<   2017年 12月 ( 13 )   > この月の画像一覧

慢性咳嗽患者ではArnold神経反射の頻度が健常者の12倍高い

e0156318_11335545.jpg 予想通りの結果ですが、誰もこれまでやらなかった研究です。実は比較的簡単に立案できる研究だったのかな。

Peter V. Dicpinigaitis, et al.
Prevalence of Arnold’s Nerve Reflex in Adults and Children with Chronic Cough
CHEST DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.chest.2017.11.019


背景:
 咳嗽は、気道や遠位食道における迷走神経支配される構造的刺激によって起こる。Arnold神経反射は外耳道の刺激によって誘発される咳嗽であるが、これは迷走神経の耳介枝である。耳鼻咽喉科の外来患者における研究では、この反射の頻度は2~3%とされている。しかし、健常ボランティアや慢性咳嗽患者における頻度はわかっていない。

方法:
 慢性咳嗽のある200人の成人と100人の小児、および健常ボランティアである100人の成人と100人の小児が登録された。綿棒による外耳道の刺激を両耳におこない、反射誘発を評価した。10秒以内に咳嗽が誘発された場合、反射ありと判断した。

結果:
 Arnold神経反射は、慢性咳嗽患者において成人25.5%、小児3%にみられた。健常ボランティアでは成人、小児ともに2%の頻度だった。慢性咳嗽のある成人では、同反射は女性に多く観察され(31.6% vs 12.5%)、片耳の反射の患者がほとんどだった(90.2%)。
e0156318_913145.jpg
(文献より引用)

結論:
 健常ボランティアと比較して、慢性咳嗽のある成人患者ではArnold神経反射は12倍の頻度だった。これは迷走神経が過敏になっているCough Hypersensitivity Syndrome (CHS)の概念を支持するものである。小児に過剰な反射がみられなかったことは、CHSがウイルス性気道感染症や環境曝露によって獲得される病態であることを示唆する。


by otowelt | 2017-12-18 00:30 | 呼吸器その他

肺移植後COPD患者は、その後の癌発症超過リスクが高い

e0156318_1633480.jpg もともと移植後のがん発症リスクは高いことが分かっています。海外とは異なり、日本ではCOPDに対して肺移植はほとんどおこなわれませんが。

Ekström M, et al.
Risk of cancer after lung transplantation for COPD
IJCOPD Volume 2017:12 Pages 2841—2847


背景:
 肺移植後にがんのリスクは上昇し生存に影響を与えるが、COPD患者においては報告がない。われわれは、COPDに対する肺移植後のがんの発症と予後について調べた。

方法:
 終末期COPDに対して肺移植をおこなわれた患者の前向き人口ベース研究が1990年~2013年にスウェーデンで実施された。がんの発症、死亡についてデータを収集した。超過リスクは、年齢、性別、暦年でマッチした一般集団と標準化罹患比を比較産出した。がんのリスク因子は Fine-Gray回帰を用いて解析し、がん診断後の生存についてはKaplan-Meier法で解析した。

結果:
 合計331人(平均年齢55.4歳、64%が女性、97%が既喫煙者)が登録された。追跡期間中央値は2.8年で、35%の患者ががんを発症した。がん発症リスクは10倍だった(95%信頼区間8.1-11.8)。
e0156318_8403191.jpg
(文献より引用)

 もっとも高い超過リスクを記録したのは非ホジキンリンパ腫の39倍(95%信頼区間20.8-66.7)で、皮膚がん27倍(95%信頼区間20.3-35.2)、肺がん19.8倍(95%信頼区間11.7-31.2)、肝臓がん17.7倍(95%信頼区間3.6-51.6)、結腸直腸がん11.4倍(95%信頼区間6.1-19.5)と続いた。生存期間中央値は、非皮膚がんと比べて皮膚がん(8年、95%信頼区間3-15年)で長かった。

