SUTURN試験概要:タルセバの役割
2009年 05月 29日
3月の時点(http://pulmonary.exblog.jp/9911201/)でわかっていたことだが、
エルロチニブ(タルセバ)のphase3 SATURN試験で、
NSCLCのケモ後PFSが有意に改善したという発表が、今回正式にあった。
プラチナを中心とした化学療法の一次治療で進行しなかった患者に対して、
エルロチニブが維持治療として投与された。EGFR mutation陽性の
患者では顕著なPFSの改善が認められた。
SATURN試験はランダム化二重盲検試験で、NSCLC889人を対象に実施。
プラチナベースの一次治療を4サイクル行った後に、
進行が見られない患者をエルロチニブ群とプラセボ群に分けた。
プライマリエンドポイントはoverall PFS、EGFR陽性患者のPFS。
セカンダリエンドポイントは、OS、安全性、EGFR変異およびK-ras変異を含む
バイオマーカーの評価とされた。
エルロチニブ群の患者の25%は6カ月後まで病勢進行がなく、
プラセボ群では15%だった。PFS中央値はエルロチニブ群で12.3カ月、
プラセボ群は11.1カ月であったが、ハザード比0.71、p<0.00001だった。
EGFR陽性患者のPFSでも、エルロチニブ投与による有意な改善が示された
(HR0.69、p<0.0001)。
PFSの改善は扁平上皮癌でも(HR0.76、p=0.0148)、
非扁平上皮癌でも認められた(HR0.68、p<0.0001)。
サブグループ解析において、EGFR変異陽性の患者では、プラセボ群に比べ、
エルロチニブ群のPFSは10倍にも及んだ(HR0.10、p<0.0001)。
by otowelt
| 2009-05-29 18:33
| 肺癌・その他腫瘍