<   2017年 07月 ( 17 )   > この月の画像一覧

ACOは喘息ないしCOPD単独よりも肺機能が悪い

e0156318_125953.jpg 結構ACOSのin press論文は多そうです。アクセプト前後でACOに変えたのかな、とか邪推してしまいます。

Ekerljung L, et al.
Prevalence, clinical characteristics and morbidity of the Asthma-COPD overlap in a general population sample.
J Asthma. 2017 Jul 11:0. doi: 10.1080/02770903.2017.1339799. [Epub ahead of print]


目的:
 喘息とCOPDは個々に確立した疾患概念であるが、合併例(ACO)のフェノタイプが存在する。この研究の目的は、ACOの頻度と特徴を調べることである。

方法:
 West Sweden Asthma Studyから、喘息、慢性気管支炎あるいはCOPDが疑われた者を登録した。

結果:
 登録者は以下のようであった。ACO181人、COPD単独89人、喘息単独651人、健常人1036人。ランダムサンプル1172人のうちACOは3.4%で、喘息患者のうち18.1%であった。ACO患者(平均年齢59歳、54%女性)は喘息およびCOPDでみられた患者特徴の間に位置していた。既往喫煙者は、ACO患者の71%、喘息患者の48%、COPD患者の74%にみられた。ACO患者は喘息単独ないしCOPD単独患者より肺機能が悪く、救急外来受診も多かった。

結論:
 ACO患者の肺機能は喘息ないしCOPD単独よりも悪かった。


by otowelt | 2017-07-31 17:13 | 気管支喘息・COPD

土壌曝露はM. intracellulare感染の独立リスク因子である

e0156318_13334416.jpg NTMと土壌の関連性を調べていたら、直近の呼吸器学会雑誌がヒットしました。すいません、読んでいませんでした。

三島 有華ら.
茨城県南地域における非結核性抗酸菌症と環境因子の検討
日呼吸誌, 6(3): 129-135, 2017

背景:
 非結核性抗酸菌は環境中に常在する.

方法:
 茨城県南の肺MAC症患者の土壌曝露,井戸水使用の影響を検討した.対象は128人(69.6±9.4歳),土壌曝露のみは26人,井戸水使用のみは10人,土壌曝露と井戸水使用のある者は22人であった.

結果・結論:
 土壌曝露と井戸水使用のある者でM. intracellulareを多く検出した.多変量解析で土壌曝露はオッズ比3.09(p=0.016)でありM. intracellulare感染の独立した危険因子と考えられ,井戸水使用はオッズ比2.48(p=0.073)であった.


by otowelt | 2017-07-28 00:47 | 抗酸菌感染症

脳卒中は膿胸のリスクである

e0156318_10322082.jpg リスクは当然高くなりますが、脳出血の方がリスキーのようです。

Shen TC, et al.
Risk of developing pleural empyema in patients with stroke: a propensity-matched cohort study.
Intern Emerg Med. 2017 Jul 11. doi: 10.1007/s11739-017-1707-8.

背景:
 膿胸は肺炎の重要な合併症である。脳卒中は肺炎の高いリスク因子であるが、膿胸との関連は分かっていない。

方法:
 われわれは台湾のNational Health Insurance Research Databaseを用いて、2000年から2010年までに脳卒中の診断を受けた46万6170人と傾向スコアマッチされた同数の非脳卒中群を登録した。膿胸の発生は2011年まで追跡された。Cox比例ハザードモデルを用いて、脳卒中群における膿胸の補正ハザード比が非脳卒中群と比較された。

結果: 
 非脳卒中群と比べて、膿胸は脳卒中群で2.69倍高かった(15.2 vs. 5.59/10,000 人年, p < 0.001、補正ハザード比2.89 [95%信頼区間2.72-3.08])。虚血性脳卒中の場合、補正ハザード比は2.62だった(95%信頼区間2.45-2.79)。また、脳出血の場合、補正ハザード比は4.53だった(95%信頼区間4.14-4.95)。加えて、VPシャントのある脳卒中患者は膿胸のリスクが7倍以上となった。

