アリムタメンテナンス


いま、肺癌ではアリムタが怒涛の快進撃を遂げている。
ASCO2009以前に予想されていたことではあるが…。

ファーストラインでのCDDP+MTAをウリにしたいところではあるが、
目下のところ、ファーストラインでそれらに入らなかった患者群の
セカンドラインを相手にMTA単剤もウリにしてもいいと思う。
半年や1年前にはアリムタが使えてなかったワケだから、
セカンドラインにエントリーする患者は増えてくるはず。
非扁平上皮癌であれば、DOC≧MTAなのだから…!

間違えないようにしたいのは、高齢者のDOC、VNB単剤が推奨されている中に
MTAはまだ入ってこないということ。
あくまでセカンドラインとしてのMTA推奨である。

今年のASCOではMTAのメンテナンスが脚光を浴びた。
そのため、欧米では早くもメンテナンスMTAが承認を受けている。
はたして、日本はいつになることか。


日経メディカルオンラインより

米Eli Lilly社は7月10日、局所進行性または転移性の非小細胞肺癌(NSCLC)の維持療法として、ペメトレキセド(商品名:アリムタ)が欧州委員会から承認を受けたと発表した。この治療の対象となるのは、NSCLCの非扁平上皮癌で、白金系抗癌剤を含む化学療法の施行後早期に進行を認めない患者。今回の承認は、維持療法の設定で投与したペメトレキセドによりNSCLCで非扁平上皮癌患者の全生存期間が改善されたデータに基づく。

 葉酸代謝拮抗剤ペメトレキセドは、進行性のNSCLCの非扁平上皮癌に対するファーストライン治療として白金系抗癌剤との併用で承認されており、再発性のNSCLCの非扁平上皮癌に対してもセカンドライン治療として単剤で承認されている。

 これまで、ファーストライン治療で奏効した患者に対しては、再発するまで経過を観察し、再発後にセカンドライン治療を行っていた。今回の維持療法での承認によって、癌が進行するまで治療を休止するのではなく、ファーストライン治療で奏効した患者に対し、直ちに維持療法のレジメンで治療を行えるようになる。

 今回の承認につながった臨床試験の結果は、5月31日に米国臨床腫瘍学会(ASCO 2009)で発表された。白金系抗癌剤を含む導入化学療法を4サイクル施行した後、進行を認めないステージIIIBまたはIVのNSCLC患者663人を対象として、ペメトレキセド(500mg/m2を1サイクル21日の1日目に投与)の投与と対症療法を行った群と、プラセボの投与と対症療法を行った群で全生存期間を比較した結果、全生存期間は有意差をもってペメトレキセド投与群で上回った。

 今回の維持療法としてのペメトレキセドの承認は、欧州では4回目となる。5月29日に発表された欧州医薬品審査庁(EMEA)の下部組織である医薬品委員会(CHMP)による最初の肯定的な意見と、米食品医薬品局(FDA)による最近の承認に続くもの。

# by otowelt | 2009-07-28 19:09 | 肺癌・その他腫瘍

冠動脈ステントにパクリタキセル被覆バルーンも有効


パクリタキセルを塗布したステントはよく耳にするが、
バルーンというのは聞いたことがなかったので。
ステント再狭窄というのは循環器内科医にとってもやっかいな問題であり、
このバルーニングがエビデンスとして同等ならば、
ステント再挿入というストレスがなくなるということか???

Paclitaxel-Coated Balloon Catheter Versus Paclitaxel-Coated Stent for the Treatment of Coronary In-Stent Restenosis
Circulation. 2009;119:2986-2994.


