敗血症治療の根拠
2009年 12月 07日
・ステロイド
適切な抗菌薬、十分な輸液を投与しても、血管作動薬の減量ができない
早期のseptic shockであれば、300mg/日未満のヒドロコルチゾン静脈内投与
を考慮してもよく、この場合rapid ACTH試験は不要である(CORTICUS試験より)。
投与期間に関するエビデンスはない。
根拠:・重症疾患やストレス下では、視床下部~下垂体~副腎皮質系が低下する。
そのためフリーコルチゾルの増加が乏しいため。
・重症患者では、コルチゾル組織抵抗性が存在する。
・ガンマグロブリン
エビデンスは乏しいが、抗菌薬治療開始3日で効果がみられない場合
ガンマグロブリン5g×3日間の治療を検討してもよい。
根拠:・食細胞の貪食作用を促進するオプソニン化
・補体を介した溶菌作用促進
・毒素・ウイルスの中和作用
・Fc受容体を介した、抗体依存性細胞障害活性促進作用
・樹状細胞、T細胞、B細胞の活性化
・IL-1α/β、IL-6、TNF-αなどのサイトカインの抑制作用
・輸血
・septic shockの蘇生の最初の6時間でSv(-)O2/SvO2が低値を示す患者では
目標Ht値を30%以上にする(SSCG2008)。
・明らかな心筋虚血がなければ、輸血開始Hbレベル7.0~8.0g/dl、
目標Hbレベル7.0~9.0g/dlを推奨する(Br J Anaesth2006; 97:278-91.)。
・sepsis治療にアンチトロンビン製剤を用いるべきではない。
・輸液
・細胞外液補充液(晶質液:crystalloid)を用いる。
根拠:ICU患者で輸液蘇生が必要な場合、アルブミン投与でも生理食塩水でも
臨床的治療効果は同等である(SAFE試験より)。
・昇圧剤
・循環管理の指標としては、平均動脈圧、CVP、Sv(-)O2、PAOP(PCWP)など
があるが、指標と確実に言えるものは存在しない(Crit Care 2007; 11: R67.)
・心エコー上は左室一回仕事係数(left ventricular stroke work index)が最も
精度の高い指標である(Chest 2006; 129: 1349-66.)。
左室駆出率(LVEF)はこれより劣るが臨床上有用である。
・SSCG2008ではScvO2≧70%で組織灌流を評価してよいとしている。
(肺動脈カテーテル使用で死亡率に差はないので、肺動脈カテーテルは不要
(JAMA2005; 294: 1664-70.))
根拠:・sepsisでは末梢組織の酸素需要増加や発症時に産生されるNOの血管拡張
作用も加わって、末梢血管拡張から血圧低下を招くためモニタリング必要。
・十分な輸液でも昇圧できない場合、平均動脈圧が65mmHg以上を保てない
ようであれば、使用する。ノルアドレナリンあるいはドパミンを最初用いる。
・ノルアドレナリンとパソプレッシン(低容量)に死亡率の差はない
(NEJM 2008; 358: 877-87.)。
適切な抗菌薬、十分な輸液を投与しても、血管作動薬の減量ができない
早期のseptic shockであれば、300mg/日未満のヒドロコルチゾン静脈内投与
を考慮してもよく、この場合rapid ACTH試験は不要である(CORTICUS試験より)。
投与期間に関するエビデンスはない。
根拠:・重症疾患やストレス下では、視床下部~下垂体~副腎皮質系が低下する。
そのためフリーコルチゾルの増加が乏しいため。
・重症患者では、コルチゾル組織抵抗性が存在する。
・ガンマグロブリン
エビデンスは乏しいが、抗菌薬治療開始3日で効果がみられない場合
ガンマグロブリン5g×3日間の治療を検討してもよい。
根拠:・食細胞の貪食作用を促進するオプソニン化
・補体を介した溶菌作用促進
・毒素・ウイルスの中和作用
・Fc受容体を介した、抗体依存性細胞障害活性促進作用
・樹状細胞、T細胞、B細胞の活性化
・IL-1α/β、IL-6、TNF-αなどのサイトカインの抑制作用
・輸血
・septic shockの蘇生の最初の6時間でSv(-)O2/SvO2が低値を示す患者では
目標Ht値を30%以上にする(SSCG2008)。
・明らかな心筋虚血がなければ、輸血開始Hbレベル7.0~8.0g/dl、
目標Hbレベル7.0~9.0g/dlを推奨する(Br J Anaesth2006; 97:278-91.)。
・sepsis治療にアンチトロンビン製剤を用いるべきではない。
・輸液
・細胞外液補充液(晶質液:crystalloid)を用いる。
根拠:ICU患者で輸液蘇生が必要な場合、アルブミン投与でも生理食塩水でも
臨床的治療効果は同等である(SAFE試験より)。
・昇圧剤
・循環管理の指標としては、平均動脈圧、CVP、Sv(-)O2、PAOP(PCWP)など
があるが、指標と確実に言えるものは存在しない(Crit Care 2007; 11: R67.)
・心エコー上は左室一回仕事係数(left ventricular stroke work index)が最も
精度の高い指標である(Chest 2006; 129: 1349-66.)。
左室駆出率(LVEF)はこれより劣るが臨床上有用である。
・SSCG2008ではScvO2≧70%で組織灌流を評価してよいとしている。
(肺動脈カテーテル使用で死亡率に差はないので、肺動脈カテーテルは不要
(JAMA2005; 294: 1664-70.))
根拠:・sepsisでは末梢組織の酸素需要増加や発症時に産生されるNOの血管拡張
作用も加わって、末梢血管拡張から血圧低下を招くためモニタリング必要。
・十分な輸液でも昇圧できない場合、平均動脈圧が65mmHg以上を保てない
ようであれば、使用する。ノルアドレナリンあるいはドパミンを最初用いる。
・ノルアドレナリンとパソプレッシン(低容量)に死亡率の差はない
(NEJM 2008; 358: 877-87.)。
by otowelt
| 2009-12-07 09:41
| 集中治療