NSCLCセカンドラインにおいて、エルロチニブにベバシズマブ併用でPFSが延長


ATLAS試験でも、タルセバ+アバスチン > タルセバalone の結果

Phase III Study Showed Tarceva in Combination With Avastin as First-Line Maintenance Therapy Improved Progression-Free Survival in Advanced Lung Cancer


●BeTa Lung試験
 進行非小細胞肺癌のセカンドライン療法として、ベバシズマブとエルロチニブを
 併用投与すると、エルロチニブの単独投与に比べて、無増悪生存期間が延長、
 奏効率も向上することが確認された。
 全生存期間については統計学的に有意な延長は認められなかった。 

●ATLAS試験(AVF3671g)
 ATLAS試験は、データ安全性監視委員会の勧告に基づいて早期中止された。
 プラセボとベバシズマブを併用したグループに比べ、エルロチニブ+ベバシズマブ群
 の無増悪生存期間が有意に長いことを明らかにした。
 また予備的に行われた安全性評価では、有害事象についても新たな問題を認めず
 過去に行われたエルロチニブ、ベバシズマブに関する臨床試験で見られたと同程度。

 ATLASは、二重盲検の無作為化試験として複数国の医療機関で行われた。
 局所進行、再発、または転移性のNSCLC患者1157人を登録。ベバシズマブに
 関するこれまでの臨床試験では、脳への転移がある患者、肺以外の場所に
 扁平上皮性の腫瘍が存在する患者、抗凝固薬を使用している患者はしばしば除外
 されてきたが、今回はそれらの患者も対象に含まれている。

# by otowelt | 2009-02-12 16:27 | 肺癌・その他腫瘍

ノルアドレナリンは市中発症敗血症性ショックの転帰を増悪させる可能性

sepsis survival campaign 2008では・・・
・ノルアドレナリンかドパミンが推奨されている。
・フェニレフリンとバゾプレシンは初期投与には推奨されていない。
・MAPが65-90mmHgになるように血管作働薬を使用する。
とのことだが、

・NAは他のカテコラミンと比較して死亡率 62% vs 82%
  Crit Care Med 2000;28:2758-65
・バゾプレシンとNAは同等の効果
  NEJM. vol. 358;877-887 Feb. 28 2008

そんな中、ポルトガルからの論文。

Influence of vasopressor agent in septic shock mortality. Results from the Portuguese Community-Acquired Sepsis Study (SACiUCI study). Critical Care Medicine:Volume 37(2)February 2009pp 410-416

目的:
 アドレナリン作用のある昇圧剤の使用のbest agentは、
 sepsis survival campaignでも結局結論という結論は出なかった。
 community-acquired septic shockの患者さんで、昇圧剤の使用による
 それぞれの死亡率への寄与を調査した。
 コホート研究。

患者:
 ICUに入院したseptic shockの患者

方法および結果:
 897人の患者がcommunity-acquired sepsisでICUに入室した。
 (平均63歳、577人が男性、hospiatl死亡率は38%)
 最終的に登録された458人の患者のうち、73%がノルアドレナリン、
 50.5%がドパミンを使用した。
 ノルアド群はドパミン群より死亡率が高かった(52% vs. 38.5%, p = 0.002)
 ノルアドは死亡リスクを上昇させる可能性も指摘
 (HR, 2.501; 95%CI 1.413-4.425; p = 0.002)
 
結論:
 ノルアドレナリンはICUにおける市中発症敗血症性ショック患者の転帰を増悪させる。


まぁ、こういう論文もあるという程度にとどめておくべきか???

# by otowelt | 2009-02-12 15:18 | 集中治療

低体温療法は不整脈を増加させる可能性がある



ヘルシンキ大学病院のICUの研究である。

Arrhythmias and heart rate variability during and after therapeutic hypothermia for cardiac arrest. Critical Care Medicine:Volume 37(2)February 2009pp 403-409

目的:
 CPAのあとの低体温治療における、不整脈、心拍数変化、予後について考察。
 RCT(the European Hypothermia After Cardiac Arrest study.)

患者:
 70人の成人男性における院外VF症例において、33℃の低体温治療と正常体温に
 romdomized

低体温治療:  
 低体温群にわけられた患者は、24時間クーリングデバイスで冷却され
 その後12時間かけて徐々に温度を上げていく。正常体温グループでは体温は常に
 38度未満におさえておく。全ての患者は最低でも2日間ICUに滞在

結果:
 来院24-48 hoursと14日目に心電図検査。
 臨床的アウトカムは6ヶ月後とした。
 premature ventricular beatsが低体温グループで増えた。
 しかしながら、VTおよびVFの頻度は両群ともに変化なかった。
 心拍数変動は低体温で多く(p < 0.01)、2週間後では両者とも差がなかった。
 また低体温グループでは、正常循環や調律に戻るのに少し時間がかかった。