背景:
 ステント再狭窄の治療にパクリタキセル被覆バルーンカテーテルを使用すると
 非被覆バルーンを用いた血管形成術に比べて6ヵ月後の内径損失が小さい。
 主要有害心疾患系イベントが2年後まで低頻度に抑制されることも知られている。
 パクリタキセル被覆バルーンの有効性および安全性を、標準療法である
 パクリタキセル溶出性ステントと比較。

方法・結果:
 冠動脈ステント再狭窄患者131例を、
 パクリタキセル被覆バルーン(3 μg/mm2)群または
 パクリタキセル溶出性ステント群に無作為に割り付け。
 inclusion criteriaは径狭窄率≧70%、病変長≦22mm、血管径2.5~3.5mm。
 プライマリエンドポイントは血管造影におけるセグメント内遠隔期内径損失。
 結果として、追跡6ヵ月後におけるセグメント内遠隔期内径損失は
 薬剤溶出ステント群で0.38±0.61mm、薬剤被覆バルーン群で0.17±0.42mm
 (P =0.03)であり、再狭窄率はそれぞれ59例中12例(20%)および
 57例中4例(7%;P =0.06)。
 12ヵ月後における心疾患系イベントの発現率はそれぞれ22%と9%(P =0.08)。
 この差は主として標的病変血行再建術を要するイベントの差。

結論:
 冠動脈ステント再狭窄の治療において、パクリタキセル被覆バルーン療法は
 パクリタキセル溶出ステントに比べて少なくとも同等に有効で忍容性良好。
 

# by otowelt | 2009-07-27 19:06 | 内科一般

カプセル型内視鏡は大腸内視鏡よりも感度が劣る

e0156318_23313086.jpg
カプセル内視鏡といえば、NORIKAやSAYAKAが有名だ。
(NORIKAは藤原紀香が好きな社員がつけたとか。SAYAKAって誰だ)

欧米はオリンパスが主流。
アールエフの外部リモコン式はまだ未承認なのかな?
そこんとこの事情は知らないが・・・。


NEJMから、カプセル内視鏡は大腸癌発見に下部消化管内視鏡よりも劣る
という論文が発表された。
でも・・・・・、カプセル内視鏡って、カメラの届かないブラックエリアである
小腸をのぞけるというのがメリットだったのでは。

大腸カメラに負けるのは当然だと思う。

Endoscopic versus Open Vein-Graft Harvesting in Coronary-Artery Bypass Surgery.
N Engl J Med 2009; 361 : 264-70


背景:
 大腸検査用として、端にカメラを搭載した飲み込み可能なカプセル内視鏡が考案。
 この研究では、大腸ポリープと大腸癌の検出について、
 カプセル内視鏡と大腸内視鏡を比較した。

方法:
 大腸疾患が確認されている患者と大腸疾患の疑いがある患者に、
 大腸ポリープおよび大腸癌の検出について、カプセル内視鏡と大腸内視鏡を比較。
 大腸ポリープ、進行腺腫、癌について、カプセル内視鏡検査の感度と特異度を算出。

結果:
 328例(平均年齢58.6歳)を対象。
 92.8%の患者において、カプセルは飲み込んでから10 時間以内あるいは
 バッテリーが切れる前に体外に排出された。
 カプセル内視鏡検査は、直径6mm 以上の大腸ポリープに対して
 感度64%(95%CI 59~72)、特異度84%(95% CI 81~87)であり
 進行腺種には感度73%(95% CI 61~83)、特異度79%(95% CI 77~81)。
 大腸内視鏡で確認された大腸癌19のうち、カプセル型内視鏡で検出されたのは14。
 (感度74%,95% CI 52~88)

結論:
 カプセル内視鏡による大腸粘膜の観察は大多数の患者で可能。
 その大腸病変の検出感度は、大腸内視鏡よりも劣る。

# by otowelt | 2009-07-20 23:31 | 内科一般

VAPに対するIBMP10スコアの有用性

e0156318_15145516.jpgAPACHE IIは使いにくい。
ICUではだれもが感じていると思うが・・・
CIDよりVAPのIBMP10スコアについての
提唱。覚えやすいし、こっちのが実用的
だと個人的には思う。
Predicting Mortality in Patients with Ventilator‐Associated Pneumonia: The APACHE II Score versus the New IBMP‐10 Score
Clinical Infectious Diseases 2009;49:72–77


