アメリカにおける、肺炎球菌ワクチン対象外の血清型の侵襲性肺炎球菌疾患の増加
2010年 05月 15日
プレベナーは小児科領域では知っておかねばならないワクチンの1つだが、
成人にもいずれ適応される可能性があるので、
呼吸器内科医としては知っておかねばならない。
Efficacy, safety and immunogenicity of heptavalent pneumococcal conjugate vaccine in children.: Pediatr Infect Dis J 19(3):187, 2000
Effectiveness of heptavalent pneumococcal conjugate vaccine in children younger than five years of age for prevention of pneumonia.: Pediatr Infect Dis J 21(9):810, 2002
ただ、かなり気になる報告がArch Intern Medから出た。
感染症界ではかなりのトピックであり、波紋を呼んでいる。
Exposure to Children as a Risk Factor for Bacteremic Pneumococcal Disease: Changes in the Post?Conjugate Vaccine Era
Arch Intern Med. 2010;170(8):725-731.
背景:
アメリカで2000年に7価の肺炎球菌結合型ワクチン(プレベナー)が承認され、
小児に定期接種されるようになったが、その後幼児の侵襲性肺炎球菌感染症が
劇的に減少した。さらに、高齢者においても肺炎球菌による侵襲性感染症が
大きく減少した。しかしながら、小児と成人で、ワクチンの非含有血清型の
侵襲性疾患が増えていると報告された。
方法:
アメリカ、フィラデルフィア州5郡の急性期病院48施設で、
2002年10月1日~2008年9月30日まで、市中獲得型の菌血症性肺炎球菌疾患
で入院したすべての成人患者2418人に関するデータを収集。
患者から分離された肺炎球菌の血清型を調べた。
結果:
市中獲得型の菌血症性肺炎球菌疾患の成人患者は、観察期間の間に1年ごとに
7%ずつ増加していた(p=0.007)。あらゆる血清型による年間罹患率は
2002~2003年が10万人あたり12.8、2007~2008年は15.4でった。
年齢別の罹患率は、2002~2003年には、18~49歳が10万人あたり5.8、
50~64歳が12.9、65~79歳は30.0、80歳以上が63.2。
2007~2008年はそれぞれ7.9、18.9、26.8、53.6。
ワクチンに含まれる血清型が原因の患者は全体の12.6%で、
年間発生率は29%ずつ減少(率比0.71/年、95%CI0.67-0.75)。しかし、
ワクチン非含有血清型の疾患は
年間13%ずつ増加(率比1.13、95%CI1.08-1.19)。
罹患率上昇が最も大きかったのは血清型19A。
ワクチンに含まれる血清型に比べ、ワクチン非含有血清型の感染リスクが
高かったのは、80歳以上の高齢者。
結論:
肺炎球菌ワクチンの導入ののち、ワクチンに含まれる血清型による
菌血症性肺炎球菌疾患は減少したが、ワクチン非含有血清型による
菌血症性肺炎球菌疾患は増加した。
成人にもいずれ適応される可能性があるので、
呼吸器内科医としては知っておかねばならない。
Efficacy, safety and immunogenicity of heptavalent pneumococcal conjugate vaccine in children.: Pediatr Infect Dis J 19(3):187, 2000
Effectiveness of heptavalent pneumococcal conjugate vaccine in children younger than five years of age for prevention of pneumonia.: Pediatr Infect Dis J 21(9):810, 2002
ただ、かなり気になる報告がArch Intern Medから出た。
感染症界ではかなりのトピックであり、波紋を呼んでいる。
Exposure to Children as a Risk Factor for Bacteremic Pneumococcal Disease: Changes in the Post?Conjugate Vaccine Era
Arch Intern Med. 2010;170(8):725-731.
背景:
アメリカで2000年に7価の肺炎球菌結合型ワクチン(プレベナー)が承認され、
小児に定期接種されるようになったが、その後幼児の侵襲性肺炎球菌感染症が
劇的に減少した。さらに、高齢者においても肺炎球菌による侵襲性感染症が
大きく減少した。しかしながら、小児と成人で、ワクチンの非含有血清型の
侵襲性疾患が増えていると報告された。
方法:
アメリカ、フィラデルフィア州5郡の急性期病院48施設で、
2002年10月1日~2008年9月30日まで、市中獲得型の菌血症性肺炎球菌疾患
で入院したすべての成人患者2418人に関するデータを収集。
患者から分離された肺炎球菌の血清型を調べた。
結果:
市中獲得型の菌血症性肺炎球菌疾患の成人患者は、観察期間の間に1年ごとに
7%ずつ増加していた(p=0.007)。あらゆる血清型による年間罹患率は
2002~2003年が10万人あたり12.8、2007~2008年は15.4でった。
年齢別の罹患率は、2002~2003年には、18~49歳が10万人あたり5.8、
50~64歳が12.9、65~79歳は30.0、80歳以上が63.2。
2007~2008年はそれぞれ7.9、18.9、26.8、53.6。
ワクチンに含まれる血清型が原因の患者は全体の12.6%で、
年間発生率は29%ずつ減少(率比0.71/年、95%CI0.67-0.75)。しかし、
ワクチン非含有血清型の疾患は
年間13%ずつ増加(率比1.13、95%CI1.08-1.19)。
罹患率上昇が最も大きかったのは血清型19A。
ワクチンに含まれる血清型に比べ、ワクチン非含有血清型の感染リスクが
高かったのは、80歳以上の高齢者。
結論:
肺炎球菌ワクチンの導入ののち、ワクチンに含まれる血清型による
菌血症性肺炎球菌疾患は減少したが、ワクチン非含有血清型による
菌血症性肺炎球菌疾患は増加した。
by otowelt
| 2010-05-15 10:15
| 感染症全般









