肺癌のTNM分類が変更
2009年 02月 09日
呼吸器内科医なら皆さん知ってますが、肺癌のTNM分類が変わります。
肺癌の取扱規約はまだ出版されていないため、
厳密な変更はそれからになるのでしょうが・・・。
Goldstraw, P, et al. The IASLC Lung Cancer Staging Project: Proposals for the revision of the TNM stage groups in the forthcoming (seventh) edition of the TNM classification of malignant tumours. J Thorac Oncol 2007; 2:706.
<UICC7(7th edition TNM staging system for lung cancer )>
●原発巣(T)
T1:腫瘍径が3cm以下
腫瘍は肺組織または臓側胸膜に囲まれているが、葉気管支より中枢に浸潤しない
T1a:腫瘍径が2cm以下
T1b:腫瘍径が2cm~3cm
T2:腫瘍径が3cm~7cm、あるいは以下の特徴を有する
・主気管支に浸潤が及ぶが腫瘍中枢側が気管分岐部より2cm以上離れている
・臓側胸膜浸潤がある
・腫瘍によって肺門におよぶ無気肺あるいは閉塞性肺炎があるが、
一側全体には及ばない。
T2a:腫瘍径が3cm~5cm
T2b:腫瘍径が5cm~7cm
T3:腫瘍径が7cmをこえるもの、あるいは以下の特徴を有する
・胸壁浸潤
・横隔膜浸潤
・横隔神経浸潤
・縦隔胸膜浸潤
・壁側胸膜浸潤
・腫瘍が気管分岐部から2cm未満におよぶが、気管分岐部に浸潤のないもの
・腫瘍による無気肺あるいは閉塞性肺炎が一側肺全体に及ぶもの
・同一肺葉内に存在する腫瘍結節
T4:腫瘍のサイズは問わず、以下に浸潤するもの
・縦隔浸潤
・心臓浸潤
・大血管浸潤
・気管浸潤
・反回神経浸潤
・食道浸潤
・椎体浸潤
・同側肺に存在する複数の腫瘍結節
●所属リンパ節(N)
N0:所属リンパ節転移無し
N1:同側の気管支周囲リンパ節、肺内リンパ節、および/または、
同側の肺門リンパ節への転移あるいは直接進展
N2:同側の縦隔、および/あるいは、鎖骨下リンパ節への進展
N3:対側縦隔、あるいは対側肺門リンパ節、あるいは同側・対側の斜角筋
あるいは鎖骨下リンパ節への転移
●遠隔転移 (M)
M0:遠隔転移なし
M1:遠隔転移あり
M1a:対側肺葉内に存在する腫瘍結節
悪性胸水・悪性心嚢水
M1b:遠隔転移あり
●病期分類
Stage IA: T1a-T1b N0 M0
Stage IB: T2a N0 M0
Stage IIA:T1a-T2a N1 M0
T2b N0 M0
Stage IIB:T2b N1 M0
T3 N0 M0
Stage IIIA:T1a-T3 N2 M0
T3 N1 M0
T4 N0-N1 M0
Stage IIIB:T4 N2 M0
T1a-T4 N3 M0
Stage IV:Any T Any N M1a or M1b
●変更点
T:
T1病変は、T1a:腫瘍径が2cm以下、T1b:腫瘍径が2cm~3cmに細分化
T2病変は T2a:腫瘍径が3cm~5cm 、T2b:腫瘍径が5cm~7cm に細分化
7cm以上はT2だったものが全てT3に変更
同一肺葉内結節のT4だったものがT3に変更
同一肺の異なる肺葉の腫瘍結節はM1だったものがT4に変更
悪性胸水・悪性心嚢水はT4だったものがm1に変更
N:
変更点なし
M:
M1a:対側肺葉内に存在する腫瘍結節、悪性胸水・悪性心嚢水およびM1b:遠隔転移あり に
細分化
病期:
T2aN1M0がIIBではなくIIAへ変更
T2bN0M0がIBではなくIIAへ変更
T3 (>7 cm), N0M0がIBではなくIIBへ変更(7cm以上であれば問答無用でT3)
T3 (>7 cm), N1M0がIIBではなくIIIAへ変更(7cm以上であれば問答無用でT3)
T3N0M0 (同一肺葉内結節)がIIIBではなくIIBへ変更
T3N1M0あるいはT3N2M0 (同一肺葉内結節)がIIIBではなくIIIAへ変更
T4M0 (同側肺内結節)がIVではなく、IIIA (N0 or N1のとき) あるいは
IIIB (N2 or N3のとき)に変更
T4M0 (direct extension)がIIIBではなくIIIA (N0 or N1のとき)に変更
悪性胸水(M1a)はIIIBではなくIVに変更
肺癌の取扱規約はまだ出版されていないため、
厳密な変更はそれからになるのでしょうが・・・。
Goldstraw, P, et al. The IASLC Lung Cancer Staging Project: Proposals for the revision of the TNM stage groups in the forthcoming (seventh) edition of the TNM classification of malignant tumours. J Thorac Oncol 2007; 2:706.
