ICU血糖管理は、標準血糖コントロールの方が強化コントロールより死亡率が低い(NICE-SUGAR試験)
2009年 04月 08日
多くのICU医師が待ち望んでいた、NICE-SUGAR study。
2009年3月のNEJMより。
Intensive versus conventional glucose control in critically ill patients.
NEJM 2009 Mar 26;360(13):1283-97.
背景:
ICU入室の重症患者における、血糖コントロールの目標値が
はっきりしていなかったため、多施設共同無作為化試験により
目標値を検討する。
方法:
ICUでの治療が、3日間以上必要と予想される成人患者を
ICU に入室後24時間以内に、目標血糖値81~108 mg/dLの
強化血糖コントロール群と、目標血糖値180mg/dL以下の
標準血糖コントロール群のいずれかに無作為に割り付けた。
プライマリエンドポイントは、無作為化後90日以内のあらゆる原因による死亡。
結果:
1.90日以内死亡率
強化血糖コントロール群:27.5% (829例)
従来型血糖コントロール群:24.9%(751例)
OR 1.14; 95%CI 1.02~1.28, p=0.02
2.ICU入室期間、入院期間、人工呼吸を要した期間、透析を要した期間
いずれも有意差なし
3.重篤な低血糖の発生率(血糖値40mg/dL以下)
強化血糖コントロール群:0.5%
従来型血糖コントロール群:6.8% p<0.001
結論
ICU目標血糖値を180mg/dL以下にしたほうが
81~108mg/dLにした場合より死亡率が低い。
Surviving Sepsis Campaign2008では、血糖管理は150mg/dl以下に変更された。
まぁ、インスリンたらたら流すのもコワイので、やっぱりコレでいいのだろう。
by otowelt
| 2009-04-08 09:26
| 内科一般