ビタミンB6とメチオニン高値は、肺癌発症リスクの低下と関連
2010年 07月 04日

JAMA. 2010;303(23):2377-2385.
方法:
1992~2000年にかけて、10ヵ国519978人を対象に行った前向きコホート試験、
European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition(EPIC)
のうち、血液採取データがある38万5,747人について追跡。
結果:
2006年までに肺癌を発症した人は899人。コントロールとして、国や性別などを
マッチングした1770人を選び、両群の血中の4種のビタミンB(B2、B6、葉酸塩の
B9、B12)とメチオニン、ホモシステイン濃度を調べ、肺癌発症率との関連を分析。
喫煙の有無を調整、血中ビタミンB6濃度が最も高い四分位範囲の
最も低い同範囲に対する、肺癌発症に関するORは
0.44(95%CI:0.33~0.60、p<0.000001)。また血中メチオニン値の同ORは
0.52(95%CI:0.39~0.69、p<0.000001)だった。
この傾向は、喫煙経験のない群、喫煙歴あり群、現喫煙群のいずれにおいてもみられ
喫煙が交絡因子ではないことが示された。また、ビタミンB6とメチオニン両値が
高いことと肺癌発症リスクの低下との関連がみられた。
ORは全体で0.41、非喫煙群0.36、喫煙歴あり群0.51、現喫煙歴群は0.42だった。
結論:
ビタミンB6とメチオニンの両値が高い場合、肺癌発症リスクの低下と関連がある。
by otowelt
| 2010-07-04 22:15
| 肺癌・その他腫瘍