結論:
 COPDに対する肺移植後のがん発症リスクは顕著に高かった。評価した因子で予測される類のものではなかったが、がんの発症は予後に大きく影響する。


by otowelt | 2017-12-15 00:19 | 気管支喘息・COPD

T-SPOT®.TB強陽性と弱陽性の比較

e0156318_9552565.jpg IGRAは海外とは解釈が異なるので注意が必要です。

小高 倫生ら.
活動性結核の診断におけるT-SPOT®.TBの有用性の検討
Kekkaku Vol.92, No.10 : 575-580, 2017


目的:
 IGRA の検査法の一つであるT-SPOT®.TBが,結核菌培養陽性である活動性結核の診断に有用であることの報告はあるが,T-SPOT®.TB陽性症例をT-SPOT®.TBのスポット数の違いで比較検討することが,結核の日常診療に有効であるかを検討した。

対象と方法:
 2013 年4 月から2015年7 月までに当院呼吸器内科にて,肺結核が否定できない症例でT-SPOT®.TBを施行した中でT-SPOT®.TB陽性であった92例を対象とし,T-SPOT®.TB陽性群をスポット数によりT-SPOT®.TB強陽性群35例と弱陽性群57例に分類した。これらの症例の臨床的な相違をretrospectiveに検討した。スポット数での比較を明瞭化するために,T-SPOT®.TBのパネルA(ESAT-6)もしくはパネルB(CFP-10)の値が50以上のものをT-SPOT®.TB強陽性とし,50未満で8 以上のものをT-SPOT®.TB弱陽性と今回の報告では記載した。スポット数を50で分けた理由としては,スポット数50以上はT-SPOT®.TBが陽性であることが明らかであり,それ以上を測定していないため,50 以上と50 未満とを区別した。

結果:
 T-SPOT®.TB強陽性群35 例のうち結核菌培養陽性は10 例,T-SPOT®.TB弱陽性群57例のうち結核菌培養陽性は7 例であり,T-SPOT®.TB強陽性群はT-SPOT®.TB弱陽性群と比較して,結核菌培養陽性であった症例が有意に多かった(P<0.05)。

結論:
 T-SPOT®.TBのスポット数は活動性結核の補助的診断の一つとして有用な検査であると考えられる。


by otowelt | 2017-12-14 00:28 | 抗酸菌感染症

ビデオ教育をしても閉塞性睡眠時無呼吸に対するCPAP療法アドヒランスは変わらない

e0156318_23181522.jpg ビデオごときでは変わらないということですね。

Guralnick AS, et al.
Educational video to improve CPAP use in patients with obstructive sleep apnoea at risk for poor adherence: a randomised controlled trial.
Thorax. 2017 Dec;72(12):1132-1139.


背景:
 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)患者におけるCPAP療法のアドヒアランス不良は臨床的効果に影響を与えるが、アドヒアランス維持を強化するための行動学的介入については適切なプロトコルがない。それだけでなく、CPAP療法のアドヒアランス不良患者における介入法についてはこれまで研究されたことがほとんどない。この研究の目的は、CPAP療法のアドヒアランス不良リスクが高い患者あるいは不良である患者に対する教育ビデオの効果を調べることである。

方法:
 睡眠医学専門家のいない施設においてOSAが疑われ、紹介後ポリソムノグラフィを実施することになった被験者に対して、ポリソムノグラフィ前にOSAやCPAP療法に関するビデオを見てもらった。このプロトコルについて、通常ケアと比較した。プライマリアウトカムは治療開始30日時点でのCPAP療法アドヒアランスとし、セカンダリアウトカムは睡眠外来受診率(予約受診)、同受診から30日時点でのCPAP療法アドヒアランスとした。

結果:
 合計212人の患者が登録され、ビデオ教育群(99人)、通常ケア群(113人)にランダムに割り付けられた。30日時点でのCPAP療法アドヒアランスに有意差はみられなかった(3.3時間/日, 95%信頼区間2.8 to 3.8時間/日 vs 3.5時間/日、95%信頼区間3.1 to 4.0時間/日; p=0.44)。また、睡眠外来受診後30日時点でも差はみられなかった。受診率にも差はなかった。しかしながら、CPAP療法のアドヒアランスは睡眠外来受診がなかった患者では有意に悪かった。

