MRSA肺炎患者は、空気中にMRSAを排出している
2009年 05月 02日

Journal of Hospital Infection (2009) 71, 256-262
目的:
呼吸器にMRSAを有する患者が、病室の空気中に
MRSA生菌をどの程度排出しているかを評価する。
また、患者からの距離が汚染に影響するか評価。
方法:
気道にMRSAの保菌または感染がある患者がいる24病室で、
MRSA選択寒天培地を用いて空気サンプルを直接採取した。サンプル採取は、
患者の頭部から0.5、1、2~3 mの距離で2回ずつ施行。
臨床分離株と環境分離株を、抗菌薬耐性パターンおよびパルスフィールド・ゲル
電気泳動により比較した。
結果:
MRSA株は24室中21室で分離され、その量は1~78 cfu/m3と幅があった。
21室の各室に、患者から分離された臨床分離株と同一の環境分離株が
1つ以上認められた。患者の頭部からサンプル採取者までの距離別の
MRSA数に有意差はなかった。この研究により、気道にMRSAの感染または
保菌患者のほとんどは、病室の空気中にMRSA生菌を排出していると考えられる。
結論:
気道にMRSA感染患者のほとんどは、病室の空気中にMRSA生菌を排出している。
空気中のMRSAに関しては、さらなる研究が必要である。
by otowelt
| 2009-05-02 21:34
| 感染症全般