<UICC7(7th edition TNM staging system for lung cancer )>
●原発巣(T)
T1:腫瘍径が3cm以下
腫瘍は肺組織または臓側胸膜に囲まれているが、葉気管支より中枢に浸潤しない
T1a:腫瘍径が2cm以下
T1b:腫瘍径が2cm~3cm
T2:腫瘍径が3cm~7cm、あるいは以下の特徴を有する
・主気管支に浸潤が及ぶが腫瘍中枢側が気管分岐部より2cm以上離れている
・臓側胸膜浸潤がある
・腫瘍によって肺門におよぶ無気肺あるいは閉塞性肺炎があるが、
一側全体には及ばない。
T2a:腫瘍径が3cm~5cm
T2b:腫瘍径が5cm~7cm
T3:腫瘍径が7cmをこえるもの、あるいは以下の特徴を有する
・胸壁浸潤
・横隔膜浸潤
・横隔神経浸潤
・縦隔胸膜浸潤
・壁側胸膜浸潤
・腫瘍が気管分岐部から2cm未満におよぶが、気管分岐部に浸潤のないもの
・腫瘍による無気肺あるいは閉塞性肺炎が一側肺全体に及ぶもの
・同一肺葉内に存在する腫瘍結節
T4:腫瘍のサイズは問わず、以下に浸潤するもの
・縦隔浸潤
・心臓浸潤
・大血管浸潤
・気管浸潤
・反回神経浸潤
・食道浸潤
・椎体浸潤
・同側肺に存在する複数の腫瘍結節
●所属リンパ節(N)
N0:所属リンパ節転移無し
N1:同側の気管支周囲リンパ節、肺内リンパ節、および/または、
同側の肺門リンパ節への転移あるいは直接進展
N2:同側の縦隔、および/あるいは、鎖骨下リンパ節への進展
N3:対側縦隔、あるいは対側肺門リンパ節、あるいは同側・対側の斜角筋
あるいは鎖骨下リンパ節への転移
●遠隔転移 (M)
M0:遠隔転移なし
M1:遠隔転移あり
M1a:対側肺葉内に存在する腫瘍結節
悪性胸水・悪性心嚢水
M1b:遠隔転移あり
●病期分類
Stage IA: T1a-T1b N0 M0
Stage IB: T2a N0 M0
Stage IIA:T1a-T2a N1 M0
T2b N0 M0
Stage IIB:T2b N1 M0
T3 N0 M0
Stage IIIA:T1a-T3 N2 M0
T3 N1 M0
T4 N0-N1 M0
Stage IIIB:T4 N2 M0
T1a-T4 N3 M0
Stage IV:Any T Any N M1a or M1b
●変更点
T:
T1病変は、T1a:腫瘍径が2cm以下、T1b:腫瘍径が2cm~3cmに細分化
T2病変は T2a:腫瘍径が3cm~5cm 、T2b:腫瘍径が5cm~7cm に細分化
7cm以上はT2だったものが全てT3に変更
同一肺葉内結節のT4だったものがT3に変更
同一肺の異なる肺葉の腫瘍結節はM1だったものがT4に変更
悪性胸水・悪性心嚢水はT4だったものがm1に変更
N:
変更点なし
M:
M1a:対側肺葉内に存在する腫瘍結節、悪性胸水・悪性心嚢水およびM1b:遠隔転移あり に
細分化
病期:
T2aN1M0がIIBではなくIIAへ変更
T2bN0M0がIBではなくIIAへ変更
T3 (>7 cm), N0M0がIBではなくIIBへ変更(7cm以上であれば問答無用でT3)
T3 (>7 cm), N1M0がIIBではなくIIIAへ変更(7cm以上であれば問答無用でT3)
T3N0M0 (同一肺葉内結節)がIIIBではなくIIBへ変更
T3N1M0あるいはT3N2M0 (同一肺葉内結節)がIIIBではなくIIIAへ変更
T4M0 (同側肺内結節)がIVではなく、IIIA (N0 or N1のとき) あるいは
IIIB (N2 or N3のとき)に変更
T4M0 (direct extension)がIIIBではなくIIIA (N0 or N1のとき)に変更
悪性胸水(M1a)はIIIBではなくIVに変更
by otowelt
| 2009-02-09 09:18