カンジダスコア3未満で、侵襲性カンジダ感染症発症率は2.3%
2009年 04月 27日
カンジダ真菌血症を疑ったとき、コロナイゼーションとの区別が問題になるが
カンジダスコアというものがあるのは、感染症医には有名な話。
カンジダコロナイゼーション患者を対象にして、
Candida score = 1×(複数ヶ所colonization)
+1×(手術)
+2×(severe sepsis)
+1×(TPN)
Cut off値2.5以上でカンジダ治療開始基準。(感度 81%、特異度74%)
Crit Care Med 2006; 34: 730-7
ちなみにIDSAガイドラインでは、Candida colonization (multiple sites)が
治療開始基準となっている。ICU settingでバルーンと喀痰からコロナイゼーションが
あればそれを消してもいいということになるのかどうかは微妙な問題だが・・・
今回のCIDからの論文。
Usefulness of the "Candida score" for discriminating between Candida colonization and invasive candidiasis in non-neutropenic critically ill patients: A prospective multicenter study.
Critical Care Medicine. 37(5):1624-1633, May 2009
目的:
非好中球減少のICUsetting患者においてカンジダコロナイゼーションと
侵襲性カンジダ感染症(IC)を区別するためにCandida score(CS)は有用かを調べる。
5%未満のIC、3未満のCSをプライマリーエンドポイントとする。
デザイン:
プロスペクティブ、コホート、観察研究
セッティング:
Spain, Argentina, Franceの36のICU
患者:
1107人の非好中球減少患者で、最低でも7日以上ICUに入っている場合
方法および結果:
臨床データ、真菌培養サーベイランス、血清β-Dグルカン、抗カンジダ薬が記録。
本研究では、CS ≧3をICのハイリスク患者としている。
CS<3の患者のうち、ICの率は2.3% (95%CI1.06-3.54)で、CS上昇とICには
相関がみられた(p ≦ 0.001)。ROCカーブは、
CS:0.774 (95% CI 0.715-0.832)、IC:0.633 (95% CI 0.557-0.709)。
β-Dグルカンは、ICの独立予測因子であった(OR1.004, 95% CI 1.0-1.007)。
コロナイズしたカンジダの無治療に対するICのRRは6.83 (95% CI 3.81-12.45)。
結論:
ICUに7日以上滞在して、CS3未満で抗真菌薬投与を受けていない場合、
IC発生率は5%未満であった。
・・・・・スコアが2.5と3.0で微妙に異なるのだが、
まぁ3.0を切ればICのリスクは低いというコンセンサスに異論はないだろう。
カンジダスコアというものがあるのは、感染症医には有名な話。
カンジダコロナイゼーション患者を対象にして、
Candida score = 1×(複数ヶ所colonization)
+1×(手術)
+2×(severe sepsis)
+1×(TPN)
Cut off値2.5以上でカンジダ治療開始基準。(感度 81%、特異度74%)
Crit Care Med 2006; 34: 730-7
ちなみにIDSAガイドラインでは、Candida colonization (multiple sites)が
治療開始基準となっている。ICU settingでバルーンと喀痰からコロナイゼーションが
あればそれを消してもいいということになるのかどうかは微妙な問題だが・・・
今回のCIDからの論文。
Usefulness of the "Candida score" for discriminating between Candida colonization and invasive candidiasis in non-neutropenic critically ill patients: A prospective multicenter study.
Critical Care Medicine. 37(5):1624-1633, May 2009
目的:
非好中球減少のICUsetting患者においてカンジダコロナイゼーションと
侵襲性カンジダ感染症(IC)を区別するためにCandida score(CS)は有用かを調べる。
5%未満のIC、3未満のCSをプライマリーエンドポイントとする。
デザイン:
プロスペクティブ、コホート、観察研究
セッティング:
Spain, Argentina, Franceの36のICU
患者:
1107人の非好中球減少患者で、最低でも7日以上ICUに入っている場合
方法および結果:
臨床データ、真菌培養サーベイランス、血清β-Dグルカン、抗カンジダ薬が記録。
本研究では、CS ≧3をICのハイリスク患者としている。
CS<3の患者のうち、ICの率は2.3% (95%CI1.06-3.54)で、CS上昇とICには
相関がみられた(p ≦ 0.001)。ROCカーブは、
CS:0.774 (95% CI 0.715-0.832)、IC:0.633 (95% CI 0.557-0.709)。
β-Dグルカンは、ICの独立予測因子であった(OR1.004, 95% CI 1.0-1.007)。
コロナイズしたカンジダの無治療に対するICのRRは6.83 (95% CI 3.81-12.45)。
結論:
ICUに7日以上滞在して、CS3未満で抗真菌薬投与を受けていない場合、
IC発生率は5%未満であった。
・・・・・スコアが2.5と3.0で微妙に異なるのだが、
まぁ3.0を切ればICのリスクは低いというコンセンサスに異論はないだろう。
by otowelt
| 2009-04-27 08:49
| 感染症全般