ボリュームCTで検出された肺結節影の管理
2009年 12月 03日
外来でも肺結節影がみられたときの方針というのは
定まっていないので、当院では当院の方針にしたがって
観察をおこなっている。
Management of Lung Nodules Detected by Volume CT Scanning
N Engl J Med 2009; 361 : 2221 - 9
背景:
肺癌リスクの高い被験者を対象とした肺癌スクリーニング試験でMSCTが
使用されるようになり、CT で非石灰化肺結節が発見された場合
医師がどういった方針を決めるかという問題がある。
方法:
肺癌スクリーニングの無作為化試験において、7557人の参加者を対象に
1年目(1回目)、2年目(2回目)、4年目(3回目)にCTスクリーニングを実施。
ソフトウェアを使って、体積または体積倍加時間に基づく非石灰化肺結節の
評価を行なった。肺癌の増大は「2回の検査間に体積が25%以上増加すること」と
定義した。1回目の検査の判定は、肺結節の体積が50 mm3未満であるか、
肺結節の体積が50~500mm3でありかつ3ヵ月後の追跡CT検査時までに
増大がみられなかったか、または増大がみられても体積倍加時間が400日以上
であった場合に陰性とした。
結果:
1 回目では参加者の2.6%、2回目では1.8%が陽性。1回目スクリーニングの
感度は、94.6%(95%CI 86.5~98.0)であり、陰性適中率は99.9%
(95%CI 99.9~100.0)であった。1回目が陰性であった7361例では
2年間の追跡調査で20の肺癌が検出された。
結論:
肺癌リスクの高い被験者において、3 回のCT 検査で体積または
体積倍加時間に基づき非石灰化肺結節の評価を行った場合、1回目が陰性で
それ以降に肺癌が発見される確率は、1年後で1/1000、2年後で3/1000だった。
by otowelt
| 2009-12-03 23:07
| 肺癌・その他腫瘍