アリムタのメンテナンス療法の有用性: ASCO2009速報
2009年 06月 02日
・ASCO2009より速報
NSCLCに対する維持療法としてペメトレキセドを使用した場合、
対照群に比べてOSを延長できることが無作為化二重盲検phaseIII試験
で明らかとなった。
方法:
IIIB期とIV期のNSCLC患者を対象に、前治療としてゲムシタビン、
ドセタキセル、パクリタキセルのいずれかとシスプラチンまたはカルボプラチンを
組み合わせた治療を4サイクル実施し、CR、PR、SDが得られた患者を
2群に分けて行われた。
ペメトレキセド500mg/m2を21日1サイクルで投与し、その後BSC: 441人
プラセボを21日1サイクルで投与し、その後BSC: 222人
プライマリエンドポイントはPFS。セカンダリエンドポイントはOS、response rate、
DCR(CR+PR+SD)、安全性と毒性プロファイル。
結果:
サイクル数中央値は、ペメトレキセド群で5、プラセボ群で3.5。
試験の結果、PFS中央値はペメトレキセド群が4.0カ月、プラセボ群が2.0カ月
(HR0.60 95%CI 0.49-0.73、p<0.00001)であったため、
統計学的に有意にペメトレキセド群の方が良かった。
組織別にみると扁平上皮癌(182人)ではペメトレキセド群が2.4カ月、
プラセボ群が2.5カ月。(HR1.03 95%CI 0.77-1.5、p=0.896)
一方、非扁平上皮癌(481人)ではペメトレキセド群が4.4カ月、
プラセボ群が1.8カ月。(HR0.47 95%CI 0.37-0.6、p<0.00001)で、
より明確にペメトレキセド群の方が長かった。
OS中央値はペメトレキセド群が13.4カ月、プラセボ群が10.6カ月
(HR0.79 95%CI 0.65-0.95、p=0.012)でペメトレキセド群の方が
長かった。組織別に見ると扁平上皮癌では差がなかったのに対して、
非扁平上皮癌では、ペメトレキセド群の方が長かった。
奏効率はペメトレキセド群が3.4%、プラセボ群が0.5%、
DCRはペメトレキセド群が49.1%、プラセボ群が28.9%だった。
毒性は、ペメトレキセド群の方がグレード3/4の副作用を起こす場合が多かった。
ペメトレキセド群で目立ったのは、倦怠感が5%、好中球減少症が3%、貧血が3%。
by otowelt
| 2009-06-02 15:33
| 肺癌・その他腫瘍