群発頭痛に高流量酸素療法が有効
2009年 12月 22日
救急当直なんかでは群発頭痛なのかどうなのか、うーん
という頭痛に遭遇することがしばしばある。
研修医の頃は、高流量酸素が流行っていたが、これに対する
エビデンスがJAMAから出た。ちなみに酸素療法のおおもとは
Lancet 2:92-98,1952. と古い。
群発頭痛の診断は、以下のごとく行われる。
A. B~Dを満たす発作が5回以上ある
B. 未治療で一側性の重度~極めて重度の頭痛が、眼窩部、眼窩上部
または側頭部のいずれか1つ以上の部位に、15~180分間持続する。
C. 頭痛と同側に少なくとも以下の1項目を伴う
1. 結膜充血または流涙 (あるいはその両方)
2. 鼻閉または鼻漏 (あるいはその両方)
3. 眼瞼浮腫
4. 前頭部および顔面の発汗
5. 縮瞳または眼瞼下垂 (あるいはその両方)
6. 落ち着きがない、あるいは興奮した様子
D. 発作頻度は1回/2日~8回/日である
E. その他の疾患によらない
High-flow oxygen for treatment of cluster headache: a randomized trial.
JAMA. 2009 Dec 9;302(22):2451-7.
方法:
National Hospital for Neurology and Neurosurgeryで2002~2007年
にかけて、国際頭痛学会(International Headache Society)の基準で
群発性頭痛の認められた、109人(18~70歳)について、二重盲無作為化
プラセボ対照交差試験を行った。被験者はそれぞれ4回の頭痛について、
高流量酸素治療とプラセボ治療を交互に受けた。
高流量酸素群は、群発頭痛の発症時に高流量酸素100%を12L/分でマスク吸入。
結果:
プライマリエンドポイントの、治療開始後15分の痛みの消失が認められた
割合は、プラセボ群が20%(95%CI:14~26%、148発作)だったのに対し、
高流量酸素群では78%(95%CI:71~85%、150発作)であった(p<0.001)。
セカンダリエンドポイントの、治療開始後30分の痛みの消失、
60分までの痛み軽減スケール、15分後の鎮痛剤服用の有無も
高流量酸素群がプラセボ群より有意に勝っていた。
結論:
群発頭痛の治療に高流量酸素療法は有効である。
by otowelt
| 2009-12-22 10:43
| 救急