BALF中ヘモジデリン貪食マクロファージ20%以上は、DADの予後不良


Haemosiderin-laden macrophages in the bronchoalveolar lavage fluid of patients with diffuse alveolar damage
Eur Respir J 2009; 33:1361-1366


背景:
 BALFにおけるヘモジデリン貪食マクロファージは、びまん性肺胞出血の 
 診断に利用されるが、DADの評価には使われていない。
 この試験では、外科的肺生検で診断のついた21人のDAD患者からBALFを採取。

結果:
 21人の平均年齢は68歳。14人 (67%) が男性で12人 (57%)が免疫不全。
 BALFにおけるヘモジデリン貪食マクロファージは平均5%(0–90%)であるが、
 7人の患者では20%以上であった。これはびまん性肺胞出血の診断に使用される
 カットオフ値である。この20%以上のヘモジデリン貪食マクロファージが
 BALFでみられる患者は予後不良で死亡率が高かった。(p = 0.047)

結論:
 呼吸不全患者で20%以上のヘモジデリン貪食マクロファージがBALFでみられる
 場合、肺胞出血でなければDADの可能性もあり、この場合DADだと死亡率は高い。
by otowelt | 2009-06-24 14:22 | 気管支鏡

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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