慢性骨髄白血病の同胞間からの移植に際して、喫煙は全生存率を下げる


The effect of smoking on allogeneic transplant outcomes
Biol Blood Marrow Transplant 15:1277-1287, 2009


方法:
 国際血液・骨髄移植調査センターのデータを利用して、CML症例を対象
 とした非喫煙者(NS)と喫煙者(PCS:past or current smoker)の
 同種移植結果を比較。

 CMLの第一慢性期に2193例のNSと625例のPCSが、HLA一致の
 同胞または非血縁者ドナーからの移植を受けた。年10パック以内または
 1日1パック以下の喫煙歴がある者をlow dose smoking group、
 年10パック以上かつ1日1パック以上の喫煙歴がある者を
 high dose smoking groupと定義。

結果:
 同胞から移植を受けた患者を対象として多変量解析を行うと、
 再発リスクはNSよりもPCSの方が高率であった(RR=1.67、P=0.003)。
 5年間で痰変量解析するとhigh dose smoking group、NSのTRMは
 それぞれ50%、28%であった。また多変量解析を行うと再発率は
 1.57(P<0.001)であった。5年全生存率はNS 68%、
 low dose smoking group 62%、high dose smoking group 50%
 (P<0.001)であった。
 
結論:
 CMLの同胞間からの移植に際して、喫煙は全生存率を下げる。
by otowelt | 2010-02-04 13:11 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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