結論:
 CPA24時間後の33℃の低体温治療は、不整脈を増やす可能性がある。
 


<現在のAHAのステートメントは以下の通り>
********************************************************************************************************
心停止後蘇生して循環動態が安定している患者が、自然に軽度低体温(33℃)に
陥った場合、復温すべきでない。軽度低体温療法は、神経学的転帰に有利である。
病院外心停止で心拍再開した昏睡状態の成人患者には、初期調律がVFなら、
32から34℃に12から24時間で冷却すべきである(ClassIIa)。
病院外VF以外の心停止や、院内例でも、同様の治療が有益(ClassIIb)。
********************************************************************************************************

1)心停止(不整脈の種類は問わない)後に蘇生
2)意識障害がある
3)心停止は目撃者がいるか推定5分間以内
4)胸骨圧迫は45分以内
こういった患者には32-34℃を目標にできるだけ早く低体温導入した方が
よいという意見が多い。
敗血症や頭蓋内病変・脳出血などは除外。

# by otowelt | 2009-02-12 13:26 | 救急

カテーテル関連感染症(CRBSI)その2


【培養・染色】
・半定量法
 通常はロールプレート法(MAKI法)を用いる。寒天培地上でカテ先を4回
 転がし、翌日発育してくる集落の数を数え、15個以上の発育で感染を疑う。
 Maki DG, Weise CE, Sarafin HW: A semi-quantitative method for identifying intravenous-catheter-related infection. N Engl J Med 296: 1305~1309, 1977.

・定量法
 半定量法のもつ弱点 (カテーテルの内腔を検査していない) を解消する目的で
 考案されたもので、Cleri法と呼ばれる。血管内に挿入された部分の長さに応じて,
 カテーテル内腔を2~10mlのtrypticase soy brothで3回内腔を洗浄し,
 その洗浄液を定量培養。洗浄操作の代わりに超音波処理する方法も提案。
 102あるいは103CFUを判定区分値とする。
Cleri DJ, Corrado ML, Seligman SJ: Quantitative culture of intravenous inserts. J Infect Dis 141: 781~786, 1980

・染色
 ロールプレートが終わってからカテ先をグラム染色するときは、こすりつけても
 よいが少量の生食でフラッシュしてから、沈査を染色するのが望ましい。

【症状】
・典型的症状は、点滴刺入部周囲の発赤・腫脹・膿性分泌物の存在。
・GNRによる静脈炎は、局所の発赤などの所見が乏しく、感染源不明の
 菌血症としてあつかわれることが多いので注意。

【抗菌薬ロック療法】
・基本的にカテーテルを抜去していない患者が対象となる。
・CRBSI を防止するため、抗生物質溶液でカテーテルの内腔のフラッシュ
と充填を行ない、カテーテルの内腔に同溶液を残しておく抗生物質ロック
予防法が試みられている。
・ヘパリン単独(50~100単位)またはヘパリン+バンコマイシン2.5mg/ml
が使用されている。数mlあれば問題ないとされている。
   J Clin Oncol 2000;18:1269-78.
・CNSのサルベージ成功率は、最高80%
・黄色ブドウ球菌やCandidaでは60%近くが失敗すると言われている。

【カテ交換】
●末梢
・静脈炎・カテーテル関連感染防止の観点から、定期的に静脈カテーテル
 を交換するよう提案されてきた。ショートタイプの末梢静脈カテーテルの
 研究によると、カテーテルの留置時間が72 時間を超えると血栓性静脈炎
 や菌の定着の発生が増加することが明らかになっている。
   Intern Med 1991;114:845-54.
・しかし、末梢カテーテルの留置時間が72時間の場合と、96時間の場合を
 比較しても、静脈炎の発生率に事実上の差は認められない。
   Am J Infect Control 1998;26:66-70.
・静脈炎やカテーテルの菌の定着は、カテーテル関連感染のリスク上昇を
 招くため、感染リスクと静脈炎による患者の不快感を軽減するため末梢
 静脈カテーテルの留置部位を72〜96時間間隔で交換することが一般的。

●中心静脈
・カテーテルの交換を7 日毎に行なった患者と、必要に応じて行なった患者で
 CRBSI に違いは認められていない
   Crit Care Med 1990;18:1073-9.
・感染の頻度を減らす目的だけのために中心静脈カテーテルをルーチンに交換
 する必要はない。但し、不要となった血管内カテーテルは迅速に抜去。

●動脈ライン
・末梢動脈カテーテルは橈骨動脈もしくは大腿動脈に挿入され、連続的
 な血圧モニタや血液ガス測定に使用される。CRBSIの発生率は、
 一時的なCVC と同レベル。(1,000カテーテル挿入日あたり2.9対2.3)
 Abstracts of the 39th Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy. San Francisco, CA: American Society for Microbiology, 1999:514.

・末梢動脈カテーテルに関するある研究では、定期的にカテーテルを
 交換した場合と、必要に応じて交換した場合の感染率に差がない。
   Crit Care Med 1990;18:1073-9.

