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肺癌患者の咳嗽治療のCHESTガイドライン

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 CHESTの、細分化された咳嗽ガイドラインの1つです。

Alex Molassiotis, et al.
Symptomatic Treatment of Cough Among Adult Patients With Lung Cancer: CHEST Guidelines and Expert Panel Report
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2016.12.028


<推奨サマリー>

1. 癌治療にもかかわらず肺癌による咳嗽が遷延する成人患者では、最初のステップとして、各種ガイドラインに準じて咳嗽の原因になりうる共存疾患を包括的にアセスメントし治療することを推奨する(グレードなし)。

2. 癌治療にもかかわらず肺癌による咳嗽を呈する成人患者では、サービスが利用できるなら、薬物治療の代替または追加として咳嗽抑制のためのエクササイズを推奨する(グレード2C)。

3. 手術、化学療法、放射線照射が適応とならない気管支内に限局した腫瘍により咳嗽を呈する成人患者では、専門家がいる施設では気管支内小線源治療を推奨する(グレード2C)。

4. 咳嗽に対する薬物的アプローチを要する肺癌の成人患者では、初期治療としてブタミラートシロップ、単シロップ、グリセリンベースのシロップといった粘滑剤を用いることを推奨する(Grade 2C)。

5. 咳嗽を呈する肺癌の成人患者で粘滑剤に不応性の場合、薬物的マネジメントとして副作用プロファイルに問題がなければオピオイド(opiate-derivative)を用いることを推奨する(グレード2C)

6. オピオイド抵抗性の咳嗽を呈する肺癌の成人患者では、レボドロプロピジン、モグイステイン、レボクロペラスチン、クロモグリク酸などの末梢鎮咳薬を推奨する(グレード2C)。

7. 末梢鎮咳薬が無効のオピオイド抵抗性の咳嗽を呈する肺癌の成人患者では、ネブライザーリドカイン/ブピバカイン、ベンゾナテートなどの局所麻酔薬をトライすることを推奨する(グレードなし)。

8. 外科手術、化学療法、放射線治療、小線源治療、非薬物的・薬物的アプローチが無効ないし適応とならない難治性咳嗽を呈する肺癌の成人患者では、主治医は以下の薬剤が咳嗽コントロールに利益があるかどうか見定めるべくn-of-1試験を考慮することを推奨する。これらの薬剤は、効果的であると示されているわけでも副作用がないというわけでもない。薬剤:ジアゼパム、ガバペンチン、カルバマゼピン、バクロフェン、アミトリプチリン、サリドマイド(グレードなし)。




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by otowelt | 2017-03-03 00:45 | 肺癌・その他腫瘍

急性気道感染症に対するNSAIDs使用は心筋梗塞のリスクを上昇

e0156318_15212933.jpg 実臨床ではアセトアミノフェンの使用の方が多いですが、自分自身にはNSAIDsを使ったりしています。

Yao-Chun Wen, et al.
Acute Respiratory Infection and Use of Nonsteroidal Anti-Inflammatory Drugs on Risk of Acute Myocardial Infarction: A Nationwide Case-Crossover Study
J Infect Dis (2017) jiw603. DOI:https://doi.org/10.1093/infdis/jiw603


背景:
 過去の研究では、急性気道感染症(ARI)とNSAIDsの使用は急性心筋梗塞(AMI)のトリガーになりうることが示されている。いくつかの国では、医師はARIの症状緩和のためにNSAIDsを処方する。しかしながら、ARIに対するNSAIDs使用がAMIのリスクを増加させるかどうか評価された研究はない。

方法:
 2007~2011年の間に、AMIで入院した(index date)9793人の患者が登録された。症例-クロスオーバーデザインを用いて、症例(index dateより1~7日前)およびマッチコントロール時期(index dateより366~372日前)の間の曝露ステータスを比較した:ARIエピソード中のNSAIDs使用、NSAIDsを用いなかったARIエピソード、NSAIDs使用のみ、曝露なし。多変量条件付きロジスティック回帰モデルを用いて、潜在的交絡因子で補正したオッズ比を算出した。

結果:
 ARIエピソード中のNSAIDs使用はAMIリスクを3.4倍増加させた(補正オッズ比3.41; 95%信頼区間2.80–4.16)。またNSAIDsを用いなかったARIエピソードでも2.7倍の増加がみられ(補正オッズ比2.65; 95%信頼区間2.29–3.06), NSAIDs単独曝露のみでも1.5倍の増加がみられた(補正オッズ比1.47; 95%信頼区間1.33–1.62)。しかしながら、非経口NSAIDsはARI患者において高いAMIリスクと関連していた(補正オッズ比7.22; 95%信頼区間4.07–12.81)。

結論:
 ARIエピソード中のNSAIDs使用は、特に非経口の場合、AMIリスクの上昇と関連していた。



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by otowelt | 2017-03-02 00:10 | 感染症全般

出版のお知らせ:ポケット呼吸器診療2017

 しつこいですが、発売日なのでもう一度宣伝させていただきます。
 毎年アップデート出版している「ポケット呼吸器診療2017」が2017年3月1日に発売されます。前回の2016年版からさらにボリュームが50ページ増え、内容が充実しました。変更があった部分は青いアミをかけて、一目で分かるように工夫をこらしています。価格は、何とか1,000円台を維持できました。

