エサンブトール視神経症
2009年 05月 16日
●エサンブトール視神経症 :ethambutol optic neuropathy
・エサンブトール視神経症とは
エサンブトールの副作用として起こる両側可逆的視神経障害。1962年Carrらにより報告。
・原因
エサンブトールは約1~3%に視神経障害を起こす。2か月服用している患者で、35mg/kg/日以上服用している患者の18%。25mg/kg/日服用している患者の5~6%、15mg/kg/日服用している患者の1%以下に 起こるとされている。
The ocular toxicity of ethambutol and its relation to dose. Ann N Y Acad Sci 1966; 135:904.
投与一日量で25mg/kg以上、総投与量100~400gで発症しやすく、一日量15mg/kg以下では安全とされる。
・リスクファクター
60歳以上、アルコール中毒、糖尿病、腎障害、貧血で発症リスクが高くなる。また、エサンブトールに対してキレート作用を持つ亜鉛が欠乏することが一つの要因とする説があり、低亜鉛血漿(0.7mg/l以下)もリスクファクター。動物実験では亜鉛分布の希薄な視交叉部に異常が起こりやすいとされている
・症状
投薬後3ヶ月から起こり得るが、半年~1年以内(平均7ヶ月)が多い。両眼の視力低下、中心暗点、色覚障害(赤・緑)を呈する。従ってエサタンブトール服用患者は、全例1~2ヶ月に1回の定期的に視機能検査を行う必要がある。スクリーニング検査には視力と河本式中心暗点計を使う。中心フリッカー値も感度は高いが、測定ごとのばらつきが大きく、両眼性なので左右差で検討するのが難しい。異常が疑われたらハンフリー視野計などの静的視野検査を行うが、中心暗点だけでなく両耳側半盲のパターンを呈することも少なくない。
・治療
エサンブトール中止徐々に回復することが多い。ビタミンB群を投与しながら経過観察する。
Ocular toxicity from ethambutol : a review of four cases and recommended precautions. NZ Med J 111 : 428-430, 1998
・エサンブトール視神経症とは
エサンブトールの副作用として起こる両側可逆的視神経障害。1962年Carrらにより報告。
・原因
エサンブトールは約1~3%に視神経障害を起こす。2か月服用している患者で、35mg/kg/日以上服用している患者の18%。25mg/kg/日服用している患者の5~6%、15mg/kg/日服用している患者の1%以下に 起こるとされている。
The ocular toxicity of ethambutol and its relation to dose. Ann N Y Acad Sci 1966; 135:904.
投与一日量で25mg/kg以上、総投与量100~400gで発症しやすく、一日量15mg/kg以下では安全とされる。
・リスクファクター
60歳以上、アルコール中毒、糖尿病、腎障害、貧血で発症リスクが高くなる。また、エサンブトールに対してキレート作用を持つ亜鉛が欠乏することが一つの要因とする説があり、低亜鉛血漿(0.7mg/l以下)もリスクファクター。動物実験では亜鉛分布の希薄な視交叉部に異常が起こりやすいとされている
・症状
投薬後3ヶ月から起こり得るが、半年~1年以内(平均7ヶ月)が多い。両眼の視力低下、中心暗点、色覚障害(赤・緑)を呈する。従ってエサタンブトール服用患者は、全例1~2ヶ月に1回の定期的に視機能検査を行う必要がある。スクリーニング検査には視力と河本式中心暗点計を使う。中心フリッカー値も感度は高いが、測定ごとのばらつきが大きく、両眼性なので左右差で検討するのが難しい。異常が疑われたらハンフリー視野計などの静的視野検査を行うが、中心暗点だけでなく両耳側半盲のパターンを呈することも少なくない。
・治療
エサンブトール中止徐々に回復することが多い。ビタミンB群を投与しながら経過観察する。
Ocular toxicity from ethambutol : a review of four cases and recommended precautions. NZ Med J 111 : 428-430, 1998
by otowelt
| 2009-05-16 10:42
| レクチャー