TBNA時に迅速細胞診を併用しても診断精度は向上しないが穿刺回数は減る

e0156318_9511053.jpg 穿刺回数が減るだけでも十分ですが、診断精度そのものは不変のようです。


Sehgal IS, e al.
Impact of rapid on-site cytological evaluation (ROSE) on the diagnostic yield of transbronchial needle aspiration during mediastinal lymph node sampling: systematic review and meta-analysis.
Chest. 2017 Nov 15. pii: S0012-3692(17)33072-6

背景:
 迅速細胞診(ROSE)を用いることで経気管支針生検(TBNA)の診断精度が向上するかは不明である。ここでは、過去TBNA時にROSEを用いた研究のシステマティックレビューをおこなった。

方法:
 電子データベースから、悪性縦隔リンパ節腫大に対するTBNAあるいはEBUS-TBNAをおこなったランダム化比較試験をROSEの有無を問わず抽出した。

結果:
 5研究(618人、2研究がEBUS-TBNA、2研究が通常TBNA、1研究が両方)が同定された。
 EBUS-TBNAと通常TBNAの診断能には差はみられず、ROSEの上乗せ効果は観察されなかった。ROSEの使用によって、EBUS-TBNAの穿刺回数が有意に減った(平均差マイナス1.1回、95%信頼区間0.005~2.2回、p<0.001)。手技時間については特に差はみられなかった。追加穿刺の必要性が少ないため、通常TBNAではROSE群の方が合併症の頻度が有意に少なかった(オッズ比0.26、95%信頼区間0.10-0.71、p=0.009)。通常TBNAでは明らかな異質性がみられたが、EBUS-TBNAでは観察されなかった。出版バイアスはなかった。

結論:
 TBNAにおいてROSEを用いても診断精度は向上しないが、穿刺回数は減る。


# by otowelt | 2017-12-05 00:50 | 気管支鏡

効果的な胸膜癒着術のタイミングと手法

e0156318_9591036.jpg 永遠の悩みどころのような気もします。

Hallifax RJ, et al.
Effectiveness of chemical pleurodesis in spontaneous pneumothorax recurrence prevention: a systematic review.
Thorax. 2017 Dec;72(12):1121-1131. doi: 10.1136/thoraxjnl-2015-207967.


目的:
 自然気胸はよくみられる疾患である。国際的ガイドラインでは、処置後のエアリーク遷延や再発予防には胸膜癒着術が推奨されている。この研究は、その有効性について包括的にレビューしたものである。

デザイン:
 過去のランダム化比較試験、症例対照研究、ケースシリーズをシステマティックに調べた。処置後の相対的再発率あるいはオッズ比を調べたが、異質性が高いためメタアナリシスはおこなわなかった。

結果:
 560のアブストラクトがスクリーニングされ、そのうち50がわれわれのシステマティックレビューに組み込まれた。再発率は、胸腔ドレナージ後で26.1~50.1%だった。胸腔鏡下散布法(poudrage法)(4研究249人)の再発率は、2.5~10.2%だった。ランダム化比較試験は1つの身であったが、胸腔ドレーン単独との比較でオッズ比0.10だった。また、8研究でVATS時のタルク投与について調べられているが、再発率は0.0~3.2%だった。しかしランダム化比較試験においてはブラ切除術単独との比較では有意な差はみられなかった。タルクだけでなくミノサイクリンもVATS時の胸膜癒着に有効だった(再発率0.0~2.9%)胸腔ドレーンからテトラサイクリンを用いたエアリーク遷延予防と再発予防のための処置では再発率13.0~33.0%であり、自己血についても15.6~18.2%だった。

