βラクタマーゼ

IDATENでAmpCの話が出たので、個人的な復習のため。

●問題となる広域β-lactamase産生菌
1.ESBL (Extended-Spectrum β-lactamase)
 ・全ペニシリン、セファロスポリン、モノバクタムを分解
 ・有効なβ-lactam系抗菌薬:カルバペネム、セファマイシン、β-lactamase阻害剤合剤
2.プラスミド性Class Cβ-lactamase
 ・有効なβ-lactam系抗菌薬:カルバペネム、第4世代セファロスポリン
3.プラスミド性Metallo-β-lactamase
 ・モノバクタム以外のβ-lactamを分解可能なβ-lactamase
 ・有効なβ-lactam系抗菌薬:モノバクタムおよびピペラシリンは耐性とならない

●β-lactamaseの種類
βラクタマーゼ_e0156318_8461250.jpg

●GNRにおけるβ-lactamase(NEJM)
βラクタマーゼ_e0156318_8542543.jpg
NEJM 352:4. 2005

●Ampタンパクの種類
・AmpR:DNA binding protein
 ampCのpromotor領域に結合し、ampCの転写を抑制する。
・AmpD・N-acetyl muramyl-L-alanine amidase
 murain monomerを分解し、peptideglycanの合成に再利用する。
 変異するとβ-lactamase増加
・AmpG:膜貫通タンパク質
 murain monomerを細胞質内へ取り込む。
 欠損株では、β-lactamaseが産生されない。
・AmpE:膜タンパク質
 β-lactamとは結合しない。AmpDの合成に関与?
・AmpC:β-lactamase
by otowelt | 2010-05-18 08:54 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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