出版のお知らせ:咳のみかた、考えかた

 4月18日に「咳のみかた、考えかた」という本を中外医学社から出版します。咳嗽診療で遭遇するリサーチクエスチョンに、日々ジレンマを抱いています。日本と欧米では慢性咳嗽に対する診療スタンスがやや異なるため、世界各国の咳嗽ガイドラインを参考にして、この本を書き上げました。

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発売日:2017年4月18日
単行本 : 250ページ
価格 : 4,000円 (税別)
出版社 : 中外医学社
著者 : 倉原 優 (国立病院機構近畿中央胸部疾患センター内科)

e0156318_13141310.jpgAmazonから予約/購入する (入荷がやや遅いかも)

e0156318_13141310.jpg中外医学社から購入する

 装丁のデザインは、中学・高校6年間をともに学んだクラスメイトであり、世界を舞台に活躍するテキスタイルデザイナー・アーティストの谷川幸さん(下写真:C.a.w Design Studio代表)にお願いしました。彼女にデザインしてもらうのは、「呼吸器の薬の考え方、使い方」という本に続き2冊目です。有名デザイナーに自著の装丁をしてもらえるなんて、本当に幸せです。
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 本を開いてみると、オモテ表紙が咳をコンコンとしている和装の女性、ウラ表紙が咳の消失した穏やかな女性が表現されています。これはLady Windermere症候群をイメージしたもので、ドレスと扇をすべて和風にアレンジしてもらいました。
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# by otowelt | 2017-04-05 08:34 | その他

FLAME試験事後解析:COPDに対するウルティブロ®の好酸球別解析

e0156318_945442.jpg COLD2017が出てしまって、いずれにしてもICS/LABAはやや下火です。

Nicolas Roche, et al.
Blood Eosinophils and Response to Maintenance COPD Treatment: Data from the FLAME Trial
AJRCCM, DOI: http://dx.doi.org/10.1164/rccm.201701-0193OC

背景:
 好酸球数は、COPDのマネジメントにおけるICSの効果を予測する潜在的バイオマーカーであることが事後解析で示されている。

目的:
 われわれは、COPD増悪の予防に用いられたICS/LABAとLAMA/LABAの反応を予測する因子として好酸球数を前向きに調べた。

方法:
 われわれはFLAME試験のデータのprespecified analysisを実施し、過去1年にCOPD増悪を経験したことがある患者に対する1日1回のLAMA/LABAであるインダカテロール/グリコピロニウム(110/50μg)と1日2回のICS/LABAであるサルメテロール/フルチカゾン(50/500μg)を比較し、事後解析をこころみた。

結果:
 治療効果を好酸球比率ごと(2%未満と2%以上、3%未満と3%以上、5%未満と5%以上)、好酸球数ごと(150/μL未満、150~300/μL、300/μL以上)に比較した。インダカテロール/グリコピロニウムはサルメテロール/フルチカゾンよりも増悪を予防する上で、好酸球比率2%未満、2%以上、3%未満、5%未満、好酸球数150/μL未満のサブグループにおいて優越性であった(すべての重症度、中等症、重症、いずれの比較において)。サルメテロール/フルチカゾンがインダカテロール/ウルティブロより優越性を示したカットオフは同定されなかった。好酸球数が上昇していても、中等症あるいは重症の増悪の頻度は高くならなかった。肺炎の頻度はサルメテロール/フルチカゾン群で多くみられた(2%未満、2%以上のサブグループ解析において)。

結論:
 本解析において、COPD患者では好酸球レベルにかかわらず、インダカテロール/グリコピロニウムはサルメテロール/フルチカゾンよりも優れているか同等であることが示唆された。



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# by otowelt | 2017-04-04 00:15 | 気管支喘息・COPD

実臨床におけるピレスパ®とオフェブ®の忍容性は大規模臨床試験と同等

e0156318_7331272.jpg IPFの中でも比較的良好な機能である集団と、実臨床で処方される集団には大きな差があることが指摘されていましたが、忍容性や副作用に有意な差はなさそうです。

Jonathan A. Galli, et al.
Pirfenidone and nintedanib for pulmonary fibrosis in clinical practice: Tolerability and adverse drug reactions
Respirology, DOI: 10.1111/resp.13024


背景および目的:
 臨床試験とは離れた、実臨床におけるピルフェニドンとニンテダニブの忍容性はよくわかっていない。多くの肺線維症の患者はいろいろな合併症や臨床試験から除外されがちな背景を有している。

