ハロペリドールが必要なせん妄患者へクエチアピンを使用することの有益性
2010年 01月 28日
Efficacy and safety of quetiapine in critically ill patients with
delirium: A prospective, multicenter, randomized, double-blind,
placebo-controlled pilot study
Crit Care Med 2010; 38:419–427
目的:
クエチアピン(セロクエル)とプラセボを比較することによって
集中治療の現場でハロペリドール(セレネース)が必要な患者への
せん妄の効果を検証する。
デザイン:
Prospective, randomized, double-blind, placebo-controlled study
患者:
36のICU入室成人患者で検証。
Intensive Care Delirium Screening Checklist score >4 の
せん妄患者を対象としている。ただし、経腸栄養が可能で
神経学的に合併症のない患者を対象とする。
介入:
クエチアピン50mg12時間ごとあるいはプラセボに割り付け。
クエチアピンはハロペリドールが前の24時間で1回以上投与された場合に
24時間ごとに増量していく。
せん妄が解消したと判断した場合、10日以上の治療、ICU退院
を満たしたとき介入中止とする。
結果:
クエチアピンはせん妄初回解消までの期間と有意に相関。
[1.0day IQR, 0.5–3.0) vs.4.5 days (IQR, 2.0 –7.0; p =.001)]
また、せん妄期間そのものも短縮した。
[36hours (IQR, 12–87) vs. 120 hrs (IQR, 60–195; p =.006)]
Sedation-Agitation Scale score ≧5 を満たす時間も少なかった。
[6 hours (IQR, 0–38) vs.36 hrs (IQR, 11–66; p =.02)]
死亡率に関してはクエチアピン11%、プラセボ17%。
ICU在室日数は16日と同等。
QTc延長や錐体外路症状は両群とも同等。
結論:
ハロペリドールを用いたせん妄管理にクエチアピンを使用することは
せん妄短縮、退院・リハビリにとって有益である。
delirium: A prospective, multicenter, randomized, double-blind,
placebo-controlled pilot study
Crit Care Med 2010; 38:419–427
目的:
クエチアピン(セロクエル)とプラセボを比較することによって
集中治療の現場でハロペリドール(セレネース)が必要な患者への
せん妄の効果を検証する。
デザイン:
Prospective, randomized, double-blind, placebo-controlled study
患者:
36のICU入室成人患者で検証。
Intensive Care Delirium Screening Checklist score >4 の
せん妄患者を対象としている。ただし、経腸栄養が可能で
神経学的に合併症のない患者を対象とする。
介入:
クエチアピン50mg12時間ごとあるいはプラセボに割り付け。
クエチアピンはハロペリドールが前の24時間で1回以上投与された場合に
24時間ごとに増量していく。
せん妄が解消したと判断した場合、10日以上の治療、ICU退院
を満たしたとき介入中止とする。
結果:
クエチアピンはせん妄初回解消までの期間と有意に相関。
[1.0day IQR, 0.5–3.0) vs.4.5 days (IQR, 2.0 –7.0; p =.001)]
また、せん妄期間そのものも短縮した。
[36hours (IQR, 12–87) vs. 120 hrs (IQR, 60–195; p =.006)]
Sedation-Agitation Scale score ≧5 を満たす時間も少なかった。
[6 hours (IQR, 0–38) vs.36 hrs (IQR, 11–66; p =.02)]
死亡率に関してはクエチアピン11%、プラセボ17%。
ICU在室日数は16日と同等。
QTc延長や錐体外路症状は両群とも同等。
結論:
ハロペリドールを用いたせん妄管理にクエチアピンを使用することは
せん妄短縮、退院・リハビリにとって有益である。
by otowelt
| 2010-01-28 16:28
| 集中治療