背景:
 人工呼吸器関連肺炎(VAP)は、死亡率上昇を強く関連している。
 The Acute Physiology and Chronic Health Evaluation II (APACHE II)
 スコアはもっともよいスコアリングシステムだと思われる。この試験の目的は
 APACHE IIと比べるためのシンプルなスコアリングを提唱することである。

方法:以下のようにスコアリング
 1) 免疫不全がある
 2) 血圧 <90mmHg(systolic) or <60mmHg(diastolic)
 3) 胸部レントゲンでMultilobar infiltrates
 4) 血小板<100,000/mm3
 5) VAP発症以前の入院期間> 10 日
 それぞれの頭文字をとってIBMP10スコアとしている。

結果:
 VAP患者の死亡率は、上記スコアリングによって
 0点:2%、1点:9%、2点:24%、3点:50%、4点:67% 

結論:
 IBMP‐10 Scoreは使用するにあたって妥当な評価

# by otowelt | 2009-07-15 15:05 | 感染症全般

ゲフィチニブ無効例へのプラチナベース抗癌剤の有効性


ペメトレキセド(アリムタ)が非小細胞肺癌に参入してきたのは
どこの呼吸器内科でも同じことと思いますが、この薬、非常に高い。
500mg2バイアルで48万円です。
100mgバイアルが発売されるともう少し安くなるのでしょうが。

現在の肺癌のファーストラインは、言わずもがな
プラチナ+第三世代抗癌剤のダブレットですが、
セカンドラインの最適の薬剤は、エビデンスレベルの話としては
アリムタ単剤≧ドセタキセル単剤 だと私はとらえています。
non-squamousのsurvivalがドセに勝っている点を考慮して”≧”と考えてます。

しかしながら、PSが良い人には
セカンドラインにもプラチナダブレット使いたいというのが主治医の本音。
こればかりは、セカンドラインにダブレットのエビデンスがないので
どうしようもないのが現状。

IPASS試験をうけて、ファーストラインにイレッサを使った患者さんの
セカンドラインは、エビデンスとして全くありません。
セカンドラインのエビデンスに準じるなら、アリムタかドセの単剤あたりに
なるのですが、PSの良い人にこんなエビデンスもクソもない気がします。

というわけで、そういう細かな場合分けができないため、
肺癌のセカンドライン以降は混沌としているのが現場の実状です。

それをふまえて、以下、Int J Cancer 2009 Jun 17より。
こんなの、言ったもん勝ちのような気もします。
イレッサ無効例にプラチナダブレットが他のセカンドラインよりいいのは
どう考えても明白でしょう・・・。


背景:
 ゲフィチニブは、進行非小細胞肺癌の初回治療として有効だが、
 ゲフィチニブが無効ないし再発した場合の第2次治療として
 いずれのレジメンが良いかは不明。

患者:
 Stage IIIbまたはIVのNSCLC患者で、初回ゲフィチニブ治療が
 施行された後に少なくとも1回の後続治療を受けた患者195例。

結果:
 プラチナベース併用療法またはタキサンを含むレジメンが高い奏効率と関連し、
 とくにプラチナベース併用療法でより良好な生存期間が認められた。
 EGFR遺伝子変異の検査が行われたのは95例で、そのうち61例で変異がみられ、
 34例はワイルドタイプだった。EGFR変異を有する患者では、
 ゲフィチニブ+プラチナ併用レジメンがエルロチニブより良いOS(p=0.035)
 が、ワイルドタイプ患者ではこの差はなかった(p=0.785)。

結論:
 ゲフィチニブによる初回治療無効後の第2次治療には、
 プラチナベース併用療法がエルロチニブやその他のレジメンに比べ
 良好な生存期間を示す。
 プラチナベース併用療法の生存ベネフィットは、
 EGFR遺伝子変異のある患者で認められたがワイルドタイプでは認められなかった。

# by otowelt | 2009-07-15 13:42 | 肺癌・その他腫瘍