結論:
 CPAP療法アドヒアランス不良のリスクが高い患者では、教育ビデオを見せてもアドヒアランスや受診率が向上しなかった。


by otowelt | 2017-12-13 00:52 | 呼吸器その他

胸水貯留のあるNTM症の臨床的特徴

e0156318_21415744.jpg 時折胸膜炎合併のNTM症もいらっしゃるので、実臨床的で有用な報告だと思います。

Park S, et al.
Clinical characteristics and treatment outcomes of pleural effusions in patients with nontuberculous mycobacterial disease.
Respir Med. 2017 Dec;133:36-41.


背景:
 非結核性抗酸菌(NTM)の感染症は10年にわたって増加してきた。しかしながら、胸膜炎を呈した患者の臨床的特徴についてはよくわかっていない。

方法:
 胸水貯留がみられるNTM患者を1997年から2013年まで後ろ向きに同定した。患者は、確定例(9人:胸水あるいは胸膜からNTMが検出)、疑い例(5人:抗NTM治療によって胸水が軽減)に分けられた。臨床的特徴と治療アウトカムが解析された。胸膜炎のない肺MAC症の患者と胸膜炎のある患者が比較された。

結果:
 14人のNTM胸膜炎患者の年齢中央値は68歳であり、ほとんどが男性だった(14人中9人:64.3%)。 Mycobacterium intracellulareがもっともよくみられた菌種であり(50.0%)、続いてM. avium(35.7%)、M. abscessus (7.1%) 、M. kansasii (7.1%).だった。リンパ球比率の中央値およびADAの中央値はそれぞれ83%、97IU/Lだった。8人の患者が治療完遂し軽快したが、2人の患者はコントロール不良NTMによって死亡した。肺MAC症の胸膜炎患者は、通常の肺MAC症の患者と比較して結節気管支拡張型が少なく治療成功例率が低かった。

結論:
 NTM症の患者の胸水所見は結核のそれと類似していた。治療アウトカムは、胸膜炎があると不良であった。


by otowelt | 2017-12-12 00:40 | 抗酸菌感染症

IPF患者は気胸を発症しやすく、それは予後不良につながる

e0156318_14441648.jpg 浜松医科大学からの報告です。

Nishimoto K, et al.
The prognostic significance of pneumothorax in patients with idiopathic pulmonary fibrosis.
Respirology. 2017 Nov 12. doi: 10.1111/resp.13219. [Epub ahead of print]


背景:
 気胸はIPF患者に合併しやすいが、その頻度・リスク因子・予後的意義はいまだよく分かっていない。この研究の目的は、IPF患者における気胸の頻度・予後的意義を明らかにし、その発症のリスク因子を調べることである。

方法:
 ガイドラインに基づいてIPFと診断された84人の連続患者が登録された。われわれはその診療録を後ろ向きにレビューし、肺機能検査・胸部HRCT所見・気胸の頻度を調べた。気胸の予後的意義は時間依存性共変量のCox比例ハザードモデルを用いて解析された。気胸の累積発症率についても調べた。

結果:
 84人の患者のうち、17人(20.2%)が気胸を発症していた。累積発症率は1年で8.5%、2年で12.5%、3年で17.7%だった。単変量解析では、気胸は有意に予後不良と関連していた(ハザード比2.99; P = 0.002)。性別・年齢・%努力性肺活量で調整した多変量解析では、気胸はIPFアウトカムを不良にする独立予測因子だった(ハザード比2.85; P = 0.006)。低BMIおよび広範囲の網状影の存在は気胸の発症に有意に関連していた。

