高齢早期乳癌において、カペシタビンは標準補助化学療法より劣る
2009年 05月 15日
高齢乳癌におけるカペシタビンの有用性は否定された。
Adjuvant Chemotherapy in Older Women with Early-Stage Breast Cancer.
N Engl J Med 2009; 360 : 2055 - 65
背景
高齢乳癌女性は、トライアルで十分に検討されていない。
こういった患者に対する補助化学療法の効果に関するデータは少ない。
今回、65歳以上の乳癌女性を対象に、カペシタビンの標準化学療法について検証。
方法
I 期,II 期,IIIA 期,IIIB 期の乳癌患者を
1.標準化学療法(シクロホスファミド+メトトレキサート+フルオロウラシル
またはシクロホスファミド+ドキソルビシン)
2.カペシタビン療法
のいずれかに無作為に割り付けた。ホルモン受容体陽性腫瘍患者には
化学療法後にホルモン療法を推奨した。プライマリエンドポイントは無再発生存率。
結果
600例目の患者を登録した段階で、追跡調査を延長した場合
カペシタビンが標準化学療法に対して劣性となる確率が高いことがわかったため
中止となった。1 年間の追跡後、カペシタビン群における再発または
死亡のハザード比は 2.09(95%CI 1.38~3.17,P<0.001)。
カペシタビン群再発率は標準療法群の2倍であり、死亡率もほぼ2倍(P=0.02)。
3年の時点で、無再発生存率はカペシタビン群68%に対し標準療法群85%。
OSはカペシタビン群86%に対し標準療法群91%。
結論
65歳以上の早期乳癌患者に対して、標準補助化学療法は
カペシタビン療法よりも優れている。
by otowelt
| 2009-05-15 11:44
| 肺癌・その他腫瘍