結論:
 脳卒中は膿胸のリスクを上昇させる。このリスクは、脳出血のほうが虚血性脳卒中よりも高かった。


by otowelt | 2017-07-27 00:32 | 感染症全般

メタアナリシス:自然気胸に対する胸腔ドレナージとそれ以外の侵襲的処置の比較

e0156318_14441648.jpg 先日も穿刺吸引の方がよいとする研究がありましたね。less is moreの流れが続くかもしれません。

・参考記事:気胸の治療は、胸腔ドレナージよりも針穿刺吸引の方がよい

Kim MJ, et al.
Systematic review and meta-analysis of initial management of pneumothorax in adults: Intercostal tube drainage versus other invasive methods.
PLoS One. 2017 Jun 22;12(6):e0178802.


目的:
 気胸に対する理想的な初期治療はいまだ議論の余地がある。このシステマティックレビューおよびメタアナリシスの目的は、成人の気胸の初期治療としての胸腔ドレナージの効果を他の侵襲的処置と比較することである。

方法:
 2016年5月29日までの電子データを収集した。気胸に対する胸腔ドレナージとそのほかの侵襲的手法を比較したランダム化比較試験を組み入れた。プライマリアウトカムは、早期治療成功とした。セカンダリアウトカムは、再発率、入院率、入院期間、合併症とした。

結果:
 7試験が登録された。6試験では穿刺吸引が評価され、1試験では一方弁が評価された。メタアナリシスの結果、穿刺吸引は胸腔ドレナージよりも早期治療成功が不良であった(リスク比0.82、95%信頼区間0.72-0.95、I2=0%)。また、穿刺吸引と胸腔ドレナージの再発率は同等であった(リスク比0.84、95%信頼区間0.57-1.23、I2=0%)。穿刺吸引は胸腔ドレナージより入院期間が短かった(平均差-1.73, 95%信頼区間-2.33 to -1.13, I2=0%)。穿刺吸引は胸腔ドレナージよりも入院率が低かったが、これについては明らかな異質性があった。

結論:
 早期治療成功の観点からは、胸腔ドレナージよりも穿刺吸引のほうが劣っていたが、入院期間は穿刺吸引の方が短かった。再発率は同等であった。一方弁は十分なデータが得られず、結論はつかなかった。


by otowelt | 2017-07-26 00:18 | 呼吸器その他

PET-CTだけでN診断はしない方がよい?EBUS-TBNAでステージアップする可能性

e0156318_16584987.jpg 特にN1症例においては、永遠のテーマだと思います。

Naur TMH, et al.
Endobronchial Ultrasound-Guided Transbronchial Needle Aspiration for Staging of Patients with Non-Small Cell Lung Cancer without Mediastinal Involvement at Positron Emission Tomography-Computed Tomography.
Respiration. 2017 Jul 6. doi: 10.1159/000477625. [Epub ahead of print]


背景:
 肺癌の病期診断は治療決定のために重要であり、局所的な疾患のみが治癒可能である。過去の研究では、EBUS-TBNAはPET-CTでN診断ができれば不要とされていた。

目的:
 この研究の目的は、PET-CTで縦隔リンパ節転移がないと診断された肺癌患者においてEBUS-TBNAがステージアップに寄与するかどうか調べることである。

方法:
 2009年~2014年に術前EBUS-TBNAを受けた981人が登録された。そのうち、PET-CTでN0およびN1と診断された115人、52人を登録した(合計167人)。

結果:
 167人のうち、10人(6%)がEBUS-TBNAによってN2あるいはN3へステージアップした。そのうち9人はPET-CTでN1と診断されていた。組み入れられたN1患者の17.3%がN2あるいはN3へステージアップした(N0症例では0.9%)。EBUS-TBNAとPEC-CTのあと、115人が手術を受け、12人(10.4%)がN2あるいはN3であると診断された。術前EBUS-TBNAは感度42.9%、特異度99.0%、陰性適中率89.6%であった。