【治療】
敗血症的でCRBSIが疑われる場合、培養出るまで
 バンコマイシン1回15mg/kg(実際体重)12時間ごと静注  
+ 
 トブラマイシン1回 5mg/kg(理想体重)24時間ごと静注
 (もしくはトブラマイシンに換えてセフェピム or セフタジジム1g8時間毎)
 ※MRSAでないとわかった場合は、ブドウ球菌ならセファゾリンに変えること 
  ただし、経食道エコーはIE除外のためにしておくべき。

血液培養で酵母が陽性(Candida)
・第一選択:ミカファンギン 1回 150mg 24時間毎静注
その他:アムホテリシンB 1回 0.3-1.0mg/kg 24時間毎静注
 

# by otowelt | 2009-02-12 12:53

カテーテル関連感染症(CRBSI)その1


【ポイント】
・カテーテル挿入部とその付近に感染兆候ある場合、もしくは血管内カテーテル
 を有する患者に発熱があるものの、フォーカスがはっきりしない場合には、
 カテーテル感染を疑う。
・必ず血液培養を場所を変えて2セット採取
 (少なくとも1セットを末梢で⇒カテーテル血・末梢血両方あると有用)
・血流感染が疑わしければ、必ず抗菌薬を投与する
 カテーテル感染による血流感染は「全て」治療の適応である
  ⇒ IE・骨髄炎・眼内炎など重篤合併症を起こす可能性
・起因菌が判明したら抗菌薬のDe-escalationを積極的に行う。
・カテーテル感染の場合は基本的にカテーテルを抜去する
 (血栓症等の合併症のないCNS感染の場合など、わずかの例外はある)

【総論】
・血管内カテーテルに関連した重大な感染合併の大部分は、中心静脈
 カテーテルに起因している。代表的な原因微生物としてはCNS、
 カンジダ属、黄色ブドウ球菌、グラム陰性桿菌(大腸菌、エンテロバクター、
 クレブシエラ、緑膿菌など)が挙げられる。
・院内感染としての心内膜炎は重要であり、侵襲的手技または血管内
 装置の合併症として認識され、頻度は全感染性心内膜炎の約10%である

【機序】
・CRBSIの原因を考える場合、特定微生物の付着性が重要。
 例えば黄色ブドウ球菌は、カテーテルに存在する宿主の蛋白質
 (フィブロネクチン等)に付着。
    J Infect Dis 1993;167:312-22.
・CNSは、他病原体(大腸菌や黄色ブドウ球菌等)よりもポリマーに付着し
 やすい。さらに、CNSの中には一般に細胞外多糖類を生成するものもある。
 この粘液により、カテーテルが存在すると、宿主の防衛メカニズムに対して
 耐性ができ(多核白血球の抱き込みや殺傷に対するバリアとして機能)、
 あるいは抗菌剤に対する感受性が低下し(菌の細胞壁に抗菌薬が接触する
 前に抗菌薬と結合しマトリックスを形成する等)、CNS病原性が増強。
    J Infect Dis 1990;161:37-40.
・カンジダの中には、ブドウ糖溶液中で、細菌と同じ粘液を生成するものもある。
 これが、経静脈的栄養輸液製剤の投与を受けている患者のBSIで、真菌性の
 病原体に起因する割合が増大していることの原因となっている可能性がある。
    J Clin Microbiol 1994;32:452-6.

【手技】
・カテ挿入部の皮膚の常在菌叢の菌密度は、CRBSIの大きなリスクファクター
 である。専門家は、感染リスクを軽減するためにCVC を、頸部や大腿部ではなく
 鎖骨下部分に留置するよう勧告している。

・内部頸静脈は、鎖骨下・大腿部に挿入された場合よりも感染リスクが高い。
  J Clin Microbiol1990;28:2520-5
・大腿部カテーテルは、成人で菌の定着率が高い。
  Infect Control Hosp Epidemiol 1998;19:842-5.
・大腿部カテーテルの場合、内頸部や鎖骨下より深部静脈血栓のリスクが高い
  JAMA 2001;286:700-7.
・皮下を這わせて静脈内に入れる(tunneling)ほうが感染を
 減らすことができる。
・10%ポビドンヨードや70%アルコールを用いた場合と比較して、
 2%グルコン酸クロルヘキシジン水溶液を中心静脈や動脈部分に
 使用すれば、BSI 発生率をより低減できる
    Lancet 1991;338:339-43.
・カテーテル関連BSI の防止のためには、縫合式固定器具よりも無縫合式
 固定器具のほうが有利である。限られた患者を対象にしたある研究で、
 PICCの固定について、無縫合式器具と縫合式器具の比較が行なわれた。
 同研究では、無縫合式器具を用いた患者グループでCRBSIが減少
   J Vasc Interv Radiol 2001 (in press).

【診断】
 1.24時間以内に血液培養陽性の報告
 2.血液培養2セットが陽性
 CRBSIを疑って行った血液培養の検査では、上記の場合ほとんど真のCRBSI。

・中心静脈カテーテル感染を診断するのに、カテーテルと末梢からの採血での
 血培の培養時間が120分以上違って陽性(CVの方が早い場合)なら、
 感度81%、特異度92%で診断できる。150分以上ならLR=6. 02 (3.55-10.21)
 60分以内ならLR=0.11(0.06-0.20)
    Ann Intern Med 2004;140:18-25

# by otowelt | 2009-02-12 12:46