを実施した。

結果:
 14のランダム化比較試験が登録された。全生存期間に対する利益は、非扁平上皮NSCLCに対するペメトレキセド維持療法で最も強く観察された(ハザード比0.74; 95%信頼区間 0.64 to 0.86)。しかし、扁平上皮NSCLC患者にはこの利益は観察されなかった。EGFR-TKIによる全生存期間への利益も観察されたが、ペメトレキセドほどの効果はなかった(ハザード比0.84; 95%信頼区間0.75 to 0.94)。ドセタキセルあるいはゲムシタビン維持療法は、全生存期間に対する影響はなかった。

結論:
 4~6コースのプラチナベース化学療法を受けて進行がみられなかった進行期IIIB/IV期NSCLCにおいて、ペメトレキセド維持療法による全生存期間の効果が最も強く、EGFR-TKIがそれに次ぐ。


by otowelt | 2016-04-22 00:18 | 肺癌・その他腫瘍

IPFに対するII型肺胞上皮細胞の気管内移植

e0156318_9301181.jpg IPFの治療法としてはかなり画期的なアイディアだと思います。

Serrano-Mollar A, et al.
Safety and Tolerability of Alveolar Type II Cell Transplantation in Idiopathic Pulmonary Fibrosis.
Chest. 2016 Mar 25. pii: S0012-3692(16)45721-1.


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は限られた治療法しかない進行性の地誌的疾患である。II型肺胞上皮細胞(ATII)は、成人の肺の起源となる細胞であり、肺傷害の状況で肺胞修復の役割を担う。しかしながら、IPFではATIIは死滅しており、線維芽細胞や筋線維芽細胞に置き換えられている。過去の臨床前研究において、われわれはATIIの気管内移植によって肺の線維化を軽減することを示した。この研究の目的は、IPFに対するATIIの気管内移植の安全性と忍容性を調べたものである。

方法:
 気管支鏡下に気管内ATII移植を実施された、中等症で進行期にあるIPF患者16人を登録した。ATII移植の安全性と忍容性(12ヶ月以内の有害事象)を調べた。さらに、肺機能、呼吸器症状、12ヶ月フォローアップによる疾患進行についても調べた。

結果:
 ATII気管内移植による有害事象は有意に認められなかった。フォローアップから12ヶ月後、肺機能、呼吸器症状、疾患進行について有意な悪化はみられなかった。

結論:
 ATII気管内移植はIPF患者において安全かつ忍容性がある。これにより、IPF治療としてのATII療法の潜在的効果を検証する臨床試験を計画する妥当性が示された。


by otowelt | 2016-04-21 00:03 | びまん性肺疾患

コントロール不良の喘息患者は寒波による呼吸器症状増悪が多い

e0156318_100187.jpg 寒波と喘息の関連についての報告です。

Hyrkäs H, et al.
Asthma control and cold weather-related respiratory symptoms.
Respir Med. 2016 Apr;113:1-7.


背景:
 北半球に住む人々は寒気に幾度となくさらされ、喘息患者はより強い呼吸器症状を経験する。われわれは、喘息コントロール不良の患者はより寒波による呼吸器症状の悪化を経験しやすいのではないかと仮説を立てた。

方法:
 1995年の北フィンランド成人喘息患者に対する集団ベースの横断的研究(回答率40.4%)により、寒波が呼吸器症状・喘息症状を悪化させるかどうか尋ねたアンケート(喘息コントロールテスト[ACT])データが得られた。

結果:
 寒波による呼吸器症状は、コントロール不良の喘息患者で頻繁にみられた。補正有病率比は以下の通り:息切れ(男性1.47, 95%信頼区間1.22-1.77; 女性1.18,95%信頼区間1.07-1.30), 咳嗽(男性1.10,95%信頼区間0.91-1.34; 女性1.18, 95%信頼区間1.08-1.30), 喘鳴(男性1.91,95%信頼区間1.31-2.78; 女性1.48, 95%信頼区間1.17-1.87), 喀痰(男性1.51, 95%信頼区間1.06-2.14; 女性1.62, 95%信頼区間1.27-2.08)、胸痛(男性4.47, 95%信頼区間1.89-10.56; 女性2.60, 95%信頼区間1.64-4.12)。喘息コントロールと症状発現は特に喫煙者で顕著にみられた。