結論:
 PET-CTでN0、N1と診断された患者におけるEBUS-TBNAのステージアップが6.0%に観察された。N0では0.9%だったが、N1では17.3%がステージアップした。N2あるいはN3を見過ごすリスクはPET-CT、EBUS-TBNAの両方をおこなったとしても10.4%にみられた。


by otowelt | 2017-07-25 00:06 | 肺癌・その他腫瘍

12時間以上人工呼吸管理を受けたICU入室患者のストレス経験

e0156318_21563989.jpg 口渇、確かにそうですよね。

高島尚美ら.
12時間以上人工呼吸管理を受けたICU入室患者のストレス経験
日本集中治療医学会雑誌 Vol. 24 (2017) No. 4 p. 399-405


背景および方法:
 12時間以上人工呼吸管理を受けたICU入室患者のストレス経験の実態と関連要因を明らかにするために,ICU退室前に34項目のICU Stressful Experiences Questionnaire日本語版(ICU-SEQJ)を作成し,聞き取り調査をした。

結果:
 その実態は,8割近くが「口渇」を,7割近くが「動きの制限」や「会話困難」,「気管チューブによる苦痛」,「痛み」,「緊張」を中程度~非常に強い主観的ストレスとして経験していた。既往歴がない,緊急入室,有職者は有意にストレス経験が強く,重回帰分析では抜管前のCRP値が最も影響を与えており,気管挿管時間,鎮痛鎮静薬投与量,痛みの訴えは弱い関連があった。96名中,気管挿管に関する7項目の記憶がなかった患者は10名でストレス経験は有意に低く,関連要因はプロポフォール使用の多さと深鎮静と高齢だった。

結論:
 多くのICU入室患者にとってストレス経験は厄介で,入室状況や病歴によっても異なるため,看護師はニーズを予測しながら個別的にアセスメントし,ストレス経験緩和のための介入をする必要がある。


by otowelt | 2017-07-24 00:59 | 集中治療

肺癌の術後肺炎の予防のための周術期口腔機能管理

e0156318_8124310.jpg 少し前の論文ですが、興味深く読ませていただきました。

西野 豪志,他.
肺癌手術における周術期口腔機能管理の術後肺炎予防効果
日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 31(2017) No. 4, p.432-438


目的:
 肺癌手術における周術期口腔機能管理の肺炎予防効果を検討した.

対象:
 2013年4月~2015年3月に原発性肺癌に対して胸腔鏡下肺葉切除術を行った連続100例を対象とした.周術期口腔機能管理導入前後で介入群50例,非介入群50例に分類し検討した.

結果:
 患者背景,腫瘍因子,手術因子には有意差を認めなかった.術後合併症は,介入群で5例(10.0%),非介入群で16例(32.0%)と介入群で有意に少なく,術後肺炎は,非介入群では6例(12.0%)にみられたが,介入群では1例もみられなかった.術後に発熱を認めた症例は,介入群で有意に少なく,術後CRP値は,介入群で低い傾向にあった.術後在院日数は,介入群で有意に短かった.

結語:
 周術期口腔機能管理には肺癌の術後肺炎を予防する効果がある可能性がある.今後,医科歯科の連携を強め,広く行われるべきであると考える.


by otowelt | 2017-07-21 00:15 | 肺癌・その他腫瘍

IPF患者において、抑うつは健康関連QOLあるいは健康ステータスの独立規定因子

e0156318_21341355.jpg こういう検証は重要だと思います。

Matsuda T, et al.
Depression Is Significantly Associated with the Health Status in Patients with Idiopathic Pulmonary Fibrosis.
Intern Med. 2017;56(13):1637-1644.