方法:
 われわれは、ニンテダニブあるいはピルフェニドンを肺線維症に対して処方された患者を後ろ向きに抽出した(2014年9月~2016年2月)。合計186人が登録された(129人がピルフェニドン、57人がニンテダニブ)。ピルフェニドン群患者は平均52±17週、ニンテダニブ群患者は平均41±15週追跡された。プライマリアウトカムは副作用による薬剤中断とした。

結果:
 登録患者はベースラインで有意な呼吸器系障害がみられ、63%が在宅酸素療法を必要とし、平均DLCOは36±14%だった。副作用による薬剤中断はピルフェニドン群の20.9%、ニンテダニブ群の26.3%でみられた。いずれの薬剤中断率も、大規模臨床試験(ASCEND/CAPACITY、INPULSIS1/2 )と差はなかった。
 ピルフェニドンによくみられた副作用は悪心(26.4%)、皮疹/光線過敏(14.7%)、ディスペプシア/GERD(12.4%)だった。ニンテダニブ群でよくみられた副作用は、下痢(52.6%)、悪心(29.8%)だった。
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(文献より引用:Figure3)

結論:
 実臨床レベルでニンテダニブあるいはピルフェニドンで治療された肺線維症の患者は、大規模臨床試験よりも呼吸機能障害や合併症の頻度が高いにもかかわらず、大規模臨床試験と同等の忍容性と副作用プロファイルであった。



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# by otowelt | 2017-04-03 00:50 | びまん性肺疾患

アニュイティ®エリプタ承認

 ついにアニュイティ®エリプタが登場します。5月下旬頃に発売する見込みです。
 喘息治療では、初期にICS/LABAを導入して後日ICSへステップダウンする手法も近年好まれますが、ステップ1の患者さんや、ステップ1寄りのステップ2の患者さんに対しては、初期治療としてICS単剤を処方しています。そのため、1日1回で済むエリプタのICSをずっと待ち望んでいました。

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プレスリリース

・「アニュイティ®100μgエリプタ®」「アニュイティ®200μgエリプタ®」 製造販売承認を取得
 グラクソ・スミスクライン株式会社(社長:フィリップ・フォシェ、本社:東京都渋谷区、以下GSK)は本日、厚生労働省より新規気管支喘息治療剤である「アニュイティ®100μgエリプタ®」「アニュイティ®200μgエリプタ®」(以下、「アニュイティ®エリプタ®」)について、気管支喘息の適応で製造販売承認を取得。



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# by otowelt | 2017-04-01 21:41 | 気管支喘息・COPD

実地臨床に即したオーストラリアIPFレジストリ

e0156318_7331272.jpg 臨床試験になぞらえた集団を解析することも重要ですが、臨床医としてはこういったコホートを実臨床に応用したいですね。

Jo HE, et al.
Baseline characteristics of idiopathic pulmonary fibrosis: analysis from the Australian Idiopathic Pulmonary Fibrosis Registry.
Eur Respir J. 2017 Feb 23;49(2). pii: 1601592. doi: 10.1183/13993003.01592-2016. Print 2017 Feb.


背景:
 致死的な進行性肺疾患である特発性肺線維症(IPF)の有病率は10万人あたり1.25~63人と考えられているため、大規模集団を用いた研究は困難である。近年、IPFの研究のための大規模な縦断的レジストリの必要性が認識されている。

方法:
 オーストラリアIPFレジストリ(AIPFR)を用いてIPFのデータを収集した。IPFコホートの臨床的特徴を調べ、患者背景、生理学的パラメータ、特異的マネジメントが死亡率に与える影響を調べた。

結果:
 AIPFRの患者647人(平均年齢70.9歳±8.5歳、67.7%が男性、追跡期間中央値2年[6ヶ月~4.5年])が解析対象となった。年齢、疾患重症度、合併症には広くばらつきがみられ、これは臨床試験のコホートでは見受けられない現象であった。累積死亡率は、1年次5%、2年次24%、3年次37%、4年次44%だった。ベースラインの肺機能(努力性肺活量、DLCO、composite physiological index)およびGAPステージは死亡率の強い予測因子であった(ハザード比4.64、95%信頼区間3.33~6.47、p<0.001)。抗線維化治療を受けていない患者と比較すると、同治療を受けた患者は、疾患重症度と独立して生存期間が長かった(ハザード比0.56、95%信頼区間0.34~0.92、p=0.022)。

結論:
 AIPFRはIPFの自然経過と臨床的マネジメントを理解する上で重要な知見を提供した。



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# by otowelt | 2017-03-31 00:07 | びまん性肺疾患