冠動脈の側副血行路の発達が閉塞性睡眠時無呼吸の患者でみられる

OSASと心血管イベントは避けて通れないが、
側副血行路の論文はあまり目にしたことがなかった。

Expand+Occurrence of Coronary Collateral Vessels in Patients With Sleep Apnea and Total Coronary Occlusion
CHEST March 2010 vol. 137 no. 3 516-520


背景:
 閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA)は、冠動脈イベントのリスクファクターであると
 考えられている。
 間欠的な低酸素が心血管系に影響を及ぼしていると思われる。
 OSASは冠動脈閉塞のある患者において、側副血行路を発達させる
 可能性があると考えた。

方法:
 AHIによって分類された、34人の冠動脈閉塞のある患者を集めた。
 側副血行路はvisual analysisによってスコア化され、
 Cohen and Rentrop grading systemによって評価。

結果:
 年齢、性別、高血圧の存在、喫煙、糖尿病に関しては
 OSASとnon-OSASで明らかな違いはみられなかった。
 EFも差がみられなかった(EF 53% ± 20% vs 61% ± 20%, P = .29)。
 左室拡張期圧も変化なし(22.6 ± 8.5 mm Hg vs 18.5 ± 7.7 mm Hg, P = .41)。
 OSASは、non-OSASに比べてRentropが高かった
 (1.61 ± 1.2 vs 2.4 ± 0.7, P = .02).。
 冠動脈の側副血行路の発達が閉塞性睡眠時無呼吸の患者でみられる_e0156318_15163727.jpg

結論:
 冠動脈の側副血行路の発達が閉塞性睡眠時無呼吸の患者でみられる。
by otowelt | 2010-03-06 15:17 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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