目的:
 抑うつはIPF患者でよくみられる症状であると報告されている。しかしながら、抑うつが健康関連QOLの独立規定因子であるかどうかはIPF患者では評価されていない。われわれは、SGRQスコア等が独立規定因子かどうか調べるためこの研究をデザインした。

方法:
 肺機能検査、動脈血酸素分圧、6分間歩行試験、SGRQ、BDI、HADSを評価された連続IPF患者を後ろ向きに登録した。すべての登録患者は、新規にIPFと診断されたものであり、抗うつ薬・ピルフェニドン・ステロイド・免疫抑制剤・長期酸素療法といった治療を受けていない。

結果:
 IPF121人が登録された(男性99人)。SGRQでは、全体および各コンポーネントのいずれにおいても軽度~中等度の障害が観察された。HADSでは、27人(22.3%)が境界あるいは確定的抑うつを有していた。単変量解析では努力性肺活量、DLCO、動脈血酸素分圧、BDI、HADS(HADS-A・HADS-D)、6分間歩行距離、6分間歩行試験中の最低酸素飽和度が有意にSGRQの合計と相関していた。ステップワイズ多変量回帰モデルでは、BDI、6分間歩行距離、HADS-DがSGRQスコアと関連する独立規定因子と同定された。このモデルでは、全分散は59%(p<0.001)だった。

結論:
 IPF患者において、抑うつは健康関連QOLあるいは健康ステータスの独立規定因子であると結論づけられた。

 

by otowelt | 2017-07-20 00:59 | びまん性肺疾患

IPF患者における睡眠呼吸障害の存在は予後不良因子

e0156318_21341355.jpg IPFは痩せ型の患者さんが多いので、そこまで私は意識していませんでした。

Bosi M, et al.
OSA and Prolonged Oxygen Desaturation During Sleep are Strong Predictors of Poor Outcome in IPF.
Lung. 2017 Jul 3. doi: 10.1007/s00408-017-0031-4. [Epub ahead of print]


目的:
 睡眠呼吸障害(SBD)はIPF患者でよくみられ、睡眠や生活の質の障害と関連し、また死亡率の上昇とも関連しているとされている。この研究の目的は、軽症~中等症のIPF患者の予後にSBDがもたらす影響を評価することである。

方法・結果:
 35人のIPF患者のうち、25人にOSAがみられた。軽症IPFは全体で14人、中等症は7人、重症は4人だった。AACM定義では、睡眠関連低酸素血症は35人のIPF患者のうち9人にみられた。SBDの有無でみると、IPF患者は4群に分けられる。すなわち、SBDがない群(A群:25.7%)、睡眠関連低酸素血症がないOSA群(B群:48.5%)、睡眠関連低酸素血症のあるOSA群(C群:22.8%)、OSAがないものの睡眠関連低酸素血症がある群(D群:1人のみ[2.8%])である。D群が1人のみであったため、統計学的解析はA~C群で行われた。
 C群は、死亡率あるいは臨床的悪化の両アウトカムにおいてもっとも予後不良だった。SBDは死亡(ハザード比7.6、p=0.029)および疾患進行(ハザード比9.95、p=0.007)の独立予測因子であった。

結論:
 IPF患者において、SBDは予後不良と関連していた。SBDの存在はすべてのIPF患者で検索すべきである。


by otowelt | 2017-07-19 00:55 | びまん性肺疾患

J-SONIC試験:IPF合併非小細胞肺癌に対するカルボプラチン+アブラキサン®+オフェブ®

 個人的にかなり興味深い臨床試験です。

Otsubo K, et al.
Treatment Rationale and Design for J-SONIC: A Randomized Study of Carboplatin Plus Nab-paclitaxel With or Without Nintedanib for Advanced Non-Small-cell Lung Cancer With Idiopathic Pulmonary Fibrosis.
Clin Lung Cancer. 2017 Jun 20. pii: S1525-7304(17)30176-6. doi: 10.1016/j.cllc.2017.06.003. [Epub ahead of print]


 170人のIPF合併非小細胞肺癌の患者に対して、ランダムに1:1に4コースのカルボプラチン+アブラキサン®(3週ごと)+ニンテダニブ(A群)あるいはカルボプラチン+アブラキサン®(3週ごと)(B群)に割り付けたJ-SONIC試験の計画について。


by otowelt | 2017-07-18 00:38 | 肺癌・その他腫瘍