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発売日:2016年2月12日
単行本 : 206ページ
価格 : 1,800円 (税抜)
出版社 : シーニュ
著者 : 倉原 優 (国立病院機構近畿中央胸部疾患センター内科)
監修 : 林 清二 (国立病院機構近畿中央胸部疾患センター院長)

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e0156318_13141310.jpg出版社から予約/購入する 


<2016年版→2017年版の主な変更点>
・胸部CT所見を追加:juxtaphrenic peak sign、tram lineなど数項目
・肺エコー所見を追加:shred sign、quad signなど数項目
・代表的肺エコー所見の画像を追加
・インフルエンザ治療薬を追加
・マイコプラズマ肺炎の診断にLoopamp®マイコプラズマP 検出試薬キット、プロラスト®Myco、プライムチェック® マイコプラズマ抗原、リボテスト® マイコプラズマ、クイックチェイサー®Mycoなどを追加。
・クラミドフィラ肺炎の診断にヒタザイム法、エルナス®肺炎クラミドフィラIgMを追加。
・百日咳の診断にノバグノスト百日咳/IgM、ノバグノスト百日咳/IgAを追加。
・肺アスペルギルス症の分類を変更:慢性肺アスペルギルス症(CPA)、単純性肺アスペルギローマ(SPA)、慢性進行性肺アスペルギルス症(CPPA)、慢性壊死性肺アスペルギルス症(CNPA)、慢性空洞性肺アスペルギルス症(CCPA)、慢性線維性肺アスペルギルス症(CFPA)。
・CPAの診断チェックリストを追加。
・ABPAの診断基準に国際的にコンセンサスが得られているAgarwalのものを追加。
・TNF -α 阻害薬と結核の関連について記載。
・粟粒結核の治療を追加。
・リファマイシンの相互作用注意薬としてエレルサ®、グラジナ®、ジメンシー®を追加。
・日本結核病学会病型分類のイラストを掲載。
M. massilienseについて記載。
・プロボコリン®、ケンブラン®について少しだけ記載。
・ACT(Asthma Control Test)を掲載。
・ゾレア®投与量の表を掲載。
・COPDの重症度分類(GOLD2017準拠)を変更。COPD治療指針をGOLD2017から作図。
・COPDに対する肺容量減量術、ロフルミラストについて記載。
・COPD 増悪の重症度分類を掲載(Anthonisenらの分類、Rodoriguezの分類、Vogelmeierらの分類)
・CosioらのACOS 診断基準を掲載。
・スペーサーの情報を最新のものへ変更。
・特発性肺線維症(IPF)診断のフローチャートを「特発性間質性肺炎診断と治療の手引き改訂第3版」のものへ変更。
・NSIPの治療を独立して記載。「特発性間質性肺炎診断と治療の手引き改訂第3版」に準拠。
・COPの治療を独立して記載。「特発性間質性肺炎診断と治療の手引き改訂第3版」に準拠。
・膠原病関連間質性肺疾患の章を作成:SSc─ILD、PM/DM─ILD、RA─ILD、SjS─ILD、SLE─ILDなど。
・特発性肺線維症(IPF)急性増悪の定義を変更:Collardらの2016年改訂案および「特発性間質性肺炎診断と治療の手引き改訂第3版」の2種類を掲載。
・肺癌の治療を「EBMの手法による肺癌診療ガイドライン2016 年版」に準拠(大幅に変更)。
・肺癌のTNM分類および病期分類を「肺癌取扱い規約第8 版」のものに変更。
・EGFR-TKIによる皮膚障害の治療をグレード別に記載。
・悪性胸膜中皮腫のTNM分類および病期分類にIASLC病期決定プロジェクト案のものを追加。
・ANCA関連血管炎の項目を追加。
・Salisburyらの慢性過敏性肺炎(CHP)診断アルゴリズムを追加。
・過敏性肺炎の原因をいくつか追加:みかん農家肺、堆肥肺、金属加工液肺など
・アレルギーの章にABPAの診断と治療を詳しめに再掲載(感染症:アスペルギルス症のところにも一部記載があったが、アレルギーが本態であるため実用的になるよう配慮した)。
・石綿との関連が明らかな業務上疾病の表を追加。
・咳喘息、アトピー咳嗽の情報を追記。
・副鼻腔気管支症候群(SBS)の項目を追加。
・呼吸不全の章に急性心不全患者の管理アルゴリズムを追加。


 このマニュアルは「できるだけコンパクトかつ有用な安い書籍」を目標にしていますが、限りなく最新の文献に基づいた疾患情報を提供できるよう心がけています。実臨床で使用することを最優先に、不要な贅肉を極限までこそぎ落としました。

 呼吸器を診療する医師のポケットに長く入れていただけるよう、これからも努力致しますので、よろしくお願い申し上げます。「こういった内容の方がよい」「こういった項目を入れて欲しい」などの叱咤激励もお待ちしております。

 最後に、シーニュの藤本浩喜様、監修を引き受けていただいた当院院長の林清二先生に心より感謝申し上げます。



by otowelt | 2017-03-01 00:09 | 呼吸器その他