ASCO 2010速報:EGFR変異のあるNSCLCにBIBW2992は有用
2010年 06月 08日
LUX-Lung2試験結果がASCO2010で発表された。
BIBW 2992は、EGFRとHER2の受容体型チロシンキナーゼに
不可逆的に結合する初の経口抗癌剤であり、呼吸器内科医の間でも話題である。
BIBW2992のおさらい
・Tovok(BIBW2992)、PF-00299804
A phase II study of BIBW 2992 in patients with adenocarcinoma of the lung and activating EGFR mutations (LUX-Lung 2).
背景および方法:
LUX-Lung 2試験は、初回治療を受けた、stage IIIB/IVのNSCLC患者を
対象にしている。1日1回50m or 40mg投与で開始し、有害事象の度合いで
40mg~20mgまで減量可能とした。プライマリエンドポイントはORR、
セカンダリエンドポイントはPFSとした。
結果:
登録患者は台湾350人、アメリカ111人の計461人で、うちEGFR変異が
あり、BIBW 2992を投与されたのは台湾104人、アメリカ25人の
計129人(男性54人、女性75人、平均61歳)。ファーストライン治療が
61人、セカンドライン治療が68人だった。ORRは60%、DCRは86%だった。
PFS中央値は14ヵ月、OS中央値は24ヵ月だった。PFS中央値は、ファースト
ライン治療の患者で14.7ヵ月、セカンドライン治療の患者で11.8ヵ月だった。
毒性プロファイルは、下痢が50mg投与で93.9%、40mg投与で96.7%と
多く、Grade3の下痢は50mg投与で21.2%、40mg投与で6.7%だった。
皮膚障害が50mg投与で91.9%、40mg投与で90.0%で、Grade3の
皮膚障害は50mg投与で25.3%、40mg投与で6.7%だった。
結論:
ファーストライン、セカンドラインともにORR,、DCR、PFSにおいて
高い効果が示された。有害事象は他のEGFR-TKIと同等と考えられる。
by otowelt
| 2010-06-08 15:04
| 肺癌・その他腫瘍