ASCO 2010速報:セレンは肺癌発症を予防しない
2010年 06月 08日
Selenium Shows No Decrease in Risk of Second Tumors for Patients with Resected NSCLC
1996年にLarry CらがセレンがNSCLCにおいて予防的効果を
持っていると発表した。
JAMA. 1996;276:1957-63
ECOGの試験結果から、セレン(Se:Selenium)は肺癌の再発、二次原発
の両方に、進行リスクを軽減する効果がないことがASCO2010で報告された。
2000年~2009年に国際phaseIII試験を実施。
被験者は切除術を受けたstageⅠNSCLCのうち術後6ヶ月間再発のない1,522例。
200μgのSeleniumまたはplaceboをランダムに配布され、服用。
試験結果は、PFSがSeleniumよりもplaceboにおいて優れていた。
再発なしの5年生存率は、placebo78%、Selenium72%、
肺癌もしくは全種類の癌の初年度の二次原発腫瘍発生率は、
それぞれplaceboで1.36%、3.66%、Seleniumで1.91%/4.11%であった。
セレンにはがんの化学予防薬としての効果は認められないことが、
大規模調査において明らかとなった。
by otowelt
| 2010-06-08 11:58
| 肺癌・その他腫瘍