結論:
 胸膜癒着術は外科手術時に胸腔鏡から注入する手法がもっとも効果的である。


# by otowelt | 2017-12-04 00:35 | 呼吸器その他

定量式フィットテストによるN95マスク選択

e0156318_2374935.jpg かなり興味深い論文です。こういった実臨床にマッチした報告は好きです。

鍋谷大二郎ら
定量式フィットテストによるN95マスク選択:当院の結果とプロトコール項目別解析
日呼吸誌, 6(6): 410-416, 2017


方法:
 2013年9月から4年間に当院で行われたN95マスク(4種)の定量式フィットテストの結果を後ろ向きに解析した.
 定量式フィットテストにはPorta-Count Pro+(TSI)が用いられ,3M1860 S/R(3M):金属ノーズクリップ付きカップ型,3M1870(3M):三面折り畳み構造,興研350(興研):接顔クッション付き・ゴム紐調節可カップ型,Moldex®1500 XS/S(Moldex-Metric):成形型ノーズブリッジ加工・保護シェル付きカップ型,の4種類のN95マスクでテストが行われた.
 フィットテストはPortaCount Pro+ に内蔵されているプログラムに従って行われた.具体的には,テスターに接続されたマスクを着けながら,OSHAプロトコール[①通常呼吸60秒,②深呼吸60 秒,③頭をゆっくり左右に振る60秒,④頭をゆっくり上下に振る60 秒,⑤声を出して指定された文章を読む60秒,※顔をしかめる15秒,⑥前傾姿勢(お辞儀)を繰り返す60 秒,⑦通常呼吸60 秒]に沿ってfit factor(マスク外気の粉塵数をマスク内気の粉塵数で除した数値:FF)の測定を行い,※を除いた各項目のFFから算出される総合FFが100 以上であれば合格,100未満の場合は不合格として判定されるものである.

結果:
 88人で延べ165回行われ,81人がいずれかのマスクで合格した.各マスクの合格率は46〜82%で男女差も認めた.不合格判定されたテストの64%で開始時から漏れを認め,テスト直前に行われていたシールチェックの限界が示唆された.合格判定されたテストの28%でテスト中の漏れを認めたが(特に前屈姿勢),ほとんど漏れを認めないマスクもあった.

結論:
 施設全体の合格率を上げるためには複数種類のマスク導入が望まれる.


# by otowelt | 2017-12-01 00:03 | 集中治療

慢性非特異的呼吸器症状のある患者においてFeNOは吸入ステロイド薬の効果を予測する

e0156318_224778.jpg 実際に、疾患と問わずICSの効果指標にFeNOは有用だと感じています。ただ、その証明は難しかった。

Price DB, et al.
Fractional exhaled nitric oxide as a predictor of response to inhaled corticosteroids in patients with non-specific respiratory symptoms and insignificant bronchodilator reversibility: a randomised controlled trial.
Lancet Respir Med. 2017 Nov 3. pii: S2213-2600(17)30424-1. doi: 10.1016/S2213-2600(17)30424-1. [Epub ahead of print]


背景:
 慢性非特異的呼吸器症状のマネジメントは難しい。この研究の目的は、同症状を訴えた患者におけるFeNOとICS反応性の関連を調べることである。

方法:
 イギリスおよびシンガポールの26施設で行われたこの二重盲検ランダム化プラセボ対照試験では、咳嗽・喘鳴・呼吸困難感を訴える18-80歳の未診断の非特異的呼吸器症状患者を組み入れた。気道可逆性は20%未満と規定した。患者は、キュバール80μg2吸入1日2回あるいはプラセボを4週間受けた。ランダム化はベースラインのFeNOで層別化された(25ppb以下、25~40ppb、40ppb以上)。プライマリエンドポイントは平均ACQ7スコアとした。一般化線形モデルを用いてFeNoがICS反応性(ACQ7スコアを指標)の予測因子となるかどうか調べた。

結果:
 2015年2月4日から2016年7月12日までの間、294人の患者がランダム化され、ICS群148人、プラセボ群146人となった。プロトコル違反を除き、214人(ICS群114人、プラセボ群100人)が解析された。
 FeNOが10ppb増加するごとに、ACQ7スコアの変化がICS群で顕著に観察された(群間差0.071, 95%信頼区間0.002 to 0.139; p=0.044)。もっともよくみられた有害事象は鼻咽頭炎だった(12% vs 9%)。
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(文献より引用)

結論:
 非特異的呼吸器症状を訴える患者において、ICS反応性をみるためのFeNOは簡便で侵襲性が低いツールである。


# by otowelt | 2017-11-30 00:56 | 呼吸器その他

吸入薬の薬価

アニュイティが発売され、吸入薬の薬価もちょこちょこ変更になっているので、薬価一覧を更新しました。

※112吸入(56日分)の製剤などは、30日あたりの薬価に再計算しています。
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# by otowelt | 2017-11-29 00:05 | 気管支喘息・COPD