結論:
 経過中にIPF患者はしばしば気胸を発症し、それは予後不良につながる。


by otowelt | 2017-12-11 00:48 | びまん性肺疾患

最近読んだ医学書

 最近読んだ本を紹介します。

・誰も教えてくれなかった胸部画像の見かた・考えかた
 フルカラーで見やすいだけでなく、コンパクトな薄さに必要な情報がギッシリ詰まっています。外科的な視点が強く出ているため、胸部レントゲンの書籍としては、近年では群を抜いた完成度と目新しさです。買って、絶対に失敗はないです。





・気管支肺胞洗浄(BAL)法の手引き(改訂第3版)
 新版です。値段が倍増していますが、実質BALの本はこれしかないので買うべきです。とはいえ、「前投薬はどうする?」「BALFを解析するまでの時間は?」などのアンケート結果が円グラフで表記されており、他の施設はどうしているの?という疑問を持っている人には面白い一冊になるでしょう。





・喘息とCOPDのオーバーラップ(Asthma and COPD Overlap:ACO)診断と治療の手引き〈2018〉
 呼吸器学会の会員には全員届きます。個人的にはACOという疾患概念が必要なのか懐疑的ではありますが、診断基準も明記されており、喘息とCOPDの両方を診ることがある医師は持っておいてもよいと思います。


by otowelt | 2017-12-09 00:13 | 呼吸器その他

IPFに対して抗線維化薬はあまり処方されていない

e0156318_7331272.jpg これまでのIPF治療の歴史が足枷になっているようですね。個人的には「プライマリケアでは処方してはいけない風潮」が根強いと思っています。特に日本ではガイドラインで強くMDD診断を推奨していますので、「wait and watch」という名目に隠されて治療を受けていない患者さんが大量に存在しているはずです。専門家集団だけの疾患という位置づけのままで本当によいのでしょうか?

Toby M. Maher, et al.
Unmet needs in the treatment of idiopathic pulmonary fibrosis―insights from patient chart review in five European countries
BMC Pulm Med. 2017; 17: 124.


背景:
 IPFに対してピルフェニドンとニンテダニブという2つの抗線維化薬がEMAおよびFDAで承認されている。この解析では、IPFに罹患したヨーロッパの患者がIPF治療プラクティスにおいてどのくらい処方されているかどうかを調べ、およびアンメットニーズを理解することを目的とした。

方法:
 2016年2月から3月の間に、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリスの呼吸器内科医にオンラインでアンケートを実施し、IPF治療パターンに関する情報を収集した。患者は、治療群(2承認薬のいずれかを処方されている)あるいは無治療群(承認薬のいずれも処方されていない)に分類された。2承認薬以外の治療を受けている場合、無治療群に分類された。IPF診断の分類(確定例/疑い例)、重症度(軽症/中等症/重症)についても情報が収集された。患者からの視点に関しては本研究では触れていない。

結果:
 合計290人の医師がアンケートに回答した。全体で、IPF患者の54%が承認された抗線維化薬を投与されていなかった(46%が受けていた)。
e0156318_9124532.jpg
(文献より引用:抗線維化薬の処方頻度)

 治療群の81%がIPFと確定診断されていた。確定診断を受けている患者のうち、40%が治療を受けていなかった。治療群は無治療群と比較して、若年(67歳 vs 70歳、p<0.01)、集学的見検討が頻繁になされていた(83% vs 57%、p<0.01)。%努力性肺活量が80%を超える集団では無治療を選択されやすかった。軽症IPFの71%が抗線維化薬を投与されておらず、中等症および重症でそれぞれ41%、60%が投与されていなかった。
e0156318_9135351.jpg
(文献より引用:IPF重症度ごとの処方頻度)

結論:
 抗線維化薬が処方できるにもかかわらず、多くのヨーロッパのIPF患者は、確定診断を受けていても同薬による治療を受けていない。そして重要なことだが、軽症や安定しているIPFに治療を導入することに抵抗があり、かわりに「watch and wait」戦略を取りがちである。IF重症度スペクトラムの全体を通して抗線維化が有効であることを医師に広く知らしめる必要があるかもしれない。



by otowelt | 2017-12-08 00:42 | びまん性肺疾患

IPFの咳嗽は日中に多い

e0156318_7331272.jpg 活動しているときに多いのは想定内ですが・・・。

Schertel A, et al.
Novel insights in cough and breathing patterns of patients with idiopathic pulmonary fibrosis performing repeated 24-hour-respiratory polygraphies.
Respir Res. 2017 Nov 13;18(1):190.


