緩和的鎮静(PST)はMSTを縮めない


ターミナルの患者さんにミダゾラム(ドルミカム)を用いる場合、
私たちの病院では非常に慎重におこなっている。
ガイドラインでも結構重めに設定されているので、
ホイホイとセデーションをかけてしまうのは憚られる実情がある。

このセデーションをかけるタイミングは、うちの病院の緩和ケアチームでは
家族(本人含)および主治医、医療スタッフの
一致して緩和的鎮静の必要性があると判断したときに限っている。

このセデーションは、生存期間をどう左右するのかという論文が
Annals of oncologyから出ていた。
結果としては、むしろ少し生存期間を延長するくらいの印象すら受ける。


Palliative sedation therapy does not hasten death: results from a prospective multicenter study
Annals of Oncology 2009 20(7):1163-1169;


背景および背景: 
 緩和的鎮静(PST) は、癌に対する緩和ケアが抵抗性であり耐えられない場合に
 用いられる。このPSTがターミナルの患者において有害かどうかを検討した。
 PSTを用いる群(A)と、一般的な緩和ケアプラクティスを用いる群(B)にわけた。

結果:
 518人が登録され、267人がA、251人がB。
 25.1%の患者がPSTに承諾。
 平均および中央鎮静期間はそれぞれ
 4日(standard deviation 6.0) 、2日(range 0–43)。
 MSTはA群で12日[90%CI 10–14]、B群で9日(90% CI 8–10)(P = 0.330)

緩和的鎮静(PST)はMSTを縮めない_e0156318_164975.jpg


結論:
 PSTは、緩和ケア抵抗性の場合に用いたとしてもMSTを縮めない。
by otowelt | 2009-07-07 16:49 | 肺癌・その他腫瘍

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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