結論:
 喘息コントロール不良患者は、寒波による呼吸器症状増悪を経験しやすいことがわかった。


by otowelt | 2016-04-20 00:48 | 気管支喘息・COPD

LUX-Lung7試験:EGFR陽性IIIB/IV期非小細胞肺癌に対するアファチニブとゲフィチニブの比較

e0156318_8124310.jpg 言わずと知れたLUX-Lung7試験です。commonなEGFR遺伝子変異であれば、とりあえずアファチニブという帰結は短絡的だと思います。L858R陽性の場合、アファチニブかゲフィチニブのどちらを使うのか、悩ましいです。データの豊富さという観点では、ゲフィチニブの方がまだ安心できるかなというイメージですがいかがでしょう。またアファチニブによる恩恵が、ある程度の期間を経ないと顕在化しないということは、それまでアファチニブを続けなければならないということでもあり、これも一つの課題と言えるでしょう。

Park K, et al.
Afatinib versus gefitinib as first-line treatment of patients with EGFR mutation-positive non-small-cell lung cancer (LUX-Lung 7): a phase 2B, open-label, randomised controlled trial.
Lancet Oncol. 2016 Apr 12. pii: S1470-2045(16)30033-X.


背景:
 不可逆的ErbBファミリー阻害薬であるアファチニブおよび可逆性EGFR-TKIであるゲフィチニブは、EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)のファーストライン治療として承認されている。われわれは、この効果と安全性を比較した。

方法:
 この多施設共同国際オープンラベル第2B相ランダム化比較試験(LUX-Lung7試験)は、13か国64施設で実施された。対象はIIIB/IV期NSCLCで、腫瘍組織にDel19またはL858Rが確認された治療歴のない患者である。患者はアファチニブ40mgを1日1回投与する群(アファチニブ群)、またはゲフィチニブ250mgを1日1回投与する群(ゲフィチニブ群)に、1:1でランダムに割り付けられた。EGFR遺伝子変異型、脳転移の有無によって層別化された。複合プライマリエンドポイントは、無増悪生存期間(PFS)、治療成功期間(TTF)とした。有効性解析はITT集団で行われ、安全性解析は少なくとも試験薬を1回内服した患者で行われた。

結果:
 2011年12月13日から2013年8月8日までの間、319人の患者がランダムにアファチニブおよびゲフィチニブに割り付けられた。フォローアップ期間中央値は27.3ヶ月(IQR 15.3-33.9)。PFS中央値は、アファチニブ群11.0ヶ月、ゲフィチニブ群10.9ヶ月だった(ハザード比0.73、95%信頼区間0.57-0.95、p=0.017)。また、TTF中央値は、アファチニブ群13.7ヶ月、ゲフィチニブ群11.5ヶ月だった(ハザード比0.73、95%信頼区間0.58-0.92、p=0.0073)。よくみられたGrade3あるいは4の有害事象は、下痢(アファチニブ群20%、ゲフィチニブ群1%)、皮疹・ざ瘡(アファチニブ群9%、ゲフィチニブ群3%)、肝機能障害(アファチニブ群0%、ゲフィチニブ群9%)であった。
 L858Rを有する患者では、PFSおよび奏効率はDel19と同様に改善(PFS有意差なし、Del19:ハザード比0.76、95%信頼区間0.55-1.06、L858R:ハザード比0.71、95%信頼区間0.47-1.06)。

結論:
 アファチニブは治療歴のないEGFR陽性NSCLCに対してゲフィチニブよりもアウトカムを有意に改善させる。


by otowelt | 2016-04-19 00:11