背景:
 IPFの主症状は咳嗽と呼吸困難感である。IPFは日中の活動や夜間の呼吸状態に影響を与える拘束性換気障害をもたらす。このパイロット研究は、IPF患者の日中および夜間の呼吸・酸素飽和度・咳嗽症状を8ヶ月にわたって調べたものである。

方法:
 反復24時間呼吸ポリグラフィー(RP)および肺機能検査がベースライン・3ヶ月後、4ヶ月後、7ヶ月後、8ヶ月後に実施された。咳嗽インデックス、酸素化パラメータ(酸素飽和度、酸素飽和度90%未満の時間、低酸素インデックス)、呼吸数、心拍数が日中・夜間に解析された。初回および最後のRPが比較された(Wilcoxon検定)。

結果:
 9人のIPF患者(8人が男性、年齢中央値67歳)がRPを受け、合計37の解析妥当性のあるデータが得られた。試験期間中、8人(88.9%)は抗菌薬治療を受けた。咳嗽は日中に顕著にみられ咳嗽インデックスは1時間あたり14.8で夜間就寝時の1.6より有意に多かった(p = 0.0039)。酸素化パラメータには、日中・夜間で差はみられなかったが、呼吸数と心拍数は有意に日中の方が多かった。肺機能の有意な低下は8ヶ月では観察されなかったが、呼吸数は25.7/分→32.2/分に上昇した(p=0.0273)。

結論:
 IPF患者では咳嗽は日中によくみられる。IPFの経過中に呼吸数の上昇が持つ役割について解明が必要である。


by otowelt | 2017-12-07 00:24 | びまん性肺疾患

外傷性気胸の90%以上は保存的治療で問題ない

e0156318_13182892.jpg 胸部外傷の新しいエビデンスになりそうですね。

Walker SP, et al.
Conservative Management in Traumatic Pneumothoraces: An Observational Study.
Chest. 2017 Nov 15. pii: S0012-3692(17)32917-3. doi: 10.1016/j.chest.2017.10.015. [Epub ahead of print]


背景:
 外傷性気胸は主要な外傷によって起こる合併症である。これにもかかわらず、適切なマネジメントについては報告が少ない。この研究の目的は、主要外傷センターに紹介された外傷性気胸患者の治療、合併症、アウトカムを調べることである。

方法:
 Trauma Audit and Research Network (TARN)データベースを前向きに調べ、イギリスの主要外傷センターで外傷性気胸の診断で登録された全患者を対象とした(2012年4月~2016年12月)。
 患者背景、外傷機転、外傷重症度スコア(ISS)、マネジメント、アウトカムが解析された。

結果:
 602人の患者が登録された。平均年齢は48±22歳だった。73%が男性だった。平均ISSは26で、入院患者死亡率は9%だった。602の外傷性気胸のうち、277(46%)は保存的に治療された。252人(90%)はその後胸腔ドレナージを必要としなかった。陽圧換気を要した62人のうち56人(90%)でも胸腔ドレナージを必要としなかった。陽圧換気が必要であった気胸患者と必要でなかった気胸患者には保存的マネジメントの失敗に対するハザード比に差は観察されなかった(ハザード比1.1、p=0.84)。ただ、大量の血胸の症例では保存的マネジメントが失敗する尤度が上昇した。
 
結論:
 この大規模観察研究から、90%を超える外傷性気胸患者は保存的にマネジメント可能であり、胸腔ドレーンを要さないことがわかった。また重要なことだが、たとえ陽圧換気を要する患者であっても、この待機的マネジメントは失敗リスクを上昇させないのだ。これは、外傷性気胸のマネジメントにおける保存的治療を支持する結果である。


by otowelt | 2017-